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映画『二ノ国』製作総指揮/原案・脚本日野晃博さんインタビュー

映画『二ノ国』製作総指揮/原案・脚本日野晃博さんインタビュー|夢の『二ノ国』映画化には様々な試練が……! 梶裕貴さんのキャスティング秘話も!?

昔からの梶さんとのつながり

――先程のお話のとおり、今回もキャストが豪華ですね。メインキャストのみなさんのキャスティングのポイントについてお聞かせください。

日野:僕は今回キャスティングする上で、大きなネームバリューを持った方々に「ジブリ作品のごとく頼む」という思いもありつつ、キャラクターと印象の被る人を選びたかったんです。

ユウはユウのような人にやっていただきたいし、ハルはハルのような人にやっていただきたい。声だけが似ているんじゃなくて、人格から、雰囲気から似ている人にやっていただきたいという想いがありました。

ユウ、ハル、コトナも含めて元々のアニメの世界も含めていいマッチングをしているなと思いました。

――理想のキャスティングをする上で、かなりの人数を探されたんですか?

日野:探したというよりは候補を挙げて、誰がいいかという感じで、いつも通りやりましたね。

――なるほど。その中でもレベルファイブの作品と言えば梶裕貴さんだなと思っています。毎回、梶さんを起用されるのは何故ですか?

日野:うーん、なんでですかね?(笑) 声も魅力的だし、人格的にもいい青年だし、梶君が本当に駆け出しのころから一緒に作品をやってきたので、友人として仲がいいんです(笑)。

しかも梶君と山﨑賢人さんがプライベートでも仲が良かったんですよね。それが作品にもピッタリでした。

久石譲さんのひとことで作品にも変化が

――『二ノ国』の作品全体テーマとして、“一ノ国”と“二ノ国”を行き来するという仕組みがあります。今回の映画では行き来する描写が何度も登場しますが、何か理由があったのでしょうか?

日野:実は最初に書いたシナリオは、ほぼファンタジー世界(二ノ国)だけの内容だったんです。

つまり『二ノ国』という名前なんですが“二ノ国”という世界を舞台にしたファンタジーの物語だったんです。

いろんな部門のOKをいただいて、脚本も進行していました。

僕自身がファンタジーの世界が根本的に好きなんでしょうね。映画に関してはもう“一ノ国”が無くてもいいくらいの物だったんですよ。

久石譲さんにそれを見せた時に「2つの世界を行ったり来たりするのが『二ノ国』なのに、これでいいの?」っていう、ちょっとした挑戦状を叩きつけられまして……。

それを言われて「確かにその通り……」と思いましたね。いつの間にか好き勝手に物を作っている自分がいたことに気づきました。ファンタジーの世界の方が魅力的だと思って変えてしまったんです。

「内容が面白ければそれでいい」という考えもあると思うんですが、それでもやっぱり『二ノ国』の最初に作った世界観の面白味って、“2つの世界があってそれが繋がっている”ということなんです。

当初はアメリカを舞台にしていましたが、アメリカを行ったり来たりするとアメリカに住んでいる人に向けた作品になるじゃないですか。

そこも敬遠していたんです。ファンタジーの世界だと世界中に向けて作ることできるので、そっちの方がいいじゃないかと。

そんなことを考えるあまり、元々考えておかなきゃいけなかった『二ノ国』という本質的な企画の面白味を失っていて、それに気づかされて最初から書き直したという経緯があります。

――そこで舞台はアメリカではなく日本になったんですね。

日野:どうせやるなら日本で映画をヒットさせたいので、日本が舞台の方がいいと割り切りました。

――久石さんは音楽面での表現のみならず、そういうこともガンガン言われるんですね。

日野:そうですね。音楽のみならず色々アドバイスしてくださっています。

――リテイクして出来上がったものは久石さんもいいねと言っていただけたんですか?

日野:はい、新しいコンセプトで作ったものに関しては。ただ、そのあともいろいろとアドバイスを受けました。

今回のテーマ上、命のやり取りがあるので、殺伐とした言葉も多かったんです。久石さんは温かい作品を作りたかったこともあって、「“殺す”っていう言葉が多すぎる!」と言われ、「うーん……」と悩みましたね。

言葉を極力シナリオから減らしていったりと、そういうところを久石さんには気づかせてもらえました。久石さんの言うことは聞かなきゃいけないかなって思っています(笑)。

――一ノ国では車椅子生活、二ノ国では歩けるという、障がい者をギャップを持つ主人公にしたのも興味深い点です。これも上手く2つの世界を使い分けているなと思いました。

日野:一ノ国と二ノ国を行き来する葛藤を描きたかったんです。ユウはどうしても二ノ国に行きたい、ハルは二ノ国よりも本当の恋人がいる一ノ国に戻りたい。

親友であったはずの2人の心が分かれていく状況を作り出したいと思いました。なのに世界を移動するには2人一緒じゃないといけないということも上手く働いています。

「二ノ国にいたい!」って思うのは難しいんですよ。普通は自分の世界に戻りたいんです。

二ノ国にいたいと思うためにはそれなりの理由がないといけない。そこで考えたのは二ノ国の姫を好きになること。

さらに現実世界では不自由な体も自由に動けるようになる。そうなると「ずっと二ノ国にいたい!」と思いますよね。

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