TVアニメ『Re:CREATORS』EDテーマ「ルビコン」で三月のパンタシア みあさんが大切にしたフレーズとは/インタビュー
2017年4月より放送中のTVアニメ『Re:CREATORS(レクリエイターズ)』。被造物(キャラクター)たちの戦いが佳境に差し掛かった本作ですが、2クール目より物語に彩を添えてきた“三月のパンタシア”によるEDテーマ「ルビコン」がついにリリース!
ボーカル・みあさんを中心としたプロジェクト“三月のパンタシア”の4thシングルとして発売される「ルビコン」は、二つの世界を隔てる境界線(=ルビコン)とそれを越えてつながる二人の主人公の絆を、疾走感のあるトラックにのせて描いた爽やかで切ない楽曲となっています。
そしてカップリングとして収録される「リマインドカラー ~茜色の記憶~」は、ケータイ小説サイト「野いちご」でも連載され、8月25日(金)にスターツ出版より発売されたばかりの小説「茜色の記憶」を原案とした楽曲です。
今回は、この2曲に加え、それぞれの作品について、みあさんにたっぷりとお話をお伺いしました!
前向きなメッセージを投げかけるような曲に仕上がった「ルビコン」
――4thシングル「ルビコン」は爽やかな疾走感が魅力の素晴らしい楽曲になりましたね。
みあさん(以下、みあ) :ありがとうございます! まさに爽やかさと疾走感がありながら、希望の光が射すような……そういう前向きなメッセージを投げかけるような曲になったなと思っています。
タイトルの「ルビコン」は「ルビコン川を渡る」ということわざから付けられたもので、揺るがない強い決意を表現しているんです。「どんなに離れた場所にいても、ずっとそばにいる」という心と心の繋がり、そしてその絆を信じて「あらたな一歩を踏み出す」という決意を歌に込めています。
――今回の楽曲を歌う上でみあさんが大切にしたことは?
みあ:言葉の真意を、歌としてちゃんと伝えることです。聴いてくださった方が受け止めたときに、ちゃんと本来伝えたい形で伝わること。特に意識したのは、サビの「大丈夫だよ」と「一人じゃないんだ」です。この2つの言葉を、それぞれの歌詞の流れの中でどれだけしっかりと、真っすぐに伝えられるか。そこはすごく考えました。
日常って、当たり前ですけど、楽しいことばかりじゃないじゃないですか。楽しい日もあれば、後悔する日も、悩む日もある。気持ちがついていかなくて、なかなか前に進めない日もある。もし自分がそういう状況になったときに、どういう「大丈夫だよ」や「一人じゃないんだ」が心に響くかと考えたんです。というのも、これを歌詞としてではなく日常的な言葉として考えたときに、私は伝え方が難しいなと思って。
――それはどういう意味で?
みあ:伝え方によっては、すごく軽く聞こえてしまうんです。人を勇気づけられるような意味を持つ言葉だからこそ、歌い方によって「なんでそんな簡単に言えちゃうの?」という捉え方もされてしまう可能性があると思って。だからすごく慎重になりました。
――なるほど。
みあ:この曲の中で表現した「大丈夫だよ」は、過去に私が経験した感情から持ってきたものなんです。過去に、すごく辛くて心が疲れてしまったときに、真っすぐな言葉で「大丈夫だよ」と言ってもらったこと。その言葉には本当にウソが感じられなくて、ただただ真っすぐな感情だけが届いたんです。
「そんなウソのない言葉をかけてくれた人のためにも、私は前向きに変わらなくちゃ」「一歩前に進まなきゃ」と素直に思えました。だからそのとき私がもらった真っすぐな言葉を思い出しながら、サビは特に大切に歌いました。
――歌詞の表記では「大丈夫だよ」「一人じゃないんだ」が最後サビで『大丈夫だよ』『一人じゃないんだ』と「 」が『 』になっていることも興味深いですね。この曲の中で意味を持たせたい部分だということが分かります。
みあ:そうなんです。最初のサビでは他人(ひと)から「大丈夫だよ」「一人じゃないんだよ」とかけてもらった言葉を思い出していて、2番のサビでは自分が相手にこの言葉をかけてあげているんです。そして最後のサビでは、その言葉を思い出しながら「一歩踏み出そう」という“決意”を表現しているんですよ。曲の中で登場人物が成長していく様子を感じてもらいたいですね。
――レコーディングではその表現を追求して?
みあ:ですね。この歌い方にたどり着くまでに、いろいろな歌い方を試しました。何度も歌いながら「こうじゃない……これでもない……」って。でもやっぱりシンプルに、ただ感情のまま素直になろうと思うことで、一番真っすぐに気持ちが伝わる歌になったんです。
――『Re:CREATORS』に絡めて考えると、アルタイルの存在を彷彿とさせるような歌詞が多くあるように感じました。歌唱の際に、キャラクターに対する想いは込めましたか?
みあ:私としては、聴く人によって重ね合わせるキャラクターがそれぞれ違ってくる曲だなぁと思ったんです。なので、限定したキャラクターに対する感情というよりは、生きていればみんなが感じる寂しさや孤独、それでも前に進もうと一歩を踏み出す決意を意識していますね。みなさんがそれぞれ、どのキャラクターに想いを馳せて聴いてくれるのかが楽しみです。いろんな捉え方をしてもらうことで、さらにこの曲を楽しんでもらえるんじゃないかと思っています。
1話も逃さず観たくなる魅力的な作品
――『Re:CREATORS』のお話をもう少し伺いますが、最初に作品を観た印象と、観続けていくうちに印象が変わった点は?
みあ:最初は映像の美しさに圧倒されましたね。その印象はずっと、最新話でも変わらないです。アクションシーンも迫力があって、本当にかっこいい。印象が変わっていったというより、第一話でほぼ説明がないまま物語が進んでいったことで散りばめられていた謎が、少しずつ紐解かれていくのが面白いですね。1話も逃さず観たくなります(笑)。
――ちなみに、『Re:CREATORS』では作品世界のキャラクターが現実世界に現れて活躍しましたが、みあさんが現実に現れてほしいと思うキャラクターはいますか?
みあ:『スラムダンク』の流川楓です! あの美しい顔とかっこいいプレイを生で観たい! あわよくばバスケを教えてもらいたい!(一同笑)
――猛烈な愛を感じますね(笑)。改めて、みあさんが感じた『Re:CREATORS』の魅力とはどんなところでしょうか?
みあ:劇中でも語られた、「物語を超える物語」という部分だと思います。劇中のクリエイターたちにより創作された物語によって、世界が動き出し、現実世界が変化していく……というのがすごく斬新だし、『Re:CREATORS』の魅力だと思います。その中で、クリエイターたちが自身の生み出した物語やキャラクターに対する熱い思いが知れるというのも、すごく興味深いですね。
カップリングのタイトルは「連動」を意識して
――ありがとうございます。カップリング曲「リマインドカラー ~茜色の記憶~」についてもお伺いします。「ルビコン」にも「茜の空に君を呼んだ…」という歌詞が出てくるので、共通のイメージで貫かれているのが面白くて。
みあ:「リマインドカラー ~茜色の記憶~」のタイトルは、最後につけたんです。ケータイ小説サイト「野いちご」で連載されている小説「茜色の記憶」と連動した曲なのですが、その“連動”という部分を考えたときに、「茜色の記憶」という小説のタイトルが歌詞の世界観にも合っているし、「ルビコン」でも「茜の空」って歌っているので、1枚の作品としてすべてが繋がっている感じがするんじゃないかな? って。ということで、このタイトルになりました。
――シングル1枚から見えてくる景色やトーンが近いのは、とても面白い試みですね。
みあ:偶然も大きいんですけどね。ある意味、双方のイメージが吸い寄せられたというか。そういう意味では、運命的な出会いを果たした2曲で構成されたシングルです(笑)。
――「リマインドカラー ~茜色の記憶~」はとても切なくて、聴いているだけで泣けるようなミドルバラードという印象ですが、ご自身では?
みあ:そうですね。この“届かない想いの痛み”や“苦しみ”を歌った、すごく切ないバラードになりました。実はこの曲、2回別のイメージでレコーディングをしていて。ひとつは、痛みをダイレクトに放出するように、感情的にダイナミックに歌ったテイク。もうひとつはそれとはまったく逆で、痛みを隠すように、あえて優しく淡々と歌って、最後に思わず感情が溢れてしまった……みたいな表現をしてみて。
どっちらも正解だったと思うのですが、みんなで悩んだ結果、最終的に採用になったのが後者のテイクでした。そういう“抑制するアプローチ”という意味では「コバルトワールド」も同じような歌い方をしているんですけど、この曲はテンポがゆったりな分、より優しく包み込むような歌い方になっていると思います。
感情を抑制することで、この曲の主人公の女の子の「すごく悲しい感情に蓋をして、無理をして隠して、なんとか笑おうとしてる健気さ」というか、“泣き笑い感”がにじみ出る楽曲になったと思っています。「ルビコン」とはかなりタイプの違う表現をしているので、聴いてくださるみなさんがどういうふうに受け取ってくれるかが、すごく楽しみなんです。
――改めて、みあさんはこの歌詞の世界観から伝えたかったことは?
みあ:この曲に関しては、小説「茜色の記憶」を先に読ませていただいたので、そのイメージを尊重して主人公の女の子になり切ったんです。実は……その小説のことを少しお話させてもらうと、田舎町で暮らす幼馴染の高校生の男女のお話で。その男の子が特殊な能力を持っていて、書かれた手紙に触れると、それを誰がどんな状況で、どんなことを思って書いたのかがビジョンとして見えるんです。人助けにも使えるけど、弊害もある。それを使うと、大切な人の記憶がぽっかりと、丸ごと消えちゃうんですね。
――副作用のようなものがあるわけですね。
みあ:そう。それが引き金となって物語も動いているんですけど……それを受け止める女の子の気持ちになって、「自分がいちばん大好きな人に忘れられたら」とか「それでも、そうせざるを得ない状況だとしたら」とか、そういうイメージを広げていったんです。すごく悲しいけど、相手を思うならちゃんと笑っていたい……そういうシーンを頭の中で思い描きながら、泣き笑い感を出せるように歌いましたね。青春のキラメキが色濃く描かれていて、胸の奥にぶわっとそのイメージが広がるようで。
――みあさん的には、そういった物語があった方が楽曲の世界観に入りやすい?
みあ:確かに……でも、両方面白さはありますね。物語になぞらえて表現することも面白いし、自分でシーンをイメージして歌うのも、立体的に自分で具現化しているみたいで面白いし……。
――なるほど。どちらも確かに歌唱表現のお話なのですが、すごくお芝居のお話に近いなって。
みあ:言われてみれば……でも感覚としては、確かにお芝居に近いのかもしれません。もしそれが“自分にしかない表現”になるのであれば、まだまだ伸ばしていきたい部分かもしれません。完璧に演じているように感じてもらうことが歌の説得力になるのなら、もっと歌の中に、歌詞に込められた主人公の思いを表現していきたいですね。
――いわゆる、芝居心を歌に込めるということですね。確かにそれは、物語性の高い楽曲を作り続けている三月のパンタシアにとって大きな武器になるのかもしれません。しかし、今までにない表現が詰まったシングルになりましたね。
みあ:ありがとうございます。2017年を振り返ると、1月に3rdシングルをリリースして、3月にアルバムをリリースして、今回「ルビコン」をリリースさせてもらうことで、〈アルバムという節目の先にある、次のステージに「ルビコン」で進む〉というビジョンが描けたんです。これって、すごく意味のある事なんじゃないかって思うんですよ。
――その次のステージには、やはり11月25日に決定した待望の単独ライブも含まれてくると思います。心境はいかがですか?
みあ:「ついにきた!」という感じです(笑)。決まったことが、何よりうれしいですね。楽しみ過ぎて今からワクワクしています。今までも、こうやってインタビューをしていただく度に「ライブをやりたい」というお話をしてきたと思うんです。それは私にとって大切な目標だったんですけど、なかなか到達できない目標で。
ファンのみなさんからもTwitterなどを通じて「三月のパンタシアのライブが観たい!」「ワンマンライブやってください!」というご意見をたくさんもらっていて、それでもいつも「待っていてください」としか答えられなかった。そんな自分の願望にも、みんなの要望にもようやく応えられることが、本当にうれしいし幸せです。
今からいろいろなことを考えているのですが、とにかくちゃんと、一人ひとりのお客さんに向かって、しっかりと伝わる歌を歌いたい。そして感謝の思いや、「みんなのおかげで今の私があるんだよ」という愛も伝えたいですね。
――ワンマンライブということで、会場中が三月のパンタシアのファンになるわけですからね。
みあ:そうなんですよね。だからみんなが送ってくれる愛も、余すことなくすべて受け取りたいです! その思いを本番まで忘れなければ、幸せなライブになると思います。後悔のない、最高の1日にしたいです。
――ワンマンライブという挑戦を経て、三月のパンタシアがどんな成長を遂げるのかも楽しみで。
みあ:本当に……! まだ経験したことがない、私が知らない未知の領域があることって、さらなる成長を遂げるための“希望”なんだなって。準備している中で、考えること、想像することすべてがワクワクできるこの感覚が大好きです。ワンマンライブに限らず、音楽活動が常に新鮮でいられるよう、新しい挑戦は続けようと思っています。今感じているこの想いをすべて歌で伝えるんで、ぜひワンマンライブに足を運んでほしいです。
シングル商品情報
タイトル:ルビコン
発売日: 8月30日(水)
●初回生産限定盤 [CD+DVD]
※トールデジパック仕様
品番:KSCL-2959~2960 価格:1,500+税
[CD]
1. ルビコン 作詞・作曲:aokado 編曲:ゆうゆ、aokado イラスト:萩原あさ美
2. リマインドカラー ~茜色の記憶~ 作詞・作曲・編曲:buzzG
3. ルビコン -Instrumental-
[DVD]
ルビコン -Music Video-
【アニメイトオンライン】【主題歌】TV Re:CREATORS ED「ルビコン」/三月のパンタシア 初回限定盤
●通常盤 [CDのみ]
品番:KSCL-2961 価格:1,100+税
[CD]
1. ルビコン
2. リマインドカラー ~茜色の記憶~
3. ルビコン -Instrumental-
【アニメイトオンライン】【主題歌】TV Re:CREATORS ED「ルビコン」/三月のパンタシア 通常盤
●期間生産限定盤 [CD+DVD]
※描き下ろしアニメジャケット・デジパック仕様
品番:KSCL-2962~2963 価格:1,500+税
[CD]
1. ルビコン
2. リマインドカラー ~茜色の記憶~
3. ルビコン -TV Size-
[DVD]
「Re:CREATORS」ノンクレジットエンディング
【アニメイトオンライン】【主題歌】TV Re:CREATORS ED「ルビコン」/三月のパンタシア 期間生産限定盤
公演詳細
公演タイトル:三月のパンタシア ワンマンライブ〜きみとわたしの物語〜
会場名:shibuya duo MUSIC EXCHANGE
会場住所:150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-14-8 O-EASTビル 1F
TEL:03-5459-8716
>>公式HP
公演日:2017年11月25日(土)
開場時間:16:30 開演時間:17:30
チケット:プレリクエスト先行予約受付中
8/15(火)12:00〜8/27(日)23:00まで
>>お申し込みはこちら
お問合せ先:shibuya duo MUSIC EXCHANGE
TEL:03-5459-8716 (12:00pm〜7:00pm)
小説商品情報
8/28(月)発売
スターツ出版文庫『茜色の記憶』みのりfrom三月のパンタシア・著
(スターツ出版刊ISBN978-4-8137-0309-9 定価:本体570円+税)
<小説あらすじ>
海辺の街に住む、17歳のくるみは幼馴染の凪に恋している。
ある日宛先不明の手紙が届いたことをきっかけに、凪には手紙に宿る“記憶を読む”特殊能力があると知る。
しかしその能力には、他人の記憶を読むたびに凪自身の大切な記憶を失うという代償があった―。
くるみは凪の記憶を取り戻してあげたいと願うが、そのためには凪の中にあるくるみの記憶を消さなければならなかった……。
記憶が繋ぐ、強い絆と愛に涙する感動作!
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