【アニメイトタイムズ独占インタビュー】『Tokyo 7th シスターズ』茂木伸太郎総監督|「EPISODE 4.0 AXiS」は成長とけじめの物語
一歩先へ進めたと思えた4.0 これからのこと
ーーナナシスは、「EPISODE 4.0 AXiS」に限らずすごくまっすぐなストーリーだと思うんです。ネロもある意味まっすぐな人間だと思いますし。そういうストーリーを読んでいると胸が痛いというか。自分はこういうことをやってこなかったなという後悔ばかりが胸をよぎります(笑)。
茂木:いやいやいや(笑)。でもそうですね、今回の話はスタッフ・キャストともに、現実の世界でお給料やギャランティをもらって働いている大人たちが喜んでくれていたのは印象深かったです。
「ほんとはこうなんだけど、誰も言わない」ことを言ってくれたという風に話してくれた人もいるし。僕はそういう大人たちの代弁をしているつもりもないですし、僕の気分とエンタメを混ぜたらこうなりましたというだけなんですけど。
でもやはり、言わんとしていることを「そうなんだよ」と言ってくれる大人たちがいるというのは、すごく嬉しかったですね。
「EPISODE 4.0 AXiS」
— 「Tokyo 7th シスターズ」公式 (@t7s_staff) 2019年7月5日
最終話(第13話)
『初夏』
遂に迎える
「777☆SISTERS vs AXiS」の
ライブ対決!!
長い暗闇をくぐり抜け、
AXiS、777☆S、そして六咲コニーが
最後に見上げた空は?
Tokyo 7th シスターズ
EPISODE 4.0
一歩でも前に進む物語
堂々の完結編!!!#t7s #ナナシス pic.twitter.com/kIyWag5gCv
ーーそして今回のエピソードではスチルアニメーションや音楽も印象的でした。
茂木:やっぱり動画は、受け手の情報処理の時間軸をコントロールできるからいいんです。より伝えたい感情や文脈を、よりこちらが受け取って欲しい形にコントロールできるわけですから。
そしてそれがアニメーションするからというよりは、音と声があれば止め絵でも良い、というのがなおのこと良い。予算も時間ももちろん限界があるので、やれるだけやったつもりですが、最後まで一緒に走ってくれたスタッフには本当に感謝しています。
それこそ最終話の公開の4時間前までブラックアウトのタイミングを1フレームで調整していましたから。そういうタイミング一つで、受け取り手の印象、気持ちはやはり変わりますから、やれてよかったです。
音楽に関しては、もういつもの岡さん(岡ナオキ氏)なので、やはりツーカーです。ただ今回はこれまでになく、いろんなジャンルのオーダーだったので苦労されていたとは思いますが。結果的に欲しかったドンピシャのものばかりなので、本当に楽しい箇所でした。
ーー収録はいかがでしたか?
茂木:それも滞りなくですね。特に台詞量も多く、僕のこだわりも強かった、コニー役の水瀬さん(水瀬いのり)とハル役の篠田さん(篠田みなみ)は大変だったと思います。
ただお二人とも、部分的には迷ったり、気持ちが理解しづらいというような状況であっても、進めていくうちにスイッチが入るんです。ゾーンに入るというか。特に最終話に関しては、コニーはネロの手を掴んで叫ぶシーンは感動してこちらが震えてしまいましたし、ハルは観客に向けての独白のシーンの最中に完全にハルと同化したと思えた。
あの涙声って篠田さんのアドリブなんですよ。僕の中ではもうちょっと感情の触れ幅は薄かったんですが、やり始めたらすごく良くて何も言えなくなってしまいました。想像を超えて良いものというのは、やはり楽しいものです。
ーーところで、5thライブの特報で、「EPISODE 0.7」の制作開始発表が行われました。こちらはどういうエピソードになる予定でしょうか?
茂木:そうですね。「EPISODE 1.0」のスタートがハルとコニー、支配人の出会いで、セブンスシスターズのストーリーを「EPISODE 0.0」に置いているので、なんとなく察していただければ(笑)。
ただ今回の4.0とはまた雰囲気が違うものになると思います。というか、これまでのどのシナリオとも違うものになるかと。語られることも、伝えたいことも違うので当然ですが、やはりこれも数年前から決まっていた物語です。
でもそうだな、物語上の歴史的な事実は変わらないですが、それで何を伝えたいかは変わったような気がします。
ーーそれはEPISODE 4.0を終えたことによってということですか?
茂木:そうですね。今回は本当に一歩先へ進めたと思えた。ちょっと見える景色が変わったような気がします。そう遠くない未来に発表できると思うので、楽しみにしていただければ幸いです。
ーーこういったアイドル系ゲームのシナリオは、ゲーム内での世界での時間経過がないものが多いと思うのですが、今回の4.0は最終話にあえてそのような表現が明確にされていました。4.0の直接的な続きのストーリーもまだあるのでしょうか?
茂木:ストーリー自体はありますよ。ただ、見せたいものを見せたい順番でやりたいので、これからのことはまだ言えません。
それと今ちょうど時間経過の話をされていましたが、それでいうと「EPISODE 4.0 AXiS」の後半の収録で、あるキャストさんに面と向かって大泣きされたんですよ。すごいびっくりしたんですけど(笑)。
それでその泣いた理由というのが「寂しい」と。プロット上に最後の1カットで時間経過を表記する的なことが書いてあって、ということは終わりに向かっているんだと思うと、と。
そうなると僕は僕の言葉でしか言えないので、「そう思ってくれてありがとう」ということと、「でも、時の呪縛に縛られたまま、いつの間にか誰もいなくなるということのほうが僕はかわいそうだと思うから、ちゃんと見送ってあげたいんだ」というようなことを言いました。それは嘘偽りない本心です。
本物の人間だったらいいんですよ。年老いても美しいし、成長があるし、絆を広げていけるし。でもあなたが言っていることがもし、永遠に若いまま優しい世界でニコニコキャーキャー楽しいよ、みんな大好きだよってしててほしいってことであるなら、それはやめようと。それはただの願望を貼り付けた人形だから、と。本当にハルやムスビと向き合ったときに、それが幸せだとは思えないからって。
そういうことを言ったら、「じゃあ同窓会やってください」って、泣いてるのか笑ってるのかわからない感じになって、なにそれって(笑)。
ーー(笑)
茂木:で、その人はそのとき、「私は子どもなんで茂木さんの言っていることはわかりません」って言ってたんですけど、最終話の収録のあと「この間はすみません」って謝りにきました。
別に謝らなくてもいいんですが、最終話までちゃんと読んだら僕の言いたいことがたぶんなんとなくだけどわかったって。それはとても嬉しかったですね。嬉しいとは伝えてませんけど(笑)。
ーーいつ終わるのかはわからないけれども、茂木さんのなかでは終わり方は決められているというのは理解しました。
茂木:終わりというか、僕なりのナナシスに対するけじめの話であれば、つけたいと思っています。ただ、ナナシスをどうするか、それこそ僕がこの現場から旅立った後にどうするかについてはもちろんのこと、もしかしたらけじめをつける前にサービスが終わってしまう可能性だってあるわけです。
あるいは逆にけじめをつけたとしても、ずっと続いていくかもしれない。そこに関しては、僕が全部コントロールしていると世間の人は思っているかもしれないですけど、そんなわけないわけです。
僕にそんな権限はもちろんない。世の中はそうではないんだよということは言っておきたいですね。
ーー「EPISODE 4.0 AXiS」を見た人ならば、今の茂木さんの言葉は納得できるのではないかと思います。
茂木:だから本当に未来のことはわからないんですよ。でも、けじめがあるとないとではそのあとも絶対違うと思う、きっと。それはそう信じたい。
とはいっても、EPISODE 0.7以降もまだお見せする物語はあるので、楽しみに待っていてくだされば光栄です。
ーーでは最後に。ちょうど未来の話が出ましたが、今年の夏はどのように過ごすおつもりでしょう?
茂木:(笑)。大変な一年だったので、0.7もありますけど、ちょっとクールダウンしたいです。クールダウンしつつ、ナナシスを始めてから薄まっていった本来の自分の趣味嗜好をちょっとずつ取り戻している感じが何故か最近実感としてあるので、そういうことに時間を使いたいですね。
たとえば「TRANSIT」とか「Coyote」とかそういう雑誌を読んだり、チベットについて調べたり、砂漠の国について考えたり。元々そういうのが好きなんです。
[取材・文/三浦一紀]
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AXiS/HEAVEN'S RAVE
≪収録内容≫
1. HEAVEN'S RAVE
2. COCYTUS
3. HEAVEN'S RAVE -OFF VOCAL-
4. COCYTUS -OFF VOCAL-
5. THE TOP SECRET OF “AXiS”(ドラマトラック)
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777☆SISTERS/NATSUKAGE -夏陰-
≪収録内容≫
1.NATSUKAGE -夏陰-
2.夏のビードロ☆シンフォニー
3.NATSUKAGE -夏陰- -OFF VOCAL-
4.夏のビードロ☆シンフォニー -OFF VOCAL-
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Tokyo 7th シスターズ t7s 4th Anniversary Live -FES!! AND YOUR LIGHT- in Makuhari Messe
2018年10月20日・21日幕張メッセで行われた「Tokyo 7th シスターズ」のライブ公演を待望のパッケージ化!
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Tokyo 7th シスターズ ゲーム概要
配信形式:スマートフォン(iOS、Android)向けアプリ
ジャンル:アイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム
対応OS:iOS6 以降Android 4.0.3以降