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映画『銀魂2』小栗旬×菅田将暉×橋本環奈インタビュー

映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』小栗旬×菅田将暉×橋本環奈インタビュー

8月17日(金)から公開となる映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』。アニメイトタイムズでは本作の公開を記念し、坂田銀時役の小栗旬さん、志村新八役の菅田将暉さん、神楽役の橋本環奈さんの対談インタビューを実施。

2017年夏に公開されたパート1から引き続き万事屋の3人を演じての関係性の変化や、それぞれがパート2で新たに挑戦したことなど、撮影中の裏話も交えながら語っていただきました。

パート2はとてつもなくすごい“出し物”になった

ーー昨年公開された実写映画『銀魂』(パート1)が大ヒットした理由はなぜだと思いますか?

小栗旬:こういうお祭ごとをするのには、『銀魂』の世界観が合っていたんじゃないかなという気がしますね。原作が真面目な方にも面白い方にも、どちらにもいける可能性を持っていて。

真面目一辺倒に作らなければいけない原作物となると、本当の意味で本気で作らないといけない。そういう意味で『銀魂』はたとえCGが少しおかしくても、それすらも笑ってもらえるという部分を持っているからこそできたことなのかなと。

あとは完全に去年制作を始めた段階から、他の皆さんに期待されていないという状況だったので。笑

菅田将暉:最初はね。笑

小栗:僕たちは飄々と『銀魂』をやらせてもらって。原作と福田さんの持つノリや流れみたいなものが合致したことが大きいのかなと。ある意味日本で作るには最高に良い題材な気もします。

菅田:「これが映画なのか?」と言われた時にね。笑

小栗:打ち上げでも、松橋真三プロデューサーが「確実にパート2は映画というよりも、とてつもなくすごい“出し物”になったと思う」と言っていて。たぶんそういうことだと思うんですよね。

菅田:あとは真ん中に小栗さんがいて、福田さんの人望によってこれだけの人が集まっているという現実と。

小栗:そうだね。集まってくれた人も適材適所で、素晴らしい人たちが集まったというのも大きなことかな。

菅田:さっき改めて見ていて、キャストが本当にキャラクターにそっくりだし、すごいと思う。

小栗:実際僕らも現場で見ていて、こういうメンバーが続々と来るし、やっぱりワクワクしますよね。

菅田:新しいキャストの人が来る前日は、福田さんが「大丈夫かなぁ、明日…。」ってビビっているんですよ。

その緊張感が、ただふざけてやっているだけではない良さになるんだなと思います。キャストのポスターひとつ取っても濃いし。これ他の現場でやったら成立しないですよ。

ーー橋本さんは『銀魂』の前後で仕事に大きな変化があったと思いますが、パート1の時と比べていかがでしたか?

橋本環奈:パート1の時は初日すごい緊張していたんですよ。カブトムシを獲るシーンからだったんですけど、初日のシーンから万事屋も真選組のキャストもみんな揃ってましたし、空気感も全くわからなくて、全員と初対面なわけですよ。

先輩ばかりだし、福田組も初めてで、それで神楽役じゃないですか。その時と比べると、パート2では空気感を楽しんで、良い思い出がたくさんあるなと感じますね。

菅田:今回みんなでしゃくれるシーンがあったんですよ。それで岡田将生くんがしゃくれられなくて。

小栗:岡田くんは顎を前に出すとすごく速い新幹線みたいな顔になっちゃって。その後の環奈のしゃくれシーンが福田さんの注文通りに一発でできて。笑

橋本:しゃくれ職人みたいな感じでしたね。笑

小栗:それを見て岡田くんが環奈のことを「師匠!」と呼び始めて。笑

橋本:しゃくれに関しては練習していたんですよ。福田監督から「前作でもう小栗くんのしゃくれは見ているから、環奈がどれだけしゃくれられるのか見たい」と言われていて、それからずっと練習していたら、しゃくれられるようになって。

菅田:普段の顔からしゃくれてるみたいになってたよね。

橋本:そこから顔を直すほうが大変でしたね。笑

ーーパート1では橋本さんの“鼻ほじ”が話題になっていましたが、今回の目玉は何でしょう?笑

菅田:悲しいね。もう鼻ほじったくらいじゃ…

橋本:何をやったら話題になるんですかね。でもちゃんとゲ○も吐いてます。笑

菅田:普通にね。

小栗:今回新八も吐いてるよね。「吐いたああああああああ!!!」って。

菅田:そんなセリフない!笑

床屋さんのシーンで小栗さんのネジが落ちる音を確実に聞きました。(菅田)

ーー小栗さんは『銀魂』に出演してから何か変化はありましたか?

小栗:僕はあまり得したことがなくて。笑 真面目で硬派な俳優として売ってきたんですけど、おかげさまで違う場所もいただけて、面白いこともやらせてもらえるようになりましたね。

菅田:パート2の床屋さんのシーンで、小栗さんのネジが落ちる音を確実に聞きました。笑

小栗:パート1では福田監督の作品に参加するのが初めてだったので、ちょっと探りながらだったんですけど、出来あがったパート1を見たら「これはもっとやっても良さそうだな」と。

パート2では本当にはしゃがせていただいて「これで良いか悪いかを言われてもどっちでもいいな」と、とにかく楽しんでやろうというイメージでやってきて。そういう意味でも、パート2をやらせてもらえる醍醐味があったりして。

菅田:エンターテインメントとしても理想ですよね。楽しんでやって、観る人も楽しい。

小栗:物によっては結果的に仲間内だけが楽しくなってしまう作品もあるんですけど、『銀魂』スタッフもみんなバランスを取ってくれたり、「俺はこれでムービースターになる!」と言って来ている土方十四郎役の柳楽優弥くんがいたり。笑

菅田:この映画でね。笑

ーー今作の撮影でお互いのパワーアップを感じた場面はありましたか?

小栗:パート1を撮ってから約1年半くらい離れている時間があって、でも「また撮ります」と言われていたから、どこかで地続きになっていた感覚はありましたね。

でもみんな1年半の間、色んなことを経験していて。菅田に関して言えばパート1の時は歌い始めた頃だったのに、今やアルバムまで出してしまうミュージシャンにまでなって。

そういうことを引っ括めて、特に今回を見ていて「みんなすごく良い時間を過ごして来たんだな」と感じられる現場になっていましたね。過ごしてきた良い時間に培ったものを発揮する場所なのかはわからないけど。笑

自分の出演した『クローズ』という作品でも、パート1と2の間に鈴蘭高校の仲間たちがとても逞しくなって帰ってきた経験があって。この『銀魂』も今回また集まったら「これ万事屋出なくても真撰組だけでいけるんじゃないか?」と思えるくらいになっていて。

菅田:今回の真撰組はカッコいいんだよね、本当に。

小栗:それはある種、みんなが役にまた馴染んだとか、板に付いたみたいなこともパート1から2にかけてあったと思うし、2をまたやるということをみんな言われていて、心の片隅にそのキャラクターがいたりしながら過ごしてきただろうから、そういうのを感じると面白いと思いますね。

それが真っ直ぐなエネルギーだけじゃないというところが『銀魂』の良いところというか。「よしやるぞ!」みたいな思いを全部かなぐり捨てて、違う方向に入っていかなきゃいけない瞬間があって。笑

みんな前日ドキドキしてるんですよ。明日面白いことをするシーンだとなると、「誰も笑ってくれなかったらどうしよう…。」となりながら。

菅田:確かにね。笑

小栗:「お前の今持ってるスキルなんだよ?」みたいな。笑 全然そんなムードじゃないんだけど、絶対心のどこかでみんな思ってて。

橋本:笑

菅田:今回でいうと岡田将生くんとかね。

小栗:岡田くんはキャバクラのシーンで完全に落ち込んで帰ったんですよ。

菅田:めちゃめちゃ面白かったんだけどね。笑

小栗:本人の中では「こんなはずじゃなかった…。」ということがあって。「福田組怖いなぁ…もう出たくない」って帰っていって。

ーー笑。菅田さんはパート2の現場をどのように感じましたか?

菅田:パート1の時には、みんな仁王立ちで力が入っていたところからスタートしたんですけど、パート2ではみんな前のめりで肩をブンブン回している感じで。特にこの2人は。笑

ツッコミを入れる僕としては嬉しいし、その分こっちもやろうと思いましたね。新八としても、パート1の時に「銀さんんんんんんっっ」のセリフの言い方が違うなぁ…と反省していたんですけど、今回やっとできて。如実に進化した現場でしたね。

この先、この2人の前では普通の自分で大丈夫だなって思えたんですよね。(小栗)

ーーご自身が演じているキャラクターと似ているな思う部分はありますか?

小栗:僕は普段ぐうたらなので、そういうところは銀さんと似ていると思いますけどね。

菅田:基本クズですもんね。笑

小栗:基本クズなので、僕は仕事の時だけ100パーセントで頑張っているので。銀さんも戦う時だけしっかりやって。笑

ーー小栗さんと菅田さんの関係性も作品中の銀さんと新八に似ているなと感じました。

小栗:菅田は意外と猫みたいなタイプなので、近づいて可愛がっていると懐いてくるんですけど、突然パッといなくなったりもするんですよ。今回のパート2では色んな話ができたし、また少し菅田との関係は変わったのかなと思いますね。

それはもちろん環奈もそうだし、3人でいられる時間も多くて。パート1の時に「家に遊びにおいでよ」と話をしていたんですけど、2ではそれも実現できて、僕の家族と一緒に過ごしてもらうこともできて。

そうなってくると、2人の本当の意味での人となりが見えてきて、この先、この2人の前では普通の自分で大丈夫だなって思えたんですよね。

久しぶりに女の子の前で屁こきました。笑

菅田:僕も今同じシーンを思い浮かべました。笑

橋本:私も。笑

菅田:現場で屁こいて笑いをとるって、ただのおじさんじゃん。笑

小栗:でも、俺らの仕事で屁こいて笑いをとるおじさんってなかなかいないじゃん。笑

菅田:それもまた銀さんのキャラクターに合っている感じはしますけどね。笑

ーー笑。 菅田さんは自分が新八と似ているなと思う部分はありますか?

菅田:僕も普段メガネを掛けているのと、あと割とオタク気質でもあるし。

個人的に新八を演じる時は、少しダレた生活をしてから入るようにしようとしていて。だから演じていてすごく楽ですね。

リラックスして、顔もシュッとさせ過ぎず、ちょっとボヤッとした状態で眠くてもそのままお芝居するみたいな。その緊張感みたいなものがちょうどいいですね。

ーー橋本さんは神楽と似ている部分はありますか?

橋本:神楽は割と発言がおかしいですからね。こんなに飛んではないと思うんですけど。

小栗:申し訳ないけど、橋本環奈のもともとのイメージだった「千年に一人の美少女」のために良いこと言える自信はないよ。

橋本:そうですよね。そこは信用していないので大丈夫です。笑

「真選組動乱篇」のアクションシーンは2つのチームが混在

ーー今作では「真選組動乱篇」が物語の中心となっていますが、アクションシーンの手応えはいかがですか?

小栗:アクションシーンは前回のことも踏まえながら、今回の劇場版では、前回からアクション監督を担当している韓国のチャンさんのチームと、Gocoo(ゴクゥ)の田淵さんが担当するチームの2つのアクションチームが混在しているんです。

例えば、銀時と万斉の戦いはチャンさんのチームが担当だけど、土方と鴨太郎のシーンや、沖田と神楽のシーンは田淵さんが担当していて。動きの稽古の付け方や作り方が全然違うもので、切磋琢磨している部分があることによって、毛色の違うアクションになっていると思いますね。それを1つの映画で両方見られるというのも、ある意味福田さんだから可能なことなのかなと。

他の監督さんだと、「なぜAチーム・Bチームにするんですか」ということになったりするのかもしれないけど、「福田さんが言っているし、しょうがないか」と。

そういう試みができたのも大きいと思うし、福田さんの中で「こういうことをやってみたい」と言っていた銀時と万斉のアクションシーンも面白い立ち回りになっていると思います。

菅田:迫力ありましたね。これにCGが付いたらと想像しているだけで楽しかったですし、みんなで真選組の服を着て車に乗っている時間とかも楽しくて。確実に前回よりも派手になっているなという感じはありますね。

ーー原作やアニメでも人気のシーンですよね。橋本さんは神楽のアクションはパート1と比べていかがでしたか?

橋本:パート1で神楽の色んなアクションをやって、それを踏まえて、2では違うアクションも増えていて、神楽の戦闘スタイルというのができてきているかなと思います。

私が電車の中でやっているアクションシーンとかはすごく狭いんですよ。でも狭い分、あえて動きを全体的に小さくするというよりは、ガラスを破ったり、椅子を破壊したりと派手なこともやったので、カメラのモニターではすごく迫力が増して見えて。出来あがりが楽しみだなと思いますね。

ここまで来たら「夏だ!銀魂だ!」と言われるようにしたい

ーーご自身のキャラクター以外で演じてみたいと思ったキャラクターはいますか?

小栗:僕は原作も読んでいて、土方の役はすごくやりたかったんですね。柳楽くん羨ましいなぁと思います。

菅田:今回は特にトッシーの話でもありますからね。

小栗:でも柳楽くんの演じている土方を見たらぴったりだなと思いましたね。土方はカッコよくて良い役ですよ。タバコ吸いすぎですけど。

橋本:私の今出演しているドラマで偽物のタバコを咥えて喋るシーンがあったんですよ。そのシーンで全然喋れなくて。それで柳楽さんってずっとタバコ咥えて喋ってるからすごいなと思ったんですよ。感動しました。

菅田:あとで言ってあげよう。「誰もわかってくれないんだよ〜」ってめちゃめちゃ喜ぶと思う。笑

ーー菅田さんは新八役以外で演じたいと思ったキャラクターはいますか?

菅田:個人的に最初『銀魂』のオファーが来た時に、新八役かなと思ったんですよね。やるなら新八がいいなと思っていたので。

小栗:新八を演じている時は地味だもんね。その時は「わぁ!菅田将暉だ!」ってならないですもんね。「あ!新八だ!」って。笑

菅田:新八として現場でみんなにちゃんとナメられてる。笑

ーー笑。原作では誰が好きですか?

菅田:原作ではマダオが好きですね。いつか映画でも出てくるといいですね。

橋本:マダオが出てくる話は面白いですよね。笑

小栗:マダオは真面目な話に絡んで来れないからね。

菅田:映画向きじゃないんですよね。笑

ーーいつかマダオにも映画で登場して欲しいですね。笑 次回作については考えていますか?

小栗:でも『銀魂』があるおかげで仕事を選ぶ幅が広がったというか、こういう1個バカなことをやっているから、これ以外は真面目に過ごしても良さそうだなと思えるようになりましたね。

基本的にはみんな「夏だ!銀魂だ!」ということに、ここまで来たらしたいねとなっているので。

ーーあと50年くらいはやれそうですね。笑

小栗:そこまでやると80歳くらいになっちゃうけどね。

菅田:面白いなぁ。笑

小栗:50作続けたら、君たちは70歳になったくらいか。

橋本:ちょっと待って、厳しい…。笑

小栗:僕らが80歳になった時には、何となく扮装しながら他の人にも役をやってもらって。「あんな時もあったねぇ…」って。笑

ーー楽しいお話をありがとうございました!

インタビュー・文:吉野庫之介

『銀魂2 掟は破るためにこそある』作品情報

2018年8月17日(金)、全国ロードショー

■出演
小栗旬
菅田将暉 橋本環奈 / 柳楽優弥 三浦春馬
窪田正孝 吉沢亮 勝地涼 夏菜 戸塚純貴
長澤まさみ 岡田将生
ムロツヨシ キムラ緑子 佐藤二朗
堤真一 中村勘九郎 堂本剛

■原作:「銀魂」空知英秋(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
■脚本/監督:福田雄一
■製作:映画『銀魂2』製作委員会
■制作プロダクション:プラスディー
■配給:ワーナー・ブラザース映画
■主題歌:back number「大不正解」(ユニバーサル シグマ)

『銀魂2 掟は破るためにこそある』公式サイト
『銀魂2 掟は破るためにこそある』公式Twitter(@gintama_film)
『銀魂2 掟は破るためにこそある』公式インスタグラム

(C)空知英秋/集英社 (C)2018 映画「銀魂2」製作委員会
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