フランス実写版映画『シティーハンター』神谷明さん&伊倉一恵さんインタビュー|ゲスト出演にはあんな遊び心が!? 山寺宏一さん&沢城みゆきさんへのメッセージも
なんか一緒にいると安心するんです
――先程、取材前に神谷さんお一人でいらっしゃったとき、「伊倉さんと一緒だと安心するんだよね」とお話されていましたね。
神谷:ここ2年くらい、『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』もあり、TVシリーズをやっていたときみたいに、久しぶりにご一緒できるようになって。
取材を受けたり、色々してきたんですけど、やっぱりなんか一緒にいると安心するんですよね。不思議だなーと思います。
伊倉:私もです。
神谷:プライベートでも一緒に芝居みに行ったりとかね。
――作品の収録とか仕事じゃないときも?
伊倉:そうです、同じ劇団を応援してるもんですから(笑)。
――『シティーハンター』の獠と香は、漫画史アニメ史に残る名コンビですけど、神谷さんと伊倉さんのお二人も名コンビですよね。
神谷:何て言うのかな。息が合うとか合わないとかっていうよりも、とっても楽。一緒にいると楽なんですよ。インタビューなんかでも一人だと若干緊張するんですけど、伊倉ちゃんと一緒だと「あ、大丈夫」と思う。
伊倉:駄目なところなんですけど、取材では私は勝手なことを言いぱなっしなんですけど、神谷さんが綺麗に埋めてくださるので、安心しているのは私の方です。
多分、私がいろんなところに石を投げるので、神谷さんが茶々を入れて、それを面白がってくださっていると思います(笑)。
伊倉ちゃんの話を聞いてほっとしました
――『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』では、20年ぶりの復活ということで、ファンからの声も大きかったと思います。
神谷:僕も20年ぶりに復活すると聞いた時、まず嬉しかったですね。ただ、それだけの時間が空いていますから、実際にTVシリーズが放送されていた当時のイメージで演じられるかどうかという不安はありましたね。オファーをいただいて、出演OKを出して、脚本を見せていただきました。
「あ、これなら大丈夫」と作品的な自信はできたのですが、今度はその脚本に負けない自分でいなければいけなかったので、一年間準備をしました。
その時持てる全てを注ぎ込むことができたので、自分としては良かったかなと思うと同時に、想像していた以上の沢山の方に支持していただきまして、それはもう本当に驚きました。
今更ながら、『シティーハンター』の力というものを実感できましたし、この作品に携わらせていただいて良かったなと思いましたね。
――伊倉さんはいかがだったでしょうか?
伊倉:最初は怖かったですね。TVアニメ『エンジェルハート』(2005年放送)でも神谷さんは獠でしたけど、香は『シティーハンター』の香ではなかったですから。だから、果たしてできるかなという不安があって。私も順調に年を取っているし、年を取ることが初めてなので、年を取ったらどんなふうになるのか分かってないんですよね。みんなそうだと思うですけど。
年を取ると、肉体の中ではいろんなことが起こってくることも、ここ何年かで経験しました。
救急車で運ばれたこともあって、もしかしたらこのまま亡くなちゃっていたかもしれないような状態にもなったんです。それはやっぱり年を取ったからの出来事だったんですよ。
映画は1年後に公開されるのはわかっていて、「収録はいつですか?」と聞いたら、「秋です」と。
1年後の自分がどんなことになっているのか分からない不安が漠然とあって、「やれるかな?」みたいなぼんやりした不安はありました。
――それは、TVシリーズの頃と違う感情が?
伊倉:もう、全然。肉体が変わっちゃっているので、本当に何十年も経った肉体をちゃんと操れるかという不安があって、トレーニングをしなきゃと思いました。
――「みんなが帰ってきた」「そのまんまだ」という感想が多い印象でした。それを受けてお二人はどういう感想を持たれたのでしょうか?
伊倉:それはもうありがたかったですね。
神谷:そうですね。実は最初の当時のTVシリーズは、僕たちが自分で感じた獠や香をそのまま演じればよかったんですけど、そこから歴史を経ていますので、まず一回そこに戻って、演じなければいけなかったんです。
大変ではあったんですけど、終わってみれば、やっぱり楽しくて。なおさらたくさんの皆さんに見ていただけて、新しいファンの方も増えて、嬉しかったですね。
伊倉:「変わらずにやってくれてありがとう」って言われて、素直にありがとうと思いました。やれてよかった。録り終えて安心しましたね。
神谷:だから、オファーを受けてから実際に声を出すまでにかなりのタイムラグがあったわけです。伊倉ちゃんも数ヶ月あったと思うんですけど、僕らはもう早く録りたい!と思っていましたね。
僕も最初に不安を感じたもんですから、今の伊倉ちゃんの話を聞いて、ほっとしました。同じなんだと思って。