アニメ『歌舞伎町シャーロック』山下誠一郎さん、斉藤壮馬さんによる座談会第4弾|ゲストキャスト・鈴木達央さんが作り上げたキャラや探偵たちが紡ぐ物語、細かい要素に「シェルをブレイクしている作品」と2人とも興奮♪
TBS、 MBS、BS-TBS“アニメイズム”枠とAT-Xにて放送中のアニメ『歌舞伎町シャーロック』は、名探偵シャーロック・ホームズが活躍する探偵小説の要素がありつつ、架空の街“新宿區歌舞伎町”を舞台に、コメディあり、サスペンスありのストーリーが繰り広げられるオリジナルTVアニメです。
アニメイトタイムズでは、放送を振り返りつつ、キャストと共に作品の魅力に迫る連載キャスト座談会を企画。
第4弾は、ジェームズ・モリアーティ役の山下誠一郎さん、京極冬人役の斉藤壮馬さんを迎え、印象に残っているシーンや今後の注目ポイントなどについて伺った後編の模様をお届けします!
さりげなく、モリアーティのキャラ性が表れている#05
――これまで放送された中で、思い出深いシーンはどこですか?
京極冬人役・斉藤壮馬さん(以降、斉藤):ありすぎますね。銭湯に行ったったのは#04?
ジェームズ・モリアーティ役の山下誠一郎さん(以降、山下):「モモタローズ」ですね。
斉藤:銭湯回はAパート終わりに、モリアーティの「大丈夫。彼、名探偵だから!!」というセリフからシャーロックが映ったら、股間が〇シャで隠されていて。
山下:(アフレコの時は)ぶらんぶらんしてたのに(笑)。
斉藤:(シャーロックが)ブルンブルン水切りして、モリアーティが「大丈夫、大丈夫」と終わるところが、やっぱり誠一郎くんはこういうのうまいなと思って。
山下:そうですか?
斉藤:意味を持たせ過ぎないというか、Aパートの終わりには完璧だなと思って面白かったし、ワトソンが1つも銭湯のことを理解していないのも面白かった。
次の#05は、メアリ・ルーシーの姉妹回?
山下:お相撲さんか。
――そうですね。#05はモリアーティに注目すると、#03からの流れで、モリアーティにも妹がいるということもあって、ルーシーとの気になる会話がありますね。
山下:ルーシーと話をする時に、さりげなく(モリアーティの)キャラ性が表れていたりするんですよね。
斉藤:あぁ。
山下:飛び降りようとしている文丸を助けようとしないとか、「そろそろ飛び降りそうじゃね?」と言っていたり。
モリアーティの言葉に意味を付けた方がいいのか、サラッと終わらせた方がいいのか、ずっと考えていました。
モリアーティを演じる上では「普通」を大切にしていますが、やはり蝶をバラバラにしちゃっているので、何もない訳ないだろうと。
そういったシーンが後々どういう意味を持っていくのか完成した絵で見られるのが、僕自身も楽しみにしているところですね。
斉藤:#06は「シュ、シュッ」の人のインパクトがすごいよね(笑)。
山下:(笑)。
斉藤:あのラップシーンは、作画もよかったですね。というか、全体的に作画のクオリティがすごいよね。モリアーティとか特にかわいい。
山下:モリアーティは、崩れちゃいけない“美少女枠”みたいになっちゃってますね。
斉藤:京極はアゴ出てるから、崩されちゃってる(笑)。
でもやっぱり、僕は今のところ#06が一番神回だなと思っていて。普通に泣いちゃった。
寅(太郎)がいいキャラだと思ったし、別のアニメを見ているみたいでしたね。#03の京極回も涙はあったんだけど、「終わったね……パーリィが」で笑ったし。
山下:そうですね。だがしかし、後々、あの思い出が回収されるとは露知らず。
斉藤:本当、まさかだよね。
山下:言えないから、楽しみにしていてほしい(笑)。
探偵長屋に集うキャラたちの人情物語&鈴木達央さんが作り上げたキャラに熱中☆
斉藤:話は戻るけど、とにかく#06の(鈴木)達央さんがすごくて。
山下:(鈴木さんが演じた)杉本ですね。
斉藤:あのキャラ作りというか、どこから(ヒントを)持ってきたんだろうね。「(声をマネて)タマぁぁ」って、「なんで?」みたいな。
一同:(笑)。
山下:あれは裏切られましたね。「おぉ!? そうきたんですね!」と。引き出しというか、どの(演技の)棚を開けたんだろう。圧巻でした。
斉藤:リリックは台本通りだったけど、「なぜかオレ、ケツ丸出し」って、「本当になんでだよ!」と思って。
一同:(笑)。
山下:ラップも面白かったけど、そこに理由を求めちゃいけないんだろうなと思いました。
斉藤:ラムネをいっぱい食べて「I can fly」とか、チンキルさんたちがモリアーティにプレゼントをあげて「抜いちゃって抜いちゃって〜」とか、とにかく衝撃的なシーンが多いよね。
山下:写真集! その後、モリアーティの(瞳の)ハイライトがなくなるんですよ、「(虚無な感じで)ありがとう」って。
一同:(笑)。
山下:(完成した映像は)思ったよりヤバい格好の表紙で。「いろいろ見えてる」みたいな。
斉藤:ポーズもちょっとヤバかったよね。#03で言えば、シャーロックのいきなりの「うんこ」も面白かったし、ベッドで(ゴロゴロする見振りを付け)「プウのはずがない……」ってところもかわいかった。
山下:そう、今まで完璧に解決してきたのに「おや? まさか」と。シャーロックも完全じゃないのかなというところを見せつつ、二段構えの展開もすごく楽しくて。
全体像でいうと、絵柄というか、色使いが結構ビビッドだなと。あえてだと思うんですけど、ネオンカラーという点でも、遊撃隊の子供たちも黒人・白人・黄色人種とか、多人種間でバラけていたりとかもして。
斉藤:確かに。「(声マネしつつ)年収一億円と結婚」とか、あの子たちもいい味出してるよね。
山下:顔の作画も凝っていましたよね。本渡(楓)さんが演じているレン子とか、遊撃隊も良いですよね。
斉藤:本当、細かいよね。
――レン子は遊撃隊の中でも低年齢だと思うのですが、口の悪さは、#06で「そんなセリフも!?」と驚きました(笑)。
山下:あの回は、兼古親分もカッコいい。
斉藤:#06は本当に良かったと思う。
ヨシオくんが、モリアーティに真相を打ち明けた時に、「お前なら、この街のリーダーになれるんじゃね」という、モリアーティの語尾が良いなと。
「なれるよ」とか「なれるかもな」じゃなくて、「なれるんじゃね」というのが良いなと思って。あれは、僕がヨシオでも泣いちゃう。
一同:(笑)。
山下:ヨシオになっちゃう(笑)。
長屋のみんなが悪口とか言い合ったりしても、結局、深い情というか、腐れ縁がある。
そんな中での友情、愛情、家族感が、#06くらいになってくると見えてくるし、寅の様に犠牲を払ってでも助けに行きたいというのは、見ていてすごく心を揺さぶられました。
斉藤:(寅太郎が)助けた相手の描いた漫画の主人公が、寅に似ていて、寅が泣くのも良かった。
山下:名前、なんでしたっけ。
スタッフ:若造です。
斉藤:名前、ちょっと適当だよね(笑)。
山下:そうですよね(笑)。ベレー帽をかぶった“漫画の神様”みたいな見た目で。他にもオンエアを見ていて、すごく面白くて「いやいや(笑)」とツッコんじゃうんですよ。
斉藤:わかりやすいオマージュはいっぱいあるよね。
山下:コブラもそうだし。
斉藤:本当にキリがないけど、いい意味で“シェルをブレイク”している作品だなと思いますね。
――いろいろある仕掛けに気付いている方もいると思います。1回見ただけではストーリーの大筋をつかむだけになったりもしますが、よく見ると細かいところにもネタがあるんですよね。
斉藤:そう、小ネタがすごいなと。アフレコが終わっている身としては、やはり何周も見てほしいです。