『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』声優・水瀬いのりさんインタビュー|昨日できなかったことに一歩踏み出させる作品
キャラクター同士のやり取りに、青春を感じる
――アフレコの感想を教えてください。
水瀬:現場で実際に『タガタメ』のキャラクターを演じている皆さんの声を聞くと、長年担当しているということもあって、芝居に説得力がありました。
そんな中自分はカスミというキャラクターをゼロから作っていくので、かなり緊張しながらのアフレコでした。
私の緊張を察してくれたのか、ブースの中で小山剛志さんが話しかけてくださって。自分の中で張り詰めた空気の中で演じていたんのですが、小山さんの一言にとても救われましたね。
――既存のキャラクターとオリジナルキャラクターのカスミとの関係について、どのように感じていましたか?
水瀬:主人公たちもカスミという新しいキャラクターと出会って、今まで見ることができなかった一面が引き出されたと思っています。しつこく質問するカスミにエドガーがうんざりするシーンがあったり、それを一生懸命フォローしてくれるリズの姿があったり。
序盤はお互いにかみ合わない感じで物語が展開していくんですけど、ここから仲良くなっていくんだというのが分かる台本になっていたんです。喧嘩をしても、最後にはきっと仲間になれるんだという、絶対的な自信がありました。
だからこそ本気でぶつかることができる環境でもありましたし、汗も涙も流しながらぶつかり合うといった、ある意味青春を感じるようなやり取りになったと思います。
――特に印象的だった仲間たちとのやりとりや、シーンはありましたか?
水瀬:エドガーの「女に涙を流させない」というセリフに対して、カスミなりの観点でぶつかっていくシーンがあるんです。
お互いの気持ちをぶつけ合うといったシーンにより青春を感じるというか、個人的にはすごく好きですね。
エドガーとカスミとの関係性が良く分かるシーンで、ロキ役の逢坂さん(逢坂良太さん)と演じていてグッときました。
――そういったやりとりがあったからこそ、カスミは自分の気持ちが言えるようになったり一歩進めたりというのがあったんだと思います。水瀬さんには、カスミと似たような経験はありましたか?
水瀬:このお仕事自体、決してひとりではできないというところもあって……。今回のアフレコも朝10時から夜10時過ぎとか、12時間以上同じスタジオにみんなでいて。
今日の天気すら分からない状況の中、みんなで同じスタジオの中で一丸となって作品を作っており、「アフレコ現場はチームの一体感を生む場所だなぁ」と思っています。
それぞれが自分にできることを一生懸命やってひとつのフィルムになるというのが青春というか、チームだと思いました。