映画『二ノ国』製作総指揮/原案・脚本日野晃博さんインタビュー|夢の『二ノ国』映画化には様々な試練が……! 梶裕貴さんのキャスティング秘話も!?
『妖怪ウォッチ』や『イナズマイレブン』で知られるレベルファイブが手がける新作アニメ映画『二ノ国』が、8月23日より全国の映画館で公開されます。
ゲーム版『二ノ国』は、ニンテンドーDSからシリーズがスタートし、国内外で多大なる評価を受けています。
今回の映画は満を持しての映像化ということで、期待値も高い本作。そんな『二ノ国』を生み出した日野晃博さんにインタビューを行いました。
日野さんが『二ノ国』で描きたかった物語とは?
いつかはやりたかった映画
――まずは映画『二ノ国』の制作経緯についてお聞かせください。
日野晃博さん(以下、日野):元々、最初のニンテンドーDS用ゲーム『二ノ国 漆黒の魔導士』の時からスタジオジブリさんと一緒にやる作品である以上、どこかのタイミングで映画を作りたい気持ちがありました。それは実現しなかったわけですが……。
今から3年くらい前にワーナーさんから「一緒に映画を作らないか?」という話をいただき、その中で『二ノ国』をすごく推していただいたんです。
お声掛けいただいてから本気で『二ノ国』を映画にするにはどうすればいいか? ということを考えるようになりました。
――最初にお声かけいただいた時は、まさか『二ノ国』だとは思っていなかったんですか?
日野:元々、ゲーム『二ノ国』はスタッフもキャストも豪華なメンバーで作っていて、その中で映画を作るのはいろんな壁があったんです。
やりたい気持ちはあったんですが、発想としてあまり「作ろう!」という方向ではありませんでしたね。
ですが、改めて「『二ノ国』が映画になったら絶対にいいと思う」というお話をいただいて、本気でどんな壁があるのか、それを乗り越えられないものなのかを考え始めたという感じです。
クロスメディアならではの作り方
――日野さんはメディアミックスでいろんな作品を手掛けていらっしゃいます。その中でゲームと映画のストーリー構成はどのように違うと感じられますか?
日野:どの次元のことを話すかによって変わりますが、ゲーム、映画、TVアニメのそれぞれで、物語の作り方やどうすれば面白くなるかはセオリーが違うと思っています。
レベルファイブの作品は、基本的に作品として幅のある設定があります。TVアニメも作れたり、ゲームも作れたり、映画も作れたりする設定を考えているんです。
それが毎年映画をやっている『妖怪ウォッチ』などのクロスメディアですよね。
映画で使う設定というものは映画だけで使うものではなく、ゲームで使ったり、TVアニメでも使ったり、コンテンツの要素としての裁量を考えた設計になっています。
しかし、今回だけは映画を作るために全て用意したものです。ゲームの『二ノ国』の世界観がテーマになりつつも、すべて映画のために作った物語ですし、映画のために作られたキャラクター設定なんです。
そこが今までと違うパターンで、新しいアプローチだったと思います。
――映画のためにキャラクターも全部変えたということですか?
日野:そうですね。『二ノ国』はシリーズごとに主人公が違いましたし、これまでは幼い年齢のキャラクターが主人公でした。
今回、映画として一番アプローチしやすくするために、年齢を高校生まで上げたり、ラブストーリーをベースにしたりと、映画だからこそ引きが強い設定を選びました。
――その設定は迷わず?
日野:いえ、迷いまくりました(笑)。
――ゲーム文化を感じさせつつのラブストーリーだったなという印象でした。
日野:ゲーム文化も取り入れさせていただきましたね。聖剣みたいなものも出てきましたし(笑)。