怒涛の展示内容を河森正治監督の解説と共に紹介! 富野由悠季監督との幻の企画も!?「河森正治EXPO」関係者内覧会レポート
膨大な資料が展示されたクリエイティブパビリオン
一方、河森監督のクリエイターとしての40年間が詰まった、超希少な資料の数々が展示されているのが、クリエイティブパビリオン。
実際に放送されたバージョンとは異なる、河森監督直筆の『超時空要塞マクロス』のストーリー展開のメモや様々な作品の企画書、『マクロスF』での菅野よう子さんへ発注した音楽面でのアイディアメモといった、通常の展示会ではなかなかお目にかかれないような展示物が満載。
河森監督を象徴するエピソードとして有名な、変形ギミックを考案する際に用いている、レゴブロックで試作した歴代バルキリーなど、ファンとってはたまらないものばかりです。
他にもデザイン案や絵コンテが、EXPOの空間をフルに使って大量に展示されており、丸一日かけてもすべてをじっくりと見るのは不可能なのではと思えるほどの、圧倒的な物量があります。
解説では河森監督が、ルーペや双眼鏡をもってくることをオススメしていたのですが、それもそのはず。
天井付近にまで資料が飾られており、肉眼では細かい文字までを確認するのはどんなに視力がいい人でも至難の業なので、とくに双眼鏡は持参することを強くオススメします。
またクリエイティブパビリオンの中でも必見なのが、実際に作品内では採用されなかった没デザインや企画を展示する「ミラージュワークス」ゾーン。
コンペに落選したという『カウボーイビバップ』のメカデザインや、『機動戦士ガンダム0083』の、河森監督デザイン版の幻のガンダム試作三号機や、『機動戦士ガンダム』シリーズの生みの親、富野由悠季監督と河森監督がタッグを組んで進めていたという『アステロイドワン』のデザインや企画書など、度肝を抜かれるレアな資料が目白押し。
とくに『アステロイドワン』については、河森監督自身も思い入れがあるようで「もしあの企画が通っていたら、アニメの歴史が少し変わっていたかもしれない」と悔しさを滲ませていました。
河森監督の歩みを知ることができるインスピレーションパビリオン
インスピレーションパビリオンでは、河森監督がどのような生い立ちでクリエイターとなり、どんなものから影響を受けて作品を生み出し続けたのか、その半生を知ることができるようになっています。
河森監督の仕事机や、「マクロス」シリーズの代名詞とも言える、ミサイル演出を生み出したきっかけとされる、ロケット花火を再現したコーナーなども用意されています。
後に漫画家としてデビューする、細野不二彦さんや『超時空要塞マクロス』ではキャラクターデザインを務めた美樹本晴彦さんらと、学生時代に作った合作マンガも展示されており、二人の絵を見て敵わないおと思った河森さんは、演出やデザインの方向性を目指そうと考えたのだそうです。