秋アニメ『私、能力は平均値でって言ったよね!』太田雅彦監督×シリーズ構成・あおしまたかし氏対談│アニメならではの魅力で彩られる新たな『のうきん』の世界。パロディーの理解度にアフレコ現場ではジェネレーションギャップが!?
美術と音楽がファンタジー世界を体現! マイルのチートパワーと「赤き誓い」の友情の描き方を意識
――今作の絵や映像的な部分のこだわりは?
太田:シュールな作品でもなく、おしゃれ系の映像にする作品でもないので、楽しく、きれいなファンタジー作品に見えればいいなと思っています。美術監督の松宮(正純)さんと宮本(実生)さんがファンタジー系のきれいな美術を作ってくださっているので、それだけでいい感じの雰囲気に見えるかなと思います。
あと、音楽で民族楽器を入れてもらうだけでも現代劇と違った雰囲気になるんだなと、作りながら楽しんでいます(笑)。
――マイルは膨大な能力を持っていて、目立たないようにと意識しながらも、いつもトリガーがひかれると、周りがひくような破壊力を見せるのも見どころの1つですね。
あおしま:マイルもチートすぎて何でもできてしまうのでまったく苦戦しないんですよね。異世界転生名物の探知魔法も一瞬でどんな敵がどこにいるのかわかるし。書くほうは大変なのに(笑)。
チートパワーは見せたいところなので、うまく見せられるように頑張ったつもりです。マイルは転生後、前世の記憶が戻ってすでに何年か経っているので、この世界の常識を知らないがゆえの失敗ではなく、キレてやっちゃうみたいな。そうしないとただの危険人物になってしまうので(笑)。
――マイル、レーナ、メーヴィス、ポーリンが作中で組むハンターパーティー「赤き誓い」もバランスがいいですよね。
太田:4人の友情を育んでいく物語なので、大切に描きたいなと思っているところです。レーナ、メーヴィス、ポーリンそれぞれのバックグランドと性格や言動をしっかり描きつつ、出会った頃は距離感もあったけど、慣れていくとお互いに軽口や文句を言い合うようになるところはおもしろくもかわいく見えればいいなと思っています。
FUNA先生も楽しんだオリジナルパート。苦労したのは美術設定の構築と盗賊!?
――制作にまつわる裏話や秘話があれば教えてください。
太田:苦労は現在進行中なので今まさになんですけど(笑)。
あおしま:脚本に関してはほぼなかったんですよね。スムーズに進んで、ネタもいろいろ出させていただいて、楽しませていただきました。「ちょっとやりすぎたかな」と思ったことがあったくらいで(笑)。
太田:FUNA先生もオリジナルパートを客観的に楽しんでいただけたようです。難しいのは舞台がファンタジー世界であることですね。現実世界ではないので、背景や小道具など、ほとんど新規にデザインしないといけないんです。
現代の学園ものなら、ほとんど学校や家の中で、たまに通学路が出てくるぐらいで、「近所の雰囲気でお願いします」で逃げることもできるけど、ファンタジーではそういうわけにもいかず、どのシーンでも美術設定を作らないといけなかったです。マンガ原作だと背景も描かれているけど、今回、小説原作と言うことで家の間取りからすべてゼロから作っています。世界観やバックグラウンド作りが大変だけど、おもしろさもあって、いい経験をさせていただきました。
あと、キャラ作りに関しても、作中によく盗賊が登場するんですけど、話数ごとに違う盗賊が出てくるので、キャラクターデザインの渡辺さんが「何回、盗賊を描かされるんだろう?」と困っていました。こちらが「悪党面の盗賊」と発注すると「また悪党面の盗賊ですか?」と泣きが入って(笑)。
みんな武器も持っているし、常に刀や杖を持ってうろうろと歩くのも作画的にも大変です。いつも一張羅で助かる部分もありますが(笑)。さすがにイラストよりは若干、アニメ寄りに線を簡略化しているけど、それでも大変なので、学生服でカバンだけ持っているのがどれだけ楽なのかと改めて実感しました。
あおしま:戦闘時以外はマイルの収納魔法で、というのが一番ですよね。
太田:そう。マイルの収納魔法があるから助かっているところもあります。
メイン4人のキャスティングはFUNA先生も納得!
――「赤き誓い」のキャスティングのポイントを教えてください。
太田:かなりの人数をオーディションして決めました。小説を読んで、頭の中で聞こえてきた声に近いかというやり方で絞っていきました。最終的には「この人達だったら大丈夫」だと思えるキャスティングになったと思うし、FUNA先生も第1話の収録で「合ってる! 合ってる!」と喜んでいたので、原作ファンの方のイメージからも外していないんじゃないかなと思っています。
――実際に収録をご覧になった感想は?
太田:段々、役にも慣れてきて、和気あいあいと楽しくやっていると思います。基本的にはメインの4人をはじめ、若い女性が多い現場ですが、盗賊が出てくると男性声優さんがわーっと増えて(笑)。たまに年配のキャラもちょこちょこ出てくるので、ベテランの声優さんがいらっしゃると、若い方にパロディーを説明している光景は微笑ましかったです。
お二人がお気に入りのキャラは?
――個人的なお気に入りキャラを教えてください。
太田:みんな、キャラは愛せているんですが……。
あおしま:誰か1人だけ選ぶのはちょっと……(笑)。
太田:お気に入りと言うのとは違いますが、コンテなど感情が入って書いたのはレーナですね。若干、深めに描いた部分もあって。
あおしま:予想外のほうに行ってしまったなと思うのはメーヴィスでした。元々、完璧な子だとは思っていなかったけど、序盤はカッコいい感じで書いていたのが、どんどんポンコツ具合が明らかになりましたね。どんな子なのかわかってからは実はおもしろいキャラで、みんなのおもちゃみたいに遊べるキャラだなと分かりました(笑)。
太田:4人の中で一番年上なのにね。
あおしま:第1話を書いていた頃には想像がつかなかったキャラですね。
剣と魔法の世界でも結局、描きたいのは女の子達のイチャイチャ!?
――実際に映像をご覧になった感想は?
太田:音楽と背景によって、適度なファンタジー感が出ていると思うし、元々、小説のイラストがかわいいけど、アニメでもかわいくキャラが描けていて、楽しげに見えているかな……と思いたいんですけど(笑)。
あおしま:ああ、剣と魔法の世界だなと思いました。それと同時に剣と魔法の世界でも結局、僕がやっているのは女の子達のイチャイチャなんだなと(笑)。だから新鮮さと懐かしさが混ざり合って楽しかったです。
――確かに異世界のファンタジー感は画面や音楽から感じられました。そしてマイル達、キャラの言動にツッコミをつい入れてしまう、親近感もありました。
太田:そう思っていただければありがたいです。
――女の子達のかわいいやり取りや、毎回笑ってスッキリして。お二人が今まで手掛けてきた作品同様だなと。
太田:後半になってくると若干、シリアスなところもあります。そんな部分も大切に作りました。
「赤き誓い」の4人が本当の家族になる過程とおもしろくて楽しい旅を見守ってください
――改めて、アニメ『のうきん』の見どころや注目ポイントをご紹介お願いします。
太田:マイル、レーナ、メーヴィス、ポーリンの4人が集まって、マイルに対して、3人が「何者なんだろう?」と思いながらも友情が芽生えて、本当の家族になっていくような過程をニヤニヤしながら見ていただければ幸いです。ハチャメチャなところは思い切り笑っていただいて。特にマイルを(笑)。
マイルに振り回される3人や、その他の人の様子をおもしろがったり、マイルのボケにレーナが突っ込むところは一緒に突っ込んでいただけると嬉しいです。
あおしま:かわいい女の子達が絆を深めていって、笑いも涙もある、そんな楽しい旅を見守ってもらえたらうれしいです。
太田:またOP曲は赤き誓いの4人が、ED曲はマイルが歌っていて、それぞれ明るく楽しい曲になっていて、いい感じなので、そこもお楽しみに。
アニメの構成的な理由で「原作のシーンがなかった」という部分もあると思いますが、違和感なく見ていただけるように作っているつもりですので、原作ファンの方にはアニメ版として楽しんでいただきたいです。そしてアニメから入る方は先が気になると思うので、小説を読んでいただいて、より深く『のうきん』の世界にハマってください。
[取材・文/永井和幸]
作品情報
■放送・配信情報
10月7日(月)より放送開始!
AT-X 10月7日(月)23:30~
※リピート放送:毎週(水)15:30/毎週(土)7:30/毎週(日)8:30
TOKYO MX 10月7日(月)24:00~
テレビ愛知 10月8日(火)25:35~
ABCテレビ 10月9日(水)26:41~
BS11 10月7日(月)25:00~
Amazon Prime Video 10月7日(月)23:45~独占配信
※放送時間は都合により変更になる場合がございます
■イントロダクション
[監督]太田雅彦「ゆるゆり」「干物妹!うまるちゃん」
×
[シリーズ構成・脚本]あおしまたかし「ゆるゆり」「干物妹!うまるちゃん」
×
[アニメーション制作] project No.9「ロウきゅーぶ!」「りゅうおうのおしごと!」
日本最大級の小説投稿サイト「小説家になろう」累計2億8000万PV超え!
全44万作品中、年間総合ランキング2位(2016~17年)、シリーズ累計80万部を突破した本作がついにテレビアニメ化!
魔法や剣の異世界を舞台に、少女たちの成長や友情を笑いあり、ドラマありで描く、平均値(?!)ファンタジー!
■あらすじ
人よりちょっとだけ「できる子」だったため、孤独で思うように生きられなかった女子高生・栗原海里(フリガナ:くりはら みさと)とある事故をきっかけに、異世界へ転生することになった彼女は
普通に友達をつくって、普通の生活を送りたい ―
そう願って、神様にひとつお願いをする。
「能力は、その世界の平均値でお願いします!」
しかし、神様に授けられたのは、「平均的な能力」などではなく…
魔法が存在する世界に生まれ変わった少女が「普通の幸せ」を求めて大奮闘!
魔術師のレーナ、騎士を目指すメーヴィス、そして、商家の娘ポーリンとの出会いにより少女・マイルの新たな異世界生活が始まる!
■スタッフ
原作:FUNA・亜方逸樹 (アース・スターノベル刊)
監督:太田雅彦
シリーズ構成:あおしまたかし
キャラクターデザイン:渡辺奏
美術監督:松宮正純、宮本実生
色彩設計:鈴木ようこ
CGラインディレクター:濱村敏郎
撮影監督:二村文章
編集:小野寺絵美
音響監督:えびなやすのり
音響制作:ダックスプロダクション
音楽:三澤康広
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:project No.9
オープニングテーマ:「スマイルスキル=スキスキル!」
赤き誓い(マイル&レーナ&メーヴィス&ポーリン)
エンディングテーマ:「ゲンザイ↑バンザイ↑」
マイル(CV.和氣あず未)
■キャスト
マイル:和氣あず未
レーナ:徳井青空
メーヴィス:内村史子
ポーリン:田澤茉純
ナノちゃん:羽多野 渉
レニー:河野ひより
音楽情報
オープニングテーマ
「スマイルスキル=スキスキル!」
(すまいるすきるはすきすきる)
10月30日(水)発売!
歌:赤き誓い(マイル&レーナ&メーヴィス&ポーリン)
作詞:畑亜貴
作曲・編曲:tatsuo
税抜価格:¥1,200
形態:CD only
品番:EYCA-12675
発売・販売:エイベックス・ピクチャーズ
★アニメイト特典
アニメイト特典:アニメ場面写ブロマイド(OP用)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
エンディングテーマ
「ゲンザイ↑バンザイ↑」
(げんざいばんざい)
10月30日(水)発売!
歌:マイル(CV.和氣あず未)
作詞:畑亜貴
作曲:永塚健登
編曲:tatsuo
税抜価格:¥1,200
形態:CD only
品番:EYCA-12676
発売・販売:エイベックス・ピクチャーズ
★アニメイト特典
アニメイト特典:アニメ場面写ブロマイド(ED用)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
原作情報
★原作ノベルのスペシャルサイトオープン!
→https://www.es-novel.jp/noukin_special/
■『私、能力は平均値でって言ったよね!』
10月12日(土)12巻発売決定!
著:FUNA イラスト:亜方逸樹
■コミカライズ『私、能力は平均値でって言ったよね!』
10月12日(土)4巻発売決定!
コミック アース・スターにて連載中
原作:FUNA・亜方逸樹 漫画:ねこみんと
連載サイト:https://www.comic-earthstar.jp/detail/noukin/
■コミカライズ『私、日常は平均値でって言ったよね!』
10月12日(土)1巻発売決定!
コミック アース・スターにて連載中
原作:FUNA・亜方逸樹 漫画:森貴夕貴
連載サイト:https://www.comic-earthstar.jp/detail/noukin4koma/