音楽
斉藤朱夏 1stシングル『36℃/パパパ』に込めた思いを紐解く/ロングインタビュー

“愛してる”は特別で、別格な言葉 でも、今この言葉をすごく伝えたい――斉藤朱夏さんの1stシングル『36℃/パパパ』に込められた思いを紐解く

 

<愛してる>は特別で、別格な言葉 1曲目「36℃」

――1stシングルを制作するにあたっては、どんな話し合いをされたんでしょうか。

斉藤:アニメタイアップが決まっていた「パパパ」が入ることは決まっていたんですが、「あとの3曲はどうしようか」と。ミニアルバムを作って、次はどんな楽曲が必要かなとすごく考えました。

それで、ライブで盛り上がる曲と、リリースが冬ということもあってストレートなラブソングと、応援歌のようなものを歌いたいです!とお伝えしました。そうして生まれたのが、このファーストシングルになります。

――ではそれぞれの曲が完成するまでの背景を教えて下さい。1曲目に収録されたラブソング「36℃」は、最初のブレスから物語に惹き込まれますね。

斉藤:物語はじまってますよね~(笑)。『くつひも』の甘酸っぱくて青春っぽい感じから、少し外れたところにいきたいなという気持ちと、ストレートなものを歌いたいなという思いがあって、ストレートなラブソングを歌いたいなと思ったんです。

でもアーティストデビューしてから早いスパンで発表するファーストシングルで、ストレートなラブソングってどうなんだろう?という気持ちもあったんですが……「ストレートなものが言いたいんだから言わせてよ」というか。「言いたいから、言いたいんだよ!」って(笑)。

――最高じゃないですか。

斉藤:それで私が書いたメモを(作詞を手掛けている)ハヤシケイ(LIVE LAB.)さんに渡して。私の気持ちを通訳して、歌詞にしてもらいました。

――メモはどんなことを書かれていたんですか?

斉藤:最近メモを読み返したんですよ。すっごく恥ずかしいですよねぇ、読み返すのって(笑)。プレゼント、北海道、運命……そういうワードを入れていました。北海道という言葉から<この街の雪は少し重たくて>に繋げてくれたんだと思うんですけど……いざこうやってお話するのもこっぱずかしい(笑)。

――歌詞には<君を愛してる>という言葉もあります。すごくストレートな言葉ですよね。どんな思いが込められているんでしょうか。

斉藤:私の性格上、ストレートに言うことしかできないんですよ。でも<君を愛してる>って言葉はすごく重くて。なかなか言えない言葉でもあるし、私としては人生のうち、ひとりに対して、一度だけしか言っちゃいけない言葉だと思っていて。好きとか大好きって言葉とは違うじゃないですか。ライブではすぐ「好き」って言っちゃいますけど(笑)、<愛してる>は特別で、別格な言葉だと思うんです。でも、今この言葉をすごく伝えたいって思っています。

――その理由は?

斉藤:アーティストデビューをしてから人に愛されていることを実感するんです。応援してくれている皆さん、スタッフの皆さん……みんなが一生懸命応援してくれて、めちゃくちゃ愛を感じるんです。なんかもう、私、みんなに対して恋してるんですよ(笑)。

両想いでも片思いでもなんでもいいんですが、すごく愛されているからこそ#### ――いや、もしかしたら愛されてないかもしれないけど! もしかしたら応援してくれてる人も「え、愛してるまではいかんけど」って人もいるかもしれないけど!

――いやいやいや(笑)。でも、それでも「愛」を伝えたいと。

斉藤:はい。「愛」という言葉を伝えたい。「愛」という言葉に私は引っかかりを持っていて。それでがっつりとしたラブソングにしました。

「愛」以外にも重い言葉が詰まってるんですけどね。離れたくないから<離れない 離さない>離れたくないと言ってる。パッと見みたらちょっと怖いじゃないですか。しかもその前は<永遠に 永遠に>で「大事なことだから二回言ってるよ」という感じで、重みたっぷり(笑)。

でも、私的には「離れないし離さない、それを伝えたいだけだから!」というか。曲のなかでは<私、同じ気持ちでいること それを 運命と呼んでもいいかな>と言ってるけど、「私が運命と思ったらあなたも運命なんだよ!」っていう感じです(笑)。

――分かったな、と(笑)。でもそんな前のめりな気持ちを少し抑えるかのように、優しく温かく歌われていますよね。<楽譜の無い 心臓の二重奏 ぎこちないアレグレット>という詩的な表現もありますが、ここの歌声が個人的にすごく好きなんですよ。

斉藤:ステキですよね! 私も読んだとき、ケイさんに「これマジやばい、天才っしょコレ」って言いました。ようこんな言葉が出てくるなと……。今いろいろな取材を受けているんですが、皆さんここに触れてくるんですよ。ハヤシケイやってくれたなと(笑)。

私はこういう性格なので強く歌ってしまいがちなんです。前に、前にと歌ってしまう。すぐ立ち上がる芸人のような感じですよ(笑)。恋愛相談を受けても「好きって思うなら好きでしょ! 会いたいって思うなら会いたいって言っちゃいなよ!」というか……。

でもこの曲に関しては丁寧に歌っていきました。ひとの肌の温度感を伝えるような、優しい歌いかた。すごく勉強になりました。難しかったけど、新しい自分に出会えた気もしています。

――まさに36℃を感じる声です。36℃いう温度感って絶妙ですよね。

斉藤:私はメモによく温度感についてよく書くんです。まさか「36℃」という言葉がくるとは思ってなかったんですが、確かに人の隣にいたら36℃くらいなのかもしれないなと。私は平熱36.5℃くらいだから……人とひととの間に拳一個分あいたら36℃くらいになるのかな、とか……36℃に対して、いろいろ考えてしまいました(笑)。

――温度感についてよく書くって話、もう少し聞いても良いですか?

斉藤:私は基本的にひととの距離感が近いんです。だからこうやって喋っててもどんどん近くに寄ってしまう。ひとの温度が好きなんですよね。ぬくもりを欲してるのかな……(笑)。

私、人は好きなんですけど、苦手と思うこともあって。「苦手」というと語弊があるかもしれないけど、人間関係って複雑だし難しいじゃないですか。だけど(隣にいる女性スタッフの腕に手をまわして)人の体温ってすごく良いと思うんですよ。すごく温かい。冷え性の人は冷たいけど(笑)。

あと、親からもらった愛情の深さも関係してると思います。基本的に私の親ってずっと引っ付いてて。4人兄弟の末っ子だったからすごくかわいがってもらっていたし、お兄ちゃんは私のことが大好きで。小さいころからベタベタしてたので、それが普通だと思ってたんです。

いまもよくメモメモしてるんですが、大体人の肌の温度感について書いてます。

――そういった温度感も含め「36℃」は斉藤さんらしいメッセージと、いまの斉藤さんならではの想いが詰め込まれているんですね。

斉藤:はい。それと同時に、ケイさんの作った恋愛の教科書のように感じています。私の年くらいの子が共感してくれたり、年上のかたが「懐かしいな、私もそんな時あったなぁ」って思ってくれたり、10代の子が「私もいつかこういう恋愛できるのかな」って考えてくれたら嬉しいなって。とりあえず男子はこれを見て勉強しろって感じです!

(その場にいた男性陣):熟読します!

斉藤:そしたら女の気持ちはすぐに分かりますよ! イチコロっす! 

一同:(笑)

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