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【秋アニメ特集】『SAO WoU』アリス役・茅野愛衣インタビュー

【秋アニメ特集】『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』アリス役・茅野愛衣さんインタビュー|長年の役者仲間である松岡禎丞さん・島﨑信長さんとの思い出

注目のポイントは、味方になった整合騎士たち

――すでにアフレコもある程度進んでいるかと思うのですが、茅野さんが感じた『War of Underworld』ならでは注目ポイントはどんな部分でしょうか?

茅野:整合騎士たちに注目して欲しいですね。

今まで姿を見せていなかったキャラクターも新しく登場しますし、今までは敵だった整合騎士たちが、『War of Underworld』では心強い味方になってくれるんです。

前半戦にも登場したエルドリエとか、他の整合騎士との関係性も描かれるので、アリスって他の騎士たちとはこういう風に話すのかということも分かったり。

ただ、騎士同士の会話ってカッコいいんですけど、難しい言葉をたくさん喋るので、アフレコの時はみんな悲鳴を上げながら頑張っています(笑)。

――確かに、普段は使わないような単語がたくさん出てきそうですね。

茅野:あとは、前半戦ではあまり描かれなかった《ダークテリトリー》の設定も明らかになってきて、ものすごく沢山の種族や上下関係があることが分かってくるのも面白くて。

その上、みんな血気盛んなので、「このモンスター達と戦って勝てるんだろうか」と思わず圧倒されそうになります。

登場する人数も多いので、とにかくこのガヤの収録が大変で。数千数万の人数の声を録るので、少しでも音を厚くするために、収録を何回かに分けた上で、女性陣も遠巻きにできるだけ野太い声を出したりという形で参加していました。

もう、本編よりもガヤの収録の方に時間が掛かっていると言ってもいいくらいです(笑)。

――そこまで大変なことに!?

茅野:ガヤに関する話だと面白かったのが、松岡くんが収録に参加する回は、基本的に松岡くんもガヤに参加するんですけど、キリトの台詞が少ししかない回もあるんです。
その時は、下手をするとキリトよりもゴブリンの方が台詞量が多いんじゃないか……って(笑)。

一同:(爆笑)。

茅野:それくらい、メイン級も含めてキャスト全員で収録しているので、ガヤの声に耳をすませば、いろいろな方の声が聞こえてくると思います。

大人数同士がぶつかり合う、まさに「大戦」といった雰囲気で描かれていて、アニメの作画も大変だと思うのですが、私自身も完成したものを見るのを楽しみにしています。

――先程の話にもでてきましたが、アフレコの際にとくに苦労した単語やシーンはあったのでしょうか?

茅野:整合騎士同士の会話の他だと、名乗りのシーンですね。

アリスの場合、「アリス・シンセシス・サーティ」ってサ行が続くのが難しくて。

原作の川原(礫)先生は、よく収録の時にも来てくださるのですが、「シンセシス」がよく出てくる回には「言いにくい名前ですみません」と優しいお言葉をかけていただきました(笑)。

あとは、「セントラル・カセドラル」も結構大変ですね。次回予告の時に松岡くんが「次回、セントラル・カセドラル」と言う回があるんですけど、それ以外にも「シンセシス・サーティ」とか言いにくい言葉がたくさん並んでいて。

収録中に松岡くんが「あーっ!」と頭を抱えるような状態になっていました(笑)。

――(笑)。松岡さん繋がりの話として、《アリシゼーション》編では松岡さんと親交の深い島﨑さんも共演されています。共演経験も豊富な茅野さんから見て、普段の松岡さんと違った様子はありましたか?

茅野:二人が一緒にいると、お互いをすごく信頼しているので、余計なことに気を取られずにすむのかなという様子は伝わってきましたね。

松岡くんと信長くんって、どちらも今年芸歴10年目で、同じ時間を歩いてきた二人だからこその信頼感ができているように見えるんです。

私自身も松岡くんとは『神様のメモ帳』(※5)の頃から、ほとんど間が途切れることなく共演させていただいていますし、信長くんとも共演機会が多いんですよね。

アリス達は幼馴染という関係性でもあるので、現実でも10年近く一緒にお仕事をしている二人と一緒に演じられたというのは大きくて、「この3人で良かった」とすごく感じました。伊藤監督が、そこまで見越して配役を考えられていたのかはわかりませんが(笑)。

とくに最近は、新人の頃にはわはわしていた松岡くんはもうどこにもいなくて、先輩としての姿を見ることの方が多くなりました。ただ、今回に関してだけは、信長くんがいなかったのが相当心細かったみたいで。

現場に来るなりため息をついていたので、「大丈夫?」と声をかけたら、「大丈夫じゃない」という返事が……(笑)。


※5:神様のメモ帳
杉井光氏による『SAO』と同じく電撃文庫をが原作のTVアニメ。主人公・藤島鳴海が、雇い主である探偵・アリスと共に様々な難事件に挑む様が描かれる。松岡禎丞さんの初主演作でもあり、茅野さんはヒロインの一人である篠崎彩夏役で共演している。


――その本音を言えるのが、お二人の信頼関係ならではだなと思います(笑)。

茅野:実は『War of Underworld』の第1話に信長くんに似た声の光秀さんという方が出演しているんですが、その収録では松岡くんがすごく嬉しそうにしていたのを覚えています(笑)。

今回のキリトは、心神喪失状態になりながらもユージオの剣を大切にもっていて、手元にないと不安がったりもするのですが、信長くんがいない時の松岡くんとも少し通じる部分があるのかなとも感じましたね。

――意外なところでキャラクターとのつながりが。

茅野:二人ともすごくパワフルな役者さんなのですが、一緒になると単純な1+1じゃなく、2倍以上の力が出せるというか。前半戦では、二人のお芝居のぶつかり合いが見ていて気持ち良かったですし、いいコンビなんだなと改めて思いました。

私個人としては、ハルちゃん(戸松さん)とそういう関係でいたいなと思っています。

アリスとアスナだけじゃなく、『あの花』(※6)とか『ReLIFE』(※7)とか、節目節目で印象的な関係を演じられている繋がりがあって。だから『SAO』でも、早くアスナに会いたいんです(笑)。


※6:あの花
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』。フジテレビ・ノイタミナ枠で放送されていたオリジナルTVアニメで、後にアニメの映画化や実写ドラマ化を果たすなど、大ヒット作品となった。茅野さんはヒロインである本間芽衣子(めんま)、戸松さんは安城鳴子(あなる)を演じている。

※7:ReLIFE
夜宵草氏による漫画を原作としたTVアニメ。求職中の主人公・海崎新太が、社会復帰のための実験として、一年間の二度目の高校生活を再び送る様が描かれる。茅野さんはヒロインの日代千鶴役、戸松さんは狩生玲奈役として共演している。


――その他のキャストの話をすると、『SAO』シリーズって、ラスボス格のキャラクターをベテランのキャストが演じるのが恒例になりつつあって。前半戦では、坂本真綾さんがアドミニストレータを熱演されていたのが印象的でした。

茅野:いや、もうめちゃくちゃカッコよかったですよね。真綾さんの高笑いのお芝居が本当に素晴らしくて。

高木(渉)さんが演じるチュデルキンもすごく良いキャラクターで、あの二人の絡みがあるシーンは思わず見入ってしまいました。

『War of Underworld』では、どなたがラスボスを演じられるのかということにも楽しみにしていただければと思っています。

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