『ヒプノシスマイク』ナゴヤ・ディビジョン「Bad Ass Temple」葉山翔太さん&榊原優希さん&竹内栄治さんインタビュー|ナゴヤは混ぜると危険な尖った濃い味
混ぜちゃって大丈夫か?
――そして、楽曲のこともお聞きできればと思います。「Bad Ass Temple」の表題曲「Bad Ass Temple Funky Sounds」からいきましょう。
葉山:僕自身は名古屋市民ではないんですけど、名古屋を知った気になれる曲でした。名古屋弁も出てきますし、「これが名古屋なんだ!」という地元感が味わえる曲ですね。
竹内:一体感みたいな感じもあるよね。
葉山:そうそう。ナゴヤ・ディビジョンはお互いが違う方向を向いているようなキャラクターたちが集まっているんですが、そんな彼らがまとまって「おっしゃ、ブチ上げていくぜ!」みたいなテンションの曲になっていて。ホントに盛り上がれる雰囲気に仕上がっています。
――榊原さんと竹内さんはいかがでしょう?
榊原:言いたいことはリーダーがすべて言ってくれましたね(笑)。
一同:(笑)。
竹内:逃げるなよ!(笑) 聞いた感想としては、お客さんを巻き込んでいろいろできそうな可能性を感じましたね。
榊原:盛り上がり方もキャラクターごとに毛色が違うんですよね。それぞれの個性を活かしながらも、上手くまとまっていて。なんでしょうね……濃い味付けだなって思います(笑)。
一同:(笑)。
竹内:濃いキャラクターが揃っているので、「混ぜちゃって大丈夫か?」と思われたかもしれませんが、いざ混ざってみると一体感がしっかり出ていましたね。
――名古屋らしい濃い味付けになっているわけですね。
葉山:そうですね。濃い味が出ています。
竹内:名古屋のご飯って、これにこれ合うの!? みたいな組み合わせもあるじゃないですか。でも食べてみるとおいしい。まさにそんな感じでしたね。
――ソロ曲についても聞かせてください。まずは榊原さん演じる十四の「月光陰 -Moonlight Shadow-」から。
榊原:十四の曲はラップをしているパートと、彼らしいおしゃれで独特なメロディーラインが流れるパートが交互にやってきて、すごく綺麗にまとまっている楽曲になってます。
その中に僕も大好きな、印象的な歌詞があって。みなさんも曲を聴けば「絶対このフレーズだ(笑)」となると思うので、ぜひ楽しみにしてもらえればと思います。
――ヴィジュアル系バンドのボーカルというキャラクターは、『ヒプマイ』の中でもひときわ異彩を放っているように感じます。
竹内:ある意味ラップとは一番離れているように感じますよね。
榊原:特殊ですよね。歌う中でラップの力を強めすぎると、ヴィジュアル系の力が弱くなったと感じてしまいますし、逆にヴィジュアルっぽく歌うと、フローがうまく決まらなくなってしまうので。そこの調整はすごく頑張りましたね。
葉山:パラメータの振り分け方がえげつないよね。調整が難しい。
榊原:微妙な調整が必要で。彼のヴィジュアル系らしい、独特の声の感じも変化を見せつつやりました。
――続いて竹内さんが演じる獄の「One and Two, and Law」はいかがでしょう。
竹内:獄の楽曲は、ほかのふたりのキャラクターに比べると年齢が高いのもあって、余裕のある、大人っぽい雰囲気だなと感じました。
正統派なラップミュージックだと思ったので、他のふたりの楽曲との差別化も図りつつ、いろいろ考えながら収録しましたね。
――ロカビリーっぽい感じもあって、確かに大人っぽい、渋い雰囲気を感じました。
葉山:獄はまさしくそういったキャラクターですね。
竹内:でも意外と「渋い感じを出そう」と強く意識はしませんでした。でも、色々な箇所に渋さを感じるような楽曲にはなっていると思います。
あと、僕は愛知出身なので随所随所に登場する名古屋弁が嬉しかったです。
――法律の用語がたくさん出てくるのも弁護士らしいと思いました。
竹内:これがまた言いづらいんですよ(笑)。
葉山:歌詞に「六法全書」ですよ! なかなか無い。
竹内:しかも実は僕、法学部出身なんですよ。
榊原:へえー! すごい!
竹内:確かに一年生の時、六法全書は買ったんですけどほとんど開いてないっていう。不真面目な法学生だったから(笑)。
一同:(笑)。
葉山:学歴を活かせる!
竹内:法律のことはもうほとんど覚えていませんが(笑)。
――(笑)。そして葉山さん演じる空却の「そうぎゃらんBAM」です。
葉山:ひとこと言わせてください。難しいです!(笑)
一同:(笑)。
――確かに、今回の楽曲の中では、これが一番難しそうに感じました。
竹内:『ヒプマイ』史上一番難しいソロ曲なんじゃないかっていう話が、スタッフさんの間でちょろっと出ていましたね。
葉山:難しい分、やりがいをものすごく感じていて。これをしっかり決めてみなさんにお見せできれば嬉しいなと思います。
流れるようなフローなので、なんといっても言葉が多いというか。息継ぎのタイミングや、高音から一気に低音に持っていくような技術的な難しさもあります。
ただ、今までにないお洒落な雰囲気にもなっていますね。韻の踏み方もかっちり決めていくのではなく「ここも踏んでいるんだ」というような一見わかりづらい部分にもたくさん隠されていて。
何回も聴きたくなる、噛みしめる味がすごくある楽曲になっています。
竹内:何回も聴いてもまだ分からなかったりするくらい、奥が深いですよね。
葉山:カラオケに楽曲が入っても、何か月も練習しないと歌えるようにならないかもしれませんね(笑)。
一同:(笑)。
竹内:でも歌えるようになったら本当にカッコいいと思います。
葉山:聴きどころとしては、2バース目のナメた感じのところですね。全体的に余裕があって、相手を食った感じがあるんですけど、2バース目はそれが特に際立っていて。すごく小気味いいナメた音になっています。
――楽曲提供されているのが元SOUL'd OUTのDiggy-MO'さんというのも驚きです。
葉山:本当に素敵な楽曲をいただいているので、なんとしてでも歌い上げたいです。
竹内:楽曲にふさわしいような、恥ずかしくないようにやりたいですね。