心温まる冒険ファンタジーは仮の姿!? 富田美憂さん、伊瀬茉莉也さん、井澤詩織さんら声優陣が『メイドインアビス』先行上映会でリコ飯に期待を寄せる
2017年6月18日(日)、東京・角川シネマ新宿にて、TVアニメ『メイドインアビス』の先行上映イベントが行われました。TVアニメ『メイドインアビス』は、つくしあきひと先生が『WEBコミックガンマ』にて連載中の同名のコミックを原作とした作品です。
7月からの放送を間近に控えるなか実施された今回のイベントでは、第1話の先行上映の後、富田美憂さん(リコ役)、伊瀬茉莉也さん(レグ役)、井澤詩織さん(ナナチ役)ら、声優陣が登壇してのトークショーが行われました。
まず第1話の感想として、あの原作のイラストがそのままアニメで動いていることに感動したと、興奮気味に話す井澤さん。実は井澤さんはアニメ化が決まる前からの原作の大ファンだったそうで、今回のイベントにも声優というよりファンの一人という気分で参加しているのだとか。
またキャスト陣が口を揃えて絶賛したのは、映像と共に流れていた音楽の壮大さ。実は本作の音楽は、キャラクターの音声まで入ったほぼ完成した状態の映像に、後から楽曲をあわせて作る手法を用いたもよう。制作スケジュールが順調だからこそできる手法とのことですが、その甲斐あって、映像と曲の盛り上がりが完全にシンクロしており、自然と作品の世界観に引き込まれるような作りとなっています。
その後には、それぞれのキャストが演じたキャラクターや、後に登場するキャラクター達についても紹介。その中で富田さんが紹介したのが、素直で純粋、あぶなっかしいところもありつつも、心の中に強い芯を持っている主人公のリコ。料理が得意なのも特徴で、作中では「リコ飯」とも呼ばれる料理が度々登場して読者の胃袋を刺激しており、富田さんは「アニメでもおいしそうに描かれるのでは」と期待を寄せます。
また富田さんはリコ、伊瀬さんはレグ、井澤さんはナナチと、それぞれ原作を読んだ際に一番演じたいと思っていた役だったそうで、中でも伊瀬さん・井澤さんのお二人は、オーディションでレグとナナチ以外のキャラクターは受けなかったのだとか。ちなみに伊瀬さんにとっては、井澤さんの声は、地声の状態からナナチのイメージにぴったりとのことで、キャスティングを知ったときに「なるほど!」と納得していたことも明かされていました。
オーディションの際には、原作者・つくしあきひと先生と話す機会もあったようで、その際に井澤さんが、中国に行ったときに料理で豚の脳みそが出てきた(井澤さんは食べることができなかったそう)話をすると、先生が資料として写真を欲しがっていたというエピソードを紹介。
その話を聞いた伊瀬さんからは「原作を読んでない方は、1話をみてハートフルな冒険ファンタジーだと思っているかもしれませんが、最後までその心を忘れずに見てください」と、意味深な発言も。一見、王道的な冒険ファンタジーのように見える本作の資料として、なぜ豚の脳みその写真を欲しがったのか……
アフレコ現場では、最初の頃こそ大勢のキャストが休憩時間に原作の話題で盛り上がったりもしていたそうなのですが、物語が進むにつれて登場するキャラクターの数が減っていき、ついにはキャストが3人しかいない回の収録もあったのだとか。
一方の井澤さんは、まだナナチが登場していないためアフレコには参加できていないようですが、自宅でナナチ独特の鳴き声を発する練習を重ねているらしく「本番までに、鳴き声だけで100種類くらいバリエーションを持っていきたい」と、熱い意気込みも見せていました。
トーク中にはキャスト陣に質問が飛ぶ一幕もあり、「最近打ち込んでいることは?」という問いに対し、ジム通いを始めたことを挙げる伊瀬さん。これまでは申し込んだ段階で満足してしまい、月謝だけを支払っているような状態だったのですが、最近ではVRで景色を見ながらできるトレーニングの存在を知り、今のところは無事に(?)通うことができているそうです。
また「人になかなか言えない隠し事」に関する質問では、美容院で職業を聞かれた際、声優の方によくある傾向として、職業を秘密にすることが多いのだとか。会場のキャスト陣も例に漏れず、明かさないことが主流だったのですが、井澤さんはその特徴的な声質から、まず「声優さんですか?」と訊かれてしまう上、嘘をつくのが苦手で、隠そうとしてもすぐにバレてしまうという悩みを打ち明けていました。
新宿駅にてマグネット付きの巨大ポスターの展示も!
その後に行われたのは、『メイドインアビス』のタイトルにひっかけ、4つの選択肢の中に一つだけ混じっている日本生まれのものを言い当てる「Made in Japan」 クイズのコーナー。出題された問題は、「日本のスポーツメーカー」「日本人しか消化できない食品」など、なかなかの難問揃いとなっていたのですが、質問を振られて内容を勘違いしたお客さんが正解を言ってしまうというハプニングなどの運にも恵まれつつ、キャスト陣は順調に正解を重ねていきます。
そんな中、最後の質問となったのが「日本生まれの履物は?」で、スリッパ・ブーツ・レギンス・ローファーという4択の中から、キャスト陣は全員がスリッパを選択。この回答に井澤さんは「海外は靴を脱がないから、スリッパの文化がないのでは」という的確な分析を披露し、見事正解を言い当てることに成功していました。
イベントの最後にはWEBラジオ「ラジオインアビス ~リコとナナチの探窟ラジオ~ 」の配信決定が発表。パーソナリティはリコ役の富田美憂さんとナナチ役の井澤詩織さんが務め、第1回放送にはレグ役の伊瀬茉莉也さんもゲストとして出演されるとのことです。
また7月3日(月)から7月9日(日)にかけて、JR新宿駅改札内北通路にて『メイドインアビス』の大型ポスターの展示が行われることが決定。ポスターにはリコ、レグ、ナナチのキャラクターマグネットが付いており、なんとマグネットは剥がして持ち帰りができるとのこと。マグネットの数には限りがあるそうなので、手に入れたい方はお早めに新宿へ!
まもなく放送開始を迎える『メイドインアビス』。今回上映された第1話は、多くのファンの度肝を抜いたであろう凄まじいクオリティで、制作スタッフ・キャスト陣が本作へ込める愛情がひしひしと伝わってくる出来となっていました。原作のファンはもちろん、アニメで本作を知るという方も、TV放送をお楽しみに!
[取材・文/米澤崇史 撮影/鳥谷部宏平]
TVアニメ『メイドインアビス』作品情報
<イントロダクション>
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。
そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』呼ばれるようになっていった。アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い……?
<スタッフ>
原作:つくしあきひと(竹書房「WEBコミックガンマ」)
監督:小島正幸
副監督:垪和等
シリーズ構成:倉田英之
脚本:倉田英之、小柳啓伍
キャラクターデザイン:黄瀬和哉
モンスターデザイン:吉成鋼
プロップデザイン:高倉武史
美術監督:増山修
美術設定:西俊樹
色彩設計:山下宮緒
撮影監督:江間常高(T2 studio)
編集:黒澤雅之
音響監督:山田陽
音楽:kevin penkin
音楽制作:IRMA LA DOUCE
音楽制作協力:KADOKAWA
アニメーション制作:キネマシトラス
<声優>
リコ:富田美憂
レグ:伊瀬茉莉也
ナナチ:井澤詩織
ナット:田村睦心
シギー:沼倉愛美
キウイ:塙愛美
ジルオ:村田太志
ライザ:坂本真綾