ディズニー・アニメ『モアナと伝説の海』 声優インタビュー

『モアナと伝説の海』で声優に挑戦した、屋比久知奈さんと尾上松也さんは、「声優という仕事」をどう感じた?

ディズニー・アニメーションの最新作『モアナと伝説の海』がいよいよ3月10日(金)に公開となります。本作は、南太平洋で語り継がれる伝説をもとに、海に選ばれた少女・モアナが伝説の英雄のマウイと出会い、世界を守るために大海原を冒険する物語。

そんな本作のヒロイン・モアナの日本版声優に抜擢された屋比久知奈(やびくともな)さんとマウイを演じる、歌舞伎俳優として大活躍の尾上松也(おのえまつや)さんにインタビューをおこないました。

本作が声優初挑戦となるおふたりの心境やキャラクターに対する想いはもちろんのこと、おすすめのシーンやディズニー・アニメーションの中で大好きなヒロイン像などたっぷり語っていただきました! 『モアナと伝説の海』がより一層楽しめる内容となっておりますので、ぜひご覧ください。

▲左より、屋比久知奈さん(モアナ役)、尾上松也さん(マウイ役)

▲左より、屋比久知奈さん(モアナ役)、尾上松也さん(マウイ役)

ディズニー・アニメーションの中でも歴史に残る作品

――いよいよ3月10日(土)に公開となりますが、現在の心境をお聞かせください。

尾上松也さん(以下、松也):本当に公開が待ち遠しいのが正直な気持ちです。最初は、自分が声優をさせていただくこと、孤独な作業でもある吹き替えがどうなるのか不安な部分もありました。ですが、完成した作品を観させていただいたときは、性別・年齢問わず、多くの方に楽しんでいただけると自信が持てるようになりました。日本の皆さんに受け入れてもらえるのか、早く反応が見たいです。

また、『モアナと伝説の海』はモアナを演じる屋比久さんの声や歌がすごく素晴らしいので、間違いなくディズニー・アニメーションの中でも歴史に残る作品ではないかと確信しています。

▲モアナとマウイ

▲モアナとマウイ


屋比久知奈さん(以下、屋比久さん):私も松也さんと同じ気持ちです。少しは不安もあるんですけど、ワクワクしています。早く多くの方々に見ていただきたいですし、どんな感想を持たれたのかすごく気になりますね。『モアナと伝説の海』はいろいろな見方ができる作品です。10代の方や私と同じ20年代の方だけでなく、お父さんやお母さんの世代、さらにおじいちゃんやおばあちゃんの世代の方もさまざまな立場で楽しんでいただけ、いろいろな感想を持っていただけるのではないかと思います。早く皆さんの声が聞きたい気持ちでいっぱいです。

――松也さん演じるマウイは陽気なキャラクターですが、ご自身と共通する部分はありますか?

松也:そうですね。共通する部分でいうと、本能とノリで生きている部分ですね。それがよくない方向に行っても、とりあえず何とかなるという打算的な部分にも共通点を感じます。ですが僕はマウイみたいな繊細さは持ち合わせてはいないので(笑) マウイの場合はそれが「人に認められたい」、「皆に愛されたい」という気持ちから一生懸命になるのだと思います。

――松也さんは打算的だけど、繊細的な部分が抜けているんですか?

松也:そうですね(笑) マウイの繊細的な部分が抜けている感じです。

一同:(笑)

――屋比久さんとモアナは南国で生まれ育ったという共通点がありますね。

屋比久:はい。モアナの海に対する感覚や海が生活の一部であることが共通していると思います。外の世界に憧れる気持ちを私自身も持っていましたので、理解できる部分はたくさんありました。

――屋比久さんも海を超えて違う世界に行ってみたい気持ちがあったんですね。

屋比久:はい。外の世界がキラキラ輝いて見えるんです。もちろん沖縄は大好きですし、島が大好きなモアナの気持ちもすごくわかります。けど、それとは違う思いが外の世界に対してあり、そんなモアナの揺れ動く気持ちに共感しました。

――オーディションに合格して、外の世界へ羽ばたいた屋比久さんの心境と似ていますね。

屋比久:はい。私自身、『モアナと伝説の海』の出演が外の世界へ羽ばたく大きなきっかけになりました。

モアナが海を見つめる最後のシーンに注目!

――おふたりとも今回が声優初挑戦となりましたが、実際にキャラクターを演じてみていかがでしたか?

松也:今回、初めて声優というお仕事をさせていただいたので、最初はどういう風に演じるのかわかりませんでした。僕自身ではなく、キャラクターが発している言葉としてお客さんに受け取ってもらえたら、と思っていたので、そのあたりを意識していました。

口の動きやタイミングに合うように台詞も調整されているのですが、決まっている秒数の中で台詞だけでなく感情も入れていかなければならない。「声優の仕事ってすごく難しい」と実感しました。歌舞伎でもいえることですが、「自分はこういう風に表現したい」、「自分はこう演じたい」と感覚で推し進めようとすると合わない。自分ではなく、自分を役に落としていかなくてはいけない。

これは、声優のお仕事も同じでした。できるだけ、画の感情に合わせて、自分をマウイに合わせていかなければならない。これは、とても集中力が必要ですし、細かい作業だなと思いました。そういう意味では、今回、改めて声優さんというお仕事の凄さを実感しました。

――屋比久さんは、演じてみていかがでしたか?

屋比久:すべてがわからないことばかりでした。正直、収録の前に声優について勉強しようとGoogleで検索してみたんです(笑) もちろん、検索だけではわからない世界だったのでぶつかってみるしかないな、という思いで演じました。実際に体験してみて、声で演じる世界の深さや面白さというのをすごく感じました。また、声ひとつでいろんな表情が出せることに、改めて気づきました。私自身も、声で演じることを学びたい気持ちでいっぱいになり、声で表現できるようになれば表現の幅が拡がることを強く感じました。貴重な経験をさせていただき、本当に幸せです。

――今までたくさんのディズニー作品が生まれてきましたが、モアナ以外で好きなヒロインがいれば教えてください!

屋比久:モアナ以外ですよね……誰だろう?

松也:僕はジャスミン(註1)ですね! 天真爛漫で自由な感じに振り回されたいですし、顔が好みです!

註1:1993年に日本公開されたディズニー・アニメーション映画『アラジン』のヒロイン。チャレンジ精神が旺盛で長い黒髪に美しい瞳を持つプリンセス。

――そうなんですね! ちなみに、モアナはいかがですか?

松也:モアナの顔も嫌いではないですけど、ただ若いですからね!

――ジャスミンも10代ですよ!

松也:そうなんですね!

一同:(笑)

――屋比久さんの好きなヒロインは誰ですか?

屋比久:印象に残っていてカッコイイなと思ったのが、ポカホンタス(註2)です。ポカホンタスという女性像に憧れていた時期がありました。もともと髪も伸ばしていたので「似ているんじゃない?」と思ったりも(笑) 自然に暮らしていて、新しい文明が自分の世界に入ってきても、ブレない芯の強さがカッコイイなと思いました。

註2:1995年に日本公開されたアニメーション映画『ポカホンタス』のヒロイン。17世紀初頭の民話・伝承をもとにしており、モデルとなったのは実在したネイティブアメリカンの女性。

――『モアナと伝説の海』の監督は『リトル・マーメイド』も担当されていました。そんな『リトル・マーメイド』のヒロインであるアリエルはいかがですか?

松也:アリエルもとても好きです。特に、女の子に人気のあるキャラクターですよね。男子からするとキャピキャピしていてかわいいと思いますけど、女の子が好きな女の子という印象があります。表面的なかわいらしさがあるヒロインですよね。『ピーターパン』のティンカーベルも女の子の本性がそのまま出ているような気がして、少しいじわるな部分も僕は嫌いじゃないです。ほとんどの女の子は本性を抑えていますよね(笑)

一同:(笑)

――最後に、『モアナと伝説の海』でおふたりが好きなシーンを教えてください。

松也:たくさんありますが、個人的にはタマトア(CV:ROLLYさん)のシーンが大好きです。ポップでありながら気持ち悪くて若干イライラする曲がたまりません。あの不気味な感じがすごく好きなんですよ。なので、そのシーンになるとワクワクします。マウイはめっためたにやられるんですが(笑)

屋比久:私が印象に残っている好きなシーンは1番最後のモアナが海を見つめる表情です。そして作品の最後のシーンはみんなが集まるのですごく好きです。

松也:エンドロールの最後も必見です!

――ありがとうございました!

 

『モアナと伝説の海』作品情報


2017年3月10日(土)全国ロードショー!

<STORY>
海に選ばれた少女モアナ――海が大好きな彼女は、島の外に出ることを禁じられながらも、幼い頃に海と“ある出会い”をしたことで、愛する人々を救うべく運命づけられる。それは、命の女神テ・フィティの盗まれた“心”を取り戻し、世界を闇から救うこと。神秘の大海原へ飛び出した彼女は、伝説の英雄マウイと出会い、世界を救う冒険に挑む。立ちはだかる困難に悩み傷つきながらも、自分の進むべき道を見つけていくモアナだったが……。

<スタッフ情報>
監督:ジョン・マスカー&ロン・クレメンツ(『リトル・マーメイド』、『アラジン』)
製作:オスナット・シューラー
製作総指揮:ジョン・ラセター
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題:Moana
全米公開:2016年11月23日

『モアナと伝説の海』公式サイト

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