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- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
『宇宙戦艦ヤマト』の最新シリーズとして劇場上映されてきた『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』がついに最終章を迎えます。
新たなヤマトとして発進した『宇宙戦艦ヤマト2199』が上映されたのが2012年。そこから7年の旅路に終止符が打たれます。
日本のアニメ史を語る上で避けては通れない名作のオマージュ。そこには制作サイド、ファンともに様々な想いがありました。
今回インタビューしたお二人もそのひとり。『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』では花形の役である古代進とアベルト・デスラーを演じた小野大輔さんと山寺宏一さんに最終章を迎えたお気持ちをお聞きしました。
ビッグタイトルに関わる役者としての気持ち、最後まで旅ができた気持ち。様々な想いが見えた、貴重な瞬間となりました。
——『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(以下、『2202』)もとうとう終わりを迎えます。『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『2199』)の上映から7年経つというと、小学校に入学した子どもが卒業するぐらいの年月が経っていますよね。ようやく終わりを迎える率直な心境を教えてください。
小野大輔さん(以下、小野):『2199』の時もTVシリーズに換算すれば全26話の作品を1年半以上かけて旅をしてきました。『2202』でまた2年近く旅をしていたんじゃないかと思います。
アフレコをずっと続けていくとスタジオやアフレコブースの雰囲気が本当にヤマトの艦橋のようになっていて、一緒に旅をしてきたというのを『2199』の時も感じました。
『2202』で最終話の収録を迎えた時に、この人たちと本当に一緒に旅をしてきたなと思いました。みんなでここまでたどり着けたということが本当に良かったと。みんなにお疲れ様という感じでした。
——本当に艦内にいた人達みたいに思われていたということですか?
小野:そうですね。アフレコブースから見ると調整室にいるスタッフさんたちがヤマトの第一艦橋にいる艦長や航海士のように見えるんです。
山寺宏一さん(以下、山寺):あのガラス張りの感じね。
小野:雰囲気が似ているので、いつも本当にヤマトの中にいるような感覚がありました。
しかも、老若男女いろんなキャリアの役者が参加していて、ベテランの方々は日本を代表するような声優さんたちばっかり。それと同時に、若手の役者さん達もたくさんいて。ヤマト世代の方、ヤマトに触れていなかった世代の方が一堂に会しているんです。
そういったみんなが同じ気持ちで作品に情熱を注いでいるというのは“艦長代理”として……いや“艦長”として、見ていてとても嬉しかったです。そのクルー達を本当に誇りに思いましたね。
山寺:今老若男女とおっしゃいましたけど、僕はまだ若の方なのでね(笑)。
小野:老の方とは言ってないですよ!(笑)
山寺:麦人さんとかが老の方!?
小野:僕が言ったみたいになるからやめてください(笑)。
山寺:僕の場合は『2199』の時も『2202』も、途中からアフレコに参加していて、毎回出ているわけではないんですが、他のシリーズものとは一線を画すというか、特別な作品でしたね。
たまにしか出てこないからこそ、ものすごい緊張感なんですよ。他の作品ももちろん緊張感ありますけど、こんなに長くやっていて最後の一言まで緊張感がなくならない作品は他にはありませんでしたね。
決して殺伐とした空気ではないんですよ。みなさん仲良くしているんですけど、毎回緊張感が最後まである。
僕としては「終わったんだ」という実感はまだないんですけどね。まだまだ旅は続くんじゃないかみたいなことを勝手に思っています。
——山寺さんをもってしてそんな緊張感が。
山寺:老若の若の方ですから(笑)。でも、ベテランがいるというだけじゃないんですよね、『宇宙戦艦ヤマト』(以下、ヤマト)の現場って。小野くんを始め今の声優業界を引っ張っているような世代から若い人、いろんな人がいて。キラキラしている人がたくさんいるんです。
小野:山寺さんでも緊張をされていたんですね。
山寺:大変ですよもう(笑)。『2199』の時は、ガミラス側とヤマト側で別々にアフレコしていましたが、『2202』に関してはみなさんと一緒に収録が出来ました。スタジオに入りきれないくらいの人数で椅子を並べて収録していましたね。
他の現場に行くと中心にいるような役者さんが、「そんな端っこに座っているの!?」といった感じですよ(笑)。
小野:そうですよね(笑)。「あなたがそこ座っちゃったら若手が座るところないですよ!?」みたいな(笑)。
山寺:だから僕も「どうしてたらいいかな?」みたいな感じだったんですけど。
小野:山寺さんがいらっしゃる時って、やっぱり場の空気がとても華やかになるんですよ。
山寺:あら、嬉しいですね小野君がそう言ってたって書いておいてください(笑)。
一同:(笑)。
小野:山寺さんだけでなく、みなさんすごく気さくで。大塚芳忠さんや麦人さんも、とても気さくな方で、僕らもざっくばらんに話しをさせてもらえる。僕らからしてみると、ものすごい大先輩なんですけどね。
山寺:まあ、爺たちが本当にね。
小野:言ってないですから(笑)。他にも千葉繁さんだったり、すごい方たちばっかりなんですよ。
なので、座長としてどうやってコミュニケーションを取ったらいいのか、実は途中悩んだりもしていました。
山寺:そうだよね。その中で座長だから。でもすごくいい雰囲気でしたよ。
小野:そうですか!良かった。でも山寺さんがいらっしゃって僕の近くに座ってくださった時に、何かもう一段現場の空気が上がったような気がしたんです。
——『ヤマト』がこれだけ長く多くの人が愛されている魅力は、どこにあると思いますか?
山寺:毎回聞かれて答えるのが難しい質問ですね(笑)。でも、大事なことですよね。
小野:『ヤマト』は普遍的なテーマを描いているからだといつも思っています。
『ヤマト』は、日本人だったら誰もが知っている作品ですよね。『ヤマト』は知らないけど「イスカンダルに行って帰ってくる話」だと、誰に聞いてもそれは知ってますよね。
歌が全て物語って説明してくれているのでみんな知っているんです。言ってしまえば『ヤマト』は、おとぎ話や昔話の域まで到達している。
その中に日本人が思う美しさや尊さがあって。そしてSFアニメの金字塔ということで、作品を見て血湧き肉躍るような、そういうエンターテイメント要素も入っています。誰しもが大事にしたい想いや、本当に好きなものが全部入っている作品ですね。それこそが“愛”なのかもしれない。
だから時代を経てこうやって作られたとしても、今の若い方々が観ても共感できる、エンターテインメントとして楽しめる魅力が詰まっている作品なのかなと思います。
山寺:小野さんが仰る通りですね。全部そうです。
小野:ずるい! それはずるいですよ(笑)。
山寺:たぶん、ひとつの要素だけじゃこんなに長いこと愛されていないと思うので色々な事が詰まっているのは間違いないです。
まずひとつ、壮大であるということですね。日本人と限定する必要はないと思うんですけど、人々の琴線に触れる人間ドラマでもあるんです。
僕は中学1年の時に一番最初の『ヤマト』のオリジナルが始まって。小学生向けのアニメが多かった中で、「アニメは卒業かな?」と思っていたら、『ヤマト』は大人向けでどハマりしたことを覚えています。
その時に感じたのは、これほど危機を繰り返す物語はないなと。しかも地球規模の危機で個人の危機とかではないんです。
視聴者が絶対無理だって思うことでも、なんとかみんなで乗り越えるという、エンターテイメントの定番というか王道があるんですよね。当時、こんな話は他にないって思いましたが、未だに同じ気持ちです。
『2199』や『2202』は、その想いを後の新しいスタッフたちがリスペクトしながら、愛をもってより新しく、豊かな物語にしているなと思います。
小野:『ヤマト』は、ずっとピンチですよね(笑)。ピンチを脱したらまたピンチになるっていうのをずっと繰り返していますから。
山寺:まあ、ズォーダーがとんでもないからね。手塚(秀彰)さんの声がとにかく迫力が凄いよね(笑)。
小野:勝てる気がしなかったですよ(笑)。
山寺:ご本人はすごく柔らかい方なのにいざ喋ると怖くてね。
小野:そんな脅威を、一人の力じゃなくてみんなの力で乗り越えていくからこそ、観ている方も共感するんですよね。そこにこの作品の魅力を感じますよね。
絶対に負けない、絶対に乗り越えられる。
——『2199』の時とはまた違ったキャラクター性が見えたと思います。古代とデスラー、お互いのキャラクターについて見え方の変化はありましたか?
小野:『2202』の始まりが『2199』の3年後ということで、古代も新しい役職につき、責任もまた増えています。言ってみれば中間管理職的なポジションにいるところから始まるんです。
『2199』からの成長という意味では、周りが見えるようになっているんだと思います。
古代進といえば旧作からもずっと受け継いでるのは、自分一人の気持ちで突っ走っていくところです。それは彼の良いところでもあるし、ちょっとした弱点でもあるんですよね。
『2199』から『2202』になって、まっすぐな部分、熱量というのは変わってない。でも艦長代理として、最終的に艦長としてヤマトのクルーのみんなをちゃんと見ている。
そして全てのクルーたちの思いというのを背負いながら、彼は選択をいつも迫られるんです。
いつも必ずそこで彼なりの答えを出してきました。演じ手としてもそうだし、一人の男として尊敬するし憧れます。「強くなったな」と思いますね。
——山寺さんはデスラ—についていかがでしょうか?
山寺:今回『2202』でデスラーの過去が明らかになって、そんなことがあったんだと驚きました。
元々、カリスマ性を持った冷徹であり目的のためには手段を選ばない人物として歩んできたのかと思ったら、そうじゃないことが分かって。
改めて『2199』を振り返って、「僕の演技、大丈夫だったかな?」と(笑)。あの時はその事を知らないですし、旧作にはないからね。あの時の俺に教えてあげたいですよ(笑)。
ガミラスを救うために手段を選ばない、自分のエゴではなく人のために自分を律して行動している、そしてスターシャへの想い……。そこは理解していたんですけど、さらに深いことになりましたね。
だからそのあたりのデスラーの見え方は『2199』とはちょっと違いますね。そんなこともあったのかと。まさかの兄の存在ですから。そこから母への想いとやいろんな想いがあるわけで。本当に「お疲れ様」って思いましたよ。
これから先なのであまり詳しくは言えませんが、古代にとってデスラーは、ライバルを超えた存在になるのかなと感じています。
これどういう風に言っていいか分からないよね。第七章が衝撃的だから。
小野:難しいところですね。僕から見るとデスラーって、山寺さんがおっしゃるようにバックボーンが見えなくて、ずっと怖かったんです。
山寺:スターシャの前では、すこし本性が見えるけれど、ずっと全部見透かしているような感じでしたからね。
小野:古代から見ると戦う以前の問題なんです。得体が知れない。でも何か確実に信念を持っていそうだし、揺るぎない気持ちで事を動かしているから、とにかく怖かったんです。
文字通りカリスマなんですよ。理屈抜きに怖い。
ずっとそれがあったので、『2202』はバックボーンが見えて僕はすごく嬉しかったです。
山寺:それが「これだったんだ!」っていうのがわかるよね。
小野:ズォーダーが言うんですよ。「人間である」と。僕も思ったんですけどデスラーも人間なんだって。
山寺:そうですよね、まさに。
小野:ちょっと好きになっちゃいました。
山寺:そんなデスラーはたぶん古代たちにしてやられて、『2199』の最後の方で自分を見失いそうになるくらいムキになるんですけど、ヤマトの戦い方、古代たちの姿を見て変わっていったんでしょうね。
そんなことがあったから、いつも全部見透かして「さあどうする?」とみんなを試しながらも、自分はどうするべきなのか答えを探そうとしていたんじゃないかなって、『2202』ではずっと思っていました。
自分のやるべき事、生き方というのを、古代をはじめヤマトに影響を受けていたんでしょうね。それも「大いなる和」ですよね。
小野:デスラーが「大いなる和」に自分もいるっていうことにちゃんと気付いているのが感動しました。
デスラーはどこまでも孤高の存在かと思っていたんです。誰とも心を合わせないというか、あえてしない。
山寺:対極にある感じなんだよね、大いなる和って。だから最初は、僕が第六章「回生篇」のED主題歌「大いなる和」を歌っていいのかなと思ったんですよ。
デスラーとして歌っているわけじゃないけど、デスラーやってるのに「大いなる和」かと思っていました。この第七章を観ていただければ、デスラーのことも分かっていただけるんじゃないかと思います。
——アフレコ中のお話を聞ければと思います。お互いに演技されている姿をどのように見られていましたか?
小野:僕はさっき言っていた通りで、デスラーの第一印象って“怖い”だったんですね。何を考えているか分からないけど、言葉にものすごく説得力とバックボーンが感じられて。
山寺さんの声だからそう感じられるんだろうなと思ったんです。
ヤマトが赤い炎がぶわっと大きく燃えているのだとしたら、デスラーは一筋の青い炎が静かに燃えている感じ。青い炎って温度高いじゃないですか。
それがすごい山寺さんのお芝居に感じられて。背中を見ていて怖かったです(笑)。
山寺:いやいやいや(笑)。ビビりながらやっているとも知らずに(笑)。
小野:(笑)。知らなかったですそれは。緊張していたって今日初めて知りました。
山寺:今まで作品でそんなにたくさん一緒だったことはないよね。
小野:そうなんですよ。山寺さんとなかなかご一緒する機会がなかったんです。
——調べたところ、『ヤマト』や『アンパンマン』くらいですかね。
小野:『アンパンマン』はちょっとだけ出ていたくらいですから、本当に『ヤマト』でガッツリといった感じです。
山寺:『斉木楠雄のΨ難』も別々の収録だったしね。でも、小野大輔といえば今本当に大活躍している声優だというのはずっと聞いていました。
僕も『2199』の出演が決まった時、「え!? 俺はもう古代無理でしょう?」って思ってましたよ(笑)。
最初の古代役の敬さん(富山敬さん)が亡くなって、僕がものまねをしていたからか、ゲームでオファーをいただいて敬さんの代わりに少しでも似せようと思って演じていましたから。
「そんなの無理だよ」と言ったら「いや違いますよ、古代は小野大輔さんです」と(笑)。「山寺さんはデスラーです」って(笑)。びっくりしましたよ。
実際に小野君の演技を見たら、それはもう見事ですよ。今の新しい『ヤマト』を見事にやられていました。
でも、古代っていうのはみんなの主人公だし、『ヤマト』は古代の成長物語でもあるわけだから、一番大変だったと思います。
小野:プレッシャーは感じていました。山寺さんは、古代役をやられていたということで、お会いする時に緊張していました。
でも、現場に入られた時、当たり前なんですけど、そこに古代はいなくて完全にデスラーだった。そこに感動しました。
それこそ先輩の役の入り方というのを現場で見て身震いがして。そこで、古代を受け継いできた方だという見方をしていたことを改めたんです。
「今はデスラーなんだ、この人は」って。それがすごく印象的でした。
山寺:デスラーに聞こえていたというのは本当に良かった。ずっとプレッシャーを感じながら、頭の中で伊武(雅刀)さんのあの声がずっと響いていましたから。
それに比べて小野君は、完璧に『2199』『2202』の古代でしたよ。
だから燃堂力(『超能力者斉木楠雄のΨ難』の登場人物)と同じ人が演じているとは思えない。本当に、絶対違う人だと思いました(笑)。まあ俺もいろんな役を演じる人間なんだけど(笑)。
小野:そうですよ(笑)。どれだけいろんな役をやってるんですか(笑)。
山寺:それでやるしかないんだよ(笑)。色々やってなんぼなんだよ俺は。
……なんで俺愚痴ってんだろ(笑)。
小野:時間が許せば山寺さんにお聞きしたいことが……。
何かのインタビューで読んだことがあるんですけど、山寺さんは「自分の声というものが特別なものではない」と思ってらっしゃるって。
人の声ってそんなにすごく変わるものではないと。だから自分は技術を磨いて、積み重ねて色んな役の声になっていると。
山寺:それはいつも思っている。だって小野くんは古代を演じる時に、「何かを作ってやろう」という気持ちではなく、台本を読んで「古代はこういう気持ちだからこうしよう」ということをまっすぐ演じているよね。
僕は伊武さんのデスラーが大好きで、それに負けないように自分を殺してやろうとして作った部分ももちろんある。でも、それと対峙しなきゃいけないわけだから。
それは表面的にはもちろん、気持ちも負けちゃいけない。そして、すごいメンバーの中で存在感も出さなければいけない。みんな「やるな!」の応酬みたいな感じでしたから。
小野:背中を見ていると、山寺さんから確かにその感じがあったんですよね。“お前らに負けねえぞ感”が。だからちょっと怖かったんだと思います。
山寺:いや、ハッタリだよハッタリ(笑)。
小野:ゾクッとして。でも演じ終えて帰ってくると「あれなんだっけ、あの健康法さぁ」とか、どうでもいい話をしてくれるんですよ(笑)。
山寺:小野君たちが、「今の業界は、俺たちが回してっから」って、すかした感じだったらどうしようと思っていたら、みんなすごく優しくて(笑)。
でも緊張感があって、すごく良い現場ですよ。演技する時ってやっぱり役に入らなきゃいけない。
でも、真剣にやるけど、一回オフになったら和気あいあいとするのはいいなと思いますね。すごく理想的な現場だったと思います。
——お二人は、長いこと『ヤマト』に関わられてきたと思います。第七章が最後ということで、アフレコが終わった瞬間はどう思われましたか?
山寺:そのあたりはノーコメントでお願いします。これは代表して艦長の小野君が答えますよ。僕も知りたい、みんなどんな感じだったのか。
小野:みんなすがすがしい顔をしていました。それは何でかというと、僕も感じたことで、作品がとても良い終わり方をしているからなんです。
あらゆる予想を覆し、誰しもが想像しないようなラストへ。それがどういうものなのか、みなさんも想像してると思います。
僕らも、もちろん想像はしてたんですけど、それは福井さん(福井晴敏/シリーズ構成)の頭の中にしかないので。実際のラストを知って、「もうこれはやるしかない」と思って臨みました。
このラストは、みなさんの思った通りではないかもしれません。
ただ、僕らがみんなで『ヤマト』に関わってきて、ここまで紡いで来て良かったなと思ったなと思ったラストだったんですよね。少なくとも僕はそう思いました。
収録が終わって、アフレコスタジオを見回してみると、みんなすごくニコニコしてたんです。
大きな役目をやり終えてホッとしていて。どっと疲れている感じではない、みんなとても明るい表情をしていて。
僕はそれが艦長として、座長として幸せでした。ここまで旅してきて良かったなと思いました。
——これだけすごい作品をずっとやってきて、最後の感想が「良かった」って素敵ですね。
小野:さすがにヤマトは大変なことが起こりすぎたので、もっと旅したいっていう人はいませんでした。でも幸せにやり終えたなという感じです。
——きっとこれから思い返すこともあるんでしょうね。
小野:本当にそう思います。本当に辛かったって思う作品も、これまでにはもちろんありました。それもひとつの思い出になっていたりするので。
「全部を注ぎ込んだ! やった!」っていう達成感。やり終わった、幸せだ。本当にそんな思いでいっぱいですね。
ずっと辛かったんですけど、このラストにたどり着けて良かったなって思いました。観てくださる方もそう思ってくださればいいなと思っています。
[インタビュー/石橋悠]
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『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』公式サイト
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』公式ツイッター(@new_yamato_2199)
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。