自称・暴れ馬が演じるムードメーカーとは?『温泉むすめ』箱根彩耶役の声優・長江里加さんインタビュー
2016年11月4日に発表され、ネット上で大きな話題を呼んだクロスメディアプロジェクト『温泉むすめ』。日本全国の温泉地をモチーフにしたキャラクターたちがアイドル活動をすることで、地方を盛り上げ、さらに日本の温泉の素晴らしさを世界に発信するという壮大な野望を持つプロジェクトとなっています。
今回は、箱根彩耶(はこね さや)を演じる長江里加さんのインタビューをお届け! 取材当日は、キャラクターボイスの収録と、『温泉むすめ』初のテーマソング「未来イマジネーション!」のレコーディング後ということで、この2つを中心にお話を伺いました!
長江さんは自称・暴れ馬!? 箱根彩耶との共通点はスポーツマン!
──お名前と所属事務所、担当されるキャラクターの名前をお願いします。
箱根彩耶役・長江里加さん(以下、長江):箱根彩耶役を担当しています。長江里加です。所属事務所は青二プロダクションです。
──『温泉むすめ』の話を最初に聞いたときは、どんな印象を受けましたか?
長江:最初は各地の温泉地を盛り上げるためのキャラクターだと思っていたんですが、説明を聞いてみると、人間ではなく神様ということでした。箱根を盛り上げようというよりは、「温泉から湧き出てきた私達を見て」「私達自身が温泉だよ」という感じになるのかなと思いました。
──長江さんが演じる箱根彩耶はどういったキャラクターなのでしょう?
長江:ざっくりと言うと、スポーツマンで明るい優等生という感じですね。穏やかでありつつ、皆を引っ張っていくムードメーカーということなので、私自身がそうなれるかなと、ちょっと不安だったりもします。私はどちらかと言うと、突拍子もない事を言ってしまう方なので(笑)。今は落ち着いているんですが、友達と一緒にいるときは一番暴れ馬かもしれません。
──暴れ馬ですか(笑)。
長江:暴れています(笑)。なので、彩耶は私とは真逆かもしれません。似ている所を上げるなら、私も体を動かすことが好きなところですね。ジムに通って鍛えたりしています。中でも走るのが一番好きですね。風を切っている自分が好きなんです。そこはちょっと似ているかなと思います。
──他に共通点はありますか?
長江:ほとんどの方がそうだとは思うんですが、虫が苦手です。本当に苦手で、蝶とかもダメなんです。綺麗だって言う人もいますが、「えっ?」っていう感じです(笑)。あとは、同性からの人気が高いというのは、あるかもしれません。
──と言いますと、友達は多い方?
長江:そうですね、誰とでも仲良くなれると思います。でも彩耶ちゃんのように箱根の巫女はやったこと無いですね(笑)。
──彩耶は、趣味が登山、特技に日舞や薙刀がありますが、長江さんは今までに習い事をされていましたか?
長江:習い事はピアノと、卓球とテニスと、英会話と中国語と……。
──沢山されているんですね。
長江:でも長続きしないんです(笑)。教室に通うことはなくても、趣味として続けてはいますね。
──ちなみに、その中でも一番長く続いているのは何でしょうか?
長江:ピアノですね。家にピアノがあって、いつでも弾けるので。弾き語りとかすごく好きです。
──それはすごい!
長江:弾き語りの方が、実は歌いやすいんですよ。それに通じて、ずっと楽器はやっています。中学でトランペットをやって、高校でバンドを組んでギターをやったりキーボードをやったり。ドラムも少々嗜んでいました。
──ひとりでバンドが組めそうですね(笑)。
長江:レコーディングして組み合わせればできそうです(笑)。ちなみに曲を自分で作ったこともあります。
──作曲経験もあるんですか!
長江:ただ、吹奏楽部的な曲になっちゃうんですが(笑)。
──いやいや、それでも十分すごいと思います。ボイスの収録についてお聞きしたいのですが、キャラクターを演じるにあたって工夫した点や意識したポイントはありますか?
長江:私は普段の喋り方がゆっくりしていて、幼い感じなんですが、箱根ちゃんはしっかり者で爽やかな雰囲気なんです。さらに、ムードメーカーなので、スタッフの方から「私についてこい!」といった、たくましさを入れて欲しいとディレクションをいただきました。なので、そういった部分や、語尾をスパッと決めることを中心に考えながら演じました。
──では、収録した中で印象的な台詞はありますか?
長江:「よし、次は箱根の山をダッシュだよ!」ですね。
──彩耶らしい熱い台詞ですね。
長江:箱根山のダッシュは彩耶ちゃんにとっては普通の事だと聞いて、改めて野性的な雰囲気を感じ取れました(笑)。
──その他にディレクションを受けた部分はありましたか?
長江:(草津)結衣奈に対する台詞のニュアンスです。ちょっと呆れているんだけど、「まったくもう!」という呆れ方ではなくて、「もう、しょうがないなぁ」という、微笑ましい感じの呆れ方をする部分ですね。結衣奈に対して、温かくて寛容な気持ちで接しているんだなと感じました。
収録前から予想的中!? テーマソングのおすすめポイントは?
──次にテーマ曲である「未来イマジネーション!」についてお聞きしたいと思います。まず、レコーディングを終えた感想をお願いします。
長江:楽しかったです! 最初に主旋律を録るときは、ちょっとキレイに歌いすぎていたようで、「音程とかを気にしないで、感情を爆発させて」と言われて。そこからだんだん楽しくなっていきました。それまでは、「この音程に気をつけなきゃ」「ここはブレやすいから腹筋に力を入れなきゃ」とか、そんなことばかりを考えていました。その後はそういうのことを気にせず、感情をぶつけないと歌は面白くならないんだなと思い直しました。演技もそうですよね。
──仮歌を聞いたときの第一印象はいかがでしたか?
長江:最初のイントロから和テイストで、琴とギターのコラボがすごく素敵だなと思いました。その後も全体的に、すごく盛り上がりやすい曲だなと思いました。なので、これはライブでもとても盛り上がる曲だと思います。
──合いの手もありますから、お客さんと一緒に一緒に盛り上がれそうですよね。では楽曲のお気に入りポイントを教えてください。
長江:ラストのサビの前に鹿威しの音が入るんですが、そこが一番好きです! この曲が完成する前から、絶対に鹿威しが入ることを予想していたんですよ!
──見事、予想が的中したわけですね。
長江:やっぱりなと(笑)。鹿威しは静かなところで聞く音なので、「楽曲内でどのように使われるのかな?」と思っていたら、静かになった瞬間に上手く“カコンッ”と鳴って、すごく響きましたね。
──なるほど。ちなみにお気に入りのフレーズはありますか?
長江:「昨日の傷も痛みも温熱効果で忘れよう」です。これは物理的な傷だけではなく、心の傷も含まれていると思うんですが、それも温泉の力で癒やされて忘れようという、とても日本人らしいリフレッシュの仕方だなと思いました。
──先ほど感情をぶつけて歌っているとお聞きしましたが、その他に歌い方で工夫した点や、苦労した点はありますか?
長江:2番目のAメロなんですが、「湯冷め知らずのネガイは」の部分で、ニュアンスを入れてキレイになりすぎず、個性を出せるように歌いました。「自分がソロで歌ったらどうなるんだろう」と考えながら、一つ一つニュアンスを入れましたね。また、音程がところどころ複雑で、メロディが全体的に変動しやすい曲なんです。なので、その切り替えが大変でした。
──ずばり、楽曲の聞き所を教えてください!
長江:全部……と言いたいところですが、ひとつ上げるなら一番最初の頭サビですね。出だしからサビで始まるんですが、そこの「イマジネーション」という部分で伴奏がなくなって、シーンと声だけになるんです。なので、9人のハーモニーが最初にドカンときます。そこは聞き所です。
目標は箱根温泉でライブ!……からの皆で温泉!?
──『温泉むすめ』は温泉を題材にした作品ですが、長江さんは温泉はお好きですか?
長江:もちろん好きです! それこそ草津温泉に行ったことがあります。温泉卵が浮いていて、温泉卵を本当に温泉で作るっていることを、そこで初めて知りました。硫黄の匂いが充満して印象的でしたね。
──他に行ったことがある温泉はありますか?
長江:場所の名前が思い出せないんですが、富士山が見えるところの温泉に行ったことがあります。
──山梨県か静岡県あたりでしょうか?
長江:多分、どちらかだと思います。凄く小さいころだったので記憶が曖昧で。周りの大人達が「富士山だよ!」って、すごく興奮していたんですけど、当時の私は富士山の事を、“富士さん”という人物だと思っていて(笑)。目の前に富士山がドカンとあるんですけど、「山の中に富士さんという人がいるのかな?」と思いながら一生懸命探していたんですよ(笑)。
──(笑)。
長江:ただ、そこまで色々な地方に行って温泉に入ることが多くはないんですね。あくまでこれは予想なんですが、『温泉むすめ』ということで各地を回りながら、色々なところで温泉巡りをさせていただけるのではと思っています! なので、これからが楽しみです!
──この『温泉むすめ』はアイドル活動もしていきますが、歌やダンスに自信はありますか?
長江:歌については、小さい頃から色々な楽器を経験してきたので、音程は大丈夫だと思います。ただ、感情をいかに歌に込められるかは、今回の「未来イマジネーション!」がデビュー曲ということもあって少し不安ですね。これからもっとうまくなっていきたいと思います。
──ダンスはいかがですか?
長江:ダンスは今まで踊る機会が全くなかったので、なんとも言えません。でも運動神経はわりといい方だと思うので、これから得意になっていけたらいいなと思います。
──キャラクターと一緒に成長していくと。
長江:そうですね。今はまだキャラクターに追いつけていないので、これから追いつけるように頑張ります!
──では『温泉むすめ』の9人で長江さんがやってみたいことはありますか?
長江:今回の「未来イマジネーション!」は9人全員で歌っていますが、真面目なグループ、ほんわかしたグループという具合に、キャラクターを3人ずつで分割できると思うんです。その3グループで別々の曲を歌ってみたいですね。
──いわゆるユニットソングですね。
長江:雰囲気も全く異なると思うので、ぜひやってみたいです。あとは、彩耶ちゃん達のように、私達もアイドル活動をやっていければ盛り上がるんじゃないかなと思います!
──その際に箱根へ行けると良いですね。
長江:ライブで汗をかいた後に、温泉に直行して皆で癒やされたいですね。
──最後に、今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。
長江:箱根彩耶ちゃんはムードメーカーなので、私も同じようにメンバーの皆さんを盛り上げていきたいと思います。そのための準備として、もっとジムで鍛えて体力をつけたいと思います!
──ありがとうございました。
[取材・文・撮影/トヤベコウヘイ]
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商品紹介
価格:7,560円(税込)
発売日:2018/04/13 発売
◆イントロダクション
少し先の未来の日本―――。
温泉の神である“スクナヒコ”は、日本各地の温泉に宿る見習い神 “温泉むすめ”たちの中からある9人を彼女たちの学び舎に集めた。
固唾を飲んで温泉むすめたちが見守る中、スクナヒコは呼び集めた理由を説明し始める。
「おまえたち9人でアイドルグループを結成してもらう…」
日本が世界に誇る観光資源である温泉地は、時代背景の変化による影響で毎年観光客の減少が続いている。このままでは閉鎖を余儀なくされる温泉地もあるだろうと。
「温泉地でのおもてなしと同じように、今度はアイドルになって皆に笑顔と癒しを与えるのじゃ! そして、全国の温泉地に再び活気を取り戻すのじゃ!」
かくして、全国の温泉地の危機を救うべく、温泉むすめたちによるアイドル活動が始まる―――。