映画ドラえもん、担当声優さんはどの作品が好きか聞いてみた!
毎年3月には、「大長編ドラえもん」が現在公開中です。映画のドラえもんには、名作が多く、世代ごとに想い出の作品が存在しており、各世代で一緒に楽しめるということもあり、たくさんの方が楽しみにしているのではないでしょうか。
2017年の今年は、映画のドラえもんとして、初上陸になる「南極」をテーマにした『のび太の南極カチコチ大冒険』です。本作は、ドラえもんのキャスト変更後の1作目となった『のび太の恐竜2006』や、昨年公開された『新・のび太の日本誕生』などのリメイクとは違う、完全オリジナルの大長編ドラえもんです。初週は好調な滑り出しで、大長編ドラえもんの記録を塗り替えるかもしれません(註1)。
註1:初日12時の段階で、シリーズ最高興収を突破した昨年公開の『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』(興行収入41.2億円)のスタートを122%上回る入り状況
そんな、劇場版ドラえもんですが、『のび太の南極カチコチ大冒険』で、37作目、新キャストになって12作目を迎えます。
作品の数だけ想い出がある大長編ドラえもんですが、メインキャストの5名の方々に、オススメ作品を伺ってきました! さて、みなさんは、どんな作品を選んでいるでしょうか?
「大長編シリーズで何が好きか?」という質問は、今までにも聞かれたんですが、私もずっと変わらず、『のび太の恐竜2006』がベストワンです。映画に出演できるっていうのは、ほんのちょびっとですけど、安堵した瞬間でもあり、ひとつの大きな節目でもありました。
『のび太の恐竜2006』は、藤子・F・不二雄先生が一番大好きだった恐竜の作品です。そんな作品を世代交代してから1作目にやらせてもらえて……。一番の名作だと思っていますし、私たちキャストもグッと絆が深まりました。
[のび太の恐竜2006]劇場予告編
註1:『のび太の恐竜2006』は、キャスト変更後であるドラえもん第二期で初めて、公開された大長編ドラえもん26作目。1作目の大長編である、『のび太の恐竜』(1980年)のリメイク作品でもある。ゲスト声優として、神木隆之介さん(ピー助役)も出演。
※水田わさびさんには、下記の取材の時に、コメントを頂いております。
【ニュース】「非日常と日常の交差 その繋がりに夢がある」ドラえもん役・水田わさびさんが『ドラえもん』の魅力を語る――『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』インタビュー https://t.co/5p3Q1FnlKp pic.twitter.com/ndEJ5SXeKI
— アニメイトタイムズ公式 (@animatetimes) 2017年3月5日
のび太役・大原めぐみさんのオススメ大長編ドラえもん
『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち~』(2011年)
『のび太の恐竜2006』が好きなんですが、これはアフレコの時に、ピー助(CV:神木隆之介さん)とお別れしなければならないところの気持ちの持って行き方が苦しかったんですよね。当然アフレコの時に泣きましたし、何度も録り直しがあったので、大変だったのを覚えています。
あとは、『新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち~』(註2)ですね。ピッポ(CV:小林由美子さん)との心のつながりだったり、リルル(CV:沢城みゆき)としずかちゃんの女同士の友情であったり、そんなところが好きでした。印象的だったのは、リルルがケガをしてしまって、しずかちゃんが看病するシーン。看病するけど、リルルがまたしずかちゃんに攻撃するじゃないですか。「あんたなんか知らない」って言って出ていっちゃうけど、ゴミ箱に捨てられた人形を見て、しずかちゃんが思い直して戻ってくるところが、キャラクターの心情をすごくうまく描いているなと思って、そういうところにも涙しました。
[のび太の恐竜2006]劇場予告編
[新・のび太と鉄人兵団]劇場予告編
註2:『新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち~』は、1986年に公開された『のび太と鉄人兵団』のリメイク作品。2011年3月5日の公開から数日後の3月11日に東日本大震災が起こっている。
しずか役・かかずゆみさんのオススメ大長編ドラえもん
『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち~』(2011年)
私は『のび太の恐竜2006』です。やっぱり私たちがキャストとして関わった初めての映画で、その緊張感というものが未だに色濃く残っていますね。あと、『新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち~』も大好きです。公開された時に、東日本大震災が起こり、劇場公開が自粛されてしまったので、観ていない方がもしかしたら多いのかもしれないですね。お話も素敵で感動する作品なので、改めて観てほしい作品です。
[のび太の恐竜2006]劇場予告編
[新・のび太と鉄人兵団]劇場予告編
僕は『のび太のひみつ道具博物館』(註3)ですね。藤子先生の原作があるものはどれも好きなので、あえてオリジナル作品の『のび太のひみつ道具博物館』がいいかなと……。僕は昔からひみつ道具同士で力が相殺するものもあるなと思っていて、そういうものをモチーフにして対決したら面白いだろうなと思っていたので、それが描かれていた感じですね。ひみつ道具を使う怪盗が現れて、ドラえもんが対抗して戦うっていうのが非常に面白かったです。『ドラえもん』を好きな人が考えた作品という感じがしますね。ああいったものをもっと観られたら楽しいなと思いました。
[のび太のひみつ道具博物館]予告編
註3『のび太のひみつ道具博物館』:通算33作目、2013年公開。『のび太の人魚大海戦』(2010年)、『のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~』(2012年)に続く、ドラえもん第二期のオリジナル作品3作目。三瓶由布子さん、愛河里花子さん、堀江由衣さん、千葉繁さん、土師孝也さん、松平健さんなど、数多くのゲスト声優が参加。
ジャイアン役・木村昴さんのオススメ大長編ドラえもん
2作目『のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~』(註4)が印象印に残っています。1作目をやり終えて、何となく、劇場版の雰囲気をつかんでからの2作目という感覚があって、心持ちの余裕みたいなものがほんのちょっと芽生えたぐらいの感じでした。
あの映画ですごく印象的だったのは、石になってしまったのび太が空き地に落ちてくるシーン。そこでサッカーをしていたジャイアンとスネ夫がそれを見て、「ストーンと落ちてきね、石だけに!」っていうアドリブを関さんが入れたんです(笑)。
それを見た時に、「あっ、アドリブって入れていいんだ!」って、その時に初めて思いました。それから、劇場版ならではのダジャレみたいなアドリブをもう2年くらい続けていたんですけど、いつからかもうやらなくなっちゃいましたね(笑)。それでも、演じるのがさらに楽しくなったということを知れた作品でした。あと、ゲスト声優の相武紗季さんがとってもキレイでした(笑)。
[のび太の新魔界大冒険]劇場予告編
註4:『のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~』は、ドラえもん第二期の二作目であり、大長編27作目。1984年に公開された5作目の大長編『のび太の魔界大冒険』のリメイク作品でもある。ゲスト声優として、相武紗季さん(満月美夜子役)も出演。
※大原めぐみさん、かかずゆみさん、関智一さん、木村昴さんには、下記の取材の時に、コメントを頂いております。
のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫が語る『映画ドラえもん』の魅力――『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』インタビュー https://t.co/RWypijX34P #ドラえもん
— アニメイトタイムズ公式 (@animatetimes) 2017年3月4日
キャストの方々の大長編の想い出は、ドラえもんと共に歩んでいるのがよく分かる感じです。みなさんの中にも、コメントを読んで、感動が蘇った人も数多くいるのではないでしょか。そんな、大長編ドラえもんの最新作、『のび太の南極カチコチ大冒険』は、2017年3月4日より公開中です。ドラえもんらしい、SF(すこしふしぎ)感が、ぎゅうっと詰まった、新たな感動作にも注目です!
[取材・文]宋 莉淑(ソン・リスク)
作品概要
『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』
3月4日(土)全国東宝系ロードショー!
【STORY】
真夏の暑さに耐えかねたのび太たちが向かったのは、南太平洋に浮かぶ巨大な氷山。ひみつ道具「氷細工ごて」で遊園地を作っていたのび太たちは、氷漬けになっている不思議なリングを見つける。調べてみたところ、そのリングが埋まっていた氷は、人が住んでいるはずもない10万年前の南極のものだった。南極へと向かうドラえもんたち。その前に、氷の下に閉ざされた巨大な都市遺跡が姿を現す―。
■公開時期:2017年3月4日(土)
■タイトル:「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」
■原作:藤子・F・不二雄
■監督・脚本・演出:高橋敦史(『青の祓魔師 ―劇場版―』)
■CAST:ドラえもん:水田わさび のび太:大原めぐみ しずか:かかずゆみ ジャイアン:木村昴 スネ夫:関智一 ドラミ:千秋
■主題歌:平井堅「僕の心をつくってよ」(アリオラジャパン)
>>公式サイト