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TVアニメ『宇宙戦艦ティラミス』石川界人さん✕櫻井孝宏さんインタビュー

TVアニメ『宇宙戦艦ティラミス』石川界人さん✕櫻井孝宏さんインタビュー|宇宙を震撼させる兄弟(ふたり)も笑いを堪えるのに必死!?

全宇宙震撼の笑撃作、TVアニメ『宇宙戦艦ティラミス』が絶賛放送中! 今回は、アホな兄弟(ふたり)を演じているスバル・イチノセ役の石川界人さん、そしてイスズ・イチノセ役の櫻井孝宏さんに作品の魅力を語っていただきました。

7話以降もさらにカオスになっていくということで、まだまだ作品から目が離せません!

まさか、オールギャグだとは思いませんでした

――原作を読まれた印象は?

石川界人さん(以下、石川):表紙を見たときにすごく硬派な宇宙モノだと思ったんですけど、開いてみたらいい意味で裏切られたというか。もともとお堅いという先入観があっただけに、ギャグがものすごく面白くて、1巻は笑い転げながら読ませていただきました。

なのでオーディションでは、その第一印象のインパクトを忘れないように演じたのを覚えています。

――確かに「宇宙戦艦」と付くとダマされますよね。

石川:ティラミスってかわいいなと思っていたんですけど、まさかのオールギャグとは思わなかったです。

櫻井孝宏さん(以下、櫻井):懐かしい感じですよね。あの、ティラミスブームってありましたよね?

――ありましたね(笑)。90~91年くらいですね。

櫻井:田舎者にはとても都会的なお菓子だったなって思い出しながら、何でこのタイトルにしたんだろうと。自分の感覚にはないセンスが詰め込まれていたんですよね。

でも漫画を読んで、好みはあると思うけど、アニメ向きかもと思いました。コメディって難しいんですけど、今回は石川くんが頑張ってるので。

石川:大きな声を出してます……。

櫻井:今の流行りにもマッチするような感じなのかなって思いました。

――ちなみに、宇宙と聞いておふたりが思い浮かぶ作品というと何ですか?

石川:やっぱり『機動戦士ガンダム』じゃないですかね。みんな乗りたいですよね、ガンダムは。僕は『SEED』あたりの世代ですけど、その頃はあまりアニメを見ていなかったんですけど、確か『SEED DESTINY』のゲームはすごく流行っていた気がします。

櫻井:僕は映画かなぁ。『エクスプロラーズ』(86年作品)という洋画があって、子供たちが宇宙船を作って宇宙に行くような話だったんだけど、それを見て、子供ながらに夢があると思いましたね。それこそ『ET』(82年)とかも。

子供の頃は映画に行くと言うと親がお金をくれたんですよ。情操教育とかで良いと思ったんでしょうね。子供だからラブストーリーの映画は選ばないので、冒険モノかSFを見ていたと思います。だから『スター・ウォーズ』とかも大きいですよね。ライトセーバーとか、手に入らないかなって思ってました。

スバルは常に真面目に自分はクールだと思って生きている

――おふたりの演じるキャラクターについてですが、オーディションの話もありましたので、石川さんは言われて印象的だったことなどはありますか?

石川:それが何もなかったんですよね。テストをやって、その感じで何も指示がないまま、本番でもセリフを言ったんです。そういうオーディションってあまり受かったことがなかったので「手応えがなかったな」と思いながら帰ったんです。

そしたら結構時間が経ってから「受かりました」と言われて。なので大きな声を出しただけで帰ったオーディションだったなって記憶があります。

――キャラクターの説明もお願いします。

櫻井:イスズは初め正体を隠しているんです。最初はコーディとして出てて、実はイスズですってことになるんですけど、声でバレバレなんですよね(笑)。でもそこはお約束として。

石川:一応は隠してます。

櫻井:イスズだったとネタばらしするときは、サスペンスタッチだったりして。「実はお前の兄だ」って出てくるんですけど、そこはやってても楽しかったです。お芝居のニュアンスというか、一応僕なりに変えていたので。

イスズに関しては、残念というか……ただただ残念なキャラクターです(笑)。

石川:スバルは、愛機デュランダルと共に地球を守る若き天才エースパイロットです。演じてて楽しいのは、何事にも全力というところで、彼自身はボケてるつもりもツッコんでるつもりもなくて、常に真面目に自分はクールだと思って生きているんです。

そういうところで残念なところが出てしまい、一般常識とのズレが出てきてしまうところが面白いんです。僕なりに自分の常識をガッと脱線させて、また別の道を作っていくことが楽しいです。

――スバルは狭いところが好きっていう設定も出てきますが、共感するところはありましたか?

石川:僕まず、閉所恐怖症で暗所恐怖症なので、そこはあまり共感できないんですよ。でも暇なときに食べ物の裏にある成分表を見て覚えるというのは、糖質制限をしていたときにやっていたので好きかもしれないです。非常にピンポイントなんですけど。

――そうだったんですね(笑)。でもコックピットというか、狭いところにいると落ち着くって人もきっといますよね。

石川:共感される方も多いと思いますよ。小さい頃って押し入れの中とか、秘密基地的なところが好きじゃないですか。

櫻井:お母さんのお腹の中にいるようとか言ってたからね(笑)。でもああいう覗いている感じは面白いですよね。意外とギャグだけどセクシャルなところにも踏み込んでるじゃないですか。わりと裸になってたりするから、ああいうのがいいですね(笑)。

――アフレコですが、他のギャグアニメとは違う、この作品特有の雰囲気があったりしますか?

石川:う~ん、やっぱり明夫さんですかね。

櫻井:いや、界人じゃないか?

石川:僕ですか?

櫻井:主人公なのでセリフ量が段違いなんですよ。それでいてテンションが一度上ったら下がらないキャラクターなんです。なのでちょこちょことセリフがあったりすると、極力邪魔をしないように、足を引っ張らないようにするんです。そのくらいマジにやってますね。

――大真面目にやってるからこそ面白いのかなって思いました。

櫻井:そうですね。じゃないと面白くないと思います。

――アドリブとかはあまりないのですか?

石川:入れる隙がないんですよね。10分アニメで本編7分くらいの中にギュッと詰まっているので。珍しくシゲルコ・ホンダ役の新井里美さんも入れてないですよね?

櫻井:シゲルコは方言があるからね。そこでちょっと満足感があるんじゃない?

石川:あはははは(笑)。

櫻井:だからリアクションくらいです、アドリブは。

――6話までで面白かったシーンはどこですか?

櫻井:やっぱりTシャツの後ろ前は好きですけどね(1話)。あるあるですよね。最近前後よくわからない服とかも多いじゃないですか。おしゃれすぎて。あえて前にタグが付いてるとか。

でもああいう経験は誰しもあるので、あのシーンは笑っちゃいました。ヘルメットでTシャツが脱げなくてって、面白かったなぁ。

石川:僕は、シゲルコさんの登場回が衝撃的でしたね。いるよなぁこういうおばちゃん! って思って(笑)。ありがた迷惑な感じというか、親身になって好意でやってくれてるから無碍にはできないんだけど、いないところで叫んじゃうってところに共感しました。

櫻井:絶妙にイラッとするんだよね。

石川:そうなんですよ。新井さんのお芝居がすごくて、親身になってくれてるなぁ、でもイラつくんだよなぁっていう、針の穴を通すようなお芝居をやってくださるので、本当に心を込めて叫ばさせていただきました。

櫻井:訛りが結構大事だよね。カミナリの漫才みたいなもので、思いっきり叩くけど、訛ってるからそんなに引かないっていう。

――キャラクターはすごく濃いですよね。ナレーションの大塚明夫さんはもちろんですけど。こういう役は見たことなかったけど、ピッタリだなぁというキャラクターはいましたか?

石川:やっぱり、中田譲治さん(陰毛 役)ですよね。

櫻井:え? それはどういう意味で? 詳しく聞こうか(笑)。

石川:いや、やっぱりこうダンディズムが出てるんですよね。

櫻井:あぁ~、毛一本でもね。

石川:毛一本だとキャラクターデザイン的にも読み取れるキャラクター性ってないと思うんですけど、譲治さんがやることで、強いキャラクター性が付与されるんですよ。そういう意味では、本当に譲治さんが作り上げた「陰毛」だと思いました。

櫻井:あははは(笑)。すごいよね、一体どうやってオファーしたんだろうね。でも、とても真剣に取り組んでらっしゃいました。台本をずっと見てて。

石川:「ここは、こうしたほうがよろしいですか?」って。おかげで、スバル的にもすぐに心を開くことができて、「ユニヴァース感覚」に目覚めることができました。

櫻井:勝手な推測ですけど、あのくらいキャリアのある方だと、ありとあらゆるキャラクターをやってきていると思うんですよ。でもさすがに「陰毛」はなかったんじゃないかなと。

そうすると、なんか燃えるのではないだろうかと思いました。だって2018年「陰毛」役とプロフィールに加わるわけですから、そこは手を抜けないですよ。

――(笑)。あと、主題歌をスバル・イチノセとして石川界人さんが歌っていますね。

石川:何のことですかね?

櫻井:さっきもちょっと言いましたけど、本編ってシリアスに取り組んでるんですよ。でも歌はちょっとチョケてるなって思いました。

石川:あははははは(笑)。

櫻井:やや狙ってる感があって、そこがまたなんか本編との絶妙なバランスが取れてて、面白かった。

石川:歌詞を見たときに、ちょっとクレイジーだと思ったんですよ。でも曲自体はバリバリにカッコよくて、この曲にこの歌詞を乗せて、僕はどう表現すればいいの? って思いながらやってました。

ディレクターさんは「石川さんが思うように、カッコ良く歌っていただいて大丈夫です!」って言ってくれて「任されてしまった……」と思いながら、レコーディングでは楽しみながら歌わせてもらいました。

櫻井:納得の仕上がり?

石川:は、はい……。あの、何がイヤだったかって、アフレコの前にリハのVTRをもらうんですけど、歌が入ってるんですよ。入れなくていいじゃん! と。

櫻井:いやいやいや。

石川:歌は入ってないリハVって多いんですよ。

櫻井:あれで現場の士気は上がってるから。

石川:しかも入っているのをアフレコ現場でスタッフさんが流すんですよ!

櫻井:あははは(笑)。あれ、何なんだろうね?

石川:え? これはイジられてるのか? って、そのたびにスピーカーの音量を下げてるんですけど、こんなにイジってくれるとは思わず、ちょっとイヤなんですけど、嬉しかったです(笑)。

――博史池畠監督はどんな方なんですか?

石川:結構自由にやらせてくれますよね。

櫻井:ただ監督の中での美学があるみたいで、結構大変なシーンなのに何度もこだわってリテイクをしてるんですよね。まぁ、界人くんのシーンなんですけど。

石川:喉がいっちまいましたね、あの日は。

櫻井:そのヒリヒリ感が欲しかったんだろうね。シーンによってはきれいじゃない発声のほうがハマるときがあるんです。張り詰めてたりグチャッとしてたり、そうすると喉に負担がかかるようなお芝居が必要だったりするので、そのへんは偉いなーって思いながら見てます。

石川:そういうのが楽しいんですよね。声帯がヒリヒリしてやがる! って。

櫻井:ちゃんと求められているものを理解してるからね。だから偉いなって思うんですけど。

――最後に後半の見どころを語っていただければと思います。

石川:今後の注目は、マジでイスズです!

櫻井:そうかな?

石川:アフレコ現場でもイスズがイスズとしてしゃべるようになってから、後ろで笑いを堪えるのが大変なんです。櫻井さんがブースの外に出た隙に「やっぱ櫻井はすごいなぁ、ちゃんと台本を読むとはこういうことだな」って大塚明夫さんがずっと言ってるんですよ。

それくらいイスズの衝撃って大きくて、僕もそれに引っ張られて、取り組み方をチャレンジしてみようかなって思ったので、イスズはめちゃめちゃ注目です!

櫻井:あの、後半は結構カオスになっていくんですよ。話はそこで転調するというか、そこからずっとサビみたいな展開なんです(笑)。

でも、命を賭して生きている彼(スバル)のコックピット内でのみみっちさが変わらず面白いですね。彼が聖域と言うコックピットでのイジりがさらに面白くなっていくので、そこは石川くんのお芝居と共に注目だと思います。

石川:頑張ります! あとイスズの仲間も注目なんです。僕マイバッハさんがすごく好きなんですけど、あのシーンがどうなるのかが楽しみです。あのシーンがどこかは放送を見ていただければと思います!

[取材・文/塚越淳一]

作品情報

TVアニメ「宇宙戦艦ティラミス」

【INTRODUCTION 】
人類が生活領域と欲望を宇宙まで拡大した時代、自由を求めた人々が宇宙へ流れ住むようになり、彼らの叡智は文明を育み、いつしか地球を脅かす存在へと変貌していった。
宇宙暦0156年、地球連邦が祖母星グランマースから史上4度目のコンタクト(4th note)を受けたその年、【メトゥスの民】との抗争は本格化していた。

終わらない戦い、増え続ける犠牲……。

そんな戦況を打開する為、颯爽と一人の青年が戦場に降り立った。彼の名は、スバル・イチノセ。宇宙戦艦【ティラミス】の眉目秀麗・成績優秀な若き天才エースパイロットである。

全人類の希望は、彼に託された。
――だが彼の真の姿は、ティラミス艦内の集団生活に馴染めず、いつも専用機デュランダルのコックピットにひきこもってばかりいる青年で……。

【TV放送】
TOKYO MX:毎週月曜25:00~
サンテレビ:毎週月曜26:00~
BS11:毎週月曜26:30~
AT-X:毎週金曜22:35~
※リピート放送:毎週月曜14:35~/毎週木曜6:35~
キャットチャンネル:5月7日(月)22:30~
※再放送:毎週土曜26:30~

【配信】
ひかりTV:毎週月曜26:00~独占先行配信
※放送局・日時は変更になる場合があります

【STAFF】
原作:宮川サトシ 伊藤亰(新潮社「くらげバンチ」連載)
監督:博史池畠
シリーズ構成:佐藤裕
キャラクターデザイン:横山愛
メカデザイン:杉村友和
美術監督:畠山佑貴・若松栄司
色彩設計:歌川律子
モニターグラフィックス:南條楊輔
3DCGディレクター:白井賢一
撮影監督:林コージロー
編集:廣瀬清志
音楽:石毛駿平
音楽制作:日本コロムビア
音響監督:郷文裕貴
音響制作:スタジオマウス
アニメーション制作:GONZO

【CAST】
スバル・イチノセ:石川界人
イスズ・イチノセ:櫻井孝宏
ヴォルガー・ハマー:諏訪部順一
スバルB:江口拓也
ヴェンチュリー・ルロワ:土師孝也
リージュ・ルロワ:遠藤綾
シゲルコ・ホンダ:新井里美
陰毛:中田譲治
パッカー:桃井はるこ
パッカー:桃井はるこ
マイバッハ・ヴィルヘルム:杉田智和
ソウイチロウ・イチノセ:小山力也
ナレーション:大塚明夫

アニメ『宇宙戦艦ティラミス』公式サイト
アニメ『宇宙戦艦ティラミス』公式ツイッター(@tiramisu_anime)

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