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『ヒプマイ』オオサカ「どついたれ本舗」岩崎諒太&河西健吾&黒田崇矢インタビュー

『ヒプノシスマイク』オオサカ・ディビジョン「どついたれ本舗」岩崎諒太さん&河西健吾さん&黒田崇矢さんインタビュー|大阪ならではの笑いの影には怪しさも付き纏う……?

今回の楽曲もレジェンドが制作!

――情報がまだ少ないので、どんなキャラクターなのか多くは語れないと思いますが、簡単にキャラクターの紹介をお願いします。

岩崎:簓は売れっ子の漫才師です。盧笙とコンビを組んでいた過去があるんですけど、他のディビジョンの人、特にヨコハマ・ディビジョンの碧棺左馬刻とも絡みがあるという、謎を秘めたキャラクターです。でも基本お笑い大好きっていう感じですね。

河西:秘めた熱いものを持っている教師ですね。あと、元々コンビを組んでいたので、ちょっとした過去がありつつも「ここが自分の今の場所だから」という潔い良い部分もありつつ、色々と簓に言われても、最終的には「しゃーない、やろか」みたいな義理人情があるキャラクターなのかなと思いました。

黒田:怪しいのはもちろんなんですけど、どの役もみんな裏があったりするので、詐欺師すら嘘かもしれないという、そのぐらい一番怪しい奴ですね。

自分の役なんだけど、これからどういうストーリーが出来上がっていくのか「ここまで裏を考えていたの?」とか、そういうのもあるかもしれない。

自分の役柄に一番自分が騙されそうで、どういうキャラクターなのか、本当に掴みがたい感じがしていますね。さらに、裏がありそう。

――天谷奴 零はオオサカの人間ではないんですよね……?

黒田:そこは言っていいことだと思うんですが、オオサカの人間ではありません。

――なるほど。そして、少し楽曲も聞かせていただきました、本当にみなさんラップははじめてなんですよね……?

岩崎:僕は前から聞いてました。高校生のときからSOUL'd OUTさん(※1)が大好きで、そればっかり聞いてましたね。めっちゃかっこいいんですよ。

曲を聞いてはカラオケで歌い、歌うには覚えないといけないので、それで少しは培われていたところはありましたね。


※1:SOUL'd OUT
MCのDiggy-MO'(ディギー・モー)、Bro.Hi(ブラザー・ハイ)、トラックメーカーのShinnosuke(シンノスケ)で構成されたヒップホップグループ。洋楽ポップスの要素を取り入れたスタイルで一時代を築いた。


――めっちゃくちゃ上手くてびっくりしました。

岩崎:ありがとうございます!! SOUL'd OUTさんのおかげです(笑)。

――実際に収録してみてどうでしたか?

岩崎:カラオケとレコーディングは違いますからね。大阪弁で、しかもあまり自分が歌わないような感じのラップだったので、緊張しました。

自分自身、歌のレコーディング自体が初めてなので、どうやって録っていいかもわからないような状況でしたし、のっけからラップですからね。

全体の曲なんかもテンポが速いんですよ。マシンガンような感じなので、何回もリテイクして。それプラス、キャラクターでのラップなので、そこが難しかったですね。

でもやってみるとめちゃめちゃ楽しかったです。上手い事ハマった時の達成感や爽快感がすごく気持ちいいんですよ。

――実際の曲についてもお聞きできればと。どついたれ本舗の表題曲の「あゝオオサカ dreamin’night」は、楽しい曲でしたね。収録の様子はどうでしたか?

岩崎:めっちゃ楽しかったですね。入りから掴みの「はい、どーもー」ですもんね。ほんまに芸人感丸出しで、結構攻め攻めみたいな。サビも「すっきゃねんって hold me tide」ですからね(笑)。

収録が、これもまた難しかった。デモ曲を聞いて作詞をされているCreepy Nuts(※2)のR-指定さんの歌をずっと聞いて何回も叩き込みましたね。

また、3人共全然違うタイプのラップなんで、1曲聞いているだけで面白くて、1枚のアルバムを聞いているみたいな感じになりますよ。


※2:Creepy Nuts
大阪出身のラッパー「R-指定」と新潟県出身のDJ「DJ松永」の二人で構成されたユニット「Creepy Nuts(クリーピーナッツ)」。「あゝオオサカ dreamin’night」の作詞作曲担当。R-指定は、フリースタイルラップバトル大会“ULTIMATE MC BATTLE”(UMB)で、2012年から2014年まで3年連続での優勝経験もある実力者。テレビ朝日系列で放送されている『フリースタイルダンジョン』では、挑戦者MC陣を待ち受けるラスボスとしても有名。対するDJ松永はDJの日本大会「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIP 2019」のバトル部門で優勝経験もある。


河西:曲自体に大阪感がありますよね。大阪って、お得なこと大好きじゃないですか(笑)。なので、お得感のある曲だなと感じました。

入りも面白い感じで、「なんやろ?」って掴んで、そこから零のダウナー系で入りつつ、盧笙が「え、どうした?」みたいな感じで。

全部が全部、何食べても美味しそうな感じがして、最後サビで締める。「これが『どついたれ本舗』ですよ」という感じがしてて、良い曲だなと思いました。

黒田:面白かったですよ。それぞれの色が出ていて、天谷奴の歌詞がまた面白くて「教師、漫才師、医師、弁護士 師と仰がれし者、皆ペテン師」ってね。

ある種、世の中の真実や真髄を突いている感じがして、この歌詞が好きでしたね。あと、やっぱり天谷奴は怪しい担当なんだなと(笑)。

傘を差し出してあげといて「君、騙されたね」っていうのが詐欺師っぽい。天谷奴 零とかけて「雨宿れ」。「雨宿っていいよ」って言って「あわや奴隷…」とか。

「騙されたのはあんたのせいだよ」っていう責任転嫁というか、自分のやっていることの正当化というか、天谷奴らしい歌詞を上手いこと書くなと思いました。

もう楽しくてあっという間に収録が終わりましたね。残りの時間はずっと雑談してました(笑)。

一同:(笑)。

――そして、ソロ曲もよかったですね。まずは、白膠木 簓の「Tragic Transistor」から。こちらも大阪感満載でしたね。

岩崎:こっちもめちゃくちゃ大阪ですよ。どこを取っても大阪ですもん。ラップですけどダジャレも入り、サビも「大阪もうかりまっかボチボチでんな」ですからね(笑)。THE・大阪ですよ。

「ミナミで茶でもしばいてからどついてやりまっか」ですからね。大阪の人でもなかなか言わないですよ(笑)。

そして最後は、漫才も入りますからね。こんな曲、聞いたことないですよ。

これから先、オオサカ・ディビジョンを代表する曲になっていくんじゃないかなって思いますね。

――しかも、作詞されているのが韻踏合組合のHIDADDYさん(※3)なんですね。


※3:韻踏合組合のHIDADDY
大阪を代表するクルー「韻踏合組合」のメンバー「HIDADDY(ヒダディ)」。大阪らしいノリと言葉を畳み掛ける独自のフロウが魅力。ULTIMATE MC BATTLEにて、4年連続で決勝進出するなどの実力者でもある。現在は大阪にあるアパレルショップ「一二三屋(ひふみや)」の経営もしている。


岩崎:ガチですよ。収録スタジオにいらして、ディレクションしてくださいました。的確に指示をしていただき良いものができましたね。

お笑いのパートは、仮歌をそのまま踏襲するような形でレコーディングしつつ、簓のキャラクターのテンションを乗せてやる感じだったので、歌いやすかったですね。

しかも仮歌もHIDADDYさんだったので嬉しかったですね。

――躑躅森盧笙の「Own Stage」は友情っぽい要素もありつつ、オシャレな印象を感じました。

河西:そうなんです。ムーディーでありつつ、バラードだし、ストーリー性のある歌詞でした。

そこをみなさんに「こういうキャラクターなんだよ」「こういった人生を歩んできたから、今こういう形をしているんだよ」というのをなんとか感じ取って貰えたらなと思いながら、やらせていただきました。

あとは、「Yo!」とか「Ya!」とか「Prrrr!」とか、アフレコ用語で言うところのガヤの部分も教えていただきながら録らせていただいて、ラップって楽しいなって新しく発見できました。

ライブでこの曲を披露した時にしんみりして貰えたら、こっちとしては「やったぞ」と思えるので、そうなれるように頑張っていきたいです。

――練習はどうされていたんですか?

河西:家で口ずさんだり、曲をずっと聞いてました。仮歌をもらってから収録までずっと聞いていましたね。

その中で「あゝオオサカ dreamin’night」の仮歌も来たので、「全然雰囲気違うやん!」って戸惑いましたね(笑)。どうしようって。

でも、こっちは盧笙のキャラ感を全面に出させていただいたので、また違った感じで聞いたいただけたら嬉しいです。

――そして、天谷奴 零の「FACES」は最近の流行りのトラップを歌われていてびっくりしました。また声が渋いので、聞いたときに体がぞわっとしました。

黒田:それは拒否ったんですか?(笑)

――ち、違います!(笑)

岩崎:うおー! すごい! ってことですよね!

――そうですそうです(笑)。

黒田:なんだ、よかったよかった。急にディスられたのかと思った(笑)。

俺からすると、どういうパターンが今までのラップで、どれが新しいのかも分からなくて、本当にジョイマンぐらいしか分からないですよ(笑)。

一同:(笑)。

河西:なななな〜♪ ってやつですよね(笑)。

黒田:そう(笑)。ただ、音楽としてジャンル抜きにカッコイイなと思いました。練習は健吾くんと一緒で何回も聞いてって感じだったんですけど、聞いているだけだと歌詞が分からないんですよね。

散々聞いたのにいざ歌詞見て歌おうと思ったら全然歌えなかったりして「これは難しいな」と。「これは数をこなすしかない」と思って、数えきれないくらいやりましたね。

また、ブロックごとで韻の踏み方が全然違うので、とにかく体で覚えるしかないと思って、まずは仮歌を真似することを必死にやりました。

そして最後の最後に天谷奴 零のニュアンスを出していくということをやりましたね。

――やはり挑戦の連続だったんですね。

黒田:はい。大変でしたね。でも、やってて楽しかったですよ。こんな曲調なのに、突然「テケテケッ!」って言わされたりとか(笑)。

意味は分からないんだけど、やると「有効だな」って感じて、天谷奴のなんとも掴み切れないキャラクターがそこに現れている気がして。

他にも歌詞に無い部分を収録したんですけど「こういう音楽って楽しいな」って思いました。理屈じゃないところで、体が面白いなと感じましたね。この曲でかなりラップに興味を持ちました。

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