声優
斉藤壮馬3rdシングルインタビュー前編|曲が生まれる瞬間や制作の裏側を深掘り!!

斉藤壮馬さん3rdシングル「デート」発売記念ロングインタビュー【前編】|曲が生まれる瞬間や制作の裏側を深掘り!!

学生時代の懐かしさやリアリティのあるシチュエーションは、実体験?

――歌詞の冒頭の“終電間際の高田馬場でぼくらは出会って”は学生の街であり、“ボーリング場の予約話”などリアリティがあって。

斉藤:僕の実体験ではないんですけど(笑)。

きれいなものとそうでないものが混在している駅ってどこかなと考えて、表参道や三軒茶屋など候補に浮かびましたが、カオスさがあって、生っぽさが伝わる街が高田馬場かなと。

知っている方は駅前のロータリーのイメージとか、知らない方も皆さんなりの高田馬場をイメージして聴き始めてもらえたら。

――描かれているのは出会ってから一緒に飲んだり、わずか数時間の出来事で、学生時代ってこうだったなと懐かしさも感じました。

斉藤:学生時代は男友達と飲んでいて、歌詞にあるように盛り上がって「海まで行ってみようぜ」と、僕らは「歩くやつ」と呼んでいましたが(笑)。夜散歩しながら飲んで。

よくも悪くも学生のノリはイメージしていて。歌い出しにあるように終電間際なので、電車に乗って帰れるけど、もうちょっとだけ飲みたいなという気分で。

斉藤壮馬として、今まで積み重ねてきたものの集大成に

――曲中では様々な歌い方をされていますね。本線はさわやかに歌いながらも途中でねっとりしたり、テンションが上がったり。声優ならではですね。

斉藤:確かに。2ndまでは意識してちゃんと歌おうとしていました。途中で声色とかがどんどん変わると一貫性を持って聴きにくいかもしれないと思って。

今回はそんな制限を設けずに、歌い方も曲も声優としてやってきたからこそ歌える曲かなと思います。歌詞に書いていない合いの手もいろいろな声色を使って、楽しみながらやりました。

――合いの手の“乾杯!”は男女2人の声だったり、女性コーラスも入っていますが……。

斉藤:あれは僕です(笑)。

素で録った時はちょっとふざけ過ぎかなと思ったけど、エンジニアの林さんが敏腕で、完成した曲を聴いたら本当に女の子の声じゃないかと思ったくらい、素敵な出来栄えで。

また、レコーディング当日に少し歌詞も変えました。2番の合いの手の“てへぺろ”がそうで、ふと思いついて「言ってみていいですか?」と。チーム全員で楽しみながらできたけど、めっちゃ時間はかかりました(笑)。

――歌詞に“?”があったり、“次元上昇”を意味する“アセンション”という聴き慣れない言葉が入っていたり、本好き、文学少年らしい多面性も感じられますね。

斉藤:2つどころかいくつにも分裂してるなって思います(笑)。「一貫性があって、論理的かつ理性的であるべきだ」という想いが強くて、最近まで自分だけでなく、人にも求めてしまっていたけど、人間は論理的ではないなと分かって。

そんな人間の論理的ではない感情に論理的にアプローチしていくのが役者の仕事だと思うし、本番で人から気持ちのパスをもらった時に、僕の頭の中だけで作ってきた感情が反射的にすっと出るのが楽しいんですよね。

昔は曲作りしている時もこだわりが強すぎて、例えば一人称を僕にしたらずっと変えてはいけないとか1番と2番のAメロの文字数は同じじゃなきゃいけないとか、「…(三点リーダー)」は2つ続けないといけないとか。

そういうのを全部取り払って、こういう言葉だったら歌いやすいな、気持ちいいなという感覚を優先してみたらこうなって。2年前だったら「てへぺろ」なんて言う自分を許せなかったと思います(笑)。

皆さんには自由に聴いて楽しんでもらいたいんですけど、僕的なオススメの楽しみ方はツッコミながら楽しんで聴いてもらえたらいいかなと。

韻を踏んでいるところもたくさんあるけど、まさかの“デート”と“冥土”という(笑)。聴いた時の楽しさや気持ちよさがありつつ、ドラマや時間軸は進んでいくようにバランスを調整して作ったし、歌詞も結構、書き直しました。

――斉藤さんらしさと遊び心が詰まってますね。

斉藤:今までキャラクターソングをたくさん歌わせていただいて楽しかったけど、アーティストデビューをさせていただくことになって「自分の歌って何だろう?」を探すところから始まってここまでやってきたけど、今回は自然と曲に引き出された表現が使えました。

また、自分はアーティストですと言うことにも抵抗があったけど、アーティストだからとか、声優だからとかではなく、これは「デート」という曲で、斉藤壮馬として解釈して歌いますでいいじゃないというシンプルな思考になれて。

声優のテクニックも使っているし、2枚目までのちゃんと歌うというベースも活かせているし、今まで積み重ねてきたものの集大成にできたなと思っています。

MVは謎のシュールな表現がいっぱいで“ヤバい”!?

――そしてMVも、これまでの3曲の映像とは違ったタイプの映像ですね。

斉藤:曲と共にMVのアイデアも浮かんできて、それを映像制作チームに投げかけて、ディスカッションしながら作っていきましたが、とにかくヤバいMVだなと。「ちょっとこの人、大丈夫かな?」という意味で(笑)。コメディタッチで、謎のシュールな表現がいっぱい出てきたりして。

――そこまで言うということは、相手の女の子の視点で斉藤さんを見ているようなシンプルな映像ではないんでしょうね。

斉藤:演出の仕方がすごく独特で。ちなみに、映像チーム側から「これでどうですか?」と返ってきたものに「テーマ:サイコミュージカル」と書かれていて(笑)。

これまでの3本はまじめできれいな作りで素敵でしたが、今回はキッチュな感じで、皆さんの反応も気になります。フィルムを見ているような気持ちで楽しんでいただけたら。いろいろ挑戦的なこともしているし、映像を見たらきっと驚くと思うので、ぜひ見てください。

[後編へ続く]
 
インタビュー前編:曲が生まれる瞬間や制作の裏側を深掘り!!
 

リリース情報

■斉藤壮馬「デート」
2018年6月20日発売
初回限定盤(CD+DVD)1,600円(税別)

通常盤(CD)1,200円(税別)

発売: SACRA MUSIC

公式サイト
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