『ゾンビランドサガ』フランシュシュ The Best収録の新曲「佐賀事変」歌詞のテーマは「女の情念」、楽曲スタッフ陣が語る制作秘話/インタビュー前編
様々なジャンルの楽曲たちのクオリティとシーンのハマり方に刺さる人続出!
――劇中に歌が流れる作品はたくさんありますが、この作品では挿入歌ではなく、むしろ作品のピースの1つであり、欠かせない演出になっていると思います。
古屋:歌によってストーリーが進んでいる感じですよね。
佐藤:おもしろいなと思ったのは普段、アニメを見ない人たちが作品を見てくれていたり、CDを買ってくれている人が多くて。アイドル好きな人とか。
――アーティストやアイドルなどもSNS等で発信してくれて、それを見た方が興味を持つというサイクルもあった気がします。そして作中に流れる楽曲のジャンルがバラバラなのもすごいなと。最初のメタルやラップにも正直、驚かされたし、その後に流れる曲たちも。次はどんなジャンルやタイプの曲なんだろうとワクワクしました。
佐藤:予想してもわからないでしょうね。だって曲同士の繋がりはないから。きっかけもヒントもないし。ヒントがあったのはサキ回の9話くらいじゃないですかね?
「佐賀事変」はゆうぎりセンターの曲! 構想は最終回前!?
――その曲たちが1枚のアルバムに集約されてリリースされます。既存曲に加えて、新曲が収録されていることも注目ポイントです。その1曲の「佐賀事変」はゆうぎりがセンター曲で。インタビュー連載の最終回でゆうぎり役の衣川里佳さんが「ゆうぎり回があれば」とおっしゃっていて。
佐藤:ここで来たかと(笑)。最終回前くらいに新曲を作りたいよねという話はふわっとあって。こんなに盛り上がってくれたから次のことも考えたいなともおっしゃっていて。だったら「どうせアルバム出すんでしょ? ゆうぎりセンターの曲をやりたいな」と。
僕の中でゆうぎりがセンターをやるんだったら「こう言う曲!」と言うのがあったので皆さんに聴いてもらって。
また(MAPPAの)大塚さんも「こういうことやりたいんだよね」というイメージがあって、それがバッチリ合って。「佐賀事変」というタイトルで曲を作りたいですというオーダーで、最終的にこういう形になりました。
ゆうぎりの持つ和のエッセンスとビッグバンドを融合。歌詞のテーマは「女の情念」
――ゆうぎりの持つ和テイストの雰囲気に加えて、ビッグバンド感とミュージカル感あふれて、かなりゴージャスなサウンドですね。
佐藤:エイベックスさんが頑張ってくれました(笑)。ほとんど生演奏なので「徒花ネクロマンシー」と同じくらい費用がかかったんじゃないかな(笑)。
山下:うちの先輩の原(一博)さんのメロディが先にあって、僕はアレンジを担当しました。デモの段階からゆうぎりの持っている和のエッセンスとビッグバンドを融合した雰囲気はあったので、よりキラキラさせたり、ゆうぎりが佐賀からブロードウェイへというイメージを鮮明にさせる作業でした。
古屋:歌詞のオーダーの中心にあったのは「女の情念」で、ちょこちょこ『ゾンビランドサガ』っぽいネタも散りばめています。「女の情念」と言いつつも特定の相手が見えるものではなく、色恋や愛しい人に対して渦巻く感情、ため込むであろう情緒を、今風ではなく、健気に待ち続ける一昔前の女性像で書きました。
でもそのまま書くと未練をつらつら歌う感じになってしまうし、フランシュシュの曲では今まで生きることへの未練について書いたことがなかったし、劇中のキャラも生き返りたいとも言わず、ゾンビになってこれからどうするかしか考えていないので、重苦しい情念というよりは、言葉遊びふんだんで行こうと。
あと、ゆうぎりはステレオタイプの花魁だから花魁キャラを表わす記号って何だろうと考えてみたら着崩すとか武士社会に対して斜に構えて、時に暗躍したりするイメージかなって。
着崩すということはある意味、伝統をもてあそぶ、言葉を崩して入れ替えるところに通じるかなと思って、伝統的な言葉をひっくり返して使ったり、繋がらないけど音が合うからはめ込んだりしてみました。
MVは壮大なミュージカルのような映像に。2期でどう使われるのか楽しみ
――キャッチーで耳障りがいいのに、日本語の言葉遊びや花魁らしい妖しさやアダルトな雰囲気があって。ゆうぎりらしいけど、フランシュシュが歌ったことがないタイプの曲で新鮮でした。歌のイメージやMVの映像の雰囲気などから、ある女性アーティストっぽいなとも思いました。
佐藤:参考にした何かはありますが、そこは想像にお任せします(笑)。ただ1つだけ言えるとしたら、日本のアーティストではないです(笑)。
――今回、MVも制作されていますが、ご覧になった感想は?
古屋:カッコいいですね。
山下:やっとできましたね。僕らは制作の経過はその都度、お聞きしていたので。
佐藤:今回、最終的な曲の作業と映像の制作が同時進行で行われているので、「この動きだから変えても大丈夫かな?」とか映像を確認しながら進めていきました。
山下:個人的な希望的観測もあるんですけど、2期でどう使われるのかな? と。まだ使われるのかもわかりませんが、1期の楽曲たちと同様に映像と合わさった時にどう化学反応が起こるのかが楽しみです。
――あとフランシュシュのMVと考えるとこんなにお金をかけられるようになったくらい人気が出たんだなと。壮大な景色とネオンライトなど作り込んだセットで。
古屋:大人の見方ですけど、作品を長く見ていると予算のレベルとか気になっちゃいますよね。フランシュシュ自体もいい衣装を着られるようになったなと思うし。
佐藤:それはわからないけど(笑)。
――1期と2期の間にこのMVが公開されたことで、2期では人気アイドルグループになった後から描かれるのかなと想像も膨らみます。
佐藤:どうなんでしょうね?。僕も現時点では皆さんと一緒な状態なので……。
【後編へ続く】
『ゾンビランドサガ フランシュシュ The Best』
2019年11月27日発売
CD+BD 6,050円(税込)
発売:エイベックス・ピクチャーズ
▼試聴動画
『ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュ LIVE OF THE DEAD~』
2020年3月8日(日)昼の部 開場12:00 開演13:00、夜の部 開場17:00 開演18:00
会場:幕張イベントホール
出演者:本渡 楓(源 さくら役)、田野 アサミ(二階堂サキ役)、種田 梨沙(水野 愛役)、河瀬 茉希(紺野純子役)、衣川 里佳(ゆうぎり役)、田中 美海(星川リリィ役)ほか
※出演者は予告なく変更される場合がございます。
※公演回数・日時は変更になる場合がございます。変更時は、公式サイトにてご案内申し上げます。
主催:エイベックス・ピクチャーズ株式会社
チケット料金:8,800円(税込)
※「ゾンビランドサガ フランシュシュ The Best」にチケット最速先行抽選券(シリアルコード付き)封入。
※抽選受付期間:2019年11月27日(水)10:00~2019年12月8日(日)23:59
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