冬アニメ『ピアノの森』第2シリーズのED曲「はじまりの場所」村川梨衣さんインタビュー|4月20日のオーケストラコンサートへの意気込みを語る
現在放送中のTVアニメ『ピアノの森』。村川梨衣さんにとって6枚目のシングルとなる本作のED曲「はじまりの場所」が2月20日発売になります。
主人公のカイと修平を描いた歌詞を、作品の雰囲気に寄り添ったクラシカルかつポップなサウンドにのせて村川さんがさわやかに歌い上げています。
カップリング曲「NoSTALGiA」は村川さん自身が共作の形で作詞も担当。そして4月20日は初のオーケストラコンサートも決定!
今回は、村川さんに「はじまりの場所」についての紹介とオーケストラコンサートへの意気込みを語っていただきました。
終盤へ向かう『ピアノの森』を盛り上げる意図で誕生した「はじまりの場所」
――アニメ『ピアノの森』のED曲「はじまりの場所」を初めて聴いた時の感想は?
村川梨衣さん(以下、村川):曲をいただく前に「作品に寄せたクラシカルな曲になると思うよ」とディレクターさんから言われて、しっとりしたバラードっぽい曲なのかなと想像していました。実際に曲を聴いたら思っていたよりもポップな曲でした。
それから、アニメ『ピアノの森』は物語的にもどんどん盛り上がっていくので、ED曲でも盛り上げていきたいという意図があって、早めのリズムを刻む曲になっているんですと聞いて。なるほど!と思いましたし、それがわかってから改めて聴くとピッタリだなと思いました。
またアニメの制作サイドの方からも監修していただいているので、この曲はまぎれもなく『ピアノの森』のED曲ですと皆さんにも安心して聴いていただけると思います。
――アニメの制作側のオーダーはあったのでしょうか?
村川:かなりディスカッションを重ねたうえで決まった曲だとうかがっています。皆さんが模索しつつ、完成した至極の1曲になったんじゃないでしょうか。
――歌詞も2人の主人公が描かれている内容になっていますね。
村川:そうですね。作詞してくださったhisakuniさんがカイと修平の関係性を描いてくださったので、原作やアニメファンの方にも「なるほど」と思っていただけると思います。
またアニメのお話が進んでいくことで、歌詞の1つひとつの意味合いや感情の受け取り方も変わってくると思うので、物語の最後までアニメと同様に楽しんでいただける曲になっているんじゃないかなと。
そして最終回を見終わった後に聴いて、どんな印象や感想を抱くのか確かめていただきたいです。
――サウンドはクラシカルな壮大さはあるけど、さわやかな聴き心地ですね。
村川:そうですね、それがこの曲の魅力だと思うし、『ピアノの森』のEDらしいのかなと。
サビの盛り上がりポイント
――レコーディングはどのように臨まれたのでしょうか?
村川:変に気負わず、いつも通りに曲から受けたインスピレーションや感じたまま、歌いました。
レコーディングでは穏やかなイントロを聴いて、すぐに森のイメージが頭に浮かんできましたね。
――お気に入りのポイントは?
村川:サビの“カギカッコの中 いれそびれた「ありがとう」”は歌詞としても特徴的ですし、サビの中でも一番の盛り上がりポイントに差し掛かるところなので、皆さんの耳にも残るんじゃないかなと思います。
あと今回のMV撮影に、ピアノ奏者の方に入っていただいて、実際に弾いていただきながら撮影したんですけど、生音だったこともあって2サビ終わりの間奏の迫力がすごくて。
もちろんCDで聴いても間奏は素晴らしいんですけど、皆さんにも生演奏で聴いてほしいくらい。
――MV撮影での印象的なエピソードは?
村川:広いコンサートホールでピアニストの方と一緒に撮影したんですけど寒くて。スタッフさんも暖房をガンガン入れてくださったんですけど、広い空間なのでなかなか温かさが行き渡らず(笑)。ですが皆様のお心遣いがあったかくて心がぽかぽかになりました。
――『ピアノの森』にちなんで、ピアノに関する思い出はありますか?
村川:ピアノに限らず、楽器を発明した人は天才だなと思います。特にピアノは鍵を押すと音が鳴るという構造が驚きだし、もっとさかのぼるとドレミという音階の概念もすごいなと。
ヴァイオリンも弦を弾くときれいな音が鳴って、更にマツヤニを塗ると摩擦で……と楽器への興味が続々と湧いてくるし、皆さんの発明から私の曲も生まれたわけであり、とても感謝しています。
カップリング曲「NoSTALGiA」はせつなく情緒的な楽曲
――「NoSTALGiA」は対照的な雰囲気の曲です。過去を振り返る悲しく、せつない感じで、何が起こったのかなと想像が膨らんで。
村川:特にテーマもモデルになったものはないんですけど、せつなく情緒的な感じかつ、物語的なものになっています。
「はじまりの場所」とは違うアプローチで作ろうと思ったけど、あまり温度感が違いすぎないように調整していただきました。
――いろいろな捉え方ができる幻想的な世界観は童話的だなと思いました。
村川:そう思ってくださったのならよかったです。どんな曲でもいろいろな可能性があると思いますが、この曲は物語をイメージして作っていただいたので、無限の解釈ができると思います。
――サウンド感も不思議な感じですね。
村川:なんて説明したらいいんだろう? アップテンポとミディアムの間かな? でも RiEMUSiC感はしっかりあって。RiEMUSiCに片足を突っ込んでいるなと(笑)。
とにかく聴いて体感してほしいですね。きっと私の曲をこれまで聴いてくださった方は「なるほど」と思ってもらえると思います。
ジャケットも『ピアノの森』をイメージしたようなビジュアルに
――ジャケットでシックな衣装を着ているのも曲のイメージにピッタリですね。
村川:『ピアノの森』の曲ということで、森を意識して撮影したのかなと。自然に囲まれた中で木漏れ日を浴びるような写真になっています。
――毎回、初回限定盤にMVと一緒に収録されている『週刊RiEMUSiC』ですが、今回はどんな内容に?
村川:収録曲について私が語っているのはいつも通りですが、是非楽しんでご覧頂ければ嬉しいです。
――4月に開催されるオーケストラコンサートですが、どんな経緯でやることになったのでしょうか?
村川:様々なオーケストラコンサートを主催されている方が私の1stと2ndライブを見てくださって、「村川さん、オーケストラコンサートはどうですか?」とずっと声をかけてくださっていたようで。
今回、ED曲を歌わせていただいた『ピアノの森』はクラシカルな作品ですし、いいタイミングかもしれませんねというお話をいただいて実現しました。
まさか私がオーケストラの方とご一緒させていただけるとは夢にも思っていなかったのでまだ想像もつかないし、未知数な状態で。
かなり本格的な規模になるとのことなので、貴重な機会をいただけたことは光栄ですし、皆さんにとってもオーケストラの方に演奏していただくRiEMUSiCを聴けることはめったにないはずです。
きっと素敵な空間になると思うので、楽しみにしていただきたいですし、ぜひ一緒に体感していただけたらと思います。
――ちなみにコンサートで毎回、「武器」と呼んでいるグッズが発売されていますが今回は?
村川:「武器」ございます! どんな形で使うのかはまだお話しできませんが、ぜひ武器を手にコンサートにご参加ください。
――では最後に読者へのメッセージをお願いします。
村川:『ピアノの森』の第2シリーズが佳境に差し掛かるタイミングで、ED曲を歌うという重要な役割をいただけたことはうれしいですし、とても感謝しています。
制作サイドからOKをいただけた曲なので、原作やアニメファンの方にとっても違和感を感じない曲になったのではないかなと思っています。
アニメが第1シリーズからの作品の良さを引き継ぎつつ、最後に向けての物語の盛り上がりにつながればいいなと思っていますので、アニメと一緒に「はじまりの場所」も楽しんでいただけたらうれしいです。
カップリング曲「NoSTLGiA」もはじまりの場所とは違ったテイストの曲ですが、RiEMUSiCにカテゴライズされるような曲になっていると思うので、合わせてお楽しみください。そして春のオーケストラコンサートでお待ちしています。
[取材・文/永井和幸]
「はじまりの場所」リリース情報
アーティスト:村川梨衣
タイトル:はじまりの場所
【初回限定盤】
COZC-1516~7 1800円+税
アニメイトオンラインショップでの購入はこちら
【通常盤】
COCC-17555 1200円+税
アニメイトオンラインショップでの購入はこちら
【CD収録内容】
1.はじまりの場所
2. NoSTALGiA
3.はじまりの場所(Instrumental)4.NoSTALGiA(Instrumental)
【DVD収録内容】
はじまりの場所 Music Video/週刊RiEMUSiC~はじまりの場所編~
TVアニメ『ピアノの森』作品情報
NHK総合テレビにて
2019年1月27日(日)24時10分より放送開始
※関西地方は同日24時50分からとなります
※放送日時は変更になる場合がございます
★Netflixにて第1シリーズ(1話〜12話)独占配信中
第2シリーズ:STAFF
原作:一色まこと(講談社『モーニング』所載)
監督:山賀博之(「王立宇宙軍オネアミスの翼」「アベノ橋魔法☆商店街」)
シリーズ構成:あべ美佳(「団地ともお」)
キャラクターデザイン・総作画監督:木野下澄江(「ガーリッシュ ナンバー」)
美術監督:栫ヒロツグ(「“栄光なき天才たち”からの物語」「ラクエンロジック」)
色彩設計:吉村智恵(「放課後のプレアデス」)
撮影監督:臼田 睦(「ソード・アート・オンライン」)
編集:三嶋章紀(「四月は君の嘘」)
音響監督:長崎行男(「宝石の国」「聖☆おにいさん」)
音楽:富貴晴美(大河ドラマ「西郷どん」 映画「関ケ原」)
アニメーション制作:ガイナ(「想いのかけら」)
製作:ピアノの森アニメパートナーズ
第2シリーズ:CAST
一ノ瀬 海:斉藤壮馬
阿字野壮介:諏訪部順一
雨宮修平:花江夏樹
パン・ウェイ:中村悠一
レフ・シマノフスキ:KENN
丸山誉子:悠木 碧
ソフィ・オルメッソン:伊瀬茉莉也
カロル・アダムスキ:小西克幸
平田光生:豊永利行
佐賀武士:遊佐浩二
雨宮奈美恵:三宅麻理恵
一ノ瀬怜子:坂本真綾
雨宮洋一郎:田中秀幸
J=J・セロー:島田 敏 ほか
メインピアニスト
反田恭平(阿字野壮介)
髙木竜馬(雨宮修平)
牛牛 (パン・ウェイ)
シモン・ネーリング (レフ・シマノフスキ)
ジュリエット・ジュルノー (ソフィ・オルメッソン)