TVアニメ『恋愛暴君』青山吉能さん、初のヒロイン役で新たな扉を開く!そして、彼女が感じた1話の印象とは――
2017年4月より放送中のTVアニメ『恋愛暴君』(著:三星めがね/COMICメテオ連載)にてヒロイン・グリ役を務める青山吉能さんにインタビューを敢行! 初めてメインヒロインを演じることになった気持ちをはじめ、数々の衝撃をもたらした第1話についてたっぷりと語っていただきました。
ちなみに、かなりぶっ飛んだ個性的なヒロインで印象に残っている方も多いかと思いますが、中の人もほとんど同じくらい強烈なキャラクターで、まさにグリそのものでした。
――まず、メインヒロイン役おめでとうございます! 今の気持ちは?
グリ役 青山吉能さん(以下、青山):率直な感想はブログにも書いたんですけど、マイナスな意味ではなく、自分はヒロインに向いていないと思っていたんです。でもグリを見たときに、自分に近いものを感じたんです。それで、ひょっとしたら私、グリになれるかもしれないと、見た瞬間に思いました。だからオーディションの結果を聞いたときは、運命みたいなものを感じたんです。だから向いてないと思っていたけど、グリに出会うことができて素直に嬉しかったです。
――オーディションのときから、グリは自分に合ってると感じていたんですか。
青山:「私以外にもこういう声は出せるもん」と思っていたんです。でも、グリでしゃべっているときに風景が見えたんですよね。詩人みたいですけど(笑)。藍野青司さんが目の前にいるのが見えたというか。学校があって、木がここにあってとか。台本が一瞬追えなくなるくらい、自分がグリになれた瞬間があったんです。だから結果を聞いたときは、運命なのかもしれないなって。
――でも初ヒロインですし、嬉しいですよね。
青山:私は姉と仲が良くて、大好きなので、姉にも伝えたんです。『Wake Up, Girls!』から始まって、3年経つんですけど、これまでいろいろあったんですよ、ツラいこととか。もっとアニメに出たいとか、そういう思いを全部ぶつけていた相手が姉だったので、その姉に伝えたいなと思って電話したんです。「ご報告があります!」って(笑)。そしたら姉も泣いて喜んでくれて。その後姉の家に行って、祝杯を上げて、スパムを焼いて食べました(笑)。庶民的! でも美味しいですから。
――ファンの皆さんも喜んでいましたね。
青山:ファンの方も、やっとだねって。いただいたお手紙も読んだんですけど、「ようやく陽の目を浴びるね」って(笑)。私これまで影にいたのかなって(笑)。でもいろんな表現で皆さんが喜んでくれたので、すごく嬉しいなって本当に思います。
――アフレコまで、グリをどう作っていこうと思いました?
青山:迷ったんですけど、グリと一緒に驚きや発見をしたいと思って、原作をあえて読まずに行こうかなと思ったんです。台本を読んだ時、グリと同じように驚きを感じようと。でも、いかんせん続きが気になってしまって、結局読んでしまいました……。
――ダメじゃないですか(笑)。でも何度も読んだりはしてないんですよね。
青山:…何回も読んじゃいました(笑)。ほかのキャラクターもめちゃくちゃ魅力的で、その関係性とかもじっくり読まないとわからなかったので。
――原作を見る感じだと、茜さんがやばかったです。
青山:やばいですよね。ちょっと暴力系の可愛いヒロインかと思っていたら、マジでバイオレンスで(笑)。青司くん、グサッ!みたいな。
――グリも、わりとぶっ飛んだキャラクターですよね。
青山:そうですね。おかしいですよね、普通に考えて。でも真面目なところもあるのかなと原作を読んで思いました。私って、自分で言うのもあれなんですけど、根が真面目だから突き抜けられないところがあるんです。だから私とグリの共通点があるとしたら、ちょっと真面目っていうところなのかなと思いました(笑)。
――今回は座長ということになりますが、一話のアフレコ時では、皆さんに挨拶などもしたのでしょうか。
青山:沼倉さんも原さんも、小野賢章さんも、誰かの知り合いという感じが多かったので、WUG(Wake Up, Girls!)のメンバーで良かったなと思いましたね。誰かしら接点があるので(笑)。でも原さんは現場でご一緒したことがあったので「お久しぶりです」って挨拶をしたり、長野さんは新人さんで、初めましてだったんですけど、すごくよくしゃべる方でした(笑)。「座長として、頑張らないと!」と思っていたら、意外と皆さん和気あいあいとされていたので良かったです。
――では、TVアニメ『恋愛暴君』の魅力を教えてください。
青山:『恋愛暴君』は、ハッピーになれるアニメだと思っています。スタッフ、キャストはもちろん、私自身もすごく気合いが入っているので、そういう面も見てほしいですし、魅力的なキャラクターが多いですし、見ていくとどんどんその裏事情というか、想像していなかった裏設定が出てきたりしますので、そこも楽しんでいただきたいです。すごく楽しい、1日の疲れをふっ飛ばす作品になっているので、ぜひ見ていただければと思います。
――ということは、ギャグ率が高い?
青山:高いです。私がしたことのない演技をたくさんしたので、そこも見てほしいです。
――新しい扉を開けた感じですか?
青山:はい。演技の話で言うと、『恋愛暴君』の1話が始まる前に『Wake,Up Girls!』でお世話になっている音響監督の方(菊田浩巳さん)とご飯に行ったんです。そのときに「吉能は、自分の引き出しの中でしか勝負をしない」とご指摘いただいて。「自分だったらどうするかではなく、キャラクターだったらどうするかを考えないと」っていう言葉をいただいたときに、自分の中にストンと来て。それであらためて台本を開いたとき、そうかもしれないと思いました。
グリだったらどうするんだろう、自分がグリにならないとダメなんだって。「自分はこれができないからこうする」ではなく「グリだったらこうするから私もこうする!」ということに気がついて、それを全部1話にぶつけようと臨んだんです。だから収録が始まるまでドキドキで、正直皆さんと仲良くお話したい気持ちもあったし、座長だから盛り上げないとという気持ちもあったんですけど、それも全部忘れて(笑)、少しでもグリに近づこうと台本を見てました。まだ壁はいっぱいなんですけど、頑張って乗り越えることができたらいいなって思います。
ノートに書きさえすれば結婚ですから、なんて素敵なノートなんだろうと――
――そして、先日ついに1話が放送となりました。収録を終えた時はいかがでしたか?
青山:すごくいい疲労感と達成感がありました。終わる時間は結構遅かったんですけど、ずっと集中してやれました。あんなにアフレコでしゃべったことがなくて、どのページを開いてもグリと書いてあって、「どうしよう、できるかな?」っていう不安はすごくあったんですけど、むしろずっとグリでいられるからやりやすかったです。最後のほうはグリなのか私なのかみたいな感じで(笑)。そのくらい入り込んで収録できたのは良かったなって思います。
――アニメの第一声はグリですよね。緊張しませんでした?
青山:緊張しました! 「藍野青司さん!」っていう私のセリフからなので、本番のテイクを録り終えたあとは何も言われなかったんですけど、「もう一度やらせてください」と言って、もう一度やらせてもらいました。「本番いきます!」って言ってから始まるんですけど、カウントダウン後すぐにセリフだったので慌ててしまって……。
でも、これまで劇中に2~3セリフというのを3年間やってきたので、主役ってこんな感じなんだと思いました。これまでモブで入らせていただいたときに見ていた主役の方々は、毎回この緊張感を乗り越えて収録に臨まれているんだと思うと、自分もようやくそのスタート地点に立てたんだと思って、気を引き締め直して頑張りたいと思いました。
――グリだか自分だかわからないとおっしゃっていましたが、グリくらい突き抜けることはできましたか?
青山:まだ1話の収録を終えただけなんですけど、自分の中ではターニングポイントだったなと思います。今まで自分の演技ではダウナー系というか、クールでカッコいい感じの演技が多かったので、あんなにはっちゃけて、素でネジが外れている子を演じるときに、そんな引き出しがあるのかなって思ったんですけど、意外とあったらしく(笑)。すごく楽しく演じることができました!
――1話では、まずは「キスノート」なるものが出てきますが。
青山:これ、実際にあったらいいですよね! グリもいい感じに活用してるんですよ。恋愛相談所を開いたりして、効率的だなって思いました。AくんとBさんがいて、お互い告白できないでいるときは、ノートに書きさえすれば結婚ですから、なんて素敵なノートなんだろうと。これはもうグリに一票入れますね!
――いやいや、付き合ってみたら、なんか違ったとかもあるでしょう!
青山:愛さえあればなんとかなります! 私、キスノートがあったらグリとまったく同じ使い方をすると思うんですよ。首相と議長のカップルとか、いいじゃないですか。
――……次の話に行きましょう。もう一人のヒロイン・緋山茜が登場しましたが、いかがでした?
青山:そこはグリの「乳でかっ!」っていうセリフから始まるんですけど、正統派の可愛い女の子かと思ったら、身体能力がめちゃくちゃ高い、バイオレンスな女の子という、そのギャップが可愛いなと思いました。
――バイオレンスなところは、もう本当にやばかったんですけど、アフレコを見ている感じは?
青山:ぬーさん(沼倉愛美さん)の演技がめちゃくちゃ怖くて! 「藍野くんどいて、そいつ殺せない」ってセリフがあるんですけど、めっちゃ怖かったんですよ! グリは後ろで気絶していたので「逆らわないほうがいいな…」って思いました(笑)。でも、ぬーさんはすごくいい人です。
――青司はどうでした?
青山:小野(賢章)さんとご一緒するのは初めてだったんですけど、リアリティがあって、本当に青司さんがいる感じのお芝居で、すごくやりやすかったです。でも、青司さんはヘタレだなと思いました。あんな人がいたら許せないかもしれないです!
――ど、どこが許せないんですか?
青山:だって茜さんとかグリにあんなに好かれておいて、ウジウジしてて、見てられない!って思います(怒)。
――いや、ちょっとわからないんですけど。それは茜さんの本性を見て引いてしまったというのもあるんじゃないですかね。
青山:でもですよ! それだけ愛されているのに何で!と。す~ぐ男は手を引くんですよ。でも今後の青司さんに期待してます。ちゃんと男らしい部分をさり気なく出せるのかと。
――1話だけにキャラクターがたくさん出てきますが、他に気になったキャラクターは?
青山: (黄蝶ヶ崎)柚ですかね。茜さんとキスができるとなった瞬間の顔がやばくて! よだれが滝のように出ていて、キャラ崩壊かな?とちょっと思いました。
――あとは人面猫のようなルックスのコラリが、檜山修之さんなんですよね。
青山:めちゃくちゃ面白かったです。あの外見であの素晴らしい声っていうギャップがものすごくて。画を見ながらやるので、本番で笑っちゃいました。たぶん小野さんも笑ってましたね。
――そんな第1話をまとめると、どんな話でしたか?
青山:出会いと大混乱ですよね、一言で言うと。いろんなキャラクターが出てきては崩壊、出てきては崩壊みたいな感じですから(笑)、2話以降も楽しみです。どんなキャラクターが出てきては崩壊するのか。
――でもグリはそんなに崩壊してないですよね?
青山:そうですね。グリは最初から壊れているので。
――2話以降の意気込みをお願いします。
青山:ひたすらグリとして突っ走ることを頑張っていきたいなと思ってます。
――ちなみに原作でやりたいシーンはあるんですか?
青山:あります! 8巻のシーンがやりたいです。
――さっき、あえて読まずにって言ってましたよね?
青山:あっ(焦)。いや、このあたりもやっぱり読んじゃいました(笑)。
[インタビュー・文・撮影/塚越淳一]
作品概要
■TVアニメ『恋愛暴君』
【放送情報】
2017年4月6日からテレビ東京にて、毎週木曜日深夜2:35~
2017年4月8日から?BSジャパンにて、毎週土曜日深夜0:30~
2017年4月8日からAT-Xにて、毎週土曜日夜11:30~
リピート放送:毎週日曜深夜2:30~/毎週火曜午後3:30~/毎週金曜朝7:30~
【STAFF】
原作:三星めがね(COMICメテオ連載)
監督:濁川 敦
シリーズ構成:高橋ナツコ
キャラクターデザイン:いとうまりこ
総作画監督:谷津美弥子
美術設定:小山真由子 松本浩樹
美術監督:松本浩樹 菊地明子
色彩設計:いわみみか。
音楽: MONACA
音楽制作:DIVEⅡentertainment
音響監督:本山哲
音響制作:HALF H・P STUDIO
編集:近藤勇二(REAL‐T)
撮影監督:岩崎敦
撮影:T2studio
アニメーション制作:EMTスクエアード
【CAST】
グリ: 青山吉能
藍野 青司:小野賢章
緋山 茜: 沼倉愛美
黄蝶ヶ崎 柚:長野佑紀
白峰 樒: 原 由実
ほか
【音楽】
OPテーマ:恋?で愛?で暴君です!/Wake Up, Girls!
EDテーマ:「スキ」を教えて/smileY inc.