6枚目のアルバムをリリースしたfripSide 「10周年というものがにじんでいるアルバムになった」その制作を振り返る/インタビュー
fripSide(sat、南條愛乃)の6枚目のアルバム『infinite synthesis 5』が10月30日(水)にリリースされます。
今作には、TVアニメ『寄宿学校のジュリエット』オープニングテーマ「Love with You」、中国ゲーム『封印者M』主題歌)「Lighting of My Heart」、中国ゲーム『ラグナロクオンライン』新エピソードEP3.5『櫻之花嫁』テーマソング「perpetual wishes」など13曲を収録。
南條愛乃さんが加入してから10年という記念すべき年に、最新型のfripSideが凝縮された、新たな名盤が生まれました。
アニメイトタイムズではお二人を直撃。“これまで”の話にはじまり、創作現場の赤裸々な話まで、軽やかな雰囲気のなかインタビューが進んでいきました。10年目ならではの二人の空気感や、ユニットとしての充実感がにじんだ会話にも注目です。
10年間で増えていったfripSideのチャンネル数
──アルバム完成おめでとうございます!一昨昨日にマスタリングが終わったばかりだとうかがいしました。
八木沼悟志さん(以下sat):間に合ってよかった……。毎回言ってるけど(笑)。
──(笑)。10周年のアルバムということで、10周年を迎えられたお気持ちから教えていただけますか。
南條愛乃さん(以下、南條):あっという間でしたね。振り返ると色々とあるんですけど、目の前にあるレコーディングやライブなど、一個一個を繰り返して、気づいたら10年経ってたという感じです。あっという間すぎて、本当に10年経ったのかな?という気持ちもあります。
sat:同じく、あっという間だなっていうのが正直な感想で。理想論を言えば「もっといろいろやれたんじゃないか」「あの時もっと突き詰めたら結果が違ってたかもしれない」って考えることもあるんです。
だけど10年間同じチームで……変な言いかたですけど、事故もなく、みんなで一緒に歳を重ねながら、いまだに仲良くやれているというのはすごく良いことなんじゃないかなと。
曲の幅もどんどん広がっていったように感じています。10年間活動しているなかで、いろいろなチャンネルが出てきて。柱として立っていった感じがする。
──他のチャンネルというのは、言語化するとどんなものなのでしょうか。
sat:アニソンにかぎっていえば、『とある科学の超電磁砲(レールガン)』以外のタイアップ。
やはりfripSide=「only my railgun」というのがみんなの印象に残っているところだと思うんですが、違うアニメの曲もたくさん歌ってるし、最新シングルの『Love with You』(テレビアニメ『寄宿学校のジュリエット』主題歌)は雰囲気の違う曲だけど、fripSideのひとつの柱になってる。
あとアニソン以外にもライブやフェスが柱になっていて。幅を広げてきた10年間。広げることのできた10年間という感じもします。
でもこうやって(アルバムの資料を)見ると……やっぱりアニメの曲は核になってるんですけどね(笑)。チャンネル数が多いのはもちろん理想的なんですが、そこは外せないなという想いもあります。
──昨今はfripSideとして中国の作品と関わられていたり、satさんがp.m. works CHINAを設立されたりと、中国との関係も密接で。その影響か、前作は大陸的なサウンドも入っていました。それも新しいチャンネルですよね。
sat:ああ、そうですね。中国って規模的にも文化的にも、アジアのアメリカのように感じていて。もしそんな場所で活躍させてもらえるチャンスがあるならやりたいなと個人的に思っていたんです。
最近中国ではオリジナルのアニメやゲームが増えてきていて。中国以外のアジア圏にも言えることですが、日本のアニメ文化に対する熱がめちゃくちゃ高い。今いちばん高いところまで上がってるんじゃないかな。
だから僕、中国の地方都市に行くと声をかけられるんですよ(笑)。なんちゃんなんて絶対気づかれると思うな。
南條:えー分からないんじゃないかなぁ。だって(アーティスト写真が印刷された資料を顔の横に持ってきて)、全然違うもん。
一同:(笑)
──(笑) fripSideのアーティスト写真は服装や髪型が作り込まれていますしね。
sat:確かに。僕の場合は普段の写真をネット上にアップしてることも関係してるかもしれない。
──異国で声をかけられた場合、satさんはどう対応されるんですか?
sat:普段通りですね。「ありがとう」って感じです。「よく気づいたな!」と思いますが(笑)。凄いですよ、皆さん。