上坂すみれさんが語るアニメファンがオカルトを楽しむための身近な入り口│『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』公開記念インタビュー
2019年1月11日(金)より全国公開される映画『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』。CS放送にてカルト的な人気を誇る「緊急検証!」シリーズの映画化作品です。
そんな本作のナレーションを『緊急検証!』シリーズのファンでもあり、同シリーズのオーディオコメンタリーや『緊急検証! 外伝 幻妖国家・ソ連の真実〜ハラショー超常シベリア鉄道の夜〜』の出演経験もある上坂すみれさんが担当しています。
この度、今作の上映を記念して上坂さんにインタビューを実施しました。過去に上坂さんが体験したオカルトな出来事とは? アニメファンがオカルトを楽しむ上での意外な入り口とは? 上坂さんが考えるオカルトについて語っていただきました。
●『緊急検証!』シリーズとは
21世紀、オカルトの荒野を切り拓く!毎回人類が検証すべきテーマを掲げ、地上波では決して踏み込めない企画に挑戦し続ける、新世紀のオカルトバラエティ番組。
●映画『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』とは
ネス湖のネッシーはいたずら・・・。
ユリ・ゲラーのスプーン曲げはインチキ・・・。
ノストラダムスは予言を外した男・・・。
そんなイメージが定着し、嘲笑の対象となりさがってしまったオカルト。さらにオカルトとカルトの違いもわからぬまま いつしかオカルトには、"怪しくいかがわしいもの"というレッテルが貼られてしまいました。
"オカルト・イズ・デッド"
かつてあれほどまでに世間を熱狂させたオカルトは本当に死んでしまったのでしょうか?
オカルトが終わっていないことを証明するには過去を凌駕する衝撃や驚きで日本中をワクワクさせる最新情報が不可欠。
そこで、『緊急検証!』シリーズが誇る3人の男たちにオカルトの未来を託し全人類が見聞きしたことのない最新プレゼンによって“オカルト=オワコン”説を覆すことができるかを徹底検証します!
上坂さんが考える『緊急検証!』シリーズ、そしてオカルトの魅力とは
――上坂さんがオカルトに興味をもつようになったきっかけ、ルーツのようなものはありますか?
上坂すみれさん(以下、上坂):小学校にたくさん置いてあった『学校の怪談』シリーズが好きで夜な夜な読んでいました。口裂け女やトイレの花子さん、ムラサキカガミなど、ジンクスオカルトのような話が子供ながらに非常に好きだったので、当時から素質はあったような気がしています。
――その後、ソ連やロシアについて詳しくなっていったと思いますが、その際に現地のオカルトついて調べたりする機会は?
上坂:超能力を本気で研究していることや、KGBが宇宙人を捕まえようとしていること、魔女の住んでいる建物が地下にあることなど色々と知っていき、ロシアは地でオカルトを行っているところがあるように感じました。
そもそもあんなに隕石が落ちてくる国もそうそうないと思っていて、だいぶ宇宙から狙われているような気がするんです。だから日本のオカルトとは違うスケールの大きさやシュールな雰囲気、国を挙げてオカルトを研究している真面目さがまた面白いなと思いました。
――なるほど。この度、今作のナレーションを担当することになりましたが、そもそもきっかけのようなものはあったのでしょうか?
上坂:『紅白オカルト合戦』という毎年年末に放送されている番組を見ていて、(個人の)Twitterをやっているときに番組のことを呟いたら公式の人に発見していただいて。
それがきっかけでオーディオコメンタリーや番組(※シリーズ特別番外編 緊急検証!外伝 幻妖国家・ソ連の真実 ~ハラショー超常シベリア鉄道の夜~)に呼んでいただきました。
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――いちファンとして『緊急検証!』シリーズの魅力をどのように考えているのでしょう。
上坂:オカルト番組が少なくなってきた昨今、1時間以上オカルトの話題だけで放送したり、オカルトで年を越しちゃう男気が素晴らしいと思います。オカルトはロマンだと思うので、そのロマンを忘れない心と言いますか。
でもちゃんとツッコむべきところはツッコんでいるんです。客観的かつエンターテイメントとして成立していて、オカルトの持つ一歩外れたらギャグになる雰囲気と「本当にあるのかもしれない!」というワクワク感が一緒になっていることがシリーズの見どころだと思います。
――そんな『緊急検証!』シリーズの映画が本作になるわけですが、最初にオファーを受けたときはどのような印象を受けましたか?
上坂:この年にやるからこその意味もあると思いますし、平成はオカルトにとって冬の時代のような印象もあったと思うので、それを覆すような意気込みが感じられました。
――タイトルにもあるように、今作ではネッシー、ノストラダムス、ユリ・ゲラーがテーマとなっていますが、ご覧になっていかがでしたか?
上坂:まず最初にユリ・ゲラーが超能力で鑑賞マナーを警告してくれるんですけど……良い人なんだなぁって(笑)。
ノストラダムスについては飛鳥(昭雄)さんがお話ししていますが、実は飛鳥さんの言っていることを理解したことがなくて……(笑)。とても難しくて最初からちゃんと観ていないと分からないんですけど、一生懸命に喋っている飛鳥さんはとてもいいなと思います。
――ネッシーでは、ネス湖が世界の色々な湖を傘下に置いているという説も飛び出しましたね。
上坂:夢のある話ですよね。全生命体が地球の細胞である、みたいな説はわりとよく聞きますが、よく考えると自分の悩みなんて細胞のひとつだから些細なものだと勇気づけてくれると言いますか。
私は神奈川県の人間なので、相模湖がネス湖だと聞いてビックリしましたが嬉しくなりました。神奈川県にもあったんだな~って(笑)。
――相模湖に行ったことは?
上坂:あります。だから「ネッシーに会ったかも」と思うと元気が出てきました。
――そんなオカルトの魅力について上坂さんはどのように捉えていますか?
上坂:オカルトは限りがないと思っていて。科学が発展してもおばけ文化はありますし、現代の割り算で例えると余りの部分というか。処理できなかったモヤモヤするものを解き明かしてくれるところが魅力だと思っています。
また、私はUMAや超常現象というよりオカルトにハマった人たちが面白いと思うような節があって。平成生まれだと昭和のオカルト文化が新鮮ですし、オカルトが市民レベルでエンターテイメントとして成立していたことに魅力を感じています。
『緊急検証!』シリーズは、ビリーバーではありませんが「よく知らないけどオカルトって色々あって元気が出てくるなぁ」という気持ちで楽しんでいます。
――なるほど。ちなみに、上坂さん自身はオカルト的な体験をしたことはありますか?
上坂:一度、上海でUFOを見たことがあります。急にレストランが停電して、復旧を待っているときに空を眺めていたら発見したんです。
10分くらい滞在しているUFOで、白い発光体がランダムに移動し続けて消えました。きっと私とスタイリストさんしか見ていなかったと思うので、心が綺麗な人にしか見えないのかなって。暑かったから疲れてたのかもしれないですけど(笑)。
――(笑)。
上坂:あといわくつきのレコーディングスタジオでレコーディングをした際、雑音が入っていたようで後から録り直したことがありました。自分が間違えて録り直しになると落ち込みますが「オカルトが原因の録り直しなら」と録り直しました(笑)。
アニメファンがオカルトを楽しむための身近な入り口
――アニメや声優ファンがオカルトを楽しむには、どういった入り口から入ればいいと思いますか?
上坂:アニメ文化とオカルトは近いところにあると言いますか……ハルヒさん(『涼宮ハルヒの憂鬱』の登場人物)も宇宙人や未来人や超能力者を集めていますし、わりとアニメをずっと見ている人ならオカルトも自動的に頭に入っているような気がするんです。
SFやロボット作品もオカルトの部類に入りかねないと思います。宇宙空間で音がするガンダムの謎のようなものもありますし、純粋にオカルトがテーマの作品もありますよね。
そういった意味でもアニメファンの方にとっては予備知識がなくても今作は楽しめると思いますし、突き詰めるようなオタク気質の方には刺さる内容だと思います。
――たしかにアニメを観ている人にとってはオカルトや超常現象が当たり前になっていますよね。
上坂:存在していること前提で生きているようなものですからね。流行りの異世界作品も言ってしまえばオカルトの極みだと思います。なのでアニメに慣れ親しんだ方にも、ぜひ『緊急検証!』シリーズや今作を観ていただきたいです。
――ここまでオカルトについてお話しいただきましたが、上坂さんが考えるオカルトを楽しむための秘訣とは?
上坂:躍起にならないことでしょうか(笑)。良い・悪い、正しい・間違っていると判断することが一番良くないと思うんです。だからオカルトを楽しむためには、なんでも「すごい!」と思うような気持ちを持つことが大事だと個人的に考えています。
ツチノコも存在する・しないの話ではなく、存在自体がすごいじゃないですか。ビッグフットだって足跡が本物とか嘘とか言われていますが、あんなに大きな足を持っていてすごいなって。雪山から降りてきてくれてありがとう!……という感謝の気持ちを持つこと、みたいな(笑)。
すぐに論破しようとしない気持ちが、オカルトを楽しませてくれるんだと思います。とにかくなんでも受け入れるスタンスであることでしょうか。「たしかにそういう説もあるよね」って思えるようになったらすごく世界が広がるような気がしますし、心が優しくなると思います。
――最後にアニメイトタイムズ読者に向けてメッセージをお願いします。きっと読者のアニメ・声優ファンの方にとっては、上坂さんのナレーションも観に行くきっかけになるのかなと……!
上坂:正直、そこまで多くナレーションは担当していないので、私を目当てで観ることはおすすめしませんが……(笑)。ですが、純粋にオカルトの面白さが詰まっている映画になっています。『緊急検証!』シリーズを観たことのない方でも大丈夫です!
いつもは映画館にアニメしか観に行かないという方も、これを機に本作のような謎の映画も観ていただきたいと思います。
――ありがとうございました!
[取材・文・撮影/鳥谷部宏平]
フォトギャラリー
作品情報
『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』
2019年1月11日(金)公開!
【出演者】
飛鳥昭雄・山口敏太郎・中沢健・逸見太郎・大槻ケンヂ・辛酸なめ子・吉田悠軌・康芳夫・秋山眞人・森達也・清田益章・唐沢俊一・ユリゲラー・奈佐健臣・上坂すみれ ほか