アニメ『叛逆性ミリオンアーサー』ベトール役・日高里菜さんインタビュー│分からないけど楽しい!?『弱酸性』で広がった日高さんの可能性
アニメで変わった流浪アーサーの印象とは?
――ベトールのパートナーは流浪アーサーですが、彼にはどういった印象が?
日高:ゲームの収録をしていた段階では、もっとチャラチャラしていた印象だったんですよね。女の人にちょっかいを出すようなシーンもあって。でも、TVシリーズだと普通にカッコ良くてビックリしました! 中村さんの素敵なお声やお芝居が相まっていることも理由の一つにあると思いますが、印象が変わりましたね。
ゲームでは、仕事に対して決してやる気がないわけではないものの、どこかで冷たいところがあって。そこをベトールがサポートするという掛け合いもありましたが、アニメでは周りを見つつ手助けをする場面も見られて、より好きになりました。もちろん、ゲームの方にもアニメとは異なる魅力があるので、それぞれ別の楽しみ方ができるのではないのでしょうか。
――流浪アーサーと掛け合いをする上で意識している点はありますか?
日高:流浪とベトールのやり取りを、日高個人として見たら「絶対に好きじゃん!」と思っていて(笑)。「なんだこのふたり!ベトールもっと攻めちゃえ!」と考えたりするんですけど、きっとベトール自身は自分の気持ちに気がついていないんですよね。だから、他の女の子と流浪が話していたり良い雰囲気になっていると、「このモヤモヤはなんだろう」「なんかイライラする」くらいの心境なんだと思います。
なので、演じるときはその気持ちを強く出さないように意識しました。もとより、そんなにデレデレするようなタイプでもありませんし、その点は気を付けて演じていて。ただ、やっぱり日高としては「もっと近くに行っちゃいなよ!素直になりなよ!」なんて思っていましたけど(笑)。
――(笑)。毒舌もどこまでニュアンスを乗せるかが難しいところですよね。
日高:そうですね。心から相手を嫌って言っているわけではないですし、厳しいことを言う相手は流浪じゃないですか。優しさを出し過ぎるとベトールの良さが出ないんじゃないかという懸念があって。
だからゲームの収録では、終わった後に「大丈夫でしたか?」「厳し過ぎたりしませんか?」とスタッフさんに聞きましたが、良かったと言っていただけたので安心しました。
――ベトールと流浪のお気に入りのエピソードを挙げるなら?
日高:第21話「合体への道のり」の、流浪とベトールが妖精合体する回が印象的でした。先ほど挙げたギャップが分かりやすく描かれていて、仕事に真面目に取り組むプライドや信念と、女の子としてのもどかしい気持ちに、観ているこっちがドギマギするようなシーンが多くて。改めて「可愛いなぁベトール」と思いました(笑)。
また、ベトールが大きく感情を露わにするシーンもあって、これまでのTVシリーズではなかなか見られない表情でした。
あと、第1シリーズで挙げるなら、たくあん回(第4話「聖地より愛をこめて」)が衝撃で……私たちは何をやって、何を見せられているんだろうと(笑)。収録しているときも思いましたし、放送を見てもなんじゃこりゃって(笑)。
――たしかに(笑)。
日高:ゲストキャラクターのキャストとして、毎回素敵な方々が来てくださるんですけど、その回は伊藤静さんがゲストだったんです。すごいシリアスな雰囲気の中で叫んだりしているんですけど「でもこれたくあんだよね!?」って。収録が終わった後に静さんが「どういうこと!?」と言っていて、疑問に思うのも当然だなと(笑)。
――演者の方はそういうシーンも考えて演じないといけないわけですからね……!
日高:個人的には、たくあんになった流浪をベトールが抱いていたシーンは、流浪に対する愛情を感じられたシーンだったので、そういう意味でも印象に残っています。
そんな振り切ったギャグがすごいなと思いつつ、第7話「薔薇の蕾」は珍しく切ないお話でした。それまで敵として登場したアーサーは、エクスカリバーを悪用する悪者がほとんどでしたが、そんな人たちばかりではないんだと知ることができて。普段は飄々としている流浪が心を痛めている様子は、より切なさを際立たせていました。
――それでは日高さんが考えるベトールの魅力は?
日高:やっぱりギャップでしょうか。流浪に対してツンツンしてからのデレッとする落差は、素直な子が多い他の妖精たちには見られないポイントなので、ぜひ推していきたいです!
あと、仕事に対して素直なところは憧れますし、本当にカッコ良いんですよね。ゲームでは特にその印象が強くて、ピンチになると指示を出したり、みんなに危険を知らせるポジションなので、より彼女の頭の良さが表れていると思います。
――ちなみに、ベトールと流浪以外でお気に入りのキャラクターはいますか?
日高:閣下とブリギッテのコンビです! ふたりの関係性ってとても素敵ですよね!
あとラジオの方(※ラジオ第10BD開発局 ~叛逆性ラジオンアーサー~)でもお話しましたが、絶対スタッフさんの中に閣下ファンがいると思うんですよ……! 観ていると閣下の作画への本気具合がすごくて! 男の子ではありますが、可愛い雰囲気のビジュアルかつ女装シーンも見ることができて本当に可愛かったです!