『ダーリン・イン・ザ・フランキス』TVアニメ第21話 Play Back:叫竜の姫の協力を得たヒロ・ゼロツーが真の敵・VIRMと衝突し――
2018年1月より放送中のTRIGGER×A-1 Pictures 共同制作によるオリジナル TV アニメーション『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ダリフラ)。本稿では、叫竜の正体、そしてVIRMの因縁の関係が明らかとなった第21話「大好きなあなたのために」本編の内容を筆者が感じた印象と共に振り返っていきます。
VIRMという真の敵が明らかになった20話。ただ、あまりに突然の第三勢力の出現に、多くの人が唖然としてしまったのも事実だが、21話を見ると叫竜人とVIRMの関係性がわかってくる。
まず、アバンでのVIRMだった主席&副主席の言葉。「スターエンティティは宇宙の秩序を脅かす生命の塊 叫竜の姫がインプラントしたときは爆弾と化すコードを仕掛けた」という言葉から分かるように、スターエンティティがそれほどの脅威になる兵器のようだ。
さらに「宇宙のあらゆる知性体を同化し、肉体という殻を捨てさせてきた」「悠久にわたって続く凪のような快楽、それを与えよう」という言葉から、VIRMの目的も明らかになる。そして七賢人の残りも最初の餌食になり、取り込まれてしまう。それにしても何という善意の押しつけか……。
VIRMの仕掛けた罠に苦しむ叫竜の姫にゼロツーを重ね、手を差し伸べるヒロ。そこで、叫竜の姫の過去の記憶を垣間見る。6000万年以上前に地球に高度な文明を築いていた叫竜人。そこへVIRMが襲来し、肉体を持たない思念体に加わるように要求。それを拒否したことで戦争が始まり、叫竜人たちは自らを不死の兵器として進化、繁殖能力など、すべてを失いながらVIRMを撃退する。
だが、それだけの犠牲を払って守り抜いたものの、撃退したのがVIRMの先遣部隊にすぎなかったことを知る……来たるべき再訪に備え、叫竜人は地中に潜り、力ないものは自らをマグマ燃料と呼ばれるエネルギーに変化し、力あるものは結合しより強力な兵器となっていく。つまりマグマ燃料が単なる燃料ではなかったことが、人類を急速に進化させた要因であったと言えるだろう。
孤独ではなく、繋がることの強さ
VIRMと叫竜の熾烈を極める戦いの中に置かれたフランクス。七賢人(パパ)がいなくなったことで、指揮系統は崩壊。ほかのコドモたちが判断できない自体に陥っている中、ほぼ全員が自立をしている13部隊は、イチゴを中心に自分たちで判断し、グランクレパスに戻る決断をする。
一方、フランクス博士のもとに辿り着いたゼロツーは、自分がスターエンティティを人類の手で動かすために、叫竜の姫のDNAから生み出されたものと聞かされる。さらにはゼロツーのクローンが9'sであることも……。その9'sはパパの命令だけに従うため、相変わらず叫竜と戦い続けるが、VIRMのゾンビ兵たちによって9'δが殺されたことで、9'αが暴走。周りの敵をすべて破壊し尽くす。ゼロツーのクローンとして叫竜の血は引いてないものの、その力は圧倒的だった。
そして叫竜の姫に負わされた怪我も回復したゼロツーのところに、13部隊のフランクスたちが集合。みんなでゼロツーをヒロのもとへ送り届けようとする。敵の追っ手を迎撃しながら道を切り開いていく13部隊。力を使い果たしたイクノたちを守るためにココロとミクが協力。さらにVIRMのゾンビ兵2体を相手にし、相討ち覚悟で勝利するデルフィニウムと、すっかり頼もしい13部隊だった。
ヒロのいるスターエンティティにたどり着いたゼロツーは、最後に「一応言っておく。ボクを作ってくれて、ダーリンに会わせてくれてありがとう」と博士に残し、スターエンティティ胎内 グランクレイドルへ。そしてそこにあるストレリチアのコックピットでヒロと再会する。
コックピットに広がるのは絶望的な光景だったが、ヒロとゼロツーを見た叫竜の姫が「繋がりを捨て、孤独になることで強く完全になれると信じていた。しかし、繋がるものがいることで輝く命もあるのかもしれない」と、持てる力をゼロツーとヒロに委ねて、地球の未来を託すのだった。
そしてストレリチア・アパスを覚醒させたヒロとゼロツー。「ニンゲンよ。我々は再び飛び立つ、抗うか滅びを受け入れるか。お前たちが決めるが良い」と叫竜の姫は言葉を紡ぐ。
ストレリチア・アパスは、その強大過ぎる力でVIRM艦隊を撃退。新エンディングテーマの「ダーリン」も、これまでのシリアスナンバーから一転、晴れ渡るようなポップチューンだった。だが、すべてがハッピーな結末を迎えるのかと思った矢先、ゼロツーのツノは折れ、瞳からは生気が失われていた。
最後は怒涛の展開。博士もその中で命を失ったが、ゼロツーはどうなってしまうのか。それが22話で描かれる。まだまだ彼らの戦いは終わらなさそうだ。
[文/塚越淳一]
作品概要
■放送情報
TOKYO MX:1月13日より毎週土曜23:30~
とちぎテレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
群馬テレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
BS11:1月13日より毎週土曜23:30~
ABC朝日放送:1月13日より毎週土曜26:29~
メ~テレ:1月13日より毎週土曜26:39~
広島ホームテレビ:1月18日より毎週木曜27:00~
BSS山陰放送:1月19日より毎週金曜26:18~
BBCびわ湖放送:1月22日より毎週月曜26:45~
※放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。
■主題歌情報
・オープニング主題歌
アーティスト:中島美嘉
曲名:KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
作詞・作曲:HYDE
編曲:HYDE/Carlos K.
・エンディング主題歌
アーティスト:XX:me(キス・ミー)
作詞・作曲・編曲:杉山勝彦
■スタッフ
原作:Code:000
監督:錦織敦史
副監督:赤井俊文
シリーズ構成:錦織敦史/林直孝(MAGES.)
キャラクターデザイン/総作画監督:田中将賀
メカニックデザイン:コヤマシゲト
アクション監修:今石洋之
ミストルティンデザイン:中村章子
叫竜デザイン:岩崎将大
美術設定:塩澤良憲
美術監督:平柳 悟
色彩設計:中島和子
3Dディレクター:釣井省吾/雲藤隆太
3DCG:スタジオカラー/A-1 Pictures
モニターグラフィックス:座間香代子
撮影監督:佐久間悠也
音楽:橘 麻美
音響監督:はたしょう二
編集:三嶋章紀
制作:TRIGGER/A-1 Pictures
■キャスト
ヒロ:上村祐翔
ゼロツー:戸松遥
イチゴ:市ノ瀬加那
ミツル:市川蒼
ゾロメ:田村睦心
ココロ:早見沙織
フトシ:後藤ヒロキ
ミク:山下七海
ゴロー:梅原裕一郎
イクノ:石上静香
ハチ:小西克幸
ナナ:井上麻里奈
フランクス博士:堀内賢雄
■ストーリー
彼らは夢を見る。
いつの日か大空へはばたく夢を。
ガラスによって遮られたその空が、どれだけ遠いものだと知っていても。
遠い未来。
人類は荒廃した大地に、移動要塞都市“プランテーション”を建設し文明を謳歌していた。
その中に作られたパイロット居住施設“ミストルティン”、通称“鳥かご”。
コドモたちは、そこで暮らしている。
外の世界を知らず。
自由な空を知らず。
教えられた使命は、ただ、戦うことだけだった。
敵は、すべてが謎に包まれた巨大生命体“叫竜”。
まだ見ぬ敵に立ち向かうため、コドモたちは“フランクス”と呼ばれるロボットを駆る。
それに乗ることが、自らの存在を証明するのだと信じて。
かつて神童と呼ばれた少年がいた。
コードナンバーは016。名をヒロ。
けれど今は落ちこぼれ。
必要とされない存在。
フランクスに乗れなければ、居ないのと同じだというのに。
そんなヒロの前に、ある日、ゼロツーと呼ばれる謎の少女が現れる。
彼女の額からは、艶めかしい二本のツノが生えていた。
「――見つけたよ、ボクのダーリン」
●TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」×「アニメイトタイムズ」コラボページ
→https://www.animatetimes.com/darli-fra/
TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式サイト
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