“演じているようで演じてない”『ガンゲイル・オンライン』神崎エルザとReoNaの関係性 |2人が共鳴する理由が分かる“原点”の物語が歌と小説に【前編】
ReoNaの原点であるTVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の劇中アーティスト“神崎エルザ”。作中では語られてこなかった“神崎エルザ”というアーティストが生まれた理由、歌う意味、絶望と希望。“神崎エルザ starring ReoNa”としては1年振りとなる作品で、その『Prologue』(プロローグ)が明らかになる。どんな思いでReoNaは再び神崎エルザとして声を、命を吹き込んだのだろうか。
6月26日にリリースされた3曲入りシングル『Prologue』についてのインタビューを前後編にわたってお届けする。
「エルザとして表現できるように」
──まずは5/2(木・祝)に開催された浜離宮朝日ホールのアコースティックイベントのご感想を教えてください。シングルにはライブから2曲が収録されますね。
ReoNaさん(以下、ReoNa):そもそもホールで歌わせていただいた経験が少なかったこともあって緊張しました。浜離宮ホールは本当に歴史のある場所で。事前に会場の下見をさせてもらっていたんですが、それがなかったら当日会場の空気に気圧されちゃったと思います。あらかじめ見に行ってよかったなと。
──緊張感はありつつも後半は解放感もあって。すごく親密な空間でしたね。会話はないんですけど会話を交わしているような温かみがありました。
ReoNa:本当に会話してるかのような空間でしたね。いちばん後ろのひとも意外と近いんです。あと生感というか……。アコースティックの音色は温かくてライブハウスとは違う音の聴こえ方がありました。歌っている時に「目を閉じて聴いてくださっているかたが今日は一段と多いな」って印象を受けました。アコースティックはまたやりたいなと思っています。
──そのアコースティックライブを経て、約1年振りに神崎エルザとしてのシングルがリリースされます。これまでのライブでも神崎エルザ楽曲は披露されていますが改めて神崎エルザとして歌うというのはどんな心持ちでしたか。
ReoNa:思っていたより1年って短いなって。実際(最初のミニアルバム)『ELZA』のレコーディングをしていたのは一昨年の年末から去年の年始にかけてだったので……レコーディングしてからは1年以上経ってるんですが、そんな感じがしないくらいあっという間でした。それでも改めて『ELZA』を聴きなおしてみたんです。自分のお歌ではあるんですけどエルザらしさを見つけにいくような感じで聴きなおしました。
──エルザらしさ、ですか。
ReoNa:すごく模索したんです。楽曲は原作からのイメージでクラシックモチーフで、サウンドにはエルザらしさが表れているんですが、お歌に関してのエルザらしさ……というのは難しいテーマのように感じていました。
その時々の自分が目いっぱい歌ったお歌をエルザらしく感じてもらえたらいいなと思っていたんですが、『SWEET HURT』『forget-me-not』を出せていただいた1年を経て。もう一度思い返してみようと思ってエルザを聴いたときに、やっぱり“らしさ”ってあるなぁって思ったんです。
同じ曲でもそのときの気分によって歌い方は変わるし、聴こえ方も全然違う。絶妙な差かもしれないんですけど、それを拾い集めて、エルザとして表現できるように、すごく考えました。……お歌を歌うまでに考えることが多かったですね。
──エルザのかけらを拾ってそれを落とし込んでいくような。
ReoNa:そうですね。収録したのがアコースティックライブのあとということもあったので、ライブに引っ張られちゃって「なんか違うかも」って思ったところが仮歌の段階であったりして。でも頭で考えてるだけでは歌えないので精一杯の気持ちを最大限に歌おうって思ってました。