映画『空の青さを知る人よ』長井龍雪 監督&若山詩音さんインタビュー|あおいは全部のハードルを倒しながら進む! 口は悪いけど嫌われないヒロインの姿
若山さんの歌に「わーうまー」
ーー作品を見て感じたのですが、意外と幅広い年齢層のキャラクターたちが登場して、作品を見る世代によって、共感するキャラクターが違うのかもと思いました。お二人は、誰が一番共感できましたか?
長井:僕は、全員共感しているし、全員突き放してある程度見ないと、逆に描けなかったりするんです。
そのキャラクターだけを描いている最中は、そのキャラクターになりきったくらいのつもりで描きますけど、ちょっと離れると、こいつバカなこと言ってんなって思ったり(笑)。
一同:(笑)。
長井:バカも、良いバカだなって思う。そういう意味だと、どれが特別っていうキャラクターはいないんですけど、今回の作品で言えば、一番超然としたキャラが正嗣ですね。
アニメ的なヒーローポジションで、「こいつ本当に良いこと言うな!」って自分で描いておいて思いました(笑)。岡田さんのセリフもあるんですけど、共感うんぬんっていうよりも描いていて面白かったですね。
ーー正嗣はスーパーキッズでしたね。
長井:そう、スーパーキッズ。あいつがいなかったら物語がまとまらないみたいな。
ーー若山さんはどうでしょう?
若山:私はやっぱりあおいちゃんですね。私はあおいちゃんと境遇が似ていて、6歳上の姉がいて、やっぱり私の姉も物心がついたときに私が生まれているので、ちょっと親みたいな感覚があったりしたみたいなんです。しかも姉が「ガンダーラ(※)」が好きで。
※ガンダーラ
劇中であおいが歌う1978年にリリースされたゴダイゴの楽曲。
長井:へー!
若山:姉もゴダイゴが好きで、その中でも特に「ガンダーラ」が好きなんです。
私もベースが好きだし、ベースを持ちながら歌ったりとかもすごく好きで、そういうところで繋がる部分があって。
特に姉に対する気持ちとか、気持ちをぶつけるときの「あーやっちゃった」っていう気持ちは、あおいに共感できるなと思います。
ーーそれはすごい。あのガンダーラ、よかったです。
若山:ありがとうございます!
ーーサントラとかに収録されたらいいのにと願っています……!
長井:録りなおしとかしてないんですか?
若山:してないですね。
長井:あれ、アフレコ現場で歌ってもらったんですよ。
ーーそうなんですね!
長井:だから最初は、「若山さん歌えるのかなって」思ってたんですけど、歌いだしたら「わーうまー」みたいになって。
一同:(笑)。
長井:いい意味でなんかこうビックリしちゃって。
若山:本当ですか!?
長井:もちろんですよ!
若山:ありがとうございます!
長井:ちゃんと場を作って歌っていただいたわけではなく、アフレコが終わってそのままの流れでって感じだったので、歌録りとしては特殊な環境でしたね。
若山:でも、すごく楽しかったですね。ベースとドラムしか鳴ってない中で歌うなんて、超ワイルドじゃないですか。最高だなって思いながら歌いました!
長井:ありがとうございました(笑)。
若山:いや、こちらこそありがとうございます。ベースとドラムっていう、言葉が汚いんですが……クソかっこいい!
一同:(笑)。