「百億光年を通じて届けられる願いや希望が、誰かの信じるものになればいい」 ロザリーナが明かす『歌舞伎町シャーロック』ED完成までの物語
迷って葛藤した1年
──配信後、今作がシングルとしてリリースされるころには、2019年も終わりに近づいていますが……振り返るとどんな年でしたか?
ロザリーナ:色々とありすぎて思い出せない(笑)。
ワンマンライブがあって(4月12日(金)東京・SPACE ODD、4月19日(金)大阪・muse)、「Over me」(『からくりサーカス』OP)のリリースがあって、NHK-BSの「ボクラノカタチ」(NHK-BSプレミアムドラマ「長閑の庭」主題歌)があって、『みんなのうた』の「I.m.」のリリースあって、THE ORAL CIGARETTESさんとのコラボ(「Don't you think(feat.ロザリーナ)」)があって……2018年から2019年が繋がって忙しかった感じがする。だから出だしの記憶がないです(笑)。
──そんななか、心の変化のようなものってありました?
ロザリーナ:ん~……あったと思います。というのも、迷う期間がたくさんあったんです。
聴いてもらえる機会が増えて、意見を言ってくれる人も周りに増えて。そういった環境の変化があるなかで、自分としては「本当にこれでいいのかな?」って思うこともありました。
もちろんベストなものを出してはいるんですが、求められることと、自分がカッコいいと思うもの……そのバランスをめぐって自分のなかで葛藤があったというか。
多分、いままでってなにも分からないでやってきていたんです。最近になって聴いてくれるひとが増えたので、色々と考えることが増えてきたんだと思います。
──いまおっしゃった“自分がカッコいいと思うもの”って言葉にするとどんなものだと思います?
ロザリーナ:100人中100人が良いなと思うものもやりたいけど、どちらかというと100人中10人だけでもいいから凄く刺さるもの、そういうものを作りたい。そのひとの心により響くものがいいなって。
──ロザリーナさんの声はひとの心を動かすものだと思います。ロザリーナさんのそういう想いがあってこそなんでしょうね。
ロザリーナ:自分自身が、心が動いたときに曲を作るから──だからかもしれないです。でも逆に何もないと曲が書けないので困るときもありました(笑)。
──そういうときってどうするんです?
ロザリーナ:アニメ、映画、ドラマなどをひたすら見てました。最初はインプットのつもりだったのに、ただただ楽しくて観るだけになってしまった(笑)。朝もリモコンのボタンを押すところからはじまるんです。
──(笑)。特に印象に残った作品ってありますか?
ロザリーナ:LINE LIVEをしているときに、見ているかたが「これ見たほうがいいですよ~」ってタイトルを教えてくれるんですよ。そこで教えてもらったもの、流行っているものをよく流しているんですが、アニメだと……最近見た『僕のヒーローアカデミア』はめちゃくちゃ泣きました。
『ワンパンマン』も面白かったなぁ。アニメ以外だと海外ドラマの『ボディガード -守るべきもの-』にハマりました。一気に見ちゃうんですよ。1日12時間とか。
──それは凄い! お忙しいでしょうに。
ロザリーナ:常に何かしながらなんですけどね。今はNetflixに追加された『ONE PIECE』のエピソードを見ないと!と思っているところです。
──さきほど“心が動く瞬間に曲を書く”とおっしゃってたじゃないですか。ロザリーナさんの心が動く瞬間ってどんな時ですか?
ロザリーナ:周りの関係者の方から言われるのは、怒りと憎しみと哀しみ……そういったことを感じたとき(笑)。でも怒ることが年々減ってきて。
わりと感情的なほうなので、怒ることも悲しむこともよくあったんですけど、「こんなに気にしすぎたら疲れちゃうよなあ」って思うようにもなって。
それで気にしないようにしたら、曲が書けなくなってしまった。そういう時期がありました。
──アーティストだからこその問題ですね……。敏感な感性は大切にしなければいけないという。
ロザリーナ:だからある意味わがままな部分も大事なのかなって。無になってしまうと戻るのが大変なんですよね。やっと最近は自分を取り戻せてきたような気がしています。2019年はそういう年でした。
──なるほど。そういう経緯もあって「百億光年」は「ロザリーナです」と胸を張っていえる曲になったんですね。自分らしさを出せたというか……。
ロザリーナ:そうですね。それをそのままアニメで使ってもらえるのは嬉しいです。
もちろん、アニメの主題歌なので「アニメの曲としてあるべきだ」とも思っているんですが、自分らしい曲になったと思う。色々なことを考えて考えて……
最近、やっと自分の考えがまとまってきたような感じがするんです。やりたいことがハッキリしてきた。
──“やりたいこと”?
ロザリーナ:言葉にするのはちょっと難しいんですが、今回のカップリングはまさにやりたいようにやらせてもらった感じですね。アレンジも自分の希望を通してもらえて。
──ではカップリングについても教えてもらえますか?
ロザリーナ:2曲目「君がくれたmelody」はラブバラードのような感じで、3曲目「See u again」は友達のことを歌った曲で、ライブでみんなで歌いたいなと思って作りました。
だからレコーディングにも何人か来てもらってガヤを入れてもらったり。(隣にいる制作スタッフも)そのひとりとして参加してもらいました(笑)。
──ロザリーナさんの友達を呼ばれたんです?
ロザリーナ:友達にも来てもらいました。すごく楽しかったです。
──すごく凝縮されたシングルですね。
ロザリーナ:バランスはいいと思います。自分でも“良いシングル”になったと思います。嬉しいです。
──来年ではありますが “ロザリーナ ONEMAN LIVE 2020”が決定しました。現段階で何かコメントできることってありますか?
ロザリーナ:今まではリリースされてた曲でしかライブでできなかったんですけど、曲が増えて。
“ロザリーナはこういう人なんだ”というのを納得いく見せ方でライブができるようなってきたんじゃないかなって思います。
前回は迷ってる部分が少しあったので、次回はその迷いが消えてるといいなと思います。
──今日お話を聞いていてずっと思っていたんですが、「迷ってた」と飾らずに言えるのがカッコいいなと。
ロザリーナ:アハハハ。そんなこと言ったら、今でも全然迷ってますよ(笑)。日々迷いながら生きています。
──その等身大の姿も魅力なんだと思います。ありがとうございました!
〔文・逆井マリ〕
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CD情報
ロザリーナ/百億光年(TVアニメ『歌舞伎町シャーロック』ED主題歌)
2019年11月20日発売
【期間生産限定盤】
【通常盤】
アニメイト特典
ブロマイド2枚セット(アニメ&ロザリーナ絵柄)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
TVアニメ『歌舞伎町シャーロック』作品情報
放送情報
TBS、 MBS、BS-TBS“アニメイズム”枠にて放送中!
TBS:毎週金曜深夜 1:55~
MBS:毎週金曜深夜 1:55~
BS-TBS:毎週土曜深夜 1:00~
AT-X:毎週火曜 夜8:00~
リピート放送 毎週木曜 昼12:00~/毎週土曜 深夜4:00~
※放送日時は変更になる可能性がございます。
《配信》
dアニメストア:毎週土曜 昼12:00~
AbemaTV:毎週火曜12:30~
ほか
イントロダクション
新宿區イーストサイド……混沌を極めたその街の中心には、ネオン瞬く歌舞伎町が広がっていた。
光が強けりゃ影も濃い。悪人どもの潜む暗がりの、そのまた奥に探偵長屋の明かりが灯る。
ハドソン夫人の営むその長屋は、なくて七癖、曲者ぞろい。野心満々のケッペキ探偵に、男を化かす姉妹探偵。はたまた刑事くずれのオッサン探偵がいるかと思えば、ヤクザを破門されたアンチャン探偵……
そして真打は、落語をこよなく愛する天才探偵シャーロック・ホームズ。切り裂きジャックによる猟奇殺人が起きたその夜、舞台の幕は上がった。
探偵どもの化かし合いを横糸に、シャーロック、ワトソン、モリアーティ、三つどもえの友情を縦糸に……
ミステリー? いやさコメディ? なんともはや、判別不能ドラマのはじまりはじまり~。
スタッフ
監督:吉村愛
シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン・総作画監督:矢萩利幸
プロップデザイン:清池奈保・津坂美織・久原陽子
色彩設計:藤田恵里香
美術設定:金平和茂
美術監督:片平真司(スタジオアカンサス)
3D監督:磯部兼士(ランドック・スタジオ)
特殊効果:村上正博
2Dワークス:濱中亜希子
撮影監督:荒幡和也
モーショングラフィックス:大城丈宗
編集:濱宇津妙子
音響監督:長崎行男
音楽:伊賀拓郎
オープニングテーマ:EGO-WRAPPIN’「CAPTURE」
エンディングテーマ:ロザリーナ「百億光年」
アニメーション制作:Production I.G
キャスト
シャーロック・ホームズ:小西克幸
ジョン・H・ワトソン:中村悠一
ジェームズ・モリアーティ:山下誠一郎
京極冬人:斉藤壮馬
メアリ・モーンスタン:東山奈央
ルーシー・モーンスタン:東内マリ子
ミッシェル・ベルモント:青山穣
小林寅太郎:橘龍丸
ハドソン夫人:諏訪部順一