映画『名探偵コナン ゼロの執行人』声優・高山みなみと古谷徹「江戸川コナンと安室透」を語る
気になるキャラクターは風見裕也! もっと掘り下げたくなる人物
――今作に登場するキャラクターについてお聞きします。気になる人物や今回の映画で新たな面を見ることができたキャラクターはいますか?
高山:風見さん(風見裕也、CV:飛田展男)です。もっと知りたくなる(笑)。
古谷:不思議な存在感があるよね。
#ゼロの執行人 公開まで
— 劇場版名探偵コナン【公式】 (@conan_movie) 2018年4月12日
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――こんなに風見さんと接するのは初めてでしたよね?
古谷:今まで出番がそんなに……(笑)。
高山:風見さんは原作コミックス94巻に登場しましたが、まだテレビシリーズになっていないので。『純黒の悪夢(ナイトメア)』で初めて登場した時も、深くはわからなかった。
古谷:僕は風見が同じ職場で働いている直属の部下だと思っていたら、実は違っていたのでびっくりです(笑)。公安は公安でも、警視庁の公安と警察庁の公安とで全く違って、「立場的にかなり距離があるんだな」っていうのを今作で初めて感じましたね。
高山:風見さんが簡単にねじ伏せられるのを見て、関係が少しわかりました。安室さん、いや、降谷さんを「恐ろしい」という風見さんだけど、今回の映画でもっと恐ろしくなっちゃったんじゃないかな(笑)『純黒の悪夢(ナイトメア)』の時には見られなかった二人の関係を、もっと知りたくなります。
古谷:もっとクールで、しっかりした出来る部下だと思っていました(笑)。
高山:もっと掘り下げたくなりますよね、あの人ね。
古谷:たぶん風見の方が年上ですよね。
高山:雰囲気的にはそう見えますね。だけど、どこかずっこけるところがあるんじゃないかな?なんて、そういうところを引き出したくなっちゃいますね(笑)。
古谷:なるほど(笑)。ちょっとドジだしね!でも警察官らしい警察官ですよね。
――安室と風見のふたりの距離感が微妙ですよね。仕事での信頼はありそうなんですけど、心は許していない感じがします。
古谷:全ての情報を共有せずに隠してますからね。だから風見から「人殺しだ」と言われちゃうんです。「そうなんだ」と思って、それは驚きました。でも「彼がいるからこそ、安室の不気味さみたいなものが強く出るんだなぁ」って思いました。
――今回は小五郎の逮捕というところからお話が始まるんですけど、毛利家のドラマについてはどう思われましたか?
高山:早く元に戻って欲しい(笑)。エンディングの中で、事件の後の様子が見られましたけど。
――蘭ちゃんのお母さん(妃英理、CV:高島雅羅)がお料理を作ってくれましたね。
高山:「妃先生、とりあえず味見しようよ」って、毎回言いたくなります(笑)。もしかしたら、ただの味オンチなのか?だったら、「蘭姉ちゃ~ん、妃先生のお料理、手伝ってあげたら?」(笑)。
古谷:しかも安室がお料理を持ってきちゃったから、あれはタイミングが良かったのか悪かったのか……(笑)。
高山:まさか、この家に盗聴器仕掛けてたりして?(笑)。安室さんの料理は美味いですからね。
――安室さんのお料理があれば、そちらを食べちゃいますよね。
高山:まぁ…そうですよね。あの料理はちょっと…。今回も元さやに納まらず…ですかね。
古谷:家族を守るシーンの毛利小五郎、かっこよかったですね!妃先生が頬を赤らめていたのがいいなと思いました。
高山:家族の絆、夫婦の絆も素敵に描かれていましたね。
今時のJKからハートマーク♡が飛んでくる古谷さんと、コナンの頭脳で夢を見る高山さん
――今回の作品はお互いのキャラクターの見せ場がありますよね。高山さんが感じた安室さんの新たな魅力であったり、古谷さんから見たコナンで今回初めて気づいたところであったり、今作で見えてきたポイントがあればお聞かせください。
高山:これまでは「安室さんには謎が多く、不透明な人だ」と思っていましたが、今回の映画では、「なんてピュアな人なんだろう! なんて真っ白な人なんだろう!」と思いました。だから、あのシーンはまさに白い悪魔ですよ(笑)。
古谷:やっぱり悪魔ですよ(笑)。
高山:あはは。でも本当に「純白」に思えるほど…でしたよ。
――特にそう感じられたシーンはありますか?
高山:全体を通して感じたことですね。「この人の一途な思いのなせる《敵かもしれない》だったんだ」と、納得しました。
――古谷さんはいかがでしょう?
古谷:そうですね。安室の立場からすると、コナンはできすぎるので怖い少年ですね(笑)。
高山:(笑)。
古谷:でも、それを完全に今回は頼りにしてる(笑)。さらに認めざるを得ないなというふうに感じましたね。やっぱり最後はコナンくんですから!
高山:いやいやいや(笑)。
――これまで数々の人気作品に出演し、たくさんの人気キャラクターを演じられてきたおふたりですが、高山さんは長年、江戸川コナンを演じられていますし、古谷さんが演じられている安室透というキャラクターは、作品の中でも重要な人物です。それぞれご自身のキャラクター(コナン、安室)を演じる上で、ご自身の生活や人生に影響を与えたようなことは何かありますか?
古谷:僕は声優生活も50年余りになりましたけれど、この安室透という魅力的で素晴らしいキャラクターをこのタイミングで演じることができて、若い子たちにキャーキャー言われるなんて思いもしなかった(笑)。本当にキャラクターを通じて、自分のところにまで直接ハートマークが飛んでくるというのが何より嬉しいですね。
さらに!!安室さんが公式スピンオフで連載決定!!
— 江戸川コナン (@conan_file) 2018年4月10日
『名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)』24号から掲載!!
安室さん・・・とうとう連載かよ・・・#コナン #ゼロの日常 pic.twitter.com/OXzNMqLRxW
――今まで様々な人気キャラクターを演じられてきて、言われ続けてきましたよね。
古谷:いやでも、この歳になって今時のJK(女子高生)たちに言われるとは……(笑)。本来あり得ないことですから、声優冥利に尽きますね。
高山:何を仰いますやら(笑)。
古谷:やっぱりそれが他の作品も含めて、声優のお仕事をやっていく上で、すごく大きなエネルギーになりました。
完成披露試写会のコスチュームはこんな感じでした(*^^*) pic.twitter.com/3G2HIeqS6B
— 古谷 徹 Toru Furuya (@torushome) 2018年4月3日
――そうでしたか。高山さんはいかがですか?
高山:もともと推理小説は読んでいましたし、警察官になりたかったという夢があったので、ものすごく新鮮…ではありませんでしたが(笑)コナンを演じ始めてから、生活の一部に「探偵の思考」が入ってくるようになりました。これが役に立つんですよ。特に、落ちた物を探すのが得意になりました(笑)。
古谷:向いてるよね(笑)。
高山:真っ直ぐからだけじゃなく、見たり考えたりが出来るようになったのかも。江戸川コナンというキャラクターも、すんなり同期できて。自分の半分以上が江戸川コナンで出来ています…という感覚です。だから、そっちの頭脳で夢を見る(笑)。
――コナンの頭脳で、ですか?
高山:コナン(工藤新一)ですかね。けっこうあります。
古谷:完全に一体化してますね。
高山:そうですね。
――その時には何かを推理をされたりもしているんですか?
高山:小さくなって、ビックリしている夢が多いです。。
古谷:ああ、なるほど!
――それはコナンが小さくなって……ということでしょうか?
高山:そうですね。新一の姿ではなく、「え!? これ誰? 子供になってる!?」という夢は何回か見たことあります。トラウマですかね(笑)
――それは高山さんならではの夢ですね。
高山:でしょうねぇ~。街中を走っても、走っても、前の奴に追いつかないんですよ。犯人か何かを追いかけているんですけど、「おかしい、何でこんなに追いつかないんだろう!?」って、ショー・ウィンドーを見たら自分は子供で、「これじゃあ、体力的に無理!くっそ~っ!」みたいな(笑)。
――本当に一体化されているんですね。
高山:激しく一体化していますね(笑)。特に、追い詰められている時とか、疲れている時に見たりします。余計に疲れるって……。
――一体化で思い出しました。以前のインタビューで、コナンのアフレコ収録の時、高山さんはキリッとした格好をされているとおっしゃっていたんですけど、今日もシャツとネクタイのスタイルですね。
高山:まあでも、だいたい普段こんな感じですよ(笑)。
古谷:そうね。男っぽい感じみたいな(笑)。
高山:そうですね。
――おふたりが考えるキャラクターと役者の関係性は、どのようなものだと思われますか?
古谷:僕はやっぱり、ひとつの役を演じるたびに、その役と同じ人生を生きているなという感じはします。ですから、今回の安室透に関しては3つの役(安室透、降谷零、バーボン)を演じている気分になっているんですよ。本当は1人なんだけど、3通りの人生を体験できるんじゃないかなというふうに思っています。
――混乱みたいなものはしないんですか?
古谷:迷うことはありますね。「安室透の顔をしているけど、言葉とか内容、気持ちの中では、降谷零なんじゃないか」というのはけっこう悩みますね。
――ご自身が演じていて楽しいなとか、演じやすいなと感じるキャラクターは、3人の中であるんですか?
古谷:降谷がかっこよくて気持ちいいですけど、安室の方がやっぱりいいかな(笑)。爽やかな青年探偵ということで、日常に近いですから。
――高山さんはいかがですか?
高山:私も古谷さんと同じで、やっぱりキャラクターの人生を歩むという感じです。キャラクターの中に入ってしまうタイプなので、様々な思春期を経験しています(笑)。しかも、どちらかというと少年として経験することが多いので、実際には無い感情を味わえますね。
――日常の方はいかがですか?
高山:日常は…そうですね、意識はしていないんですが、ほとんど「江戸川コナン」みたいな顔をしているんじゃないかな。
――えぇ~~!?
高山:ニュースやミステリーを観てると、いつの間にかこう(コナンが推理している表情。両手を前で合わせて、手を口元に持っていくポージング)なっちゃってます(笑)。
――やっぱりコナンを演じなければ、こうならなかったみたいなものはあるんですね?
高山:そうですね。このポーズは、アフレコの時にしているのを指摘されて気付いたんですが、もうクセになっているようです。推理ものが好きだったのは変わっていませんが、犯人に辿り着くのは早くなったかも。
――最後に、ファンのみなさんへメッセージをお願いします。
古谷:今回の劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』は、見所が多くてかなり味わい深い作品に仕上がったので、何度も劇場に足を運んでいただいて、隅々まで味わってほしいなと思います!
高山:新たな「劇場版名探偵コナン」がスタートします。アクションももちろんのこと、今まで以上の熱い人間ドラマを楽しんでいただけると思います。更に今後の期待もしつつ、観ていただきたいです!
――ありがとうございました。
3...2...1...ゼロ
— 江戸川コナン (@conan_file) 2018年4月12日
いよいよ本日『名探偵コナン ゼロの執行人』公開!!
今回の安室さんは、味方なのか敵なのか...
おいおい...嘘だろ!?
絶対来てね!https://t.co/lRirFZFigI#ゼロの執行人 pic.twitter.com/RY7ERc2UZn
[取材・文]宋 莉淑(ソン・リスク)
作品概要
声の出演・スタッフ
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:小山力也
安室透:古谷徹
原作:青山剛昌 「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:立川譲
脚本:櫻井武晴
音楽:大野克夫
パッケージ情報
● アニメイト特典:オリジナル缶バッチ3個セット(75mm)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
● 封入特典:豪華版特典
オーディオコメンタリー(高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷徹)
○映像
・BONUS FILE 「ケーキが溶けた!」
・公開記念特番 「上戸彩&博多大吉のトリプルフェイスを暴く!!」
・「シークレット安室コール」ビデオオリジナル映像“シークレットミッション No.1”“シークレットミッション No.2”
・予告「蘭チャンだってJK編」
・「名探偵コナン 純黒の悪夢」アトラクション4D上映特典映像“安室透からのスペシャルメッセージ”
○三方背ケース(新規描き下ろしイラスト)
○新規描き下ろしを含むアートボード25枚
○ムービーマークステッカー
※仕様・特典内容は予告なく変更になる場合がございます予めご了承下さい。
● 封入特典:豪華版・通常版共通特典
・劇場版特報&予告/青山先生原画ポストカード
細かい内容に関しては、下記の記事を参照してみてください。
映画『名探偵コナン ゼロの執行人』豪華版のオーディコメンタリーがすごい! 高山みなみさん、古谷徹さんら声優陣が作品を語る!
作品紹介
【イントロダクション】
21作目となった劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』で、興行収入68.9億円を叩きだした劇場版名探偵コナン!
※5作連続興行収入最高記録更新、2017年邦画No.1
ファン待望の劇場版第22弾は『名探偵コナン ゼロの執行人』に決定!
20作目となった『純黒の悪夢(ナイトメア)』で鮮烈なスクリーンデビューを飾り、圧倒的な人気を獲得した“安室透”がメインキャラクターとして再び登場!
ある時は毛利小五郎に弟子入りする私立探偵の安室透として、またある時は黒ずくめの組織のバーボンとして、さらには公安警察の降谷零として、を持つ彼の正体とは??
【ストーリー】
東京サミット開催の地となる東京湾の新施設「エッジ・オブ・オーシャン」。
サミットが開催される5月1日には、2万2千人もの警察官が出動するというこの超巨大施設で突如、大規模爆破事件が発生! そこには、全国の公安警察を操る警察庁の秘密組織・通称「ゼロ」に所属する安室透の影があった。
サミット当日ではなく事前に起きた爆破事件と、秘密裏に動く安室の謎の行動に違和感を禁じ得ないコナン。
その時、現場の証拠品に残された指紋がかつて警視庁に在籍していた毛利小五郎の指紋と一致してしまう!
これは何かの陰謀なのか。小五郎の逮捕を巡って敵対し始めるコナンと安室。
「極秘(シークレット)任務(ミッション)」のカウントダウンは、既に“その時”へと動き始めていた———。
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会