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『涼宮ハルヒの憂鬱』スニーカー文庫30周年感謝祭ステージレポ

『涼宮ハルヒの憂鬱』スニーカー文庫30周年感謝祭ステージレポート|平野綾さん、茅原実里さん、後藤邑子さんらが今でも印象に残っている名場面とは!?

今年(2018年)で30周年を迎えたライトノベルレーベル“角川スニーカー文庫”。富野由悠季先生による『機動戦士ガンダム』シリーズや水野良先生の『ロードス島戦記』など、数々の名作小説を送り出してきた同レーベルの感謝祭イベントが、11月4日(日)にベルサール秋葉原で行われました。

また、ステージイベント会場では、同レーベルが誇る人気作品『涼宮ハルヒの憂鬱』『この素晴らしい世界に祝福を!』『ロードス島戦記』のステージイベントを実施。アニメ版に出演された声優陣が登壇し、大いに盛り上がりました。

本稿ではこれらより、先日1号限りの復活として発売された“ザ・スニーカーLEGEND”掲載内容にも触れられ、涼宮ハルヒ役の平野綾さん、長門有希役の茅原実里さん、朝比奈みくる役の後藤邑子さんらと当時を振り返って行く内容となった、『涼宮ハルヒの憂鬱』ステージイベントの模様をお届けします。


 

この一言で作品を決定づけるハルヒの台詞とは……!?

当日のMCを担当した百花繚乱さんの紹介で3名が呼びこまれると、まずは平野さんからキャラクターのセリフを使っての自己紹介に。なんと今年は『涼宮ハルヒ』シリーズ第1巻の発売から15周年でもあるそうで、“ザ・スニーカーLEGEND”掲載の書き下ろし短編についての話題を挟みつつ、声優陣が印象に残ったシーンをピックアップしていくことになりました。

トップバッターとなった後藤さんがピックアップしたのは、大人みくるとキョンとの邂逅シーン。「私とはあんまり仲良くしないで」というみくるに、キョンが「今、歳いくつ?」と問いかけ「禁則事項です」と返すと言った流れでした。


後藤さんによると当時はふわふわとした役をやることが多かったそうで、そんな自分が大人みくるを演じられるのかと、共演者もスタッフの方も、すべての人が固唾を飲んでその様子を見守っていたのだそうです。

続いては、茅原さんによる映画『涼宮ハルヒの消失』のワンシーンで、長門の処分を検討しているという情報統合思念体へ「何としてでもお前を取り戻しにいく」と宣言するキョンに対し、長門が「ありがとう」と言うところ。


印象に残るシーンが沢山あるため選ぶのが大変だったそうですが、長門がキョンに対して抱いている特別な感情がこうした出来事を起こしてしまった『消失』の物語は、特に印象に残っている様子。

ラストの平野さんから上がったのは、学園祭ライブ後のハルヒとキョンの語らい。「今、自分は何かをやっているっていう感じがした」と言う言葉が印象的な一幕でした。

いつもは奇行が目立つハルヒらしくない、不器用な発言ですが、当時は石原立也監督らから「これこそハルヒの本音だ」「この話数でハルヒが決まる」と言われていたのだそうです。


また、これが出来るという事はハルヒを掴んだということでもあり、作品全体を決定づけると伝えられていたとのこと。そんな責任重大なこのセリフに想いを込めるとともに、視聴者のみなさんにも学生時代を思い出してもらえるような、ハルヒがそれを代弁するような感覚だったのだとか。、だからこそのハルヒだと思ってもらえるよう頑張ったのだそうです。


 

声優陣がそれぞれ当時の自分を振り返る

名場面で作品を振り返ったところで、ページの都合から“ザ・スニーカーLEGEND”の掲載から漏れた声優陣のコメントを紹介。お題はキャラクターを演じていた頃の自分を振り返ってとなっていました。


「役者人生が大きく変わるキッカケとなりました」「周りの環境がどんどん変わって、短期間に出来ないようなことを物凄いスピードで経験させてもらった」とした平野さんは、当時はまだ10代。

まさにこの作品は“青春”と言えるのだそうで、あの頃の2~3年は何十年もの時間がぎゅっと詰まったようなものになっているとしみじみ語っていました。


次いで茅原さんは、演じたことのなかった長門のように人間ではなく無機質なキャラクター性のお芝居に苦労していたことを明かします。


膨大なセリフ量の回もあれば一言二言しかしゃべらない回もあり、自分の気持ちのバランスや声の状態を保つのが難しく、常に台本を持ち歩いて時間があれば練習していたそうです。

最後に後藤さんが、苦手なことにも生真面目に取り組み苦悩していたとすると、当日会場には来られなかったキョン役・杉田智和さんと、古泉一樹役・小野大輔さんからのコメントも紹介されました。



杉田さんらしい、キョンと真逆のコメントで会場が笑いに包まれたり、優しく柔らかいイメージの古泉とは正反対に「ギラついていた」と当時を振り返っていた小野さん。このふたりの発言についても語って行ったところで、告知の時間に。そうしてそろそろイベント終了の時間が近づいてきました。


後藤さんは温かい会場に迎えてもらったと集まったファンのみなさんに感謝を述べると、自身もスニーカー文庫の黎明期から一読者として楽しんでいたことを明かします。そうしてみくると同じような能力があるならば、当時の自分にそのレーベルの30周年を記念する舞台に立つことになると教えてあげたいと話していました。


続いて茅原さんが3人で話すイベントは久しぶりだったとすると、去年あたりから集まることがまた増えているとコメント。最後に平野さんがこの作品を「自分にとってのホーム」「このふたりが居てくれるから頑張れる」と語り、作品への愛を窺わせました。

第1巻の発売から15年余りが経過した『涼宮ハルヒの憂鬱』。新作短編も掲載され、また新たな展開が見え始めた本作の今後にまた注目していきましょう!



[取材・文/胃の上心臓 撮影/鳥谷部宏平]
 

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