ルルーシュが言う“明日のために”歩み続ける|『コードギアス 復活のルルーシュ』興行収入10億円突破記念舞台挨拶をレポート
2019年4月13日(土)、大ヒット上映中の『コードギアス 復活のルルーシュ』興行収入10億円突破記念舞台挨拶が新宿バルト9にて開催されました。
本作で復活を遂げ華麗な活躍を見せたルルーシュ役・福山潤さんをはじめ、本作の鍵を握る不老不死の少女C.C.役・ゆかなさん、黒の騎士団所属のカレン役・小清水亜美さん、そして「コードギアス」を牽引してきた谷口悟朗監督が登壇。
今回の舞台挨拶は、普段の会話に近い和気あいあいとした雰囲気の中でお届け。新たな裏話なども披露された、「コードギアス」愛で溢れる舞台挨拶の模様をご紹介します!
▲左より小清水亜美さん、福山潤さん、ゆかなさん、谷口悟朗監督
登壇者一同が伝えるファンへの感謝
大拍手に包まれながら登場した福山さん、ゆかなさん、小清水さん、谷口監督。初日の舞台挨拶から大ヒット御礼舞台挨拶、そして今回の10億円突破記念舞台挨拶と何度もファンの皆さんと触れ合える時間ができたことに感謝を伝えます。
小清水さんはご自身が演じられるカレンのカラー“赤”にちなんだ衣装を身につけていましたが、なんとこの衣装はゆかなさんからもらったとのこと。ゆかなさんとお揃いの花柄ワンピースがとても素敵でした。
3月24日(日)時点で“10億円突破”したことについて、谷口監督は『コードギアス』が10年前のTVシリーズから始まったオリジナル作品、加えて客層を選ぶというロボット作品であることを踏まえ、 “より多くの人たちの応援の積み重ね”だと語ります。
会場には『復活のルルーシュ』を初めてご覧になる方だけでなく、『コードギアス』自体に初めて触れる方もいらっしゃることが分かり、登壇者陣も大喜び。福山さんは「ナム・ジャラ・ラタック」という作中の印象的なセリフで感謝の気持ちを表していました。
そんな福山さんはどのように受け入れられるのか不安だったTVシリーズ当時の想いを振り返ります。これも『コードギアス』の出発から皆さんが支えてくださったおかげだと話しました。
そして「感謝しかない」と話すゆかなさんは、10年以上も経過しているのにもう1度お届けできること、“待ってたよ”と言っていただけることがどれだけ大変なことなのか感じているからこそ、言葉にできないほど感謝の気持ちでいっぱいだと熱い想いを露わにします。
一方、小清水さんは、10億という数字を聞いて正直ピンッと来なかったとのこと。自分自身の声優人生の歩みに重ねつつ、時が経っても愛してもらえるのがどれほどすごいことなのか身に染みたそうです。一緒に歳を重ねてきたファンの方達に、「これからも一緒に歩んで行きましょう!」と笑顔で伝えるシーンに、自然と顔がほころびます。
登壇者たちの言葉ひとつひとつから、作品、そしてファンたちへの愛情が強く伝わってくるようでした。
谷口監督が本編に入れるべきか迷ったシーンとは?
上映後の舞台挨拶ということで、映画の内容についても触れることに。見どころはたくさんありますが、今回はキャラクターの関係性の変化もポイントでした。
本作で華麗なる復活を遂げたルルーシュ役の福山さんは、何も背負っていないプレーンな状態のルルーシュを演じることができた、素直な人間性を見せることができたと一言。
▲ルルーシュ
谷口監督曰く、プレーンなルルーシュの描写は、作中のさまざまなシーンに取り入れたのだとか。TVシリーズでも今まで見せたことのない隠れていたルルーシュの一面を見せることができたと話します。
作中でルルーシュとの関係性が1番変わったとも言えるC.C.は、ゆかなさん自身もその変化を強く感じたのだそう。C.C.の描かれ方が劇場総集編3部作で変わったことに対し、福山さんから悪い顔で「割りを食いましたね」(※損をする意味)と言われていた裏話を披露しました。
福山さんによると、主人公であるルルーシュは作品の主軸なので多少わがままにできる。でも、C.C.はTVシリーズで1度やっているストーリーラインなのに劇場総集編3部作で新たな一面を見せなければならなかったため、その意味を込めての福山さんなりの言葉だったのだそうです。
『復活のルルーシュ』が公開されたからこそ打ち明けられる裏話に、ファンたちもジッと耳を傾けます。ゆかなさんと福山さんならではの表現の仕方は、まさにルルーシュとC.C.そのものでした。
また、C.C.絡みの話で谷口監督からも裏話が。『復活のルルーシュ』で、“C.C.にピザを食べさせるシーン”を入れようかすごく悩んだのだそうです。
すごく悩んだ結果、C.C.にとってのピザは、彼女自身のわがままや自由奔放な面を表現するものなので、『復活のルルーシュ』には入れられなかったのだとか。
ただ、唯一入れられるとするのなら、エンドロールが開けたところで“ルルーシュとC.C.が2人でピザを食べているシーン”くらいだが、“それが最後にきたら絶対みんなが怒るよね”と、笑いながら語りかけていました。
そんなピザの話を隣で聞いていた小清水さんは、もし、チャンスがあれば、最後にC.C.が旅立とうとするときにカレンからピザを渡すことができたのではと笑いを起こします。
ピザのシーンで盛り上がる中、本編のC.C.を「甲斐甲斐しかった」と話す福山さん。ゆかなさんは、ルルーシュが特にC.C.の前では“素”の状態だったので、それにC.C.も影響されたのではないかと一言。劇中でコロコロと変わるC.C.の表情に、多くの人が虜になったことでしょう。
▲(左)カレン (右)C.C.
明日のために『コードギアス』と歩み続ける
話をし始めると話題が尽きませんがあっという間に終わりの時間です。今回の舞台挨拶は、普段の会話に近い雰囲気で話すことができたと全員が楽しそうにされていたのが印象的でした。
最後に皆さんへメッセージをお届けしようというとき、ここで、スザク役の櫻井孝宏さんから大ヒットへの感謝の気持ちや、今後の「コードギアス」プロジェクトに向けての期待が込められたメッセージが送られました。
▲スザク
そして、最後の挨拶で谷口監督は「“ありがとうございます”としか言えません。皆さんの応援に本当に感謝しております。」と一言。
小清水さんは「カレンはお兄さんやお母さんのためと、自分で決めたようで実は人の人生を歩んできたところがありました。今回の『復活のルルーシュ』で、やっとカレンが自分で選ぶ道を生きられるんだなと感じます。」とコメント。
人前に出ることが緊張するというゆかなさんは「皆さんがずっと届けてくださった想いが私の中で大きくなり、緊張よりも嬉しい、楽しい、幸せという気持ちを強く感じながら過ごさせていただきました。」と感謝の気持ちを最後まで伝えました。
そして、福山さんは、「ルルーシュが“明日のために”とよく言っていましたが、我々もこの作品によって“明日”をいただけたと思います。そして、新たな明日を求めて、またこれからも皆さんと一緒にこの作品と共に歩んでいきたいと思います。」と熱い気持ちを送りました。
谷口監督、小清水さん、ゆかなさん、福山さんからのメッセージに、割れんばかりの拍手が沸き起こります。福山さんの言葉通り、これからも『コードギアス』と共に歩み続け、“明日”に向かっていくのでしょう。
映画『コードギアス 復活のルルーシュ』が劇場でご覧いただけるのも残りあと僅か。今回の舞台挨拶でお届けされた裏話を聞いた上で再び劇場に足を運ぶと、さらに楽しめるかもしれません。
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[取材・文/福室美綺]
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価格:3,240円(税込)
本文:120ページ
サイズ:約H210×W297×D9mm
素材:紙
発売元:株式会社サンライズ
作品情報
完全新作映画「コードギアス 復活のルルーシュ」
大ヒット上映中!(2019年2月9日(土)公開)
上映時間:113分
配給:ショウゲート
STORY
光和2年。世界は再編成された超合集国を中心にまとまり、平和な日々を謳歌していた。
しかし、平和は突如として終わりを告げる。仮面の男・ゼロとして、ナナリーの難民キャンプ慰問に同行したスザクが謎のナイトメアフレームに敗れ、2人は連れ去られてしまった。
シュナイゼルの密命を受け、戦士の国・ジルクスタン王国に潜入したカレン、ロイド、咲世子はそこで、謎のギアスユーザーに襲われる。そして、その場には襲撃者に“元嚮主様”と呼ばれる、C.C.が居た。
かつて神聖ブリタニア帝国の大軍すらも打ち破った無敵の王国を舞台に、人々が描く願いは、希望か絶望か。
果たして、ギアスのことを知るジルクスタン王宮の面々と、C.C.の思惑とは――。
スタッフ
監督:谷口悟朗
脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン原案:CLAMP
キャラクターデザイン:木村貴宏
ナイトメアフレームデザイン原案:安田朗
ナイトメアフレームデザイン:中田栄治
メカニカルデザイン・コンセプトデザイン:寺岡賢司
メインアニメーター:木村貴宏、千羽由利子、中田栄治、中谷誠一
美術監督:菱沼由典
色彩設計:柴田亜紀子
撮影監督:千葉洋之
編集:森田清次
音響監督:井澤基、浦上靖之
音楽:中川幸太郎
オープニング主題歌:家入レオ「この世界で」
エンディング主題歌:UNIONE(ユニオネ)「リバイブ」
挿入歌:ALI PROJECT「美しき獣たちの為の」
配給:ショウゲート
製作:サンライズ、コードギアス製作委員会
キャスト
ルルーシュ:福山 潤
C.C:ゆかな
スザク:櫻井孝宏
ナナリー:名塚佳織
カレン:小清水亜美
ロイド:白鳥 哲
咲世子:新井里美
シャムナ:戸田恵子
シャリオ:村瀬 歩
フォーグナー:大塚明夫
シェスタール:島﨑信長
ビトゥル:高木 渉
クジャパット:津田健次郎
『コードギアス』シリーズとは
2006年に『コードギアス 反逆のルルーシュ』全25話、2008年に続編『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』全25話がTV 放送され、一大ムーブメントを巻き起こし、スピンオフ作品やコミカライズ、イベントや舞台化など、多方面に渡りメディアミックスを展開。放送から10 年以上経った現在でもファンから熱い支持を得る、2000年代を代表するヒット作品のひとつです。
2017年10月~2018年5月にかけて、TVシリーズ全50話を3本の映画に再編集し、全編新規アフレコ収録と新作カットを追加した劇場総集編3部作が順次公開。2019年2月9日公開の完全新作映画『コードギアス 復活のルルーシュ』は劇場総集編3部作の「その後」の物語です。