『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 1』完成披露舞台挨拶をレポート! 12年間の応援を力に、ついに動き出した新たな『エウレカセブン』
TVシリーズ放送から12年が経ち、新たに劇場3部作として映画化される『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』。その第1部が、2017年9月16日(土)より全国ロードショーとなります。
公開を目前に控えた9月5日(火)には、新宿バルト9にて完成披露舞台挨拶が行われました。舞台挨拶では、レントン役の三瓶由布子さん&エウレカ役の名塚佳織さんのコンビが復活! さらに、京田知己総監督と、サプライズゲストとして主題歌を担当した尾崎裕哉さんが登壇しました!
トーク中では、映画本編の見どころのほか、12年という時を経て再始動した『交響詩篇エウレカセブン(以下、エウレカセブン)』のアフレコ現場でのエピソードが明らかになります。
また、尾崎豊さんという伝説の父親を持つ尾崎さんが、『エウレカセブン』という作品から感じたこと、主題歌「Glory Days」に込めた想いについて語りました。
本稿では、その舞台挨拶の模様をレポートします。
12年越しのアフレコで感じた、変わらないモノと変わったモノ
舞台挨拶がスタートすると、盛大な拍手の中、レントン役の三瓶由布子さん、エウレカ役の名塚佳織さん、京田知己総監督の3名が入場! まず、それぞれ一言ずつ挨拶を行いました。
三瓶さんは「レントン・サーストン……ではなく、レントン・ビームス役の三瓶由布子です! またこうして名乗ることができて、感無量です」と挨拶を行いました。
TV版と物語が一部異なる劇場版では、主人公のレントンがビームス家の養子となっているため、ファミリーネームが“サーストン”から“ビームス”に変更されています。
名塚さんは「みなさん、お集まりいただきありがとうございます。最後までゆっくり楽しんで行ってください」と客席へお礼の言葉を述べました。
そして、京田総監督が「今日は楽しんでいただけると嬉しいです」と挨拶をまとめると、3名によるトークがスタートしました。
まずは、第1部がついに公開される感想について。三瓶さんが「どういう風に見てもらえるのか楽しみでもあり、緊張もしています」と答えると、名塚さん、京田総監督も同じ気持ちだったと語り、3人全員が緊張して今日を迎えたことが明らかになります。
名塚さんが今日を迎えるまでの気持ちを尋ねられると、「あまりにも緊張して昨日は眠れませんでした(笑)」と笑いながら質問に答える場面もありました。声優の2人と総監督にとっても“これまで愛され続けてきた作品で新たなことを始める”ということは、大きなプレッシャーのかかるチャレンジだということが伺えました。
三瓶さんと名塚さんは、12年前に演じたキャラクターを本作で再び演じることになります。三瓶さんは、当時レントンを演じていた自分を思い出しながら、新たにレントン役に挑んだそうです。名塚さんは「気が付くと当時の空気感に戻ることができました」とアフレコの思い出を語りました。他の声優陣も含め、久しぶりの『エウレカセブン』での収録だったにも関わらず、アフレコ現場の空気は12年前から変化していなかったようです。
しかし、当時の空気感と言いつつも、実際には12年という歳月が経過しており、収録で苦労する部分もあったとのこと。名塚さんが「声質も年を重ね……他の場所での経験が演技に影響してしまって……」とエピソードを語り、当時のただ一生懸命だった頃の自分の姿について話すと、三瓶さんも「うちらも、大人っぽくなったんだね♪」と会場を笑わせながら共感を示しました。
そんな収録での思い出を話しつつも、名塚さんは「収録でヘトヘトになるくらい作品に向き合って作り上げてきたので、そこは自信を持ってみなさんに見ていただけると思います」と太鼓判を押しました。
手書きで描かれる戦闘シーン! 古谷徹さんの迫真の演技にも要注目!
京田総監督からは、本作で注目してもらいたい点が紹介されます。今回の劇場版では“手書きのロボットアニメでアクションシーンを作る”という部分を一番こだわって作ってきたそうです。手書きのアニメとしては珍しい描写演出すること。30分近く戦闘シーンが続くこと。この2点を目標に制作を進め、それをうまく作品に反映できたと京田総監督は語りました。
また、今回の劇場版では、古谷徹さんが演じるアドロック・サーストンの声がお披露目になりました。アドロックとの掛け合いのシーンがあるエウレカを演じた名塚さんは、古谷さんの演技に対する真摯な取り組みに感銘を受けたとのことでした。
古谷さんと別々の収録だった三瓶さんは、その話を聞くと「あ~羨ましい!」と悔しそうな声を漏らしました。古谷さんの演じるアドロックは、試写会で初めての視聴となる三瓶さんから見ても、自然と気持ちが高まって感動してしまうような名演技が行われていたそうです。
サプライズで尾崎裕哉さんが登場! 「Glory Days」に込められた想い
そして、この映画に欠かせないのが、尾崎裕哉さんの歌う主題歌「Glory Days」。そもそも、京田総監督が尾崎さんを選んだ経緯は、主題歌を担当するアーティストを選んでいる際に、ふとiTunesで尾崎さんの曲が目に入り、聴いてみた瞬間に「この人に主題歌を歌って欲しい!」と思ったのが発端であり、その偶然の出来事が「Glory Days」を生み出したそうです。
京田総監督が尾崎さんの持っている魅力について語ると、ここでサプライズゲストとして主題歌を担当した尾崎さんご本人が舞台に登場! 予想外のゲストに、会場からは大きな拍手が起こりました。
「自分の人生の責任は自分にしか負えない」という信条を持つ尾崎さんは、『エウレカセブン』のシリーズを通して繰り返される「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」という言葉が強く胸に響いたそうです。「Glory Days」は、自分で何かを掴み取るという生き方、父親によって期待されるレントンの気持ち、それを乗り越えようと必死になる姿、それら全てが込められた楽曲となっているとのこと。
また、総監督から声がかかったときの感想を尋ねられると、「ついに自分の時代が来たか! と思いました(笑)」と笑顔で答えました。
まだまだ全員語り足りないといった様子ですが、ここで終演の時間が迫ります。最後の挨拶にて、尾崎さんは、これだけ多くのファンがいる作品に関わることができた感謝の気持ちを、三瓶さん、名塚さん、京田総監督は、12年間応援し続けてくれたファンへのお礼の言葉を改めて述べました。
京田総監督からは「正直、第2部のことで頭がいっぱいになってしまって……。1だけでも楽しめますが、1,2,3と続けて見ることでより楽しめるようになるんじゃないかと思います。」と、第2部、第3部への期待をさらに大きくさせてくれる発言も聞くことができました。
そして、最後の挨拶の中で、三瓶さんが「そういえば……12年前にTVアニメを見てた人ってどれくらい居ますか?」と客席に尋ねると、驚くことにほとんどの方が挙手! 『エウレカセブン』は制作陣だけでなく、ファンの応援によって長く続いてきている、それを強く感じられる舞台挨拶でした。
『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 1』は、2017年9月16日(土)より全国ロードショーです。声優陣が当時に戻って演じたキャラクターたち、そして、ここから始まる新たな『エウレカセブン』を、ぜひお見逃しなく!
作品概要
STORY
地球上を覆う情報生命体・スカブコーラルと人類の戦いが巻き起こした世界の危機サマー・オブ・ラブ。
その危機から世界を救ったのは、アドロック・サーストンだった。
英雄と讃えられるようになるアドロック。
だが、その真相を知るものは、最前線で戦ったごく一握りの人間だけだった。
そして10年の時が流れた。
アドロックの残された息子レントンは、ビームス夫妻の養子となり、地方都市ベルフォレストで暮らしていた。
義理の父チャールズは、豪放で色んな意味で“濃い”男。
義理の母、レイは冷たそうに見えて細やかな愛情の持ち主だった。
だが、ビームス夫妻とレントンの間にはどこかぎこちなさがあった。
14歳になり、鬱屈とした日々を送っていたレントンに運命の転機がやってくる。
そして、家を飛び出すレントン。
そこからレントンは様々な人との出会い、別れを経験する。
レントンが出会ったひとりは、ファシリティ・ガード隊長のホランド・ノヴァク。
一時、ホランド率いるファシリティ・ガードに身を寄せていたレントンだが、ホランドとの相性は最悪。
徹底的に悪かった。
結局レントンはそこからもわずかな時間で飛び出してしまった。
彼が出会ったもうひとりは、少数宗教ヴォダラクの少女。
死に瀕した彼女を救うため、レントンは、再会したビームス夫妻の心配をよそに奔走する。
人々との出会いと別れは、レントンに大事なことを気づかせる。
自分はなぜ、家出をしたのか。
自分はなぜ今、この道を走っているのか。
【声優】
レントン:三瓶由布子
エウレカ:名塚佳織
デューイ:辻谷耕史
ホランド:森川智之
タルホ:根谷美智子
チャールズ:小杉十郎太
レイ:久川 綾
アドロック:古谷 徹
【スタッフ】
総監督:京田知己
脚本:佐藤大
キャラクターデザイン:吉田健一
アニメーション制作:ボンズ
音楽:佐藤直紀
挿入曲:Hardfloor 、HIROSHI WATANABE
主題歌:「Glory Days」尾崎裕哉(TOY'S FACTORY)
配給:ショウゲート