16名の魔法少女が、今だから話せる裏話を披露!? 声優陣による作品への愛が感じ取れた『魔法少女育成計画』キャラソンライブ『Musica Magica』レポ
ほのぼのとした第1話から数週間、いきなり魔法少女たちのバトルロワイヤルが幕を開けたTVアニメ『魔法少女育成計画』。1人、また1人と魔法少女たちが命を落としていく中で、最後の最後に残ったのはたった2人という壮絶なラスト。
いろいろな意味で衝撃的だった本作ですが、2017年3月4日(土)、舞浜アンフィシアターにて、総勢16名もの魔法少女が出演したキャラクターソングLIVE『Musica Magica』が開催されました。本稿では、二部公演で行われたうち、夜の部の模様をレポートします。
【出演キャスト】
東山奈央さん(スノーホワイト役)
沼倉愛美さん(リップル役)
佐倉綾音さん(ラ・ピュセル役)
内山夕実さん(トップスピード役)
井上喜久子さん(カラミティ・メアリ役)
花守ゆみりさん(ねむりん役)
日笠陽子さん(ルーラ役)
水瀬いのりさん(スイムスイム役)
松田利冴さん(ミナエル役)
松田颯水さん(ユナエル役)
西明日香さん(たま役)
新井里美さん(マジカロイド44役)
早見沙織さん(シスターナナ役)
小林ゆうさん(ヴェス・ウィンタープリズン役)
緒方恵美さん(森の音楽家クラムベリー)
日高里菜さん(ハードゴア・アリス役)
トップバッターは、沼倉さんが歌うオープニングテーマ「叫べ」。魔法少女たちの激しい戦いを表現したようなロックを、叩きつけるように歌うと、会場のボルテージが一気に上昇。沼倉さんの切迫感あるボーカルが、この物語の悲しさと少しの希望を表しているようでした。
そんな熱狂のあと、この作品の劇伴を担当した伊賀拓郎さんによるピアノの生演奏が静寂を運びます。そしてそこからいよいよキャラクターソングライブに突入。
1st Stageは、日高さんから。イントロのフレーズが印象的なゴシックなナンバー「Forget me Not…」を、メイド服のような可愛らしい衣装で歌います。続いて、沼倉さんと内山さんによる「DESTRUCTION」。ステージの上手と下手からそれぞれ登場し、最初すれ違っていた2人の思いが重なる、そんなアニメの内容にも通じる演出で盛り上げていきます。死んでいったトップスピードと残されたリップルが最後、2人でハイタッチするところは感動でした。
そして、東山さんと佐倉さんによる「ユメトユメ」。白いドレスを着た東山さんと、まるで騎士のように凛々しい佐倉さんのデュエット。こちらもラ・ピュセルがスノーホワイトを守ると歌う曲で、佐倉さんが東山さんを後ろから抱きしめたり、ハイライトだらけでした。
さらに曲が終わると佐倉さんが跪き、東山さんの手の甲にキス。「やっとナイトになれた。本編では守り切れなかったから」と言った佐倉さんは、だいぶ男前でした(※ちなみにラ・ピュセルの変身前は男性)。そんな佐倉さんに振り回されっぱなしの東山さんも可愛らしい。
立て続けに3曲披露した後は、歌ったメンバーでトークをするというのが今回のイベントの流れ。「向かい合ったときに泣きそうな顔をしてるから、こっちまで泣きそうになった」と内山さんが言う通り、キャラソンは、かなりキャラクターの気持ちに寄りそった歌詞になっているので、聴いていても感情移入がしやすいのだとか。
それに衣装。コスプレではなく、そのキャラクターの服をモチーフにアレンジされていて、たとえばマフラーを赤いリボンにしていたり、おしゃれなアレンジが施されているのも、世界観に浸れる要因になっていました。
2nd Stageは、松田利冴さん、松田颯水さん、西さんによる「ピーキーわんだふる!」から。アンフィシアターの円形ステージの真ん中で3人が楽しそうにハジけていたのが非常にキュート。そして花守さんが「おやすみパラレル」を、夢の世界に誘うようにふわふわと歌います。うしろの映像では、最後にねむりんがスイムスイムの変身前の女の子に夢の中で出会うシーンが……。
そこで発した言葉をキッカケに、スイムスイムが危険な魔法少女になっていくのですが、そんなシーンのあとが日笠さんと水瀬さんの「Betrayal」という演出もまたニクい。ルーラとスイムスイムは主従関係から、スイムスイムが裏切る展開になるのですが、そんな2人の心情を描いた歌詞を、キャラクターになりきって歌っているのが印象的でした。
トークでは、松田利冴さんが「我らだけダンスの練習時間が大幅に増えました」とダンスの多かった曲を振り返ると、「ソロだけど楽しかった。ダンスはなかったけど(ステージを)一周回ってみんなの顔が見れました」と花守さん。
「(歌のとき)私はルーラしか見てなかったです」(水瀬さん)
「だったら何で殺したの!」(日笠さん)
「7歳なので許してくださ~い」(水瀬さん)
「無邪気か!!」(日笠さん)
「私(たま)は泣いたよ!」(西さん)
「うるさいよ!」(日笠さん)
といった、ルーラとその部下たちのやり取りも会場を大いに湧かせていました。
3rd Stageは一気に大人のムードに。清らかな早見さんの歌声と、カッコ良い小林さんの歌声で、手をつなぎながら歌った「Purest」。そして息の合った振り付けで見せた「魔法少女は嗤う」。最後はしっとりと緒方さんが「孤独な森のメロディー」を歌い、完璧に締めくくります。
「アダルトチームです。あ、ひとり17歳がいた」と緒方さんが会場を湧かせると、「井上喜久子17歳です」(みんなで)「おいおい」とコール。井上さんが歌以外でも会場を一体にしていました。トークでもキャラクター同様、ずっとイチャイチャしている小林さんと早見さんは、「一緒に歌えて幸せでした」と何度も口を合わせます。「もっと歌いたかったよね。Twitterで、“ライブ アゲイン!”とかつぶやいといてください」と緒方さん。
そしてさらに、最後にシークレットで登場したのが、EDテーマを歌ったナノさん。迫力の歌唱で圧巻のステージを披露します。トークに歌に、かなり緩急の激しいイベントのライブパートは、ひとまずこれで終了。
その後、この日出演した魔法少女が一挙に登場するトークコーナーがスタート。16人いると声が端まで届かないということで、夜の部ではステージ後方の階段に座り、作品についてみんなで振り返っていきます。
ここでは、全員揃わなければ話さないようなオーディション秘話がたくさん聞けました。そして2番目に脱落したものの、スイムスイムの回想に登場したため、収録に来ることが多かったという日笠さんは、昼の部でも行ったやり取りを夜の部でも披露。
「スイムさ、私の事、何回か思い出してくれたんでしょ!」(ルーラ)
「うん。ルーラに言われたこと、思い出したー」(スイムスイム)
「スイムスイム様、ありがとうございます~~」(ルーラじゃない何か)
(会場爆笑)
「『まほいく』をやれて良かったと思うことは?」という緒方さんの質問に、「自分がデビュー曲を歌うアニメで、こんな豪華なみなさんと共演できるのは財産です。それと今日、何で『まほいく』はイベント連発しなかったんだって思いました(笑)」と沼倉さん。
そして「これを機に仲良くなったキャストさんが本当に多い現場でした。壮絶な現場だったので絆が芽生えて、お芝居のスイッチも入れやすかったです」と真剣な表情で水瀬さんが語るシーンもありました。
また、新井里美さんがキャラソンを歌うライブに出演するのは17年の声優生活で初めてであることを告白して会場を驚かせたり、松田姉妹がたくさんのツッコミと感動的な双子エピソードを話してくれたり、約1時間にも及んだトークコーナーも、ライブに負けないくらいたっぷり盛り上がりました。
そして、最後はキャスト全員からファンへのメッセージが送られます。
「本当に作品のことが大好きですし、今後も皆さんに『まほいく』への愛を深めてもらいたい気持ちでいっぱいです。語れる作品ってずっと先まで残っていくものだと思うんですよ。もし○○だったらとか考えたりすると、いろんな世界が見えてきたりするんです。私も『魔法少女育成計画』の続刊の『魔法少女育成計画 restart』を読んでるんですけど、面白いんですよ! この世の中にはこんなにも面白いものがあるんだって思いました。『まほいく』は、キャラクターへの愛がすごく持てる作品なので、ぜひこの作品の続きも見られるように応援していただけたらと思います」
と、最後は座長として『まほいく』を引っ張っていった東山奈央さんの温かい言葉で、イベントは締めくくられました。
■セットリスト 夜の部
01 沼倉愛美「叫べ」
02 ハードゴア・アリス(日高里菜)「Forget me Not…」
03 リップル(沼倉愛美)×トップスピード(内山夕実)「DESTRUCTION」
04 スノーホワイト(東山奈央)×ラ・ピュセル(佐倉綾音)「ユメトユメ」
05 ミナエル(松田利冴)&ユナエル(松田颯水)×たま(西明日香)「ピーキーわんだふる!」
06 ねむりん(花守ゆみり)「おやすみパラレル」
07 ルーラ(日笠陽子)×スイムスイム(水瀬いのり)「Betrayal」
08 シスターナナ(早見沙織)×ヴェス・ウィンタープリズン(小林ゆう)「Purest」
09 カラミティメアリ(井上喜久子)×マジカロイド44(新井里美)「魔法少女は嗤う」
10 クラムベリー(緒方恵美)「孤独な森のメロディー」
11 ナノ「DREAMCATCHER」※シークレット
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