『インクレディブル・ファミリー』三浦友和さん&黒木瞳さんインタビュー|ジャック・ジャックが可愛いからみんな観て!
ディズニー/ピクサー作品の中でも熱狂的なファンが多い『Mr.インクレディブル』待望の最新作『インクレディブル・ファミリー』が8月1日より全国ロードショー! 日本版声優は前作から引き続き、三浦友和さん、黒木瞳さん、綾瀬はるかさんらが担当しています。
今回は、ボブ<Mr.インクレディブル>役の三浦さんとヘレン<イラスティガール>役の黒木さんに最新作の見どころをお伺いしました。
ボブとヘレンの話題はもちろんのこと、スーパーパワーを身につけたジャック・ジャックについても大盛り上がりでした!
まるでボブとヘレン……?
──『インクレディブル・ファミリー』について、まずはオファーが来た時の感想からお聞かせください。
黒木瞳さん(以下、黒木):『インクレディブル・ファミリー』が製作されているという一報を記事で読んで、すごく嬉しくて。「ヘレン役は私ですよね?」とスタッフさんにお伺いました(笑)。
三浦友和さん(以下、三浦):本当に?(笑)
黒木:本当です(笑)。前作からヘレンをやっているので。
三浦:その積極性がヘレンだよね(笑)。
黒木:そうですか?(笑)
三浦:前作から時間が経ってるから、もしかしたら変わるかもなと思ってた。
黒木:えー、そうですか。
──ボブ(ロバート・パーの愛称)はやっぱり三浦さんじゃないと。
三浦:出来上がったものを観てそう言っていただけるとありがたいです。だって30代くらいの役だからね。
黒木:そんなこと言ったら……。
三浦:まあまあ、お互いそうですけど(笑)。そういうことを考えて、役者も変わっていくんだろうなって思ってました。そしたらお話が来てちょっとびっくりして。
しかもこれ、アメリカで元々の声をやっている方は70歳を過ぎてるんだって。「じゃあいいか」と思って(笑)。
黒木:私は「やりたいです」と積極的に言いに行ったくらいすごく楽しみでした。
素晴らしい作品なので、また一緒に作品を作り上げることができるというのが何よりの喜びです。
──久しぶりに同じ役を演じるというのは、なかなかない機会だと思います。その感覚というのは、どういうお気持ちでしたか?
黒木:去年はドラマ『就活家族〜きっと、うまくいく〜』で夫婦役でしたからね(笑)。なので、全く違和感はなかったんです。
三浦:僕が収録した時はほとんど声が入ってなかったので、違和感も何も分からなかった(笑)。はるかちゃん(綾瀬はるかさん)の声は入っていたので、その声を聞きながら、「最初に録るのは可哀そうだな」と思いながら聞いていましたよ。
みんな別撮りだから、息を合わせるということはなくて、元の英語の声を聞きながらそのニュアンスに近づく作業でしたね。普段の自分じゃないことをやるということです。
僕らは悪役をやっても、敵役をやっても、正義の味方をやっても、自分の中の正義がある程度その中に反映するんだけど、これはもう『Mr.インクレディブル』の中に近づかなきゃいけない、元の声に近づかないといけないという想いでした。
そういう大変さはありましたね。全く普段の自分と違うことをやらないといけない。発声から何から。いつもはあんな声で芝居しないですからね。
──アクションのシーンも満載でしたもんね。
三浦:実は収録のときに喉を壊しちゃって。「うー!」とか「えー!」とか「あー!」とか言いすぎちゃった(笑)。
黒木:私、その時ちょうど気管支炎になっていて。でも、逆に自分の声とはほんのちょっと違う声が出せて良かったなって。
三浦:ちょっと病んでたから?
黒木:病んでたから(笑)。
三浦:普段の声でお願いしますと言われたらきつかったね(笑)。
黒木:まあ、災い転じてという感じで良かったなあと(笑)。逆にヘレンになれたなと。
振り返って思うことは、楽しんでやれたということと、あとは一度やっているキャラクターだから、ブランクがあったとしても、スッとその世界に入っていけたなということ。初めての時よりはすごくスムーズに入っていきました。
三浦:前と違ってものすごく家庭の話が多くて(笑)。ボブはセリフ量が前の5倍くらいある。
前作は、アクションのところであんまり喋ってないでしょう? なんだけど、今回はずっと喋りっぱなし。家庭の外でヘレンさん頑張っている間に(笑)。いろんな人との会話、子供に関する会話だったり、それが一番大変だったかもしれない。
黒木:本当にボブには申し訳ないなって思いました。子守をさせちゃって「申し訳ないな、お父さんに」とずっと思ってました。ヒーロー活動をやりたいのに、活躍したいのに、ヘレンが選ばれてしまったので。そういう気持ちは絶えずありました。
──家族のことがすごく描かれている印象でした。
黒木:今回は、やっぱり『インクレディブル・ファミリー』になっているので、家族愛がすごく懸命に出ている感じがしました。
ジャック・ジャックが「ママ!」って最後に探しに来るんですけど、もう胸が痛いですもんね。あれが可愛くて(笑)。ボブはボブで「良いパパになりたい」としんみりしますし。
──共感する部分はありましたか?
三浦:僕も実際に二人の子どものほぼイクメンをやっていましたから。あんまり大変じゃなかったですけど。ジャック・ジャックのスーパーパワーみたいに極端もなものはなかったので(笑)。大変さも分かるし、でも幸せで面白かったですよ。
今回はそういう気持ちはとっても分かった。ボブも子育てを最初はなめてかかるだけれど、大変だっていうね(笑)。「奥さんの大変さもちゃんと分かれよ」っていうのがちゃんとわかるね。
黒木:子どもたちが言った「ママの方が良い」っていう言葉を思い出してブツブツと愚痴を言いながら、それでも子どものためにボブが一人で夜中に算数を勉強するのも、すごくリアリティがあって(笑)。本当に共感ができますよね。
──やっぱりご家庭の中の経験ですとか、そういったものも活きているんですね。赤ちゃんをあやすときの声ですとか。
三浦:あの感情がやっぱり分かるから。それは経験しているということはプラスアルファであるかもしれない。
──絵本を読み聞かせするシーンがすごく良かったです(笑)。ボブがだんだん眠くなっちゃうシーンとか。ジャック・ジャックも可愛いですし。
三浦:ジャック・ジャックすごいでしょう。
黒木:可愛いですね〜。
三浦:ジャック・ジャックはどういう声になってるかな。
黒木:元のまんまらしいですよ。
三浦:まんま? 良かった〜(笑)。
ジャック・ジャックのファンが増えそう!
──収録はどのように?
三浦:監督がすごく指示がうるさかった(笑)。我々に「ここはこんな感じ」って全部自分でやってみせる監督で(笑)。そういう風にやらなきゃいけないんだと思いながら、ちょっとイラつきながらやってたんだけど(笑)。
黒木:ものすごく丁寧な演出でしたね、そう言われたら。
私達はオリジナルの声を聞いているので、そのニュアンスで演じて、自分なりの気持ちを入れてやりました。監督が出来上がりをイメージしていらっしゃるので、あとはバランスですよね。
三浦:初日に収録した声をすぐにアメリカに送って、それでOKが出たら進める感じでしたよ。前作から時間が経っているので、声の変化があったりとかすると、ディズニー/ピクサーの方がNGを出すという、そういう段階だったんですよ。
──前作は一発録りだったのですか? それとも何日かに分けてという感じでしたか?
黒木:何日かかけて録りました。
三浦:今回何日だった?
黒木:今回は5日間ですか。ゆったり録って。
三浦:リテイクも出たし。結構今回は大変でしたよ(笑)。
──今回、改めて前作を観ましたか?
三浦:観ましたよ。「どんな声でやっていたのかな?」という確認もちょっとあってね。もう忘れてるから。内容も忘れてたし(笑)。「なんか活躍してたなぁ」という(笑)。
黒木:ボブを助けに行ったじゃないですか私たち(笑)。
三浦:そうだったっけ(笑)。
──(笑)。黒木さんはいかがですか?
黒木:やっぱり『Mr.インクレディブル』ってすごく印象に残っているんです。だから、映像を観ながら演じればいけると思っていました。
オリジナルの声を聞くと声がちょっと低くなられていて。監督に申し上げたら、「そうなんです、ちょっと声が低くなってますね」って。
だから、恐らく私も気がつかずに1作目より声が変わっていると思います。だから、オリジナルを聞いて逆に安心しちゃった、みたいな。
──なるほど。、最後に、映画の見所やファンの皆さんにメッセージをお願いします。
黒木:早くみんなに観て欲しいです。スーパーヒーローたちが世界を救うんですけど、それだけじゃなく家族の『インクレディブル・ファミリー』の家族愛がとてもほっこりするんです。見所満載だと思っています。
ジャック・ジャックも新しい見どころ満載ですので、早く観て欲しいです。
三浦:今回はジャック・ジャックのファンが相当増えると思うね。
黒木:もうたまんないですね(笑)。
三浦:今回はジャック・ジャックを観てくださいっていう感じ(笑)。
黒木:アニメーションなのにジャック・ジャックが自分の息子みたいな気持ちがするので。もう可愛くて可愛くて。本当にたまらないです。可愛さが爆発してました(笑)。
三浦:よくあんな声出せたな。
黒木:アライグマと戦う時に「うえうえうえうえ」って言うじゃないですか(笑)。もうそれが可愛くて(笑)。
三浦:今回の見所はそこです。
黒木:アライグマと戦うジャック=ジャックですね(笑)。
[インタビュー/石橋悠 写真/アイザワヒロアキ]
作品概要
8月1日(水)全国ロードショー!
<ストーリー>
彼らは、どこにでもいるフツーの家族...ではない!パパもママも 3 人の子供も、それぞれ異なるスーパーパワーを持ったヒーロー家族なのだ!超人的なパワーをもつパパ、ボブ、伸縮自在なゴム人間のママ、ヘレン、超高速移動できる長男ダッシュと、鉄壁バリアで防御できる長女ヴァイのオレット。さらに、スーパーパワーに目覚めたばかりの赤ちゃんジャック・ジャック。その潜在能力は、まだ未知数。家事も育児も世界の危機も、驚異のスキルと家族の絆で乗り越える、この夏最高の一家団結アドベンチャーが誕生した!
監督:ブラッド・バード
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン