秋アニメ『火ノ丸相撲』阿部敦×落合福嗣×熊谷健太郎 声優座談会|イケメンならぬ「イケ漢」たちのアツいぶつかり合いに注目!
『週刊少年ジャンプ』(集英社 刊)で連載中の人気マンガ『火ノ丸相撲』がTVアニメ化し、2018年10月5日(金)より放送開始! 『火ノ丸相撲』は、主人公・潮火ノ丸がこれまで部員1人だった大太刀高校相撲部に入部し、部を再興し、ライバル校としのぎを削りながら、高校相撲の頂点を目指していく青春相撲ストーリーです。
オンエアを直前に控えた、主人公の潮火ノ丸役を演じる阿部 敦さん、小関信也役の落合福嗣さん、五條佑真役の熊谷健太郎さんが作品の魅力や見どころなど熱く語ってくれました。
少年マンガらしい熱く、胸を揺さぶられる作品
──原作を読んだり、演じてみて感じた作品の印象は?
潮 火ノ丸役・阿部 敦さん(以下、阿部):原作を読んで感じたのは、少年マンガはこうあってほしいという形を、相撲を通して色濃く描かれているなと。今回アニメ化されるにあたって、声をあてる僕らもしっかりやらないといけないと気合いが入りました。
小関信也役・落合福嗣さん(以下、落合):胸がすごく熱くなる作品だなと。また、お相撲を題材にした作品は珍しいので、新たに知ることも多かったです。あとはやっぱり1対1の戦いですね。
それぞれのキャラにはバックボーンや想いがあるので、どちらも勝ってほしいという気持ちがあります。しかし、必ず白黒が付いてしまうわけで、そういうところに胸が揺さぶられます。そしてみんな個性的なので、演じる僕らも個性をしっかり出しつつ、作品をより魅力的にできるように頑張らなきゃと思いました。
五條佑真役・熊谷 健太郎さん(以下、熊谷):元々、「週刊少年ジャンプ」の連載から読んでいましたが、毎回読み終わると次回が待ちきれなくなるような、読者を引きつける熱さや鳥肌が立つような表現などが自分の男子心に突き刺さってくる作品です。
高校相撲には約3年というタイムリミットがある中、仲間になっていく過程や一瞬一瞬の刹那にかける彼らの想いをしっかりのせてやっていけたらいいなと思いました。台本を読んでも、ぐっとくるシーンが多くて、演じる僕らも燃えさせてくれる作品です。
作品で相撲への興味が湧き、知れば知るほど奥深く魅力的な世界
──実際に相撲を見たり、触れた経験はありますか?
阿部:TVで観たことはありましたが、今回演じてみるとあまりルールを知らなかったんだなと。技や決まり手の名前だったり、調べれば調べるほど奥深くて…。
この作品に関われたことでより相撲に興味が湧いたし、触れるいい機会を与えてもらったなと思います。皆さんにとっても相撲について知ることができる、良いきっかけになればいいなと思うし、それが「火ノ丸相撲」をアニメでやる意義や役目なのかなと思っています。
落合:家族が相撲大好きで、小さい頃から国技館に行って見たりすることが多かったです。知り合いの方を通じて、稽古を見せてもらったり、ちゃんこをごちそうになったり、関取の方に遊んでもらったりしていたので、割と身近な存在でした。
この作品は学生相撲を描いていますが、学生相撲があることを知らなかったので、生で見てみたいなと思いました。
熊谷:小さい頃の僕は相撲がすごく好きだったと親から聞いたことがあります。物心がついてからは、TV中継をやっていれば見るくらいです。でもこの作品に関わって相撲の魅力に触れることで、もっと知りたいと思ったし、学生相撲への関心も大きくなりました。
──スポーツニュースや新聞などで大学生が何連覇という報道を目にすることはありましたが、この作品を見たらすごいことなんだと思うようになりました。
熊谷:この作品のように強豪校や学生横綱がいて、練習だけでも圧倒されるんでしょうね。練習風景なども一度見てみたいですね。
火ノ丸は日常と土俵上のギャップを大切に。ノーシティーボーイも意識!?
──阿部さんが演じる火ノ丸は身長の低いハンデを乗り越えて、頂点を目指していく主人公ですが、火ノ丸への印象と演じる時に心がけていることは?
阿部:火ノ丸は背が低いけれど体格が良いので、声のトーンをどういう基準にしようかなと考えた時、最初は見た目に引っ張られていました。
監督からは「日常生活を過ごしている時の火ノ丸と、土俵に立った時の、鬼気迫る、殺気を持って相手に立ち向かう時のギャップを出していきたい」とリクエストを受けたので、見た目にとらわれず、ギャップを出すことに意識を置きました。今は普段はにこやかでフレンドリーに見える感じでやって、土俵に立った時は覚悟を匂わせるような立ち姿に寄り添えるにように心がけながら演じています。
──語尾の言葉遣いに豪快な雰囲気もありますね。
阿部:あんまりシティボーイっぽくしたくなくて。死語ですけど(笑)。どちらかというと純朴で、ぼくとつとした言葉が似合うような、例えばカタカナ語を言う時もひらがなに聞こえるような音回しを意識しています。
小関は大きな相撲愛を持つキャラ。火ノ丸の入部で相撲を取れる喜びも
──落合さんが演じる小関は相撲部の部長ですね。
落合:小関は最初、いじめられっ子でしたが、芯が強いなと思いました。火ノ丸が入部してくる3年生まで、ずっと1人で稽古をしてこられたのもきっと相撲が大好きだからですね。
お話の序盤では気弱で佑真達に対しても及び腰だったけど、相撲や土俵を守ろうとする気持ちは絶対曲げない。そして火ノ丸と出会って、相撲部を再興していく中で成長も遂げていって、個人的に一番伸び代があるキャラじゃないかなと思っています。
──1人ぼっちだった小関もやっと取り組みができるんだなと。
落合:相撲は相手がいないと1人ではできないので、相手ができた喜びはとてつもないものだと思うし、どんどん仲間が増えていって、相撲を好きでよかったと実感できたんじゃないでしょうか。
佑真は小関をしいたげていた立場から変化。熊谷さんいわく「不良更生物語」?
──熊谷さん演じる佑真は相撲部の稽古場を占拠していた不良のリーダーですね。
熊谷:佑真は小関をしいたげていた側なので、こうやって同席するのも気が引けるんですけど……。
一同:(爆笑)
熊谷:最初に登場した時は火ノ丸達の通うダチ高最強の男と言われ、今にして思えば最強にも疑問符が付いたりもしますが(笑)。火ノ丸と対決することで心境の変化がありますが、それさえも素直に飲み込んで切り替えられる真っ直ぐさを見ると、根はまじめなんだろうなと思います。
演じる時はヤンキーということで、強く押して演じようとしがちでしたが、彼の魅力を際だたせるために緩急をつけたほうがいいなと思っています。
──最初の印象が悪いので、後は好感度が上がる一方ですね(笑)。
熊谷:ヤンキー更正物語の主人公みたいになっていますよね(笑)。
阿部:きっと、力の使い道がわからなかったんだろうね。
落合:基本的に高スペックですしね。
熊谷:勉強できて、料理もできて、家柄もいい。
落合:“お兄ちゃん”だし。
熊谷:“お兄ちゃん”も高スペックの1要素なんですか?(笑) 火ノ丸や小関と出会えて、佑真がどう変わっていくのかをしっかり表現していきたいです。
見どころの取り組みシーンは未体験の武道ゆえの難しさ。独自の必殺技は男のロマン
──この作品の見どころの1つは取り組みシーンだと思います。
阿部:スポーツ作品を演じる場合、だいたいは一度はやったことがあるスポーツが多いので、体の使い方も何となくわかるんですけど、相撲はやったことがないから未知の世界なんですよね。
例えば下手投げを打つ時は体のどこに力が入って、どういう呼吸になるのかとか、立ち会いの瞬間ではどんな動きをするのか、受けた時の感じは体験したことがないので、想像力をフルに働かせてやっています。
落合:まだ僕らは取り組みシーンがないんですけど、阿部さんから「しんどいぞ!」とか「相撲は大変だぞ」と言われました。
熊谷:戦々恐々としています(笑)。ダチ校での稽古と違い、試合になればまた違うと思うので。
阿部:対戦相手に負けるわけにはいかないからね。相手がすごいものを出してきたら、それを上回るものを出さなきゃいけないし。そして相手も更に上をとなるし。
落合:いつかマイクが壊れるんじゃないですか?
阿部:割れると思う(笑)。
──更にこの作品独自の必殺技までありますからね。
阿部:そうですね。
落合:いいなあ。
阿部:原作でも筆で書き殴ったような文字に、コマ割りの絵という独特の表現方法がされていて、アニメでどう表現されるのかは楽しみにしてほしいですね。やっぱり必殺技って燃えるじゃないですか? 男としては。ぜひバンバン打っていきたいですね。
収録現場はいいチーム感と熱気でいっぱい。流行っていることは?
──収録の雰囲気はいかがですか?
落合:楽しいですね。
阿部:この取材の時点ではまだ序盤ですが、もう半年くらいやっているような仲の良さです。最近ではアフレコ用語を相撲用語に勝手に言い換えて遊んだりしています。
落合:「お疲れさまでござんした」とか。全然広まらないですけど(笑)。
阿部:何でだろう?(笑) もうダチ高チーム感ができあがっているのですが、これから違う高校も登場してくるので、我々が引っ張っていけたらと思っています。
──試合シーンが増えると熱気もすごそうですね。
阿部:今でもスタジオに入りきらないからね。
熊谷:キャストも圧倒的に男性が多いし。
阿部:だからこそ、(礼奈役の)小松未可子さんや(千鶴子役の)田辺留依さんという花が際だつところもありますが、基本は男同士のぶつかり合いなので、熱気を感じて取ってもらえれば。
見てほしいのチーム感とドラマ。落合さんのオススメはアニメオリジナルキャラ!?
──改めてこの作品の見どころを挙げるとすれば?
阿部:大太刀高相撲部などのチームかな。もちろん個々の背景やドラマもあるけど、今後団体戦がメインになってくると思います。個々のドラマが結果としてチームとしてのドラマや背負っているものが見えてくるので、みんなで1つの勝利に向かっていく姿を見ていただけると、熱いだけじゃなく、泣ける作品なんだとわかっていただけると思っています。
落合:ちゃんこというアニメオリジナルキャラの猫がいるんですけど、実は僕がやっているんです。ご期待ください。
阿部:猫役は初めて?
落合:僕は、いろいろな動物やりたがりおじさんなので、いろいろな作品でやっています(笑)。誰か猫をやってくださいと言われるとだいたい女子が手を挙げるんですけど、挙がらないと僕が「やります!」と立候補しています。
でも「女子の方でお願いします」と言われたり(笑)。これまでもヤギなどいろいろな動物をやってきたので、今回も小関とは別のキャラとしても作品を盛り上げていければと思っているので、お楽しみに! にゃー!
熊谷:作品として“相撲”の大切なところは押さえつつ、火ノ丸以外の人達が自身の個性やバックボーンを出しながら相撲に取り組んでいたり、キャッチーに描くことで、相撲に普段触れたことがない人にも入りやすくなっていると思います。
少年マンガならではのイケメンならぬ「イケ漢」を見てください!?
──当サイトは女性ユーザーも多いのですが、女性へのオススメの見方もレクチャーしていただけますか?
阿部:尻です。
落合:肉と肉のぶつかり合いです。
阿部:肌色が多いですね。
落合:汗の表現もすごいですよね。
熊谷:それって女子へのアピールにつながりますか?(笑)
阿部:カッコイイ男子や線の細い男子もいいけど、まさに漢というキャラを好きな方もいると思うんです。相撲好きな女子も今、流行っているようですし。少年マンガならではのイケメンを見ていただけたら。
落合:あっ、イケメンのメンは《漢》でお願いします。一度稽古を見に行きたいですね。
熊谷:いいですね!
相撲を題材に普遍的なテーマを描いた老若男女も楽しめる作品をお楽しみに!
──では最後に皆さんへメッセージをお願いします。
熊谷:マンガで描かれている土俵上のぶつかり合いなどの熱い表現がどう映像になるのか、楽しみに待っていてください。僕らも絵に負けない熱さで、ダチ高やライバル達と一緒に頑張っていくつもりです。最後まで火ノ丸達の相撲への想いや青春を見届けてください。
落合:アニメでは珍しい相撲というジャンルで、原作ファンの方にとってもアニメになって動くことで新たな魅力や発見があると思うし、まだ作品をご存じない方はアニメで『火ノ丸相撲』のおもしろさを感じてもらって、コミックも読んでと、相互補完できるような関係になればいいなと思っています。
この作品は本当に熱くて、演じていても胸がざわつく時があるし、マイク前で演じている時も阿部さん達のお芝居に鳥肌が立ちながらセリフを言っている時もあります。みんなの熱量がこもっている作品だと思うので、まずは観て、皆さんも熱くなってください。
阿部:手に汗握る、熱い高校生達が相撲に青春をかける姿を描いた作品です。相撲というジャンルですが、皆さんにも共感していただける努力や仲間との絆など普遍的なものが描かれていますので、老若男女関係なく楽しんでいただけると思います。
そしてアニメならではの迫力ある取り組みなどを見ることでより相撲にも興味を持ってもらえると思うので、身近なものに感じてもらえたら幸せです。僕らも「はっきよい!」と気合いを入れて頑張ります!
[取材・文/永井和幸 撮影/鳥谷部宏平]
作品情報
<放送情報>
TOKYO MXにて10月5日から 毎週金曜22:00~
AbemaTVにて10月5日から 毎週金曜22:00~
BS11にて10月5日から 毎週金曜23:30~
サンテレビにて10月5日から 毎週金曜23:30~
テレビ愛知にて10月6日から 毎週土曜26:50~
TVQ九州放送にて10月5日から 毎週金曜25:58~
※放送日時が変更になる可能性がございます。
<スタッフ>
原作:川田 「火ノ丸相撲 」(週刊少年ジャンプ連載)
総監督:宇田鋼之介
監督:山本靖貴
キャラクターデザイン:田中紀衣
音楽:ジェイムス下地、
アニメーション制作:GONZO、制作:NAS
<キャスト>
潮 火ノ丸:阿部 敦
小関信也:落合福嗣
五條佑真:熊谷健太郎
國崎千比路:佐藤拓也
三ツ橋 蛍:村瀬 歩
辻 桐仁:寺島拓篤
五條礼奈:小松未可子
堀 千鶴子:田辺留依
久世草介:武内駿輔
狩谷 俊:吉永拓斗
四方田 尽:杉山紀彰
澤井理音:八代 拓
ダニエル・ステファノフ:冨森ジャスティン
沙田美月:石川界人
金盛 剛:木村 昴
荒木源之助:浪川大輔
真田勇気:嘉人
間宮圭一:松川裕輝
ほか