この記事をかいた人
- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
――今回の実写版の獠は、お二人とも縁が深い山寺さんが担当されます。お二人はどんなところを期待していますか? また、山寺さんに決まった時の印象などをお聞かせください。
神谷:最初に冴羽獠役のオファーをいただいたのですが、個人的な事情でお断りしました。
その後、山ちゃんにオファーがいってると聞いていて。『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』の打ち上げの時に山ちゃんと話して迷っているというか、遠慮してるような感じでしたので僕は「山ちゃん頼むよ!山ちゃんしかいない!から」と。
「やりたくないの?」と聞いたら「そんなことはありません!」と言ってくれて。
そのくらい信頼しているので今作では、立派に冴羽獠を演じていただけると思っています。
伊倉:間違いない感じですね。香役の沢城さんも。任せておいたらすごいことをしてくれるっていう気がします。
――『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』でも、山寺さんは、伊倉さんに教えていただとか、神谷さんの憧れの話をずっとされていました。それもあって、プレッシャーがあったんじゃないかと。
神谷:だから、山ちゃんには自信を持って、演じていただければもう間違いないと思っています。
伊倉:私、山寺くんと養成所が一緒で、同じ先生に教わったんですけど、入ってきた時から違いましたから彼は。「すごいの入ってきた」って噂になったくらいです。「何十年に一人のすごい役者が入ってきたよ」って。
山寺くんは、可愛いし、できるし、性格はいいし、そうやってもり立ててくれるんですよ。私は何も教えてないと思いますけど、教えてくれたとかいいこと言ってくれるんですよ。先輩を立てる。私は何も教えてないと思います。
――そんな山寺さんの役者としての魅力は、先輩の役者から見て、どういうところがあると思いますか?
神谷:彼の吹き替えをいろいろと見せていただきましたが、自在にキャラクターを演じられる人は、長い吹き替えの歴史を振り返ってもいない、一番だと思うんですね。
そういう意味で太鼓判を押して、挙げられる。素晴らしい俳優さんだと思います。
あれは、何年前になるか分かりませんが、『アラジン』で山ちゃんがジーニーで、僕イアーゴという役をやっていたんです。TVシリーズと合わせて100本以上ご一緒したんですけど、それが見事で。
あとはエディ・マーフィーの演技とか、普通はできないですよね。あの独特なテンポの中で、しっかりした芝居を入れていくっていうのは、本当に今の時代、山ちゃんしかいないんじゃないかって思います。
山ちゃんにオファーがいったのを聞いて、「よし!」っていう感じでしたね。
伊倉:役者的にもすごいんですけど、性格もすごいいい人なんですよ。謙虚だし、努力家だし、場を和ませてくれて、先輩でも落ち込んでたら励ましてくれたりとかしてくれるんです。
私も何度か励ましてもらってます。山寺くん、べらぼうに歌上手いじゃないですか。私が玉置浩二さんを大好きなんですけど、何度か飲みに行って歌を本当に良い声で歌ってくれて、ボロボロ泣いたことを今、思い出しました。
神谷:多分、収録までには相当仕上げて、来るんじゃないかと思いますね。
伊倉:楽しみですね。
――具体的な相談とかアドバイスみたいのはあったりしましたか?
神谷:思ったとおりにやっていただければ、山ちゃんの冴羽獠が出来てくると思います。それが楽しみですね。
伊倉:沢城さんもいい役者さんですよね。いい役は大抵やってるから、すごいなと思うんですよ。
この前、実写映画の『アラジン』を見ていて、ダリアを「良いなこの女優さん。誰かな?」っと思ったら、沢城さんだったんですよ。楽しいものにしてくださると思います。また全然違う作風で作ってくると思いますよ。
神谷:獠も香もすごく魅力的だし、やり甲斐のあるキャラクターだと思いますので。
伊倉:脚本も面白いしね。多分、誰でもやりたがると思う。本当によく出来てますよね、この映画。
――『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』の時から北条先生とも色々お話する機会があったと思います。久しぶりに北条先生とお会いして、どんなお話をしましたか?
神谷:『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』の話が決まって、一度メインのスタッフで集まってから、よく会うようになって、このところよくお話もするんです。
やっぱり作品に対する思い入れがものすごくあって、アニメもそうだし今回の実写版でもそのあたりを押していらっしゃる。
アニメや漫画の『シティーハンター』ファンが見ても、ちゃんと北条イズムを感じると思いますので、安心して見に行っていただきたいですね。
『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』は、“ラーメンを頼んだらラーメンが出てきた”“カレーライスを頼んだらカレーライスが出てきた”感じだったと思うので、今回も心配せずに足を運んでいただきたいと思いますね。
伊倉:本当に面白くて、数えだしたらキリがないぐらい面白いですよ。冒頭から、いくつかメモしてきたんですけど……。
神谷:いろんなハンマーが出てくるんですけど、北条司先生のアドバイスがちゃんと入っているんです。
伊倉:ハンマーも最初三種類くらい案があったそうです。あの重量感で壊したりすると、こんなことになるんだなと。
最初の看護師さんのバカバカしいところも面白かったですよね。バカバカしい心電図とか。
神谷:あの心電図は一番最初に「ブッ!」って吹いちゃった! 何やってるのって(笑)。至るところにそういうユーモアがある。
伊倉:看護師さんが手を上げるところも面白かったし、エレベーターで服が脱げちゃうところも可笑しかったし、自白剤のシーンも面白かった(笑)。
銃を使うかっこいいシーンもありますしね!
神谷:やっぱり『シティーハンター』の世界。
伊倉:『シティーハンター』のファンが見て、間違いなく『シティーハンター』だって思えるし、『シティーハンター』ファン以外の人が見ても、すごい楽しい映画になっていると思いますよ。
神谷:そうですね、だから獠も香もその他のキャラクターもみんな実写になればこうなるんだっていう感じ。
海坊主なんかあのまんまだしね。冴子も「これは冴子だ」って分かるし、槇村なんて、言われなくても槇村なんだもんね。良い役者さん探したね。
あのシーンなんて実写で見たら、こうなるんだって思うような。これ上手いよね。本当に楽しい作品だよね。
[インタビュー/石橋悠]
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。
11月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:アルバトロス・フィルム
原題:NICKY LARSON et le parfum de Cupidon(冴羽獠とキューピッドの香り)
フランス公開:2019年2月8日
監督:フィリップ・ラショー(『世界の果てまでヒャッハー!!』)
出演:フィリップ・ラショー(冴羽獠) 、エロディ・フォンタン(槇村香)
配給:アルバトロス・フィルム
宣伝:ガイエ