歌唱力のルーツはお風呂場!声優・畠中祐さんアーティストデビューの心境を語る
声優として活躍している畠中 祐さんのアーティストデビューシングル『STAND UP』が2017年7月12日に発売! この『STAND UP』はクールなダンスナンバーとなっており、畠中さんの高い歌唱力も堪能できる1枚となっています。
そんなデビューシングルの発売を記念して、畠中さんにインタビューを実施。『STAND UP』についてのお話をはじめ、畠中さんと音楽との関わりについても合わせてお伺いしました。
●畠中 祐(はたなか たすく)
8月17日生まれ。神奈川県出身。血液型O型。主な出演作『遊☆戯☆王ZEXAL』九十九遊馬役、『うしおととら』蒼月潮役、『甲鉄城のカバネリ』生駒役、『バッテリー』永倉豪役、『僕のヒーローアカデミア』上鳴電気役、『ポケットモンスター XY&Z』タケル役、『武装少女マキャヴェリズム』納村不道役、『喧嘩番長 乙女 -Girl Beats Boys-』吉良希役、『ナナマル サンバツ』井上大将役ほか。賢プロダクション所属。
――まず、今回のアーティストデビューはどのような流れで決定したのでしょうか?
畠中祐さん(以下、畠中):ミュージカル・リズムゲーム『夢色キャスト』のオーディションでランティスさんとの出会いがあって、そのプロデューサーさんから「いつかアーティストデビューしませんか」という話しはいただいてました。本当はもっと先の話だったんですけど、ケンプロック(※1)に出演する事が決まって、最初は『夢色キャスト』の曲を歌おうかと事務所と話していたんですけど、そこでデビューの発表をしませんかと改めてお話しをいただいてデビューが決まりました。
※1……畠中さんも所属する賢プロダクション主催の音楽イベント。GRANRODEO、SCREEN modeをはじめ様々な声優アーティストが出演する。
――デビューが決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
畠中:歌う事は凄く好きだったんですけど、まさかこんなに早く歌わせて貰えると思っていなかったので、喜びよりもビックリしました。
――元々アーティストデビューに対して憧れなどはありましたか?
畠中:具体的には考えてなかったんですが、「歌を仕事にできたらな」とは凄く思っていました。小さい頃から歌を聴いてきたし、歌うことも好きだったんです。
――小さい頃から音楽に携わる機会は多かったのでしょうか?
畠中:両親がミュージカル役者なので、触れていたのはミュージカルソングですね。あとは父親が洋楽をよく聴いていたので、ブラックミュージック系の曲も小さい頃から聴いていました。
――畠中さん自身はどのようなアーティストを好んで聴かれていますか?
畠中:スキマスイッチ、星野源、三浦大知、秦基博とか……。洋楽だとスティービー・ワンダー、ジェイソン・ムラーズ、ジョン・メイヤー、ジャミロクワイとか、色んなジャンルを聴こうと思って聴いていますね。
目指すのはビートに乗るだけで楽しくなる曲
――デビューシングル「STAND UP」を聴いた時の印象はいかがでしたか?
畠中:自分の好きな物が詰まっている曲だなと思いました。曲が出来る前からディスカッションを重ねていて、「こんな感じの曲はどう?」とデモを聴かせて頂いたりとか密接にコミュニケーションを取って下さったので、まさに好きなメロディラインで好きな歌詞になりました。
――凄くポップでノリが良いので、ライブで歌ったら盛り上がりそうな曲ですよね。
畠中:やっぱり体を動かしたくなる様な曲になっていて、みんながビートに乗ってくれるだけで楽しくなるというのが、自分の中で目標になっている曲なんです。
――体を動かしたくなる曲というのは、曲を作る際に畠中さんから提案されたりはしたのでしょうか?
畠中:好きなアーティストさんを聞かれて三浦大知さんと星野源さんを挙げたので、「このふたりを足して割った感じでお願いします」とは言いました。その結果、凄くクールな面もありつつも、とってもポップでキャッチーになりました。
――確かにそう聞くと凄く納得できます。では、2曲目の「Starter」はどのような楽曲になったのでしょうか?
畠中:「おれサマー」という大きな野外フェスに出演するんですけど、そのライブに向けた曲になっていて、夏の夜空の広がりみたいな物をイメージした曲になっています。
――3曲目の「エール ~旅立ちの歌~」を聴いた印象はいかがでしたか?
畠中:今年僕は演劇の大学を卒業したんですけど、演劇の大学に通っているとどうしても演劇の道に進む人と、定職に就く人とでわかれ道みたいなものがあるんです。そこで大学1年、2年の時は一緒に芝居をしていた友達が、就職活動の際にリクルートスーツ姿で話しかけてくれたことがあって、その時の気持ちが歌詞になったダンスバラードになっています。
でも、バラードと言ってもシングルを作る時に一貫して前向きなイメージを持たせたかったので、自分へのエールでもあり相手へのエールでもある様な、少し前向きな楽曲になっています。
――楽曲のレコーディングの際にディレクションを受けたことなどはありましたか?
畠中:「キャラソンとはまた違う」というのは言っていただきました。キャラソンはキャラクターによって歌い方が違うと思うんですけど、自分の歌なので歌詞の意味も伝え過ぎる必要が無い所もありますし、自分の歌い方を探っていかないとと「STAND UP」を歌っていて思いましたね。
――MVの撮影もされたということで、初めてのMV撮影はいかがでしたか?
畠中:ひたすら動きましたね。MVってこんなに一日かけて撮影するのかという所にビックリしました。朝5時から都心を出て、夜12時半ぐらいまでずっと踊って、クタクタになりました(笑)。
――ではダンス映像の多いMVに仕上がっているんですね。
畠中:結構ダンスシーンは多めに使って頂きましたね。ダンスシーンはクールに、歌ったりバスケをしたりするシーンは爽やかな明るさを意識していて、曲の印象そのままな映像になったかなと思います。
今後の目標は歌とダンスの更なる進化
――ソロデビューする際に、どのようなアーティストになるという指針は考えられましたか?
畠中:全く考えてなかったですね。そういう意味では歌ではまだ届けたい事が漠然としているので、リズムやビートを一緒に楽しむというのがスタートラインかなと思っています。
――リズムやビートを楽しむのは、畠中さんが幼少期に聴いていたブラックミュージックのノリと繋がってくる様な気がします。
畠中:彼らは楽しそうに歌うんですよ。あとミュージカル役者も一緒で、役を楽しむ様に歌も楽しんでいて、凄くその楽しみ方に憧れがあったんです。だから僕もそういう歌い方が出来たらと思いましたし、だからこそまずは自分が1番歌を楽しむというのが指針になるかなと思います。
――あと畠中さんの歌の魅力のひとつは高い歌唱力だと思うのですが、デビューにあたってなにかトレーニングなどはされたのでしょうか?
畠中:「本気でやらなきゃ」と思って、ボイトレは始めましたね。元々、家の風呂場ではよく歌っていたので、今思えばそれもトレーニングになっていたのかなと思います。風呂場で歌っていると、たまに隣の家の方から「これを歌って」とリクエストを頂いたりしていたんです(笑)。
――普通じゃなかなか無い凄い経験ですよ。
畠中:結構仲の良い近隣住民の方々だったので、夜歌っていたら聞こえていたらしくて、「凄く怒られるかな」と思っていたらリクエスト曲を頂いたんです。
――でもそれは畠中さんの歌声を気に入って貰っていたわけですよね。
畠中:気に入って頂けていたかもしれないですね。そういう練習する場があったので歌っていましたね。
――畠中さんが歌を歌う上で、最も影響を受けたアーティストはどなたでしょうか?
畠中:三浦大知さんとか星野源さんとかも好きなんですけど、母親が好きだった事もあって、小さい頃から好きだったのは槇原敬之さんですね。ストレートに情景が浮かぶ歌詞とかキャッチーなメロディラインとかも素晴らしいですし、あと凄く曲に励まされて救われたと思うことが何度もありました。
――今後はどんな歌に挑戦したいですか?
畠中:他のものというよりも、まずはダンスとダンスミュージックを歌うということをもっとブラッシュアップして、世の中に知ってもらえたらなと思う所はありますね。
――元々ダンスはされていたのでしょうか?
畠中:本格的に習っていた訳じゃないんですけど、母親がやっているミュージカルスクールに通っていた事もありましたし、高校から大学に入るまでの期間にヒップホップダンスを習ってみたりはしました。あとは大学の授業でも少しやってはいたんですが、本格的にずっとやっていた訳では無いので習いたいですね。
――でも普通の人よりはダンスに触れた機会は多いので、そこで培われたものもありそうですね。
畠中:自分が触れたというより、親がミュージカルなどで踊る姿を含めて、観てきた方が多いです。
――ちなみに畠中さんは歌の事などで、両親からアドバイスを受けられた事はありますか?
畠中:ケンプロックの時は「ダンスのキレが甘い」とか「ダンサーと全然息が合ってない」とは言われました(笑)。
――では、今後のアーティスト活動の中で目標などはありますか?
畠中:歌とダンスのレベルを上げる事が第一目標なんですけど、本当に私利私欲むきだしで言うと、海外でMVとか撮ってみたいです(笑)。ダンスシーンを海辺で撮ったりとか。あとは朝方の街を歌って踊りながら歩くみたいな映像も撮ってみたいですね。夜中に集合するのも楽しそうですよね。
――では最後にCDを楽しみにしているファンの皆様へ、メッセージをお願い致します。
畠中:3曲とも主役級の曲が揃っていると思っています。やっぱりスタートに相応しい気合と熱意を込めた曲なので、畠中祐を知らなくてもAメロを聴いたら続きが聴きたくなるかもしれないから、まずは手にとって頂けたら嬉しいなと思います。
[インタビュー・文/イソベアラタ]
・畠中 祐デビューシングル『STAND UP』
2017年7月12日発売
【初回限定盤(CD+DVD)】1,800円(税抜)
【アニメイトオンライン】【マキシシングル】畠中祐/STAND UP 初回限定盤
【通常盤(CD only)】1,300円(税抜)
【アニメイトオンライン】【マキシシングル】畠中祐/STAND UP 通常盤
>>畠中祐 (@tasukubar0817)Twitter