『FGO』開発・運営のディライトワークス開催“肉会(MEAT MEETUP)”Vol.8をレポート|新しいことに挑戦し続けることが求められる
大人気のスマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order(FGO)』。本作の開発・運営を担当するディライトワークス株式会社(以下、同社)が、毎月定期的に開催している“肉会(Meat Meetup)”。その第8回目となる「DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios キャリア相談会」が、2019年1月11日(金)に開催されました。
今回の肉会でキャリア相談会が行われた“DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios(以下、DSS)”は、同社に6つ存在する制作スタジオの内のひとつである第1制作部の名称。同社でクリエイティブオフィサーを務める塩川洋介さんがスタジオヘッドを務めています。
トークセッションでは塩川さんとプロデューサーの伊藤優希さん、プロジェクトマネージャーの高橋舞さんらが登壇。これまでのDSSの成果や、会社の雰囲気を来場者のみなさんに伝えることで働く魅力をレクチャーしていました。
DSSでは“新しいことに挑戦し続ける”ことが求められている
イベントは塩川さんがMCを担当し、伊藤さんと高橋さんに質問をする形で進行。まずは塩川さん自らDSSの現状を語っていくと、昨年(2018年)の11月に設立され、現在は塩川さん、伊藤さん、高橋さん含めて33名が所属していることがわかりました。
また、設立の目的については“新しいことに挑戦し続けるため”というところが大きいそうです。そのスローガンを基に様々な試みを行っており、ディライトワークスとして初めてとなる「AnimeJapan 2019」への出展や、ボードゲームの制作や販売、昨年末に開催された「コミックマーケット95」への出展とそれに伴うオリジナルグッズの制作。ならびに年末年始に発売された『FGO』LINEスタンプやオンラインストアの設立などがそれにあたるとのこと。加えてゲームの開発もいくつか動いており、大小全て含めると30以上もプロジェクトが動いているのだとか。
まさに切り込み隊長とも呼べる存在がDSSのメンバーということと、その所属者の指針となっている“挑戦をつらぬく、情念を”“結果のこだわる、執念を”“成長しつづける、信念を”の3つのスローガンを塩川さんが紹介。ここから伊藤さんと高橋さんを交えたトークへ移っていきました。
DSSで働く上での挑戦と結果とは……!?
最初の話題は、伊藤さんと高橋さんがDSSでどのようなテーマをもって働いているのか。まずは伊藤さんから語っていくと、ディライトワークスに入社するまで現在同社で担当しているプロデューサー職の経験がなかったことが明らかに! 前職はディレクター職だったそうですが、同社に入社して約2か月で『Fate/Grand Order VR feat.マシュ・キリエライト』(以下、『Fate/Grand Order VR』)のプロデューサーを担当することになり、「やろう」と決心してここまでやってきたのだとか。
そんな伊藤さんのテーマは“冒険”となっていました。これまでは上長が敷いた組織体制に沿っていくだけだったところ、自分が中心となってプロジェクトを進めていく立場になったそうです。
高橋さんも同じプロジェクトにPM(プロジェクトマネージャー)として参加していたことを話すと、伊藤さんの冒険を見ていたとのことを明かします。働いていると昨日と同じことは起ることがなく、「毎日新しい課題やチャンス、問題など色々なことがやってきた」と述べました。
それこそ毎日がRPGの様な体験だそうで、DSSの「まずはじめる」というスタンスがわかるエピソードとなっていました。
続いて高橋さんが掲げたのは、“進化”というテーマ。元々コンシューマーゲームのPMを務めていたそうですが、ディライトワークスに入社してからはゲーム以外にもコミックマーケットへの出展や、LINEスタンプの制作にも携わったそうです。
加えてディライトワークスでの新しいことに挑戦するDSSの仕事は過去の実績だけでは通用しないプロジェクトが多く、過去の自分の経験だけを頼りに出来ないことを実感。昨日よりも明日へと進化できるよう仕事に臨んでいるとも述べました。
未経験の挑戦を経てDSSで活躍しているおふたりを通して、働く意義や魅力が見えてきたところで、今度は“結果”をテーマとしたトークへ移りました。
このセクションではおふたりがDSSで働いて来た結果を発表することに。伊藤さんは、海外で実施した『Fate/Grand Order VR』の体験会をピックアップ。日本の各地で行った体験会やそこで1万人近くの参加者を獲得し、体験会のノウハウを得た結果、海外でもお客様に喜んでいただけたのだとか。
また、アメリカの体験会では日本とは運営や雰囲気も少々異なるようで、整理券を配っても込み合っているというイメージから整理券を受け取ってもらえなかったり、自分の体験できる時間までに時間が空いているとほかのブースに行って戻ってこられない場合も多いという話を事前に聞いていたので不安もあったようです。しかし、この時は事前にしっかり告知を行ったことで、訪れたファンのみなさんに最高の体験を提供できたそうです。
加えて塩川さんから「何が一番うまく行ったのか」という質問が投げられると、機材や座組を整える手配がスムーズに行え、体験が円滑に行くよう立ち回れたと振り返っていました。
高橋さんは昨年(2018年)末に行われたコミックマーケット95より、ディライトワークスブースをピックアップ。公開された写真ではたくさんのファンがブースを訪れており、早くもその写真から成果が表れていることが判明。
販売グッズについてはただ作るだけでなく、納期やスケジュールの許す限りファンのみなさんに喜んでもらえるものを目指してブラッシュアップを行い制作していったそうです。また、運営に関してもファンの方が「並んだけれど買えなかった」という状況を避けたいと考えていたのだとか。
やはりこういったイベントでは限られた時間での買い物という状況のなか、ファンの方がディライトワークスのブースに来てくださるということで、スムーズにお買い物をいただき、しっかりとディライトワークスのグッズを届けたいという想いがスタッフの中にあり、列捌きや当日のオペレーションにはかなり気を使ったと語っていました。また、その甲斐もあって高橋さんが実際に当日の会場でファンの方に「列の進みが早くて嬉しかった」と言う言葉を貰えたそうです。
ここで塩川さんが、「挑戦するだけでなく、結果にもこだわる」ことをチームに言い続けていることを明かしました。すると、おふたりはどんな仕事でもどうやったら最善になるのかを意識していると表し、最後のトークテーマは“成長”について語っていくことに。
伊藤さんは“毎日が軌跡”だと語りました。日々新しいことに挑戦するDSSでは、昨日と全く同じことをやるということはあまりないそう。そのため見えづらい“仕事の成長”を定義することから始めたそうです。そこで必ず昨日の自分より今日の自分が大きくなっているように、道筋を作ったのだとか。
続いて高橋さんは“人の願いを叶える”と述べました。曰くディライトワークスのPMは決定者ではなく、クリエイターの方々が物作りに臨める環境を整える役職なのだとか。だからこそ、誰かが求めているものを自分がどうやったら叶えられるのかという視点で仕事をすることが多くなったそうです。
加えてこの考え方を得たのはこの“肉会”のバナー画像制作時だったそう。当初から肉のプレートをイメージしていたそうですが、塩川さんに実際に見てもらって確認したところ、「木の質感を増やしたい」と言ったアドバイスに加え、飾りに添えられている葉のデザインに対して「肉と言えば(肉料理のプレートでよく添えられるため)クレソンだよね」という発言が飛び出したのだとか。
高橋さんが最初にこのクレソンについての要望を聞いた時、デザイナーに確認したところ「クレソンの素材がないため納期までに差し替えは難しい」と言われたそうですが、そこで「素材がないからできません」とはならず、デザイナーと相談して、会社の近くのスーパーで現物を購入してそれを撮影した写真を用いて作成することにし、現在の肉会のバナーが出来上がったと明かしてくれました。
実際にスクリーンで完成前と現在のバナーのデザインを比較してみることができましたが、間違いなくクレソンを用いた現在のバナーの完成度が高いのは一目瞭然! そういった小さいところからより良いものを作れるようにと今回のトークをまとめたところで、そろそろイベント終了の時間になりました。
次回の肉会のお知らせなどを挟んで、登壇者のみなさんとディライトワークスのスタッフ、そして来場者のみなさんとでの懇親会に。“肉会”の名前の通り毎回登場する肉料理ですが、今回は「チキンフライドステーキ」と「ブラックアイビーンズ」がメインでした。
アメリカのお正月を彩る料理をフォトレポートでお届け!
“チキン”フライドステーキとなっていますが、こちらはステーキ肉をフライドチキンのように衣に包んで油で揚げた料理となっており、用いられているのは牛肉です。ブラックアイビーンズについては豆料理で、チキンフライドステーキ共々アメリカのお正月に食べられている料理なのだとか。以下より、それらをフォトレポートでご紹介します。
[取材・文・撮影/胃の上心臓]
ディライトワークス公式サイト
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