櫻井孝宏さんが新宿にギドラを召還!?『GODZILLA 星を喰う者』スペシャルイベント「メトフィエスナイト」をレポート
2018年11月15日(木)に新宿バルト9にて『GODZILLA 星を喰う者』スペシャルイベント「メトフィエスナイト」が開催されました。このイベントに櫻井孝宏さん(メトフィエス役)、瀬下寛之監督が登壇。
メトフィエスナイトに相応しく、まさしく彼を演じる櫻井さん節が炸裂しまくりなプレミアムなイベントとなりました。本稿ではこちらの模様をお届けします。
語呂がいい「茂みからメトフィエス」
イベントの冒頭では、櫻井さんからメトフィエスを演じた感想が語られました。「振り返ると難しい役だったなと思うのですが、演じている最中はプレスコ(台詞を先行して収録する手法)だったのである程度演者に任されていました。難しさというよりはどう作ろうかな? と思いながら演じていましたね」と、プレスコならではのキャラクターへの向き合い方を述べます。
むしろ苦労というよりは完成されたものを見て「こういう作品だったんだ」と気づいたそうで、隣にいる瀬下監督が作品の随所に詰め込んだキーワードを知るためにも「僕も何回か観ないとなー」とはにかむ櫻井さん。
ここで作品の名場面を振り返ることに、まずは「茂みからメトフィエス」。文字通り茂みからメトフィエスがしずしずと現れ、ゴジラを見つめるシーン。
これには思わず櫻井さんも「語呂がいいですよね‘茂みからメトフィエス’思わず口ずさみたくなりますよね。(関係者の間では)最終的に‘茂メト’になっていましたよね」と言うと会場は笑いに包まれます。
それを受けて瀬下監督が「このシーン櫻井さんの演技は素晴らしいんですけど、僕も虚淵玄さんも、静野孔文監督もこのシーンのたびに爆笑しちゃって」と発言すると再び笑いが。
櫻井さん「すいません、捧げさせていただきます」
続いて映し出されたのはエンダルフとメトフィエスによるテレパスのシーン。瀬下監督によって実はメトフィエスが教皇の血筋であるため、エンダルフ(枢機卿)より偉かったという裏話が明かされます。
そこから「俺、教皇」となんだか偉そうな素振りを見せる櫻井さん。
櫻井さんだけでなく、客席に座るお客さんの服装も白をベースとしており供物になる準備はバッチリ! 櫻井さんがお手手の皺と皺を合わせながら「すいません、捧げさせていただきます」とお辞儀をすると会場は笑いに包まれました。
監督達の想像を超えた宮野さんと櫻井さんの演技
お次は宮野真守さんハルオとメトフィエスのラストシーン。ここではメトフィエスがハルオに対して力を振り絞ったセリフが印象的です。
この演技について櫻井さんは「プレスコなので、宮野君と僕のお芝居の駆け引きの中で生まれたものなので、緻密に計算をして持っていったというよりは、やり取りの中で生まれたので同じことをやれと言われてもできないです」と語ります。
演じた櫻井さん本人も完成したものを見るまで思い出せなかったくらい鬼気迫るものだったそうです。
それを受けて瀬下監督も「僕も、虚淵さんも、静野監督も仕事としてOKを出さなきゃいけないんですが、あまりにも凄くて固唾を呑んで黙っていました」と、お3方の想像を超えた演技ゆえのだんまりだったと当時を振り返っていました。
櫻井さん「風来坊の手羽先みたい」
ここで、せっかく「メトフィエスナイト」ということもあり、新宿にキングギドラ召還の儀式を行うことに!
「来たれギドラよ! 我らに栄えある終焉を!」という櫻井さんの痺れるメトフィエスボイスからBGMが流れ、登場したギドラのフィギュア!
思わず櫻井さんから「風来坊の手羽先みたい」という発言が飛び出すと会場は大爆笑に包まれました。最後に櫻井さんと瀬下監督からメッセージが送られてイベントは終了しました。
瀬下寛之監督:「本作は公開から一週間以上経っていますが、何度観ても切ないお話でハルオが放っておけないというか、心がザワザワし続ける物語だなと思っております。作品を大事にしてくださる皆さんによって作品の価値というものが育っていくと思っていますので、ハルオやメトフィエスの応援をよろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました」
櫻井孝宏さん:「公開から少し経ったからこそこんなお話が出来たわけで、やっと3作揃ったなと感慨深いですね。しかもアニメーションのゴジラに出演できたのが声優として誇りに思っています。まだまだ明かされていない秘密もありますので、どこかで披露できる機会があったらいいなとおもっています。本日はどうもありがとうございました!」
[文・写真/古瀬敏之]
作品情報
● STORY
扉が開かれ、黄金の刻印が星を切り裂く。
21世紀初頭、ゴジラに地球を奪われた人類は、一部の人類を他恒星系への移住に送り出すも、計画は失 敗に終わる。失意のまま地球へと帰還した人類を待ち受けたのは、二万年後の変わり果てた姿になった地球 だった。
あらゆる動植物がゴジラ細胞を持つ<怪獣惑星>と化した地球。そこに君臨するのは体高 300m を超え る史上最大のゴジラ<ゴジラ・アース>だった。
ゴジラ討伐に執念を燃やす主人公ハルオは、人類の遠い子孫である種族フツアと出会う。ハルオたちは、 フツアの双子の姉妹マイナとミアナの導きにより対 G 決戦兵器・メカゴジラの残骸が、増殖を続けている ことを発見。残骸を構成するナノメタルを使って武装要塞都市<メカゴジラシティ>を起動させ、<ゴジ ラ・アース>に挑む。
この作戦の中、かねてより共存してきた異星人種族の一つビルサルドと人間たちとの亀裂が表面化する。 ビルサルドのリーダー・ガルグの「ゴジラを倒すならば“ヒト”を超えた存在へ」という信念に対し、ハルオは「怪獣を倒すために自らも怪獣になってはいけない、“人”として打ち勝つべき」という信念を捨てられなかった。ついには、<ゴジラ・アース>を倒す唯一のチャンスを捨て、ハルオはガルグを葬ってしまう。
一方、ハルオの幼馴染であるユウコはビルサルドによる人体の強制ナノメタル化により、脳死状態に陥ってしまった。
人間たちに広がる敗北感と虚無感。もう一方の異星人、宗教種族エクシフの大司教・メトフィエスは、ハ ルオが戦いに生き延びたことは“奇跡”だと唱え、信者を増やしていく。それはエクシフが秘め隠してきた “究極の目的”のためだった。そんなメトフィエスを警戒するミアナとマイナ。そして、ハルオは、自らが “人”として何を為すべきかを自問する。
やがて、<ゴジラ・アース>を打ち倒す者がいなくなった地球に、金色の閃光を纏った<ギドラ>が降臨 し、天地を揺るがす超次元の戦いが始まる。
“ゴジラ”とは何か。“人”が為すべきことは何か。ハルオが目にする未来とは――――。
最終章で、そのすべてが明らかになる。
● 公開概要
【タイトル】『GODZILLA 星を喰う者』
【公開表記】2018年11月9日(金)全国公開
【スタッフ】監督/静野孔文・瀬下寛之 ストーリー原案・脚本/虚淵玄(ニトロプラス)
キャラクターデザイン原案/コザキユースケ 音楽/服部隆之 副監督/吉平”Tady”直弘・安藤裕章
プロダクションデザイン/田中直哉・Ferdinando Patulli CG キャラクターデザイン/森山佑樹
造形監督/片塰満則 美術監督/渋谷幸弘 色彩設計/野地弘納 音響監督/本山 哲
【キャスト】宮野真守 櫻井孝宏 花澤香菜 杉田智和 梶 裕貴 小野大輔
堀内賢雄 中井和哉 山路和弘 上田麗奈 小澤亜李 早見沙織 鈴村健一
【主題歌】XAI「live and die」(TOHO animation RECORDS)
【製作】東宝
【アニメーション制作】ポリゴン・ピクチュアズ
【配給】東宝映像事業部