音楽
TVアニメ『ギヴン』で話題“センチミリメンタル”ロングインタビュー

『ギヴン』に出会えたことに「運命的なものを感じました」と、これまでの道のりと作品への愛を語る! 夏アニメ『ギヴン』OP&サウンドプロデュースを手掛ける“センチミリメンタル”インタビュー

フジテレビ“ノイタミナ”で放送され、大注目のTVアニメ『ギヴン』のオープニングを彩るアーティスト・センチミリメンタル。

劇中バンド・ギヴンのサウンドプロデュースも話題を呼ぶなか、先だって配信されていた主題歌「キヅアト」は、2019年9月11日(水)にシングルとしてリリース!!

ボーカル、キーボード、ギター、プログラミングを担う温詞(あつし)さんによるソロユニット・センチミリメンタルにとって、本作がデビュー作に。

意外にも初インタビューとなる本稿で、ここに至るまでの道のりや、『ギヴン』に対しての想いなどをたっぷりとご紹介します!

「喜びも悲しみも音楽で表現していきたい」と、なるべくしてなった今のスタイル

──今日はよろしくお願い致します!

温詞さん(以下温詞):実は僕、初取材なんですよ(笑)。よろしくお願い致します。

──初取材なんですか! 色々とお話うかがわせてください。まず、センチミリメンタルの成り立ちについて教えていただいてもいいでしょうか。

温詞:センチミリメンタルという名前がつけられてはいるのですが、ソロユニットという形をとっています。シンガーソングライターというより、バンドスタンスのソロアーティストという感じです。

でも、もともとバンドだったんです。バンド名がそのまま残った……という形です。

──どんなバンドだったんですか?

温詞:4ピース編成で、僕はボーカルとキーボードを担当していました。

リードギター、ベース、ドラムがいるポップス寄りのバンドだったのですが、メンバーが一人、また一人と脱退していきまして……。最終的に僕だけになったんです。

だから、わりとライブハウス界隈からは心配されました。「ボーカルの性格が悪いのか」と(笑)。

──(笑)。そんなことないでしょう。

温詞:それぞれに事情があって、辞めていってしまったんですよね。

でも、バンドに対するこだわりや憧れがあって、「意地でもやってやる」と(笑)。それでバンド名を残しました。

──温詞さんのバンドの憧れのルーツは何ですか?

温詞:レミオロメンが僕のルーツです。

実は僕は、もともとクラシックをやってた人間なんです。

テレビで音楽番組が始まったらテレビを切る……くらいのクラシック少年でしたが、小学校5年生の時に観ていたドラマ『1リットルの涙』で、(挿入歌の)「粉雪」が流れてきた時に衝撃を受けたんです。

メロディに歌声が乗ると、こんなにカッコいいんだって。そこから、バンドというものに憧れを持つようになりました。

──そこからクラシックとの付き合いは?

温詞:20歳くらいまで、長いこと続けたんです。

でも、ポップスというものに魅了されてしまって、身が入らなくなってしまって(苦笑)。

もともとピアニストになりたいという夢があったのですが、クラシックとポップスとでは考え方が違うのだと感じていたので、ポップスの道を選びました。

──クラシック少年がポップスにハートを奪われた理由は、いま思うとなんだったと思いますか?

温詞:感動の……もっと本質的なところが燃える感じがあったというか。

クラシックが好きな人にも、そういうところはあると思うのですが、僕個人としては「歌声がかっこいい」「言葉が刺さる」ことに喜びを感じたんです。それで「僕はこっちが好きなんだな」と。

あと、ポップスの自由さに惹かれました。クラシックは譜面に忠実な世界なので、例えばコンクールなどでは、いかに譜面に忠実に弾けるかが大事になるのですが、僕は勝手に弾きたいように弾いてしまう。

それで、コンサートでの審査員の票割れが年々すごくなっていったんです(苦笑)。なかには「これは侮辱だ」と、おっしゃるかたもいましたし……。

でも、自分で曲を生み出すオリジナルの世界であれば、自分の思うものが正義になるじゃないですか。それで僕は“自由に表現したい人なんだな”と思うようになりました。

もともと何かを創作することが、昔から好きだったんですよね。保育園のころには自分で物語を書いて絵本を書いていましたし、小学校1年生からは作曲もして、ポエムも書いていました。

ものを作るということがとにかく好きで、自由に作るほうが合うんじゃないかと。

──「自由に作りたい」ということであれば、ある意味いまがベストなのでは?

温詞:そうなんですよ(笑)。ソロになってから自由度は増していて。

バンドとしてうまくいかなかった理由の1つに、自分の理想や確固たる完成系のイメージがすごく強くて。いわゆるバンドって、みんなでスタジオに入ってアレンジを固めたり、持ち寄ったりすると思うのですが、結成当初から僕が全パート分書いてきて「それを弾いてほしい」というスタンスだったんです。

だから今の「センチミリメンタル」は、なるべくしてなったというか、たどり着くべき場所だったのかなと思っています。

──現在は全パートを担当されているんですよね。もともとピアノ以外の楽器も弾かれていたんでしょうか?

温詞:そういうわけではないです。バンドからギターが抜けた時に、音楽性が狭まってしまうのが嫌だったので、そこをなんとか補えないかなと思って、ギターを弾くようになりました。

あと、打ち込みをするのですが、それもドラム、ベースが抜けた時に、カバーできないかなと思って勉強を始めて。メンバーが抜けていったことが影響しています。

──ピアノ以外の楽器は触れてみてどうです?

温詞:全然構造が違うんだなと。

それぞれの楽器に長所と短所があって。バンドはそれぞれを補うために完成していく。そういうアレンジの美しさというのを、掘り下げれば掘り下げるほど感じるようになりました。

それからアレンジに対して、こだわりを持つようになりましたね。

──そんな紆余曲折を経て、2015年に今のセンチミリメンタルになるのでしょうか。

温詞:いえ、実はそこからも紆余曲折がありまして……一回、バンドがベースと僕だけになった時期があったんですよ。

その時に、あまりにバンドがうまくいかないから、ベースと僕で別のユニットをやろうという話になって。それが「ねぇ、忘れないでね。」というバンドでした。

結局ほぼ一人でやることになったのですが、メインの活動と切り離してやっていた分、自由度が高くて。それで周りから面白がられるようになって、だんだん評価が高くなったんですよ。

僕としては、それがすごく悔しくて(笑)。

──“サブ”的な存在のバンドだったわけですもんね。

温詞:そうなんです。それで、もうやめようと思っていたのですが、やめる記念にオーディションに応募して、最後の思い出をつくろう……と応募した作品がグランプリを取ってしまったんです。

「まさか!?」という状態でした。それが2015年の夏でした。

そこでメインとサブが入れかわった状態になったんです(笑)。で、バンド名だけ、以前のものに戻しました。(レーベル側が)「もともとやりたかった音楽をやれるように」ということで尊重してくれて。

──センチミリメンタルというバンド名には、どんな由来があるんでしょう。

温詞:レミオロメンが造語なので、造語とカタカナに憧れがありました。個人的にカタカナって好きなんですよね。

プラス、僕が“センチメンタル”なものが好きで。楽しかった日の帰り道に「今日はいい日だったな」って、ふと寂しくなるあのセンチメンタルな気持ち、純粋に悲しい日のセンチメンタルな気分とか……。

すべての物事に対して、センチメンタルな感情が寄りそうものだと思うんです。喜びも悲しみも音楽で表現していきたいという思いがあったので、センチメンタルを柱にしつつ「そこにとらわれすぎない」という意味で“ミリ”を入れました。

──そう考えると、『ギヴン』も「キヅアト」もカタカナですね。

温詞:カタカナにご縁があるのかなと(笑)。

漢字だったり、ひらがなだったり、それぞれの見た目で捉え方が変わるじゃないですか。カタカナは冷たさがありながらも鋭すぎない感じがする。そういう言葉の面白みってある気がしています。

「誰かを愛することに性別は関係ない」と、BL作品をきっかけに作曲経験もアリ!?

──『ギヴン』のお話をもらったときは、どんなお気持ちでしたか?

温詞:人生初のタイアップなので、緊張と不安と期待がぐちゃぐちゃになっていました。

でも、『ギヴン』は音楽の作品で、自分が憧れていたバンドがテーマ。しかもバンドのきらめき、輝きだけではなく、悲しみ、失うことへの揺らぎ……そういった繊細な部分もフォーカスしていて。

僕は、音楽には出会いと別れが密接に関係していると思っているのですが、そこにも向き合っていて、こんな作品と関われるんだと、喜びを感じました。

来るべくして来たというか、運命的なものを同時に感じましたね。それが第一印象です。

──繊細な描写はこの作品の魅力の1つですよね。ノイタミナ初となるBLコミックのアニメ化作品ということでも話題を呼んでいますが、BLという一言では言い表せない魅力があるというか……。

温詞:スムーズに彼らの世界観に没入できるんですよね。

僕、昔ボーイズラブ(BL)の漫画を買ったことがあるんです。中学生の時に“タイトルだけ見て本を買う”ということにハマってたことがあって。

その時、手に取ったのが『最後の三月』という短編集だったんです。最初は「これはすごい世界に飛び込んでしまったかもしれない!」と思ったんですけど、読んだらすっごくいい作品で……。

誰かを愛することに性別は関係ないし、同じなんだって。本当にいい作品で、すぐ曲を作りましたもん(笑)。

──いいお話です。ちなみに、当時アニメなどは見られていたんです?

温詞:深くアニメを見るタイプではなかったです。

でも、不思議だなと思ったのが、作品を見終わったあとだと、オープニングテーマ、エンディングテーマ、挿入歌の聴こえ方が変わってくるじゃないですか。

作品というフィルターを通して音楽の色味が変わったり、逆に音楽が重なることで物語が際立ったり……その寄り添い方が面白いなと思いながら見てきました。

──『ギヴン』の原作を読まれた時はどんな印象でしたか。

温詞:キヅナツキ先生の痛みに対する着眼点が鋭いんですよね。

時折挟まれる詩的な表現が衝撃的で繊細。言葉をすごく大切にされている作品なんだなと思いました。

漫画作品なので、もちろん絵がメインではあると思うんですけど、絵だけによらない文学としての美しさを感じましたね。

自分の持っている詩世界と近い感じもあって、本当に運命だなぁという気がしました。

──じゃあ、曲のイメージはすんなり浮かんできましたか。

温詞:そうですね。自分のなかにある恋愛観だったり、人と人とのかかわり方を書き起こせば、そこにたどり着くんです。

そのフィット感がすごいというか。だからこそ自分にも素直に書けましたし、自分の言いたいことも言えましたし、作品にも寄り添えたなと。

すごく相性がよかったように感じます。

もちろん壁はありました。アレンジまでを一人で手掛けているので、二転三転することもありましたし、バンドをプロデュースするという経験は今までなかったので、慣れないこともありました。

また、自分がメインとしている楽器はピアノですが、作中にはピアノは出てこないじゃないですか。だからギターを掘り下げたり……サウンド面での苦労というのはありました。

『ギヴン』のみんなにとっても大事な曲になってほしい!

──「キズアト」の、サウンド面のこだわりについて教えていただけますか?

温詞:アニメサイズでは、僕の今まで得意としてきたピアノ、クラシカルなストリングスをあえて封印したんです。

主題歌として、より『ギヴン』と寄り添えるように、という気持ちでギター、ベース、ドラムというバンド形式を大事にしました。

──ブレスから始まっていくことに、大きな意味を感じました。大切にされたところですか。

温詞:声から入る歌の鋭さが好きなんです。思わずハッとする感じ。溜息もそうですけど、人の息って感情が乗っかる気がしているんです。

「息を吸う」ことに、美しさやボーカル曲ならではの強みを感じているんですよね。それゆえに、ブレスはもともと大切にしてきました。

『ギヴン』もまた、ブレスをすごく大事にしていると思うんです。例えば、ティザー映像もブレスで映像が終わりますし、PVもブレスでシーンが切り替わる。

だからこそ、あの入り方ができたのは良かったのかなと思います。

──歌詞には、真冬をはじめとした4人の繊細な感情が描かれているように感じましたが、どのように作られていたんでしょうか。

温詞:人間なので、どこかしらの部分でシェアできる感情って、絶対あると思っているんです。

失うことに対しての寂しさ、苦しさ、誰かを愛することの葛藤……そういうものって誰しもが持っていて。僕を含めて、『ギヴン』に出てくるみんながつながれる合言葉を探していきました。

僕にとっても、『ギヴン』に出てくるキャラクターのみんなにとっても、ウソになってはいけないと思ったので……。

──<春夏秋冬>という歌詞も、いい合言葉ですよね。

温詞:そこは作品のポイントだと思いますし、自分のなかでもつながれる部分かなと思っています。

──後半<聞こえてる まだリアルな 君の心臓を代わりに背負っていく>という言葉はすごく切ないですが、同時に覚悟と決意が伝わってきます。曲のなかでの心の動きというのは、意識されたところですか。

温詞:曲が進むにつれて、感情が動くことは素晴らしいことだと思っていて。日常にも少しずつ傷が癒えていく瞬間や、傷が癒えていなくても立ち直ろうとする心の動きがあるじゃないですか。

そうやって希望に向かう曲物語が好きなんです。『ギヴン』のみんなも幸せになってもらいたい。この傷をシェアしたうえでどう希望に向かえるか、というのは大事にしました。

──先ほどの一節から曲もドラマティックに変化していきますね。

温詞:クラシカルなオーケストラサウンドに仕上げました。僕の音楽の強みでもありますし、そこも通したうえで『ギヴン』と寄り添いたい気持ちがあったんです。

あまりに自分の音楽を封印して『ギヴン』だけの音楽にしてしまうと、他人行儀のような感じがしてしまって。僕も同じように傷ついて、それでも泣いて笑って生きている一人なんだよと。そういうメッセージを伝えたくて組み込んだ部分です。

──『ギヴン』と手をつなぐために、自分らしさを出したんですね。確かに、恋愛でも友達関係でも、寄せていくことだけが全てじゃないですもんね。

温詞:そうなんです。それだけがつながりではないし、自分の愛情が深すぎると破綻してしまうし……50:50である美しさってあると思うんです。

認め合うとか譲り合う、手をつなぐってそういうことなんじゃないかなと。

「キヅアト」は僕にとってのデビュー曲ですし、大事な曲でもあります。だからこそ(バンドの)『ギヴン』のみんなにとっても、大事な曲になってほしいなというか。そこで交われたらなと思いました。

いろいろ考えて、アニメサイズとフルサイズとで見栄えは変えていますが。2コーラス目のAメロの頭ではリズムパターンを変えたり、ドラムを電子に変えてループリズムにしてみたり、いろいろなアプローチをしています。

音楽としても広がりをもてたらなと。

──オープニングを見た時は、どんなお気持ちでした?

温詞:感動がすごかったです。レコーディングメンバーみんなで集まって見たんですけど、みんなも喜びをシェアしてくれて。すごくいい現場だったなと。

映像と重なって自分の音楽が流れてくることは自分の夢だったので、すごく嬉しかったですし、視聴者のかたとも同じ気持ちでつながった気がして……ホントに嬉しかったです。

ツイッターを見たらいろいろな感想を書いてくれていて、こんなにもたくさんの人が自分の音楽を楽しんでくれているんだと。

「誰かを守りたいという気持ちは、簡単なことではないからこそ不安がある」と感じる思いと作品とのつながり

──OPに加えて、劇中のバンド・ギヴンのサウンドプロデュースも行っていますが、プロデュースワークにはどんな印象がありましたか。

温詞:そもそもプロデュースワークが好きなんです。

これまでも自分の身の回りのアーティストの楽曲アレンジなど、プロデュースっぽいことはやっていたんですが、お仕事としてプロデュースすることは、これが初めてになります。

先ほどレミオロメンのお話をしましたが、レミオロメンのプロデューサーでもあった小林武史さんに憧れがあって、いつかプロデュース業をやってみたいなという気持ちがありました。

──2019年9月18日に、ギヴンのデビューシングル「まるつけ/冬のはなし」がリリースされます。「まるつけ」はセルフカバーとして、センチミチメンタルのシングルにも収録されますが、どういう道のりで完成した曲なんでしょうか。

温詞:実は、ずいぶん前から「まるつけ」という曲はあったんです。2015年には既に原型があって、弾き語りの種のような状態の曲でした。

話し合いのなかで「まるつけ」に光が当たったのですが、自分としてはその曲が議題にあがると思っていなかったのでビックリしたんです。

最初は不安もあったのですが、もう一度向き合ってみたら「こんなにも寄り添えるのか」っていうくらい、しっくりくるところが多くて。『ギヴン』のために書き下ろした曲ではなかったものの、深いところでつながれていた気がしました。

──誰かを思うこと、思うことで臆病になること、色々な感情を抱えて、それでも生きていくこと……「まるつけ」で語られていることは、誰しも思うことなのかもしれないですね。

温詞:誰かを愛する瞬間に、同時に恐怖を感じたり、もろくなったり。誰かを守りたいという気持ちは簡単なことではないからこそ不安があるし、光だけではないけど愛するって美しいことだとも思う。その、ぐるぐるする気持ちそのものが美しい気がしているんです。

それを曲に落とし込んだものだったのですが、それは『ギヴン』の一個のテーマでもあった。そこでつながれたことはもちろんですが、自分が大事にしてきたものが間違いじゃなかったと言われているようで嬉しかったです。

よりつながれるように、サウンドメイキングや構成をもう一度再構築して、『ギヴン』の楽曲として高みを目指しました。

──ディレクションはどんなことを意識されましたか?

温詞:(真冬役の)矢野奨吾さんは職業柄、様々な楽曲を歌われてきているかたですが、バンドボーカルと声優さんとしての歌には違いがあると思ったんです。

それで、バンドボーカル、バンドサウンドに対する自分なりのメソッドを共有できたらいいなと思い、そういうディレクションをさせてもらいました。

また、“言葉を伝えること”をすごく意識しました。(ギヴンのプロデューサーでもある)原作者のキヅナツキ先生も、言葉をすごく大切にされていたと思います。それが歌にも反映されていると思います。

──プロデュースを実際行われてみて、感じたことなどはありますか?

温詞:まず、自分の作った歌を歌ってくださったのがすごく嬉しかったです。

自分ではできない表現をされていて、同じ感情でも歌う人が変わると違った見え方をするんだなと。手をつないだり、そのまま広がったり、作品が大きくなっていく様を見れて嬉しかったです。

──もう一曲の「冬のはなし」は9話の劇中歌です。

温詞:もともとドラマCDについていた「冬のはなし」というタイトルの曲があるのですが、新しい「冬のはなし」を作るというところからスタートした曲でした。

ファンの皆さんの中には既に「冬のはなし」があるわけで、ツイッターなどで「冬のはなし」に対するみんなの愛情、生活に寄り添っている様をたくさん見ました。

それを塗り重ねていく恐怖はあったのですが……お話をいただけたということはご縁だと思ったので、「僕にできることを全力でやろう」と思いました。

プレッシャーでもありながら喜びでもある、不思議な感覚でした。

実は、『ギヴン』のお話をいただいたのって「冬のはなし」の制作のオファーが最初だったんですよ。だから実は、ここから制作がはじまってるんです。

その後に劇中歌のセッション曲、主題歌のお話をいただいた……という感じでした。

──そうだったんですか! ある種、一番プレッシャーのある楽曲が先にきていたというか。

温詞:そうですね(笑)。でも、自分としては気持ちのいい壁だったというか。これを色々な人に喜んでもらえるのであれば、それは自分にとっても大きな一歩だなと思いながら制作しました。

──どんな気持ちを込められたのでしょうか。

温詞:劇中のライブシーンに使われる曲になるだろうなと思い、ライブシーンを読み込み、何度もイメージしました。

ドラマCDの場合は音、声でしか表現ができないので、おそらく「いかに歌詞にモノローグを入れ込むか」を大切にされていたと思うんです。

アニメの場合はそこに映像がつくので、自分にできる「冬のはなし」はなんだろうということを考えました。

失った人に対する叫びというか……レクイエムでもあるけど、本音のフォローというか……ぐちゃぐちゃな気持ちを大切にしたいな。あと、今まで大切に愛されてきた曲だと思うので、それを壊してはいけないなという使命感が強くありました。

『ギヴン』に関われたことで人生観が変化!!

──センチミリメンタルのシングルに収録されている劇中歌「session」(the seasons)についても教えていただけますか?

温詞:「冬のはなし」の後にお話をいただきました。「劇中でこういうシーンがあるので、もしよかったら作っていただけませんか」と。

ただ、本格的なバンドのインストって作ったことがなかったんです。ストーリー上3ピースという決定事項があったことも含めて、いいプレッシャーになりました。

実際にアニメで演奏しているシーンを見て、めちゃくちゃテンションがあがりましたね。

「こういう風にして、このバンドはやっていくんだな」と。自分の手元から離れて広がっていた感覚というのは、実に気持ちのいいものでした。

──「ギヴン」の音楽制作を通して温詞さんが気づいたもの、得たもの……最後に教えていただいてもいいですか?

温詞:みんなが手をつなげる場所がたくさんある作品で。だからこそ、これだけたくさんのファンのかたがこの作品を愛しているんじゃないかなと思いました。

『ギヴン』に関われたことで自分の人生観が変わりましたし、音楽人生においても大きな出来事だったのかなという気持ちです。関われて幸せな気持ちでいっぱいです。

──今日はいろいろなお話をありがとうございました。

[取材・文/逆井マリ]

センチミリメンタルProfile

作詞、作曲、編曲、歌唱、ピアノ、ギター、プログラミングのすべてを担う温詞(あつし)によるソロプロジェクト。

喜び、悲しみ、全部歌う。

公式ツイッター(@cenmilli)
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センチミリメンタル「キヅアト」

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■初回生産限定盤(CD+BD)
ESCL-5227~8 ¥1,852(税別)

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■通常盤(CD)
ESCL-5279 ¥926(税別)

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【CD収録曲】
1.キヅアト
2.まるつけ
3.session / the seasons
4.キヅアト-Instrumental-
5.まるつけ-Instrumental-

[BD収録内容]
1.キヅアト-Music Video-
2.TVアニメ「ギヴン」ノンクレジットオープニングムービー
3.TVアニメ「ギヴン」プロモーションムービー
4.「session」-TVアニメ「ギヴン」劇中映像-

配信情報

★iTunesロックチャートで1位を獲得!
センチミリメンタル「キヅアト」配信URL
https://erj.lnk.to/bv_gkWN

ギヴン「まるつけ/冬のはなし」

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品番/価格:ESCL-5283~4/¥1,667+tax

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<CD収録曲>
1.まるつけ(TVアニメ「ギヴン」 エンディング・テーマ)
2.冬のはなし
3.まるつけ-Instrumental-
4.冬のはなし-Instrumental-

<BD収録内容>
1.TVアニメ「ギヴン」ノンクレジット・エンディングムービー
2.TVアニメ「ギヴン」talk to_PV
(真冬ver./立夏ver./春樹ver./秋彦ver.)

配信情報

「冬のはなし」https://erj.lnk.to/L1lZDWN
「まるつけ」https://erj.lnk.to/4TOsIWN

(C)︎キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会
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