『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』Guilty Kiss連続インタビュー第3回:鈴木愛奈さん│みんなと一緒ならなんでもできる――4thライブを経て生まれたAqoursの意志
「行かなくちゃいけないけど、行きたくない。でも……行かなきゃ」
――ライブやイベントが続く中で劇場版が公開されましたが、完成した本編を最初にご覧になったときの印象は?
鈴木:TVアニメのアフレコから時間が経っていたので、本当に久しぶりに動いている彼女たちを観ることができる楽しさやワクワク感は大きかったです!
だからこそ、初めて全員で観た試写会では『僕らの走ってきた道は…』が始まるところから、みんなブワーッて号泣してしまって(笑)。手で口を押さえたり、クオリティに驚いたりと、Aqoursの世界観に引き込まれているような状態でした。
きっと私だけじゃなくて、メンバーみんなが同じ感覚だったと思います。どこを切り取ってもキラキラしている彼女たちを観ることができて、本当に嬉しかったです。
――今作では卒業する3年生が描かれましたが、鞠莉を演じる立場から彼女たちの姿を見届けていかがでしたか?
鈴木:TVアニメのその後のお話ということで、3年生が卒業して、1・2年生の6人がAqoursとして活動するところから始まりましたが、今作における3年生は見守る側のポジションだったと思います。
なるべく千歌ちゃんたちだけで考えるように一歩引いたところから見て、ときには「どうしてそう思ったの?」と聞いたりしていて。
もちろん鞠莉も、Aqoursの一員として最後まで一緒に居たいはずなんです。きっといくらでも1・2年生を甘やかすことはできますし、アドバイスしたい気持ちもあると思います。
でも、1・2年生で考えて行動することが大事だと考えた上で、あえて必要以上の言葉はかけずに見守る立場に徹することも、ひとつの優しさだと3年生は気がついたんだと思います。
――それこそ『Next SPARKLING!!』の途中で去っていく鞠莉の表情が、今お話されたことを物語っていますよね。寂しそうだけど、どこか嬉しそうでもあって。
鈴木:その場面は本当に僅かな描写でしたが、私にとって一番印象的な鞠莉のシーンなんです。鞠莉は、Aqoursという存在やメンバーのことが本当に大好きな女の子なので、いつまでもここに居たいという気持ちは人一倍強くて。
だから、そのシーンでは「行かなくちゃいけないけど、行きたくない。でも……行かなきゃ」という、1・2年生の成長した姿を見られて嬉しいし、頑張りを見守りたいけど、私も前に進まなくてはならない。そんな鞠莉の複雑な感情が表れているシーンだと感じました。声が入っているシーンではありませんが、彼女の表情や行動に鞠莉の心の内が表れていると思います。
――Aqoursの一員としての愛も、3年生ならではの優しさも、すべて詰まっているが故の表情だったと。
鈴木:そうですね。このシーンの鞠莉に、すべてが詰まっていると思います。
――そんな鞠莉が見届けた1・2年生の活躍はいかがでしたか?
鈴木:練習場所に困っても鞠莉に頼らないようにしたと思いきや、3年生を探す目的で訪れたイタリアを楽しんだりしていて(笑)。いろんなものを食べたり楽しんでいるシーンには、彼女たちの可愛さが溢れていました!
そんな可愛らしいシーンもありつつ、みんなそれぞれ成長している場面が描かれていましたね。中でも一番成長を感じられたのはルビィちゃんです。それこそTVアニメの序盤では、お姉ちゃんの後ろに隠れている引っ込み思案な女の子でした。
その姿を観ていた分、劇場版では『Next SPARKLING!!』の前説をひとりで担当する姿や、理亞ちゃんの背中を押すシーンが観られたので「ルビィちゃんは本当に成長したね」という気持ちになりました。1・2年生の著しい成長は観ていて微笑ましかったですね。
――TVアニメから見ている方からすれば、彼女の成長は本当に目覚ましいですよね。
鈴木:回を重ねるごとに一歩ずつ、ちょっとずつでも成長した積み重ねがあるからこそ、今があるんだと思いました。
Saint Snowも決勝に進んでいたら『Believe again』を歌っていたわけで、もしぶつかっていたらどのような結果になっていただろうと思うくらい最高のパフォーマンスでした!
――では、Blu-rayで改めて観返してほしいシーンを挙げるとすれば?
鈴木:『僕らの走ってきた道は…』の<さあ幕が上がったら>の部分で、9人が並んだときに上から光が降ってくるんですけど、よく見るとその光はメンバーをモチーフにしたマークなんですよね!
例えば梨子ちゃんならピアノがマークとして描かれていたりと、そういう細かいところまでこだわって作っていただけて感動しました。もしかしたら、気がついていない方もいらっしゃるかもしれないので、改めてそういった細かいところまで注目してもらえると嬉しいです!