『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』Machicoさんテーマソングインタビュー|ジャケット撮影に密着! 大好きな『このすば』との思い出を語る
最強が最強になった!
──さきほどMachicoさん的には音程が「低め」とおっしゃっていましたが、サビでは一気に高くなりますよね。
Machico:急にくるんです(笑)。どうやったら裏声が気持ちよく聴こえるかなと悩んだところでした。
このサビはめちゃくちゃ難しいんです。歌詞カードだとサビが6行になっていますが、2行ずつリズムが変わっていくんです。
──それは難しい……! 繋げて一気に歌えないんですね。
Machico:一回切って「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」ってことがたくさんあって。今までの曲のなかで技術面的にいちばん難しかったかもしれません。
でも聴くとすごく気持ちよさそうに歌ってるように感じるからすごいなと。それは多保さんのお力のおかげです。
──管楽器が加わってさらに華やかになってますよね。
Machico:プリプロの段階で開けた感じはあったんですが、アレンジの作業が進んで、生楽器が入って「最強が最強になった!」って(笑)。開け方、見え方がまた変わったなと思いました。
──プリプロは多保さんのスタジオで行われたとか。
Machico:はい! 一室のなかにレコーディング機材がそろっているスタジオだったので、多保さんの隣で歌わせていただくような形でした。
物凄く緊張して。ディレクターさんは緊張してる私を見てニヤニヤしてましたけども(笑)。
──(笑)。レコーディングには多保さん、高橋さんも立ち会われたんでしょうか。
Machico:立ち会っていただきました。いつもディレクターさんからトークバックでアドバイスをしてもらうんですが、今回は多保さん、高橋さんもアドバイスをくれて。
高橋さんは「Bメロの歌詞はより気持ちを込めているので、元気いっぱいというよりも、心に寄りそうような感じで歌ってくれたらもっとステキになると思います」と。
そうやっていろいろなひとの言葉の元、レコーディングが行われたという感じでした。
──すごく素敵なレコーディングだったんですね。
Machico:その分力も入りました。2番のAメロの<咲く花は愛を知る>っていう部分には気持ちを入れすぎてしまって、ものすごいしゃがれた声が出て(笑)。
1番はそのまま流れるように歌うんですが、2番はメロディが少し変わっていて。変わっているからこそ際立たせたい! と思って力を入れすぎてしまったんです。
もちろん録りなおしさせてもらったんですが「あ、こんな声が自分から出るんだ!」って笑っちゃいました。
もともとフェイクが得意ではないので“歌いながら遊ぶ”このラインは自分のなかで挑戦でもありました。
──タイトルの「1ミリ Symphony」はどのように決まったんでしょうか?
Machico:レコーディング当日に高橋さんと多保さんとディレクターで話し合ってタイトルが決まったんです。事前に高橋さんがいくつか候補をあげてくれていたんですが、「1ミリ Symphony」が第一候補だったようです。
高橋さんから「もどかしさを1ミリという言葉に込めた」とうかがって、その気持ちを歌で表現できたらいいなと思いました。
他にも「1ミリのミリはカタカナがいい」「1ミリとSymphonyの間には半角があったほうがいい」……というお話をされていたんですが、そういった光景が自分のなかでは新鮮でした。
なかなか目の前でタイトルが決まることってないんです。貴重なシーンに立ち会えた気持ちです。
──カップリング「Do You Believe in Magic?」も同じ布陣が手掛けられているんですよね。どんな曲なんでしょうか。
Machico:(インタビューの時点では)まだ完成していないんです。だからお話がうまくできないんですが「1ミリ Symphony」という壮大な曲にふさわしい今まで歌ったことのない曲になっています。会場の皆さんを巻き込んで手拍子をしたくなるような曲だなって。
「1ミリ Symphony」もまだライブで披露したことがないので、どんな感じでファンのかたがのってくださるか想像ができないのですが、サビで決まった動きがあってもいいのかなと思ったり……。
カップリングの曲も含め、参加型の曲にできたらなと思っています。
『このすば』の曲を歌えるなんて奇跡でしかない
──今日、お話を聞いて「1ミリ Symphony」が劇場でどんな風に流れるのかより楽しみになりました。
Machico:私自身もドキドキしながら公開を待っています(笑)。自分が劇場版を歌う日がくるなんて思ってもなかったので緊張しますね。
しかも皆さんに愛されている『このすば』の曲を歌えるなんて奇跡でしかない。自分でチケットを買ってみんなの反応を見ながらも楽しみたいなと思っています!
──やはり映画というのは特別なものなんでしょうか。
Machico:アニメももちろん特別ですが、映画館って特別感があるというか。普段であれば30分枠のものが長編で1話で完結する。そういう意味でも特別です。
そんななかでこの曲がみんなの耳に届くんだ! と思ったら、想像しただけで……ちょっとビクつきます(笑)。
──それはプレッシャーという意味で?
Machico:そうですね。レコーディングでもプレッシャーがあったんです。でも「やるしかない! 自分が今出せる正解を導いて歌うぞ!」って。
これまで唄を歌わせてもらってきた分、自分なりの『このすば』の世界観を持っているんです。そういうものも出したいなって。
──『このすば』制作側もMachicoさんのそういう感性や柔軟さを信頼しているからこそ、メインテーマを依頼されたんでしょうね。
Machico:……そうだったら嬉しいです。本当に嬉しいです。
──それにしても『紅伝説』って凄いタイトルですね(笑)。
Machico:中二病っぽいですよね。久しく言ってない言葉です(笑)。今回の衣装や髪の毛先を暖色系にしたのはこのタイトルからなんです。
『このすば』は青のイメージがあったので青でまとめることが多かったんですが、今回は赤(紅)をいれようと。『このすば』の楽曲でこんなにパキッとした赤を使うのはすごく新鮮でした。
2つ衣装があるんですけど、ひとつはスカートのひろがりがすごく綺麗で。もうひとつの攻めの衣装はトップスにカズマ、アクア、めぐみん、ダクネス……キャラクターのイメージカラーが詰まっているものを選びました。結果的に両方腹だしです(笑)。
シングルでこんなに髪の毛が色づいたことも初めてです。自分らしさを出せたのかなと思います。
──それぞれのキャラクターの色入り! 話が変わってしまいますが、Machicoさんの推しキャラは?
Machico:ダクネスです! でも『このすば』のキャラクター、みんな大好きなんですけどね。好きの感情がめちゃくちゃ高いところにあって、そのなかでもいちばんぶっ飛んでるダクネスが私の心を揺さぶるんです(笑)。
最初はクールキャラかと思っていたのに、ダクネスは人をも巻き込むヤバさを持っている……。めぐみんがあのなかで真面目に見える瞬間があるくらいぶっ飛んでるんですよねぇ。それってすごく危険じゃないですか!?(笑) そんなダクネスがすごく好きです。
ヒロインのアクアがどんな騒ぎを起こすのかも気になるなぁ。『このすば』って平和な時間が流れれば流れるほど「もっとくれ、もっとくれよ!」って求めちゃうんですよね(笑)。
映画は良い意味で私たちをかき乱す内容になってるんだなと想像すると楽しみで仕方ないです!