新海誠監督の最新作! 映画『天気の子』製作報告会見レポート|監督が全てのキャラクターに声を当てたビデオコンテが醍醐虎汰朗さん、森七菜さんらの収録の助けに!?
2019年7月19日(金)より公開となる新海誠監督の最新作映画『天気の子』。2016年に公開され、社会現象を巻き起こした『君の名は。』に続く作品とあって、まさしく世界中が注目している作品となっています。
そんな本作の製作報告会見が7月2日(火)に行われ、新海監督と川村元気プロデューサー、森嶋帆高役の醍醐虎汰朗さん、天野陽菜役の森七菜さん、夏美役の本田翼さんらが登壇。加えて本作でも音楽に関わるRADWIMPSより、野田洋次郎さん、桑原彰さん、武田祐介さんも駆けつけました。
会見では5分15秒にも及ぶ特別映像“『天気の子』スペシャル予報”が上映されたほか、既に発表されていた「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ(Movie edit)feat.三浦透子」以外の主題歌情報も明らかに!
本稿ではこのイベントの模様をお届けします。
現在も鋭意制作中! 作品はとてもいいフィルムに!
まずはMCの紹介で、5分15秒にも及ぶボリュームの特別映像“『天気の子』スペシャル予報”が上映。『ほしのこえ』から『君の名は。』までこれまでの新海作品を振り返り、続いて『天気の子』の最新映像が繰り広がられます。
その後トークパートへ移ると、新海監督に公開が近づいた今の心境と、制作の進捗やその手応えが問われます。新海監督はこの報告会の間もスタジオでスタッフが全力で作業していると述べると、「とてもいいフィルムになっている」と話しました。
また先週の段階でまだ制作中の作品を見たという野田さんとのやりとりでは、公開を間近に控えながらも作品を良くするため今なお意見交換が行われていることを窺わせました。そしてこのタイミングでまだ時間を使えることについては、前作『君の名は。』のヒットがあったからこそだとも。
川村さんからはそんな『君の名は。』を超える全世界140の国と地域で、『天気の子』の配給を予定していることや、署名運動を受けてインドでも上映できるよう調整中だと明らかに。
新海監督には公開後に海外を回ってもらうという話も川村さんから飛び出したところで、アフレコの話題へと移りました。
アフレコは既に終了しているそうで、醍醐さんと森さんの声を聞いた感想を求められた監督は、「(みなさんに)応援したくなる少年少女だと思っていただけたのでは」と太鼓判。
加えておふたりの声を聴いた時から、「私を見て」と手を挙げているように感じていたそうで、醍醐さんと森さんが作品のためこのタイミングで居てくれたことに深い感謝を表明しました。
この監督の評価を受けて醍醐さんは、自分への評価は完成した作品を見ないとわからないとしつつ、監督から褒めてもらえたことに幸せを感じた様子。
森さんはアフレコ時に新海監督が優しく対応してくれたことを話すと、その優しさに包まれた声が作品に出ていたらと述べました。
ここで話題の中心となったのが、新海監督が自ら全てのキャラクターに声を当てたビデオコンテ。音楽を担当するRADWIMPSはもちろん、醍醐さんや森さんらキャスト陣にも共有されていたのだとか。
醍醐さんはそこでキャラクターを演じる監督の声が上手だったため、プレッシャーを感じていたそう。
しかし、作品自体がエンターテイメントとして、泣いたり笑ったり感情の動かされる物語となっており、帆高と陽菜の行動を見て身近な人を大切にしたいと考えさせられたとコメント。
森さんも作品が描いている物語に考えさせられたと話したほか、ビデオコンテのおかげで言葉にできないキャラクターたちの心情などの部分も伝わったと語りました。
夏美を演じる本田さんについても話題に。ビデオコンテでは女性キャラクターも新海監督が演じていたそうで、段々とその声じゃないと聴けなくなってくるという話が飛び出しました。
またアフレコの際は、新海監督が予想もしなかった声で、本田さんは夏美を表現してくれたそうです。
そんな本田さんが新海監督作品の魅力を話したところで、RADWIMPSの野田洋次郎さんと監督による音楽談義に。既に発表済みの「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ」以外の詳細情報は、以下の記事を参照してください。
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RADWIMPSから野田さんが『君の名は。』から引き続き音楽を担当できることについて、まずは喜びを露わに。『天気の子』では前作より監督から細かい指示はなかったそうですが、製作は監督とタッグを組んで進める形だったことが明らかに。
そして『天気の子』にも音楽として関わるキッカケを話していくと、当初は新海監督の側から野田さんに感想を求めたことがはじまりだったことも判明。新海監督からは「愛にできることはまだあるかい」の歌詞を聴いたことで、自分の知らなかった少年少女の発見できたとの話も。
野田さんは脚本を読んで新海監督らしさを感じたそうですが、同時に意外性もあったそうです。『天気の子』では、監督が攻めている部分が存在しているとのこと。また、監督が「自分のやりたいものに正直」だという気になるコメントも飛び出しました。
そんな野田さんに新海監督は「遠い場所で輝いている星」という印象を受けていたそうですが、『天気の子』で再び関わったことで友人と言える関係に近づいたことを話しました。この関係性は作品にもいい影響を与えており、RADWIMPSの側から次々にに曲が送られてきていたようです。
マスコミによる質疑応答の時間では、今回女性ボーカルとして三浦透子さんを採用した理由や、『天気の子』でも作品の舞台を巡る“聖地巡礼”スポットがあるのかなどが問われました。
三浦透子さんを採用した理由については前作とは違うことをやろうと、野田さんから歌は自分以外の方にとの話があったのだとか。
聖地巡礼については詳しく話せない様子でしたが、“東京を発見していく”ような体験が出来るそうで、実在する場所や架空の場所も含め、色々なロケーションが登場するとのこと。
そして今回は一般の方からの質問もあり、「映画音楽はやらない」と言っていたRADWIMPSに今回もやることにした理由や、新海監督が「ここだけは譲れないというポイント」など、鋭い問いかけがありました。
RADWIMPSは本当は担当しないと言っていたそうですが、それでもやったのは「新海監督の作品だから」だとか。
脚本を読んで物語の完成、結末を見たいという切実な想いがあったそうです。監督が譲れないポイントはなんと“無い”そうで、「自分より他の人のほうが良いものを出してくれる」と納得することで、自分のこだわりと違うと感じることはあるとしつつも、そこを受け入れることでさらに光る物を手に入れられると語りました。
イベント終了の時間となったところで、新海監督より「劇場に来ていただいて、損のない映画になっているハズです。面白かったと思えるものを見たい方はぜひ劇場へ足を運んでください!」とのコメントがありました。
公開が7月19日(金)に迫っている本作。いまなおその制作は進んでいるそうなので、劇場で見られるまであともう少しの間、期待に胸膨らませつつ待ちましょう!
[取材・文・撮影/胃の上心臓]
映画『天気の子』2019年7月19日(金)全国ロードショー!
ストーリー
「あの光の中に、行ってみたかった」
高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らす少女・陽菜。彼女には、不思議な能力があった。
「ねぇ、今から晴れるよ」
少しずつ雨が止み、美しく光り出す街並み。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――
スタッフ
原作・脚本・監督:新海誠
音楽:RADWIMPS
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:田村篤
美術監督:滝口比呂志
製作:「天気の子」製作委員会
制作プロデュース:STORY inc.
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:東宝
公開日:7月19日(金)全国東宝系公開
キャスト
醍醐虎汰朗
森七菜
本田翼
吉柳咲良
平泉成
梶裕貴
倍賞千恵子
小栗旬
公式サイト
公式Twitter(@tenkinoko_movie)