夏アニメ『ギヴン』内田雄馬さんインタビュー|キャラクターの「距離感を大事」に、言葉には表れない感情を探りながら臨む演技!
立夏にとって真冬は“謎”!? 秋彦&春樹は支えてくれる大人な存在!
――では、立夏にとって真冬はどんな存在だと思いますか?
内田:そうですね……「謎」じゃないですか(笑)。言葉でのコミュニケーションがあまり取れない相手で、特に何かアプローチをする人でもないので、よく分からないと思います。
――言葉でのコミュニケーションが難しいキャラクターということなので、出会ったばかりで、関係性を築く前の段階では、掛け合いで意識していることはありますか?
内田:「距離感が大事」というお話もしたように、お互いのコミュニケーションが大事なので、言葉ですね。
真冬は全然しゃべらなくて、セリフが少ないので、そのセリフをどう捉えるかが大事かなと思います。
ほとんど「はい」とか「うん」しか言わない中でキャッチボールをしていくので、役者的な感性かもしれないですけど、立夏はその「はい」や「うん」をどう捉えて返すんだろうと考えています。
立夏は特に、相手のことを気に掛けることができる人だと思うので、相手から「はい」と返ってきたものを汲み取って行動しているような気がします。
ちょっとしたセリフのニュアンスや間から“どう考えているのかな”と、考えていることが大事なんじゃないかと。
察することができるかどうかは分からないんですけど、“立夏が考えている”ということが重要かなと思うので、やはり真冬のことはすごく気に掛けていると思います。
だからと言って真冬のことはよく分からないので、そこまで大事にしてやろうという気持ちは全然ないと思いますが、たまたまギターを直したら喜ばれて、教えてほしいと言われて、なんとなく放っておけないという人間性が彼にあるので、真冬のことを何とか気にしてあげようと思っている、ということだと思います。
――立夏から見た他のバンドメンバー、秋彦と春樹についてはいかがですか?
内田:秋彦のことは、相当頼りにしていると思います。
音楽的な意味でもそうですし、自分が何か分からないことや足りないものがあった時に、ほしい言葉をくれるのは秋彦なんだろうなと、僕は台本などを読んでいて感じます。
憧れている部分、認めてもらいたい気持ちもあるんじゃないかなと思います。
春樹さんは非常に優しく、受け止めてくれたり、受け入れてくれたりするので、そういうところに助けられている部分はあるんじゃないかなと思いますね。
バンドやチームとしては、お互いが言いたいことを言っていたら成立しないので、気使い屋で、本心で思っていることよりも、周りのことを思ってしゃべるという、春樹さんのような人がいないと回らないし、良いところで間に入ってくれるんだろうなと思います。
その辺は秋彦もすごく上手だと思うので、基本的には、立夏という天才が思うままに音楽をやって、二人が支えてくれる。そういう形を作ってくれている二人は、立夏や真冬に比べるとやっぱり大人なんだなと。
お互いの能力を認めていて、それを良いと言えるし、思える人たちなので、そういうところにたぶん救われているんじゃないかな。
そもそも立夏自身が無理してコミュニケーションをとる人ではないですが、この二人に対しては無理をしないでしゃべれると思うので、より距離感は近いと思います。