『重神機パンドーラ』茅野愛衣さんインタビュー|冷静、飄々、大胆、そしてセクシー! 不思議な魅力があるセシル・スーを語る!
TVアニメ放送に向け、続々と新情報が公開されている河森正治監督の最新作『重神機パンドーラ』。中でも注目なのが、新キャラクターの公開です。
この度、新たに公開されたのは、茅野愛衣さんが演じるセシル・スーです。セクシーな風貌ながらも、作品の舞台となるネオ翔龍市の市長である彼女。一体、どんな活躍をするのでしょうか?
アニメイトタイムズでは、『重神機パンドーラ』のメイン声優陣のリレーインタビューを公開中です。今回はもちろん、茅野さんにセシルについてお聞きしました!
■■■■その他のインタビューはこちらから■■■■■
レオン・ラウ役:前野智昭さんインタビュー
クロエ・ラウ役:東山奈央さんインタビュー
クイニー・ヨウ役:花澤香菜さんインタビュー
ダグ・ホーバット役: 津田健次郎さんインタビュー
ケイン・イブラヒーム・ハサン役:石塚運昇さんインタビュー
グレン・ディン役:内田雄馬さんインタビュー
ジェイ・ユン役・梅原裕一郎さんインタビュー
河森正治監督インタビュー
セクシー市長は不思議な魅力がある!
――まずは本作への印象をお聞かせください。
茅野愛衣さん(以下、茅野):最初はオーディションの時に資料をいただいて世界観を知りました。B.R.A.I(ブライ)という敵が出てくるのも河森さん(河森正治監督)らしいですよね。
私は河森さんの作品の『アクエリオンEVOL』(※)に出演させていただいたことがあるので、今回もまた河森さんとお仕事できることが嬉しかったです。
河森さんにお話をお伺いすると、スピリチュアルな世界がとても広がっていて、お話を聞けば聞くほど深すぎましたね(笑)。どこを目指せばいいかわからなくなることもあるんですが、河森さんとスタッフさんの頭の中には全てが詰まっていると思うので、流れに身を任せようかなと思いながら収録しています。
収録を進めていても、わからないことの方が多すぎて、謎が深まっています。でもそれが河森さんの良さというか、底知れぬ感じというか。
実は先日みんなで台湾料理を食べに行ったんですけど、その時にも河森さんを囲む会みたいになりました。河森さんが海外で取材をしてきたお話をみんなで聞きました。
河森さんは、どんどん知りたくなるような魅力のある方ですし、『重神機パンドーラ』も河森さんワールドが炸裂していて、どんどん知りたくなる魅力があります。
※:アクエリオン EVOL
2005年に放送されたTVアニメ『創聖のアクエリオン』の続編で、2012年に放送された河森監督によるTVアニメ。茅野さんはミコノ・スズシロ役で出演。
――メインキャストのみなさんにインタビューを行っていますが、確かによくわかっていない部分も多いようでした(笑)。
茅野:まさに「考えるな、感じろ」みたいな感じです(笑)。
アフレコをして、キャラクターの表情が台本から変わったりもするんです。本当に当日にならないとわからないことも多いので、プレスコに近い形で収録させていただいています。
そこは良い化学反応みたいな感じになれば嬉しいなと思っています。
――そんな世界観の中、演じられているセシルはどんなキャラクターでしょうか?
茅野:セシルはネオ翔龍の市長で、みんなからは「姫」と呼ばれています。全編通して真面目でシリアスな感じなのかなと私は思っていたんですけど、ひょうひょうとしているところもあったりして。「セリフのニュアンスも軽めで大丈夫です」というディレクションをいただいています。
クイニーとかもそうなんですけど、ギャップがあるキャラクターが多いんです。セシルは鳥を「鳥さん」、猫を「にゃん子」って、可愛く音符がつく感じで呼んだりするんです。だから、まだ彼女の本質は分からないところが多いですね。
オーディションの時には、「ちょっとセクシーな感じでお願いします」と言われたんですけど、「どんな風にセクシーなんだろう?」と思っていたら、顔よりも胸元ばっかり映るんですよ!(笑)「しゃべってるのになんで胸元を映すんだろう?」みたいなシーンがたくさんあります(笑)。市長でこんなに露出が多くていいのかなという不安があるぐらいです。
まだ私も彼女のことをつかみきれていない感じがするんですけど、試行錯誤しながらアフレコをやらせていただいています。
――今後のセシルがどうなるという話は一切聞いていないんですね。
茅野:はい。なのでいつ死ぬかもわかりません(笑)。
市長ってもっとどっしり構えて、「行きなさい!」みたいな感じで指示を出すのかなと思いきや、セシルは自らも現場に行っちゃう人なんです。それも生身で!「大丈夫?」と、いつも心配しています(笑)。
常に大人たちや政治家から責められたり、市民から非難を浴びることも多くて、かわいそうになります。それでいて自ら体まで張るので……。
彼女を突き動かすものは、一族として生まれてきたプライドなのか。それとも他に何か理由があるのかもしれません。
なので観ていくうちに「どういう人なんだろう?」と私自身が演じていてもっと知りたいと思うんです。早く次の台本が読みたいですね(笑)。
できれば最後まで知りたいですけど、答え合わせができるのは最後の方になってからなのかなという気はしています。
セシルも含めて、不思議な魅力がある作品だと思っています。特にキャラクターたちが個性的で、ギャップがある。誰ひとり一言では説明できないようなキャラクターばかりなので、そこが魅力のひとつなのかなと思います。
過去に何もないキャラクターがいないんですよね。みんな何かを抱えています。過去の話が描かれることもあるんですけど、それでもまだ足りないぐらい深い気がしますね。多分その1人のキャラクターでひとつのアニメが別に作れちゃうんじゃないかと。
――確かに面白いキャラクターが多いように思います。
茅野:設定が面白いんですよね。登場人物たちはいたって真面目なんですけど、面白いところが多くて。これも河森さんだからこそなのかなと思います。今思えば『アクエリオンEVOL』の時から面白いセリフはありましたし(笑)。
シュールな面白さもあるのに、観ていると「かっこいいな」と思うんです。でも、よくよく考えると「え?」みたいなセリフもけっこう多くて。
ある役者さんがすごい演技をしてらっしゃるので、そこも見どころですよ。収録中なのに、私も思わず笑いそうになっちゃいましたから(笑)。
河森監督が自然と一体化!?
――さきほど、河森監督とみんなでご飯を食べに行ったお話をされていましたが、その他にはどんなお話をされたんですか?
茅野:台湾料理を食べに行ったときは、海外に行った時の“不思議な力の話”をしました。手でピンってはじくと遠くの人が吹っ飛ぶみたいなことを目撃したらしいです(笑)。気功のような感じですかね。アニメとか映画とか特撮みたいな不思議な力の話をずっとされていました。
あとはヨガとか。河森さんは海外でいろんな経験をされているので、いろんなことをいっぱいお話して下さって、みんな夢中になって聞いていました。
その話を聞いて、男性陣は少年の頃を思い出したのか、はしゃいでいた記憶があります(笑)。
――河森監督は、そんなお話もなさるんですね。
茅野:そういうところからインスピレーションを得て、こういう風に作品に活かしているんだなということがたくさん聞けました。『重神機パンドーラ』の先の展開についてはお話してくださらなかったので、そこはやっぱり内緒なんだと思います。
――そんな河森監督ですけど、茅野さんはどんな印象をお持ちですか?
茅野:そうですね……。人類が滅んでも河森さんだけは生き残ってそうなイメージです(笑)。
――どういうことですか(笑)。
茅野:自然と一体化しそうというか、調和するというか、何かと一体化することがすごく得意そうな方というイメージです。そう言うと人間ではないみたいな感じになりそうですが、悪口ではないですよ!(笑)
なんだか、調和というのがすごくしっくりくるというか。どんな方とでもぴったり合わせられるような純粋な方だと思います。
それこそ危険を感じた時に気功をつかって守ってくれそうな(笑)。そんな想像をさせるような方です。
――だいぶスピリチュアルですね(笑)。
茅野:私の中ではそういう印象が強いんです。不思議な気を発しているような感じがします。
――河森監督に会った方は、本当に柔らかくて受け止めてくれるみたいな印象を抱くようですね。
茅野:思いのままに表現されているというか、本当に真っ直ぐな方ですよね。今まであまりお会いしたことがないようなタイプの方だと思います。
何年か前にお仕事でご一緒した時よりも、今の方が後光が差しているように若々しいんです(笑)。
底知れない深さや、開けてみないと何が出てくるかわからない感じが、まさにパンドラの箱そのものだなという感じがします。
――「河森監督のここがすごい!」と思ったところはどこでしょうか?
茅野:今回一番びっくりしたのは、B.R.A.Iを食べちゃうところですね。『アクエリオンEVOL』のときも、かっこいいロボットなのにジャンピング土下座したり(笑)、ロボットの中に温泉があってバナナが浮いているとか、そういうことがあったんですけど、『重神機パンドーラ』でも、みんなでB.R.A.Iを美味しそうに食べていて、すごく狂気を感じました(笑)。
日常シーンで、良いシーンなんですよ。面白いはずなのに、その反面狂気を感じて。それが『アクエリオンEVOL』にも言えていて。楽しいシーンなのにちょっと怖いみたいな。でもそこが魅力なのかなと。
表面だけ見てもわからない感じが河森さんのすごいところなのかなと、私は感じています。私がご一緒した作品ではそういうところがすごく印象的でした。
――敵を食べる行為は、通常だと敵側のポジションがやる行為ですよね。でも今回は主人公たちが日常的にやっています。
茅野:しかもちゃんと調理して、美味しくいただくんですよ。世界観的に食糧難っていうのもあると思うんですけど、敵を食べるという設定をあまり考えたことがなかったので、ビックリしました。
セシルはあの姉妹に似ている……?
――本作の注目ポイントはどこでしょうか?
茅野:セシルで言うと、先ほども少しお話ししたギャップですかね。不思議な胸のアングルも見ていただければと(笑)。
あと、「これ、今後に関係あるのかな?」というものが映ったりもするので、見逃さずにチェックしていただければと思います。
――個人的にはシャワー上がりのシーンが好きでした(笑)。
茅野:セシルのイメージは叶姉妹さんみたいな感じなのかなと、最近は思っています(笑)。叶姉妹さんに負けないように頑張ります(笑)。きらびやかすぎて今のところ勝てる気がしないですけど……。
――(笑)。では最後に、作品を楽しみにしているみなさんへメッセージをお願いします。
茅野:まさにパンドラの箱を開けるような気持ちで、何が飛び出てくるかみなさんも予想がつかないと思います。難しく考えるよりは、まずは第1話を観て楽しんでください。きっと謎がいっぱい出てくると思います。
そこはゆくゆく答え合わせをしていきながら、謎解きも一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。ぜひ楽しみにしていてください。よろしくお願いします。
――ありがとうございました!
[インタビュー/石橋悠]
3月24日(土)AnimeJapan2018ステージの登壇者を追加発表!
放送開始直前を記念した AnimeJapan2018ステージイベントの登壇者を追加発表! 先に発表されている総監督の河森正治さん、前野智昭さん(レオン役)、津田健次郎さん(ダグ役)に加え、東山奈央さん(クロエ役)、内田雄馬さん(グレン役)、梅原裕一郎さん(ジェイ役)、茅野愛衣さん(セシル役)が登壇することも公開されています。
さらに、どんなキャラクターを演じるのかまだ発表されていない中村悠一さんの出演も決定! 詳細はステージイベントにて明らかに……!? このほかにも最新情報を解禁予定ですので、このスペシャルな機会をどうぞお見逃しなく。
TVアニメ『重神機パンドーラ』作品概要
〈イントロダクション パンドーラ編〉
2031年、次世代エネルギーとして開発されていた量子リアクターの暴走事故「翔龍クライシス」により世界は激変した。
突如、地下から広がったその閃光は都市ビル群を呑み込みながら大地を覆い尽くし、やがて生物、機械、植物を超越・融合した未知なる特異進化生物「B.R.A.I」が出現した。7年後、翔龍は絶対防衛都市「ネオ翔龍」へと生まれ変わっていた。
驚異的スピードで進化を遂げ人類を滅亡の危機に陥れたB.R.A.Iに対抗する、人類最後の希望の砦である。運命に導かれネオ翔龍に集う、レオン、クロエ、クイニー、ダグ。彼らを防衛軍へと迎え入れる、セシル、ケイン、ジェイ、グレン。そして、人類の存亡をかけて戦う特殊部隊「パンドーラ」が誕生する。
契約の時、希望は彼らに託された――
<スタッフ>
原作:河森正治・サテライト
総監督:河森正治
監督:佐藤英一
シリーズ構成:根元歳三
キャラクター原案:江端里沙
キャラクターデザイン:安彦英二
重神機デザイン:河森正治
色彩設計:林可奈子
美術監督:伊藤聖
CGディレクター:後藤浩幸
音楽:得田真裕、眞鍋昭大
制作:サテライト
<キャスト>
レオン・ラウ:前野智昭
クイニー・ヨウ:花澤香菜
ダグ・ホーバット:津田健次郎
クロエ・ラウ:東山奈央
グレン・ディン:内田雄馬
ケイン・I・ハサン:石塚運昇
ジェイ・ユン:梅原裕一郎
セシル・スー:茅野愛衣
檜山修之/中村悠一/近藤孝行/石川界人/瀬戸麻沙美/能登麻美子/石田彰