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『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』声優・水瀬いのりインタビュー

『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』声優・水瀬いのりさんインタビュー|昨日できなかったことに一歩踏み出させる作品

エドガーは“お姉ちゃん心”を揺さぶられるキャラクター

――エドガーとリズというキャラクターについて、どのような印象でしたか?

水瀬:エドガーは私個人の目線で言うと、2枚目を装いつつも隠しきれない男くささが出てくるキャラクターなんです。「もっと正直になってもいいんだよ」と、なだめてあげたくなるキャラクターですね。

エドガー自身お兄ちゃんぽく振舞おうとしているんですけど、どこか弟感があるというか。「放っておけないな」と思わせるシーンがあるんです。ヒーローになろうとしているんですけど、ヒロインさを感じるヒーローみたいな(笑)。

ダメな部分が可愛く見えて、自分の中にあるちょっとした“お姉ちゃん心”を揺さぶられるキャラクターかなと思っています。

リズに関しては、可愛らしい見た目と中身とのギャップがある子でした。守ってあげたくなるような小動物的キャラクターなのかなと思いきや、いろいろな知識を努力しながら学ぶひたむきな姿があったりして。

妹っぽいと思わせて、お姉ちゃんなキャラクターなのかと驚きがありました。

リズはカスミに対しても真摯に向き合ってくれるし、カスミと対話するシーンではガールズトークのような雰囲気も出ています。精神年齢で言うと、エドガーとリズが対極の位置にいるのかなと思います。

――水瀬さんが河森正治総監督の作品に出るのは『ノブナガ・ザ・フール』(2014年)以来、2作目ですよね。

水瀬:河森総監督は「時が止まっているのかな?」と思うくらい見た目がお若いままなんです(笑)。『ノブナガ・ザ・フール』でご一緒した時は、私はまだ高校生だったと思うんですよね。今回時を経てご一緒したんですけど、二度見するぐらい見た目が変わっていなくてビックリしてしまいました(笑)。

河森総監督と言えばロボットもののダイナミックなアクションシーンが印象に残っています。高さを表現する奥行きだったりのこだわりに、河森総監督らしさを感じています。

映画の尺も2時間弱ある大作というところで、河森総監督の描く『タガタメ』の世界観は熱量膨大ですし、そこにかけた思いも強く感じました。

――カスミとご自身を照らし合わせて、共通点はありますか?

水瀬:お父さんが仕事で家にいない間、お母さんと家にいることが多くて。カスミのお母さんは働いているんですけど、家で母といる時間が長いぶん、台本を読んでて胸がグッとなるシーンがありました。

私は反抗期の時にお母さんに怒られるのが悔しいから、ふすまを外して盾にしながら廊下を走って反発していたりしてました(笑)。とても迷惑をかけたなと思います。

――本作について、どのようなところに魅力を感じましたか。

水瀬:建物であったり自然豊かな雰囲気であったり、背景に描かれている描写がすごく綺麗だなという印象です。魔法のシーンだったり日常的なシーンだったり、異世界観という現実世界にはない要素の描き方がちょうど良くて。

あと、背景が青空だと幸せそうな雰囲気ですけど、それが少し陰るだけで同じ建物がこんなにも見え方が変わってくるんだなと。陰と陽の表現というのがキャラクターの顔だけじゃなく、背景でも演出されているところが魅力だと思います。

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