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山崎エリイ2ndシングル「Starlight」インタビュー

山崎エリイ2ndシングル「Starlight」インタビュー|「七星のスバル」に寄り添いつつ自分の世界観も入れました

声優・アーティストとして活躍している山崎エリイさんの2ndシングル「Starlight」が、8月22日(水)にリリースされます。

表題曲「Starlight」は好評放送中のTVアニメ「七星のスバル」のエンディングテーマ。山崎さんにとって初のアニメタイアップです。カップリングには「Steady」を収録。今回収録の2曲はどちらも作詞・作曲を金子麻友美さん、編曲を佐藤清喜さんが担当しています。

リリースを目前に控えた山崎さんに、楽曲のことやMusic Video(以下、MV)の収録秘話、20歳になって初のCDリリースの気持ちまでたっぷり語っていただきました。

作品の世界観を歌わせてもらうのが嬉しい

──前回のインタビューでも話していましたが、初のアニメタイアップですね。

山崎:はい。ソロでは初めてになります。

──2ndシングルが出ることと、アニメタイアップになることは同時に言われたのですか?

山崎:最初に2ndシングルを出しますとふんわり言われました。その時はいつ出すのかも、どういうものになるかもわからない状態で。

そうしたら急に「(アニメの)タイアップです」「8月です」と怒涛の情報が来たんですよ (笑)。初めてアニメタイアップとして歌わせていただけるので、原作を読むところから始めました。

──これまでとは違ったアプローチから始めたのですね。

山崎:そうですね。今までは自分がやりたい曲であったり、ディレクターさんが提案してくれた曲を歌わせていただいていたんですが、今回は作品の世界観を含めて歌わせていただけるのがすごく嬉しくて。

最優先がアニメのエンディングでしたので、まずは作品を読まなくちゃという意識でした。

──曲をもらうよりも先に原作を?

山崎:はい。レコーディングの時点では6巻まで出ていたので、最新刊まで読ませていただきました。

──原作の第一印象はいかがでしたか?

山崎:友情や青春がありつつ恋愛模様もあって、冒険的なモノまですごくたくさん詰まっているなという印象でした。

謎解きといいますか、どういう風に旭姫ちゃんがいなくなったのかもキーになっていますし。今までこのような作品を読んだことがなかったので面白かったです。

──エンディングが流れるのは第2話からでしたが、アニメを見て曲を聴くことが出来るのはやはり特別ですよね。

山崎:アニメで聴いて知っていただく経験は初めてなので、そういう機会をいただけたことが嬉しいですね。

フルで聴いたら印象が変わりました

──具体的に楽曲の内容についてお聞きします。表題曲「Starlight」を受け取った時は率直にどう思いましたか?

山崎:「七星のスバル」とリンクしすぎていて、絶対に原作を読まれているんだろうなって思いました。

──作詞・作曲の金子さんも山崎さんも「一気に読んじゃいました」とSNSやブログに書かれていましたね。

山崎:そうなんですよ! 金子さんとはレコーディングでお会いしたんですけど、「私も一気に読んだんですよ!」「あ、やっぱり?」みたいに、共通の話題でお話がすごく合って。

私も原作を読んでいたから、なぜ歌詞に「守るから」といった言葉が入っているのかなど、すんなり理解出来ました。

──歌詞の内容的には、カップリングの「Steady」も「七星のスバル」のことを歌っているように感じたのですが。

山崎:どちらの曲も金子さんと佐藤さんが作ってくださり、この2曲のどちらかがエンディングになりますというお話だったんです。

それで、仮歌として1番尺でレコーディングしてアニメのスタッフさんたちに聴いてもらったんですよ。「どっちがいいですか?」って。

そうしたら「Starlight」でお願いしますとなったので、「Starlight」がエンディングに使われて「Steady」はカップリングになりました。どちらも「七星のスバル」をテーマにした楽曲なんです。

だから、今回のシングルは「七星のスバル」に全部振った形になっていて。作品を知っている方は、曲を聴いてふわっとイメージが浮かび上がるような楽曲になったと思います。

──そのようにしてエンディングテーマとなった「Starlight」は、最初に聴いてどのような印象でしたか?

山崎:最初は1番だけいただいて、それを聴いた時は包み込むような温かい楽曲という印象でした。でも、その後に2番もいただき「過去なんて いらないと 思った日もあった」というところを聴いて「えっ?」と思って。「あれ? これはどう歌えばいいんだろう」と迷ってしまいました。

儚げで悲しいところも混ぜた方がいいのかな、ちょっとウィスパーっぽい感じなのかな……バラードだし……と迷走したまま1番だけ仮レコーディングをしたんです。それを聴いたら「なんか世界観が違うな。(アプローチを)間違えたかもしれない」と思ったので、再度練り直しました。

──どのような感じに?

山崎:作品のキャラクターとはまた別に、私の中で1人の人物像を作ってみたんです。きっとその子は、過去に辛い出来事があったとしても、それを強さに変えられる芯のある子なんじゃないかなって。だからウィスパーでずっと囁いているのはやめて強さも出しました。

例えば、サビ前の「生きる強さをAh」を強く歌ってみたりとか。出来る範囲で強弱やメリハリを意識しましたね。

──「I promise you」のところも1番のラストとオーラスとでは印象が違っていて、1曲の中で感情の変化があるなと感じました。

山崎:Dメロの「もう二度と」というところからは、あえて最初に試したウィスパーを活かして耳元で囁いているような感じにしてみたり、「原作にこういうシーンがあったよな」とリンクさせて歌ってみたりとか。バランスをすごく考えて、スタッフさんと確認しながらレコーディングしました。

──ということは、旭姫と陽翔どちらかのみの目線で歌っているのではないのですね。

山崎:いろいろな視点を織り交ぜていますね。アニメの世界に寄り添うことはもちろん意識していますが、自分の世界も作りつつといいますか。

原作を読んでいない人や、この曲を聴いてからアニメを見る人にとっては曲を最初に聴くわけじゃないですか。

だとしたら、山崎エリイの世界観もちょっとはあった方がいいのかなと思って。半分とまではいかないですけど、ちょっとオリジナルも入れた感じです。

──確かに一般的な内容としても捉えることができるし、それでいて「七星のスバル」の曲だなと思いました。では、メロディの印象はいかがでしたか?

山崎:この曲はBメロがなくてAメロの次がサビなんですよ。ディレクターさんが言うには、アニメの主題歌という尺が決まった中で歌詞をひとつひとつ聴かせるにはBメロがない方がいいらしくて。その分、歌詞を丁寧に歌えたらいいなと思って、メッセージのような気持ちで歌いました。

──1番と2番でメロディが変化するところもAメロなのですね。

山崎:そうなんです。今回はどちらの曲もそうなのですが、フルで聴いてひとつの作品になっていますので、ぜひフル尺で聴いてもらいたいです。

──個人的にはメロディラインにどことなく懐かしさも感じたのですが、そのあたりはどうですか?

山崎:私もちょっと懐かしさを感じましたね。キラキラしたイントロから始まるんですけど、最近の弾ける感じのキラキラではなく遠くから小さく輝いているようなイメージで。歌詞も直球ではなく言いたいことの6割ぐらい隠して4割をオブラートに包んでいるような感じでした。

昔の楽曲って架空の表現が多いじゃないですか。実在するわけではないけど、歌詞の中ではしっくりくるというか。そういう感覚なのかなって。

MVはメイキングとのギャップも注目

──MVは思いを伝えたいような表情も印象的でした。

山崎:ゆっくりした楽曲なので、時間の流れを意識して撮影しました。シーンのカット割りは多いですけど、スローモーションな映像の多いMVになっていて、実際の秒数よりも長く感じます(笑)。

夜のシーンで床に座って見上げるところでは、手の振りをゆっくり動かしたりして。線路を歩くシーンとかはフィルターをかけて淡い感じになっているので、懐かしいような映像にもなっています。

でも、対照的にカメラが回っていない時ははっちゃけていました(笑)。

──はっちゃけてとは、何をしていたんですか!?

山崎:スタッフさんと踊っていました(笑)。カメラの転換のためにホーム上で待機していたら、女性のスタッフさんが「踊ろう!」と言ってきたので2人で社交ダンスみたいなことを。

──どこの映画のワンシーンみたいですね(笑)。

山崎:ホームで踊ることって滅多にないじゃないですか。

──いや、普通ないと思います。そこはメイキングに入っています……?

山崎:……入っているそうです(笑)。

あと、メイキングには入っていないですが、月夜のシーンの時も私が先頭になって縦1列でダンスをしていて。本編とのギャップがすごいです。

──そういえば、あの靴で線路は歩きにくそうでしたね。

山崎:ヒールで線路を歩くとは思わないし、というか線路を歩いたことがないので難易度がわからなくて。石が大きくてヒールが挟まるなと思ったんですけど、細心の注意を払いながら歩いたので1回しか躓かなかったですよ(笑)。

──真面目なところもはっちゃけているところも楽しんでもらいたいですね。ちなみに、カメラを向けられることは慣れましたか?

山崎:今でも苦手です……。MVのラストに、願っているシーンがあるんです。「『あなたの日常が良くなりますように』というような気持ちを込めて願っていてください」と監督さんに言われたんですけど、カメラを見ていても視界にはスタッフさんたちが映るわけですよ。そうしたらもう、「笑っていはいけない」が始まってしまって(笑)。

──笑っちゃうタイプですもんね。

山崎:すぐツボっちゃうので、何回かNGになりました(笑)。

──もしかして、アー写も物思いにふけっているような感じですが、実は笑いたかったとか?

山崎:そうなんです(笑)。写真を撮られていても耳は聞こえるじゃないですか。スタッフさんのお話が面白すぎて、耳を塞ぎたいけど塞げないし、笑いが止まらなくなっちゃって止めてもらったことが何度かありました。

「悩ましい顔をしてください」と言われた時も、ニッコリしちゃうのをやめさせるために「『ケンタッキーはコールスロー派? それともビスケット派?』みたいなことで悩んでいて」と言われて(笑)。

──この表情は、実はケンタッキーがどっち派かで悩んでいるのですね。

山崎:収録のことを話せば話すほど、「Starlight」とかけ離れて申し訳ないです(笑)。

「Starlight」からが第2ステージ

──カップリングの「Steady」も「七星のスバル」の曲でありつつ、こちらはポップで明るくスキップするような楽曲です。

山崎:リズムだけ聴いているとプラス思考なことをリズムよく歌っているのかなと思えるんですけど、実はちょっと悲しいマイナスなことも含まれている気がして。「Steady」は幼少期の旭姫ちゃんや陽翔くん、「Starlight」は大人になった彼女たちだと解釈しました。

だからこそ、「Steady」はあえて明るく歌おうと思ったんです。ルンルン気分でメロディに合わせて「Steady」と言ったりとか。

──言われてみると、幼少期の旭姫や陽翔というのはすごく納得出来ますね。曲の中で、特に気に入っている部分などはありますか?

山崎:個人的にはハモリやコーラスの部分がすごく好きで、特に下ハモが楽しかったです。リズミカルではあるのですが、夢っぽいふわ~んとした世界観も入っているので、歌っていて不思議な感じがしました。

──レコーディングでこだわった点、意識した点などあれば教えて下さい。

山崎:今までの歌い方と違って、割と作った歌い方をしています。スタッカート多めで跳ねている感じを入れつつ、最後のDメロはあえてそうせずにずっと隣で囁いている感じなんです。

今回の2曲はどちらもDメロが本心をついているような感じなので、そういったメリハリをつけるように気をつけました。

──歌い方も含めて作品に寄り添った楽曲なのですね。では、楽曲の内容以外のこともお聞きします。20歳になってから初めてのリリースとなりますが、その気持ちはいかがですか?

山崎:18歳でソロデビューをして、1stアルバムと1stシングルが第1ステージ、そして今回の「Starlight」から第2ステージだと思っているんです。アニメタイアップもそうですし、この夏は初めてのことが多くステップアップの時だなって。

第1ステージでは見て聴いて吸収する、覚える、学ぶということが多かったんですけど、最近は学んだことをどうやって自分で煮詰め直して出していけるかだと思っていて。“自分で考える”ことに重点を置いてお仕事させていただいています。

──出していくということでは、ライブなどのステージもあると思います。そこへ向けての意気込みをお聞かせください。

山崎:今まではBGMで流れている曲などを聴いても「こういう音色好きだな~」と思うだけだったんですが、最近は家に帰ってからメロディを思い出して自分でピアノを弾いてみることが増えました。

ただ聴いて終わるだけじゃなくて、その先を知りたいと思うようになったんです。さらに、それを何かに活かせるようにシフトチェンジしていきたいと思っています。

──先日の『山崎エリイ Concept Concert 2018「millefeuille harmony」』ではピアノとセッションしていましたが、今度は自分で弾くことも?

山崎:ピアノは弾かないですけど、いろいろ考えていることはあります。ぜひ楽しみにして欲しいです。

──やりたいことが明確になってきているのですね。

山崎:昔はついていくのが精一杯でしたし、覚えることが最優先事項でしたから。

でも今は「自分はこれがやりたい」「これが好きだったんだ」を理解しようと思って生活しています。自分がしっかり軸を作らないと周りの人もどうしたらいいかわからないと思うので、意思表示をしっかりしなきゃと思っています。

──そうやって吸収してきた中で、好きな曲や好きなジャンルは増えましたか? 以前はクラシック系やゴシック系が好きと言っていましたが。

山崎:私は昭和曲をカバーさせていただく機会が割と多いのですが、ゴシックなロックやクラシックロックなど格好いい攻めの曲や、EDMのような曲がさらに好きになりました。

あとは、ちょっと渋めな曲も好きです。昭和のアイドルとはまた違う、例えば「ウイスキーが、お好きでしょ」(石川さゆり/1990年発売)のような、昭和のアイドル感ではないちょっと味のある楽曲も歌ってみたいなと思います。

──歌い方自体もアイドルアイドルしたものとは違う感じに歌ってみたいと。

山崎:声を若干かすれさせてみたり、ベタッと歌ってみたり軽くあげてみたり。いろいろな表現をしてみたいです。

──歌以外の活動としては、8月から「A&G ARTIST ZONE THE CATCH」の木曜日パーソナリティを担当されます。自分自身でトークが上手くなったと感じることはありますか?

山崎:そういう質問に「はい」とは絶対に言えないですし、そういう自覚はないです。でも、私らしいゆったりまったりなラジオがあってもいいんじゃないかなって(笑)。

先日、初めての冠ラジオ番組だった「星の宮殿」の作家さんに「前より上達したね」とおっしゃっていただけたので、それをバネに頑張っていきたいです。自分のカラーをこの番組でも出せていたけたらいいなと思っています。

──こうやってインタビューしていても、すごく上手く話せるようになりましたよ。

山崎:いやいや、全然です。もっと精進します!

──最後に、「Starlight」の曲の中に「promise」という単語がありますので、今年やこの夏はこれをやりますという約束をぜひお願いします。

山崎:久しぶりにリリースイベントをやります。応援してくださる皆さんとお会い出来る時間をもっと増やしたいと思っているので、会いにいきます。約束です!

[取材・文/千葉研一]

CD発売情報

8月22日(水)発売
山崎エリイ 2ndシングル「Starlight」
TVアニメ『七星のスバル』エンディングテーマ
【初回限定盤CD+DVD】 COZC-1468~9 ¥1,900+税
【通常盤】COCC-17487 ¥1,300+税

<CD収録内容>
1.Starlight
作詞・作曲:金子麻友美 編曲:佐藤清喜
2.Steady
作詞・作曲:金子麻友美 編曲:佐藤清喜
3.Starlight(Instrumental)
4.Steady(Instrumental)

<DVD収録内容>
「Starlight」ミュージックビデオ+メイキング映像

■タイアップ情報
TVアニメ『七星のスバル』
TBS・BS-TBSにて7月5日(木)深夜より放送開始予定
・TBS 7月5日(木)深夜1時58分~
・BS-TBS 7月7日(土)深夜1時30分~

山崎エリイさんプロフィール

所属:ホリプロ
誕生日:1997年11 月20 日
趣味:愛犬と遊ぶこと、ハープ
特技:クラシックバレエ、ダンス
出身:千葉県

山崎エリイオフィシャルHP
山崎エリイOfficial Music Information
山崎エリイSTAFF公式ツイッター

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